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Author: バリット 左由利

佐賀県出身。19歳の時に留学のため渡米。2015年に自然医療で知られるワシントン州のバスティア大学で栄養学を学んだ後、アイオワ州立大学での管理栄養士研修を経て米国管理栄養士の資格を取得。現在、フォーティー・ラブ・ニュートリションを個人で設立し、栄養カウンセリング、ワークショップ、ホルモン検査を通して30代以降の女性の美容、栄養管理、スローエイジング、ホルモンバランスの調整、デトックスをサポートする。 フォーティー・ラブ・ニュートリション ☎️206-234-4246、info@fortylovenutrition.com www.fortylovenutrition.com

肝臓にいい話〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

肝臓にいい話

肝臓はとても忙しい臓器。アルコール、薬などの毒素の分解に加え、体内に取り込んだ糖質のグリコーゲンとしての貯蔵、コレステロールや胆汁の生成、油性ビタミンと鉄分、タンパク質の代謝など、実にさまざまな働きをしています。今回は、どうしたら肝臓を健康に保ち機能を促進できるか、詳しく解説していきます。

肝臓のデトックス機能

肝臓には、体に悪いもの、属さないものを、排泄を通して体外に排出するデトックス機能が備わります。女性ホルモンのエストロゲンの代謝にも関わり、肝臓のデトックス機能が落ちると、ホルモンバランスの乱れの原因に。肝臓のデトックス機能を促すことで活性酸素の発生や体内炎症を軽減できるため、エイジングを遅らせるほか、慢性病の予防にもつながります。 

ただし、悪い物質をフィルター処理する負担が大きくなれば、肝内で炎症が起こり、それが慢性化すると脂肪を蓄積しやすく、肝機能が低下してしまいます。以下の例を参考に食事や生活習慣を改善し、体に悪いものを少しずつ取り除いて予防しましょう。

できるだけ加工されていない食品やオーガニック食材を選んで食べる。
食物繊維を取り入れ、老廃物を腸に送りやすくする。
アルコールやたばこの量を減らす。
体を動かし汗をかいて、悪いものが排出されやすい体内環境に整える。

脂肪肝のリスクと要因

アルコール摂取の有無に関係なく、肝臓に中性脂肪が蓄積する非アルコール性の脂肪肝障害(NAFLD:Non-alcoholic fatty liver disease)になる方が増えています。脂肪が腫瘍壊死因子のTNF-αやインターロイキン6など炎症を発生させる物質の分泌を促す結果、コレステロール値異常、肥満といったメタボ症候群のリスクが上がります。炎症を放置し、線維化が進行すると、肝硬変のような大きな病気の恐れも。脂肪肝の主な要因としては、以下が挙げられます。

体脂肪、特にお腹周りの内臓脂肪
食べ過ぎによる体重増、肥満
血中の中性脂肪の増加
インスリン抵抗性処方箋薬の副作用
過剰なダイエット

脂肪肝の予防策

たくさんの役割を担う肝臓に脂肪を蓄積しないためには、何ができるでしょうか。大事なのは、肝臓が必要な栄養素を取り入れること、肝臓の負担を軽減すること、そして適切な体脂肪や体重を維持することです。以下の5つのポイントを守り、肝機能を向上させましょう。

Do
緑色野菜:肝臓の大好物は野菜! 特にアブラナ科の野菜に含まれるインドール3カルビノール(Indole-3-carbinol)は、肝臓でのデトックスをサポートし、がん予防にも効果的とされる。ブロッコリー、キャベツ、チンゲン菜、ルッコラ、ケールなどを毎日の食卓へ。

アミノ酸:タンパク質の原料となるアミノ酸は、肝臓のデトックス過程の最終段階で必須。鶏肉や卵、魚介類、大豆製品などから良質なタンパク質の摂取を。

コーヒーや緑茶:ポリフェノールやカテキンといった抗酸化物質がたっぷり。肝臓含め、体内の抗炎症効果が期待できる。飲むときはブラックや砂糖なしで。

Don’t
砂糖:菓子やソーダ類、ジュース、アイスクリーム以外にも、ケチャップ、ジャム、多くの加工食品に含まれる。果糖(Fructose)は肝臓で直接処理されるだけに、大きなダメージが。特に異性化糖(High Fructose Corn Syrup)が入っている加工食品は要注意。

体脂肪増:体脂肪が増えると前述の炎症を引き起こす物質が分泌され、炎症が慢性化すれば、肝臓だけではなく全身の機能に悪影響。体脂肪30%以下をキープし、特に内臓脂肪を減らすことが重要に。必要以上にカロリーを摂取しないよう気を付けて。

肝臓に優しい調理のコツ

料理に使うハーブやスパイス、薬味などには、肝機能を高める抗酸化物質が豊富。緑のハーブ(パクチー、パセリ、オレガノ、バジル)ほか、ニンニクやショウガ、パプリカ、ターメリックもおすすめです。普段から料理にハーブやスパイスを取り入れ、新たな味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか? 日本の調味料と違って塩分もなく、バリエーションが広がりますよ。

腸内フローラと体重の関係〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

腸内フローラと体重の関係

私たちの腸内に繁殖する何百兆という細菌は「腸内フローラ」と呼ばれます。今、腸内フローラのバランスが崩れることによる体重増加やメタボリック症候群への影響について、少しずつ解き明かされています。今回は、腸内フローラが私たちの基礎代謝や体重にどう関わるのか、どう改善できるのかを説明していきます。

体重を左右する腸内フローラ

腸内フローラは人それぞれで違うため、実験するにも困難な部分はありますが、最新研究から多くのことが明らかになってきました。腸内菌の中でも、健康をもたらすもの、代謝に害を及ぼして体重増加を引き起こすものに分かれます。以下は、その主な例です。

●乳酸菌:特にラクトバラクトバチルス属ガセリ菌(Lactobacillus gasseri)は、内臓脂肪を減らす効果があるとされる。

●ビフィズス菌:ビフィズス菌のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス菌(Bifidobacterium animalis subsp. lactis)は、マウスの実験で活性酸素を測定する炎症マーカーの軽減が確認されており、代謝を促すと考えられている。

●主要な腸内菌グループの構成比率:ファーミキューテス属菌(Firmicutes)は体脂肪を増やし、肥満の人に多い。逆にバクテロイデーテス属菌(Bacteroidetes)は体脂肪を減らすことがわかっている。つまり、この2種の構成比率により、痩せやすくも太りやすくもなる。

●アッカーマンシア・ムシニフィラ菌:腸内バリアを強くして腸内環境を守るアッカーマンシア・ムシニフィラ菌(Akkermansia muciniphila)。悪玉菌の増加を抑えるため、リーキーガット症候群の予防も期待できる。

腸内フローラの代謝への影響

腸内菌が発酵過程の中で生成する物質が、代謝に大きな影響を与えることもわかっています。腸内菌は、特に食物繊維の多い食べ物を消化することで、代謝に良い物質やホルモンを生成します。この物質はプロバイオティクス(Probiotics)と言われ、代謝の向上だけでなく、炎症や食欲のコントロールにつながると考えられています。 

例えば、短鎖脂肪酸は腸細胞のエネルギー源となる物質で、腸内バリアを修正し、抗炎症効果もバッチリ。体脂肪増の予防にも効果的です。そして、消化管ホルモンのペプチドYYやGLP-1は、食欲を制限し、インスリンの分泌を促します。メタボ症候群の予防にも有効と見られています。

腸内環境の改善で痩せやすい体に

腸内菌の数や種類は毎日の食事内容によって大きく変化します。つまり、食生活の改善で腸内フローラのバランスを良くし、代謝アップを実現できるのです。痩せやすい体を作るには、腸内環境を整えることが近道。プロバイオティクスなどサプリメントもさまざまありますが、以下を参考に、日頃から腸内フローラのバランスを向上させる食事を取り入れてみてください。

●食物繊維を摂取:腸内フローラのエネルギー源となるのが、食物繊維。1日25~35グラムを摂取し、腸内バリアを作って悪い物質の侵入を防ぎ、代謝を上げる栄養素を吸収しやすくしよう。

●加糖や飽和脂肪酸を控える:加糖や飽和脂肪酸は腸内環境に悪影響を与え、腸内フローラのバランスが崩れることで悪い物質の侵入を許してしまう。体内に炎症が起こって、インスリン抵抗性や肥満につながる恐れも。果物、野菜、魚介類などの自然食材を中心とした食生活を目指そう。

●空腹状態を保つ:次の食事まで4、5時間空け、夜は少なくとも12時間のプチ断食を。食べ物が体内に残ったままでは消化や吸収に時間がかかる分、胃腸の細胞修復やホルモンバランスの調整が困難に。人間の体には空腹状態になると腸をきれいにする作用、MMC(Migrating Motor Complex)が備わり、過剰な悪玉菌や古い細胞の処理などを行う。間食を避け、1日3食きちんと食べることが大切。

●水分補給:便秘などで腸に悪いものがたまってしまうと、どうしても腸内環境が悪化しがち。食物繊維を増やすと同時に水分もしっかり取って。

NMNサプリでエイジングを遅らせることは可能?〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

NMNサプリでエイジングを遅らせることは可能?

たくさんの美容サプリが販売される中、特にアンチエイジング商品に興味をそそられるという女性は多いことでしょう。そんなサプリのひとつ、NMN(Nicotinamide Mononucleotide)が老化を防ぐとして注目を浴びています。

NMNとミトコンドリアの関係

NMNとは、私たちの生命維持に欠かせない細胞内のミトコンドリアの機能に影響を与えることで、エイジングを遅延させるという物質。現在も、さまざまな実験が行われ、美容への効果の検証が進んでいます。 

まずは、NMNがどういったものなのか、そして体内でどのように代謝されるのかを知っておきましょう。私たち人間の体は、ミトコンドリアなしには栄養素から必要なエネルギーに変換することができず、生命を維持できません。息をする、心臓機能や血圧を保つ、肌の細胞を生成、筋肉細胞を活性化させる、これら全てが成り立つのも、ミトコンドリアが24時間、エネルギーを作り続けて提供しているおかげ。ミトコンドリアが栄養素をエネルギーに変換する過程で、NAD+(Nicotinamide Adenine Dinucleotide)という物質が使われますが、このNAD+を生成する材料が、NMNなのです。 

材料となるNMNが減れば、当然NAD+も減るため、ミトコンドリアがエネルギーを作ることが難しくなります。つまり、NMNはミトコンドリアのエネルギー生成の効率化に必須。年齢を重ねるにつれ、ミトコンドリアのエネルギー生成の効率が悪くなると、代謝や筋肉が落ちるだけではなく、肌の衰えや慢性病のリスクも上がります。NMNを増やすことで、そうした老化を防げるのでは、と期待されています。

NMNサプリの効果

ただし、NMNサプリを使った動物実験は始まったばかりで、まだ初期段階にあります。人間への実験も行われていますが、規模が小さく期間も短いためにエビデンスが不足し、結論には至っていないのが現状です。NMNサプリの服用で血中のNAD+の量が増加したとの報告も出てきているものの、アンチエイジング効果に結び付けるまでには時間がかかるでしょう。NMNの入るスキンケア製品にしても、高水溶性物質のNMNは肌に塗ったところで、脂肪からできている肌細胞には浸透しにくいと言われます。そのため、サプリで摂取するほうが効果はあると見られています。 

エイジングのプロセスはとても複雑で、さまざまな要因が絡みます。例えば、エイジングの元凶とされる活性酸素は、ミトコンドリアにも悪影響を与えます。この活性酸素が増える原因には、栄養不足、カロリーオーバー、食品添加物やアルコールの害、短い睡眠や休息、座りっ放しの生活、ストレス、慢性炎症、肥満などが挙げられます。そのいくつかに当てはまる場合でも、NMNサプリの摂取でミトコンドリア機能が向上すると言い切れるでしょうか? NMNサプリの服用が効果的かどうかを判断するのは時期尚早で、今後の研究結果を踏まえ、正しく解釈していく必要がありそうです。

エイジングを遅らせる生活習慣

できるだけ活性酸素を軽減し、ミトコンドリアに負担をかけないようにするには、NMNサプリだけに頼らず、栄養状態を整え、健全な生活スタイルに変えることが望まれます。以下は、スローエイジングに大きく関係するので、ぜひ生活に取り入れてみてください。

●カロリー過多にならないよう注意。活性酸素を軽減させる抗酸化作用のある食品は、積極的に摂取を。特に色の濃い野菜や果物、オメガ脂肪酸を含む魚介類がおすすめ。

●食品は加糖や飽和脂肪酸を避け、食物繊維、プロバイオティクスの入るものを選ぶ。食物繊維の多い食べ物は抗酸化物質も豊富なので、毎日食べるようにしたい。納豆やキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品もプラスして。

●食事回数を減らしたり、プチ断食したりすることで、腸内細胞の修復や善玉菌のバランスが整い、腸にたまった毒素の排泄を促進。水分補給を忘れずに。

●適度な運動と発汗は血液を循環させ、デトックスやストレス軽減の効果も大。メンタルヘルス向上にもつながる。週150~200分以上の運動を心がけたい。

●睡眠や休息を十分に取ることで、細胞の修復や炎症の軽減に。スローエイジングには大事なポイント。

「肉体改造」を行う効果的な方法〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

「肉体改造」を行う効果的な方法

ジムへ通い、筋トレをする人が年齢や性別にかかわらず増えてきています。最近は、筋肉を付けて体を引き締め、食べても太りにくい体質に改善することを目指すのがトレンド。今回は、そんな「肉体改造(Body Recomposition)」の基本について紹介します。

体重計の数字の変化で落ち込まない!

体重計の数字とにらめっこをして、カロリー制限などのつらいダイエットを行うのは昔の話。テイーンや女性に多い摂食障害などが問題となっている現在は、体重を減らすことだけを目的とせず、健康な体作りにフォーカスする傾向にあります。 

体重の数字にしか意識が向かないと、短期間で痩せようとして、どうしても無理なダイエットをしがち。栄養失調になりかねず、その結果、基礎代謝や筋肉も落ちてしまい、さらに痩せない体になっていきます。 

体重には、水分や筋肉などが含まれます。筋肉の密度は体脂肪よりも高いので、体重が少し増えても引き締まって見え、何より健康的。数字にとらわれることなく、どういった食事で筋肉や骨を維持できるかを考えれば、ダイエットを長期的に続けられるはずです。 

体重は日々変わるもの。その日の代謝や食事内容、水分、ストレス、睡眠など、さまざまな要因から変化する体重に、いちいち恐怖やいら立ちを感じていたらキリがありません。では、どうしたら体重を気にせず、楽しくダイエットができるのでしょうか? ポイントは、自分の体重は何から成り立っているのかを知ること。そして、ダイエットを目標ではなくライフスタイルの一部として取り入れていくことです。

自分の体重は何からできている?

体重というのは主に以下の要素で成り立っています。

⃝ 水分
⃝ 臓器や細胞
⃝ 体脂肪(皮下脂肪と臓器細胞)
⃝ 筋肉
⃝ 骨
ここで大事なのは、体脂肪と筋肉量のバランスです。体脂肪が体重の30%以上あれば、肥満やインスリン抵抗性、心臓病、糖尿病などのリスクが上がってしまいます。特に、臓器の周りに付く脂肪はメタボリック症候群と大きく関係します。筋肉量は年齢を重ねると共に減少しやすくなるため、まずは体脂肪を30%以下に保つことを目標に、筋肉を付ける食事や運動を心がけましょう。 
 
では、自分の体重のうち、脂肪と筋肉はそれぞれどのくらいあるのでしょうか? 自分の肉体構造を知る方法として、以下の3つが挙げられます。
 
肉体構造を知る3つの方法
DEXAスキャン:ごくわずかなX線を使って体全体をスキャン(Dual X-ray Absorptiometry Scan)し、皮下脂肪や内臓脂肪、筋肉、骨密度を測定。基礎代謝カロリーも計算できます。10分程度ですぐに正確な結果がわかり、食事や運動で肉体がどう変化するのか、違いを知るのに役立ちます。1回につき50~60ドルかかります。

体組織計:生体電気インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis)により、微弱な電流を通して体脂肪と筋肉の量を測定する機能が付いた体重計。ただし、骨密度は計算できません。手頃な価格でそろい、家庭でいつでも安全に使えるのがメリット。

巻き尺:首周りや腹囲のサイズを巻き尺で測り、体脂肪率を割り出すことが可能。測る部分によって誤差が生じるため、正確な手段ではないものの、ある程度の目安になります。腹囲が男性で40インチ以上、女性で35インチ以上だと、肥満やメタボのリスクが高まります。

 
参考文献
1. DEXA Scan: The Gold Standard of Body Composition Analysis
https://dexascan.com/gold-standard-of-body-composition/
2. 4 Ways to Measure Body Fat at Home
https://www.healthline.com/health/how-to-measure-body-fat
3. Assessing Your Weight

メンタルヘルスと栄養素の関係〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

メンタルヘルスと栄養素の関係

私たちの生活に大きな環境の変化を起こしたパンデミック。感染状況は落ち着いてきたものの、精神的影響は残り、たくさんの人たちが今も苦しんでいます。精神状態の向上に貢献する栄養素がいくつかありますので、ぜひ取り入れてみてください。

メンタルヘルスの悩みが深まる前に

精神疾患は身体的疾患の症状と違い、目で確かめられない部分があり、なんとなく落ち込むことや心配することが多くても、放っておけば治ると思いがち。でも、気が付かないうちに症状が悪化するケースが少なくなく、うつや不安症ほか、パニック障害などを引き起こしかねません。 メンタルヘルス不調の原因は遺伝、生まれ育った環境、人生経験などさまざまで、それらが複雑に絡まって症状として現れます。また、神経伝達物質のバランスの崩れから起こるとも考えられています。 

精神状態を向上させるための処方せん薬も各種ありますが、栄養素の吸収に悪影響を与えますので、服用には注意が必要です。以下、メンタルヘルスについて、栄養面で気を付けたいことを中心に紹介していきたいと思います。

脳機能と腸内フローラの関係

腸は第2の脳と言われるほど、脳機能とメンタルヘルスに大きく関係しています。例えば、幸福感や安心感などといった感情、また睡眠や消化などをつかさどるのが、セロトニンと言われる神経伝達物質です。セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから生成されますが、トリプトファンは体内で作られないため、レバー、大豆製品、乳製品、ナッツ類など、食事から摂取する必要があります。 

実は、約90%のセロトニンは腸内で生成されます。つまり、腸内環境の良し悪しがメンタルヘルスにとても大きく影響することがわかります。また、栄養素も腸内で吸収されるため、腸内環境の悪化や腸内フローラと呼ばれる腸内細菌のバランスが崩れると、脳機能に不可欠なビタミンB群やマグネシウムなどの栄養が吸収されず、気分の落ち込みや慢性疲労などの症状が現れます。 

腸内バリアが崩れると、身体に属しない異物が侵入し、さらに免疫細胞にも影響することから、体内炎症などを起こすリスクが上がります。腸内環境を向上できるよう、食物繊維の多い食品を取り入れましょう。逆に避けたいのが、腸に悪影響を与える砂糖、精製食品、飽和脂肪やトランス脂肪を含む食品です。

メンタルヘルスに大切な栄養素とは

次に挙げる栄養素は特に、脳や神経細胞が機能するために欠かせません。うつや不安症になり、食欲が低下して食事では取り入れにくい場合も、できるだけサプリで摂取することをおすすめします。

メンタルヘルスに大切な栄養素
●ビタミンB群:
特にB12と葉酸はセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の生成過程で必須。水溶性のため、すぐに排出される特徴があり、食事だけでなくサプリからもできる限り摂取したいところ。肉、卵、乳製品といった動物性タンパク質に豊富。植物性であれば、緑色の野菜、豆類、そしてニュートリショナル・イーストや全粒粉食品に多く含まれます。

●マグネシウム:
睡眠や安心感を促進。GABAなどの抑制性神経伝達物質の機能を維持しやすくなります。典型的なアメリカ食では不足しがちなため、米国では人口の約50%がマグネシウム不足とも言われます。主にオーツや玄米などの全粒粉食品、パンプキンやチア、アーモンドといったナッツや種、ひよこ豆や黒豆を始めとする豆類から摂取できます。

●亜鉛:
神経細胞のコミュニケーションだけでなく、DNA生成などにも関わる栄養素。潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)や糖尿病などの病気があると、亜鉛吸収に悪影響を与えます。亜鉛の摂取には、カキやカニ、エビ、青魚などの魚介類に加え、牛肉、パンプキンシード、全粒シリアルを食べるようにすると良いでしょう。

●オメガ脂肪酸:
抗炎症作用のある脂肪酸。人間の体では作ることができないため、食事から摂取する必要があります。脳の60%は脂肪でできており、細胞内膜も脂肪で成り立っています。良質の脂肪の摂取により、脳細胞や神経細胞がうまく機能します。オメガ脂肪酸が含まれる食品には主に魚、アボカド、チアやフラックスなどの種、またはナッツ類、植物性油が挙げられます。

●抗酸化物質:
日々生成されて炎症を引き起こす活性酸素を取り除く働きをします。緑茶やコーヒー、ベリーやオレンジなどの果物、ケールやニンジンなどの濃い色の野菜を積極的に取り入れて。

忙しい日々の中でも適度な運動と休息を

気分が落ち込み、うつや不安症などの精神疾患に陥ると、どうしても家にひきこもりがちになり、運動量も低下してしまいます。運動をすると、血液が循環してエネルギー生成に必要な酸素が細胞に行きわたり、元気が出て気分もスッキリします。週1、2回からでも良いので、ウォーキングや軽いジョギングなどを習慣付けたいですね。また、ハイキングなどに出かけて自然に触れることも効果的。朝起きて太陽の光を10分浴びるだけでも、脳機能が活性化されます。 

精神疾患になると罪悪感や努力不足感を覚えやすく、さらに気分が落ち込みます。無理をせず、何もしたくない時はゆっくり休みましょう。アロマテラピーや音楽なども活用し、安らぎと癒やしの時間を作れるよう心がけてみてください。


 
参考文献
  1. Nutrirional psychiatry: Your brain on food
    https://www.health.harvard.edu/blog/nutritional-psychiatry-your-brain-on-food-201511168626
  2. Rverything you Need to Know About Serotonin
    https://www.healthline.com/health/mental-health/serotonin
  3. Magnesium Fact Sheet for Health Professionals
    https://ods.od.nih.gov/factsheets/Magnesium-HealthProfessional/
  4. The Emerging Role for Zinc in Depression and Psychosis
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5492454/
  5. Micronutrient Inadequacies in the US Population: an Overview
    https://lpi.oregonstate.edu/mic/micronutrient-inadequacies/overview
  6. Omega-3 Fatty Acids and Mood Disorders
    https://www.todaysdietitian.com/newarchives/011012p22.shtml

2023年に流行る健康食品は?〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

2023年に流行る健康食品は?

食品メーカーはさまざまな健康食品を毎年開発しています。今回は2023年に流行しそうな健康食品を取り上げ、活用法も併せてご紹介。健康ブームに乗って、今年はプラントベースの生活を送ってみませんか?

アメリカで健康食品の需要が拡大する背景

健康志向が加速しているアメリカ。スーパーマーケットの棚にはたくさんのヘルシーな食品が並びます。その理由のひとつとして、アメリカ人の肥満、糖尿病や心臓病などの慢性病が増加傾向にあり、若者の間でもリスクが高まっていることが挙げられます。人々の健康を取り戻すことが国の大きな課題となって久しいアメリカではまた、肉食大国ゆえの問題も。過剰な畜産は環境や食品の質に悪影響を与えており、牛のげっぷに含まれるメタンガスのほか、生産過程で排出される温室効果ガスが引き起こす地球温暖化も深刻です。

アメリカで今年注目される5つのスーパーフード

そんな中、食品メーカーは人々の健康と環境問題の改善に役立つ商品を次々と世に送り出しています。以下、2023年の健康食品トレンドについての予測をまとめました。購入の際の注意点やポイントも押さえておきましょう。

2023年、5つの注目スーパーフード
●プラントベース・ミート
ベジタリアンやビーガンのブームが続いているアメリカでは、大豆製品や野菜などを使って作られる植物由来の疑似肉がますます人気を集めそう。ただ、食品ブランドによっては、遺伝子組み換えの大豆や小麦、体に悪い油などを使用している場合も。原材料はきちんと確認を。また、塩分が高いものも多数。野菜や豆の自然食材でできている製品を選ぶのがコツ。
【おすすめ商品】Dr. Praeger’s California Veggie Burgers、Trader Joe’s Quinoa Cowboy Veggie Burger、Amy’s Kitchen Organic California Veggie Burge

●グルテンフリー・パスタ
定着しつつあるグルテンフリー・パスタはレベルアップし、最近は豆が原材料となるパスタもバラエティー豊か。特にひよこ豆でできたパスタはタンパク質が豊富なうえ、クセのない後味で食材を選ばず、どんなソースとも相性バッチリ。ニュートリショナル・イーストを使ったチーズソースと合わせるとさらに栄養価が上がり、クリーミーな食感もヤミツキに。米粉で作られたパスタも要チェック!
【おすすめ商品】Banza Chickpea Pasta、Trader Joe’s Organic Brown Rice Pasta

●海藻・こんにゃく
日本人になじみ深い海藻類やこんにゃく商品がヒットする可能性大。カロリーが少なく、食物繊維もたっぷり。こんにゃくに含まれるグルコマンナンという成分は、腸内環境を向上させ腹持ちも良いため、ダイエットに取り入れるにも◎。海藻麺やこんにゃく麺はスー2023年に流行る健康食品は?プや焼きそばなどにピッタリ。
【おすすめ商品】Miracle Noodle、Sea Tangle Kelp Noodle、House Foods Tofu Shirataki

●デーツ
肥満や糖尿病の増加で砂糖の摂取を見直す傾向にあり、その分自然の果物に目が行きそう。特に、ペーストやジャム、シロップなどにして食べられるデーツは注目株。ただし、甘みが強いデーツは糖質も多いため、食べ過ぎるとかえって身体に悪影響を与えるので注意。

●魚の缶詰
抗炎症作用のあるオメガ脂肪酸に富む魚は、アメリカでも人気上昇中。価格やサステナビリティーの点から、特に魚の缶詰が流行りそう。イワシやサバといったサステナブルな魚なら文句なし。塩分や小麦、大豆などが加わっている可能性があるため、缶詰を購入する際は原材料や栄養表示を必ず確認して。

 
参考文献

① The Top 10 Healthy Food Trends to Expect in 2023
https://www.everydayhealth.com/pictures/top-healthy-food-trends/
② Healthy Foods Trends 2023
https://www.totalnutritiontechnologycharlotte.com/healthy-food-trends-of-2023/
③ Optimization on production of konjac oligo‐glucomannan and their effect on the gut microbiota
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6392846/

今からでも遅くない! 基礎代謝を上げる体にリセット〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

今からでも遅くない! 基礎代謝を上げる体にリセット

新年明けましておめでとうございます。食べ過ぎ飲み過ぎになりがちな年末年始シーズンが終わり、これから体調を整えたり、ダイエットに挑んだりする方も多いことでしょう。今回は、簡単に減量できるコツを栄養面から伝授します。

ダイエットが続かない理由

「これまで、いろいろなダイエットに挑戦したけれど続かない」という声はたくさん聞きますが、もともと私たちの体はダイエットを続けるのが難しい仕組みになっています。それは、私たちの体の目的が、痩せることではなく生命を維持することだから。カロリー制限や極端なダイエットをすると、体重計の数字を一時的に下げることができたとしても、逆に代謝が落ち、筋肉や骨の量も低下して痩せにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。また、栄養不足で空腹感ばかり感じ、結局ダイエットが続かないことに。では、どうすれば無理なく効果的に減量できるのでしょうか? そのカギは、私たちの代謝にあります。 

そもそも代謝とは、何でしょう。代謝とは、炭水化物、タンパク質、脂質から搾取したカロリーをアデノシン三リン酸(ATP:Adenosine Triphosphate)いうエネルギーに変え、そのエネルギーを内臓の機能ほか、呼吸、体温維持、細胞の修復、消化や吸収、筋肉の増加、脳神経など、生命の維持に使うまでの過程を指します。特に内臓を動かす基礎代謝には、私たちが食物から摂取するカロリーの60~70%が使われています。代謝に使われず余ったカロリーは、まず肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、さらに余ると脂肪として脂肪細胞に回されます。これが体脂肪です。つまり、内臓をよく動かして基礎代謝を向上させれば、脂肪がたまりにくくなるので、ダイエットに成功しやすいと言えます。

体脂肪を落とすメカニズムを理解する

体重は主に、水分、内臓、筋肉、骨、そして脂肪で成り立っています。筋肉は脂肪より重いので、筋肉が増えるにつれ自然と体重も増えますが、それは健康である証拠。体重計の数字を追うのではなく、体の構成を改善していくことが、きれいな体作りにつながります。可能であれば、低線量のX線で脂肪や筋肉、骨密度などを検査するDEXAスキャンで自分の体の構成を知ると、適切な体重維持のための大きな手がかりになるでしょう。 

体脂肪を落とすには、自分の普段の代謝量より、やや少なめのカロリー摂取を維持することがポイントです。タンパク質を意識したバランスの良い食事を心がけることで、体脂肪は落ちていきます。内臓機能を高め、基礎代謝が上がる栄養素を取り入れられればなお良し。極端なカロリー制限ではないので、長期的に続けやすいはずです。そのうえで、基本的な運動や筋トレを行うと、カロリーが脂肪として蓄えられるのを防ぎ、エネルギーとして使われやすくなります。また、代謝は食事や運動だけではなく、ストレス、血糖値、体内の炎症、睡眠の質にも左右されます。なかなか痩せない方は、ひとつずつ改善し、代謝を向上させていきましょう。

基礎代謝を上げる方法とは

前述の通り、内臓機能を高めて基礎代謝を上げることは体脂肪を落とすための近道。以下の5つを実践し、今年こそ理想の体型を手に入れてください。

基礎代謝を上げるための5項目
●内臓機能を促進:ホルモン生成や体内組織の材料となるタンパク質を積極的に取り入れて。ビタミンB群、マグネシウム、鉄分は、カロリーをエネルギーに変える過程に関わっており、摂取することで代謝もアップ! 内臓機能に必要なエネルギー生成にも必要不可欠です。

●内臓への負担を減らす:ホルモンの分泌やタンパク質の合成などを担う肝臓に、できるだけ負担をかけないことがベスト。アルコールやカフェインを控え、オーガニック食材をたくさん食べて内臓の働きを活発にし、基礎代謝を上げていきます。

●朝食をきちんと食べる:朝は血糖値がいちばん低い時間帯。タンパク質と食物繊維が豊富なバランスの良い朝食を取ることで、血糖値を安定させるだけでなく、体にスイッチが入り、その日の活動量が増えます。内臓が活発に働き、基礎代謝も上がって、いいこと尽くし!

●食事にもおやつにもタンパク質:タンパク質は3大栄養素の中でも食事による産熱効果(TEF:Thermic Effect of Food)が高く、消化、吸収されるのにいちばんカロリーを消費します。食べるだけでカロリーを消費できるうえ、満腹感もあり、代謝アップにはもってこい。

●大きな筋肉を鍛える:筋肉量が多ければそれだけエネルギーを要します。基本的なウエイト・トレーニングを胸、背中、足など、大きな面積を持つ筋肉に絞って行うだけでも効果あり。筋トレ後は30~60分以内にタンパク質を取ると、さらに代謝が良くなります。

 
参考文献

体重増加はストレスのせい?〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

体重増加はストレスのせい?

どんなに食事や運動に気を付けていても、なかなか痩せないという方は多いのではないでしょうか。それは、ホルモンが関係しているかもしれません。その原因と対策を探っていきましょう。

ストレスホルモン、コルチゾールとは

特に40歳以降では基礎代謝が低下し、肥満や糖尿病などのさまざまな慢性病のリスクが上がると同時に、体重維持も難しくなります。頑張ってもなかなか痩せないと、次第に自信を失い、ストレスもたまる一方。そうなれば、さらに体重が落とせない悪循環に陥ってしまいます。 

実は、体重増加の要因のひとつに、コルチゾールという「ストレスホルモン」の影響が挙げられます。脳で感知された身体的、精神的ストレスは脳から副腎に伝わり、ストレスに対応できるようにコルチゾールが分泌されます。その結果、脳の機能が向上して集中力は高まりますが、血圧や血糖値の上昇、胃腸機能低下を招きます。私たちの体をストレスから守るために、コルチゾールの分泌は欠かせません。しかし、一時的なら良いのですが、それが慢性化してしまうと、以下のように、逆に体へ悪影響を及ぼします。

コルチゾールの過剰分泌がもたらすリスク
●食欲増加  
●血糖値の上昇
●インスリン抵抗性
●体重増加、肥満
●糖尿病、高血圧
●胃腸疾患
●炎症
●免疫機能低下
●うつ、不安

ストレスとインスリンの関係

では、体重増加について、コルチゾールはどのように関係しているのでしょうか? 前述の
通り、ストレスに対応するため、コルチゾールは血糖値の上昇を促します。すると、血糖値の上
昇に反応して、すい臓がインスリンというホルモンを分泌。インスリンは細胞に糖分の存在を
知らせるシグナルを送り、血糖値を下げるよう働きかけます。

インスリンのおかげで細胞は血中の糖分を吸収し、エネルギー生成を行うことができます。
ただし、コルチゾールの過剰分泌により糖分が吸収されず、血糖値が上昇したままだと、すい臓
はさらにインスリンを分泌しますが、糖分は脂肪細胞として蓄えられてしまいます。それが、
体重増加や肥満の要因となるわけです。

また、細胞自体がインスリンに反応しなくなるインスリン抵抗性、さらには糖尿病につなが
る恐れも。細胞が糖分を吸収できないので、甘いものや炭水化物を過剰に欲するようになり、
疲労感などの症状が表れます。一般的にアジア系の方はストレスに強いとされますが、その分
無理をして、症状に気付かないまま健康を害してしまうケースも多く見受けられます。

要注意! ストレス過多のサイン
●甘い食べ物への欲求
●食後の疲労感
●慢性疲労
●不眠
●顔やお腹周りの脂肪
●体重増加
●消化不良、膨満感、便秘などの胃腸疾患
●頭痛やうつ、パニック障害

ストレスと向き合う

この機会に自分が感じているストレスを認識して、解消法を見つけていきましょう。ストレスは人によって感じ方が違います。現代の忙しい生活では、気付かないうちにストレスを抱えていることが多々あります。自分では大丈夫と思っていても、体に症状として表れてきます。 

まずは、自分が何にストレスを感じているのかを書き出してみましょう。そして、そのストレスがあって良かったことを考えてみてください。誰しもストレスを感じている物事に対しては悲観的になりがちですが、良い側面を見出すことでストレスの感じ方も変わってきます。 

たとえば、いつも渋滞に巻き込まれてストレスを感じる場合、どんなメリットがあるのか想像してみます。ゆっくり安全を確認しながら運転できる、車中で好きな音楽を聴きながら自分の時間を過ごせる、などと挙げていくと、ストレスの感じ方が変わり、気持ちが楽になることでしょう。

ストレスに強くなるために

コルチゾールの分泌が慢性化すると、胃腸機能も低下します。そうすると、さまざまな栄養素の吸収に影響し、特に水溶性ビタミンのB、C群を消耗しやすくなるため、注意が必要です。 イベント続きで忙しくなるホリデー・シーズン、栄養面、生活面では以下を踏まえ、ストレスにうまく対応していきましょう。新しい年に向け、毎日続けやすい健康的なリラクゼーション方法を見つけることも大切です。

●血糖をコントロール:精製された炭水化物は、必ずタンパク質や良質の油を一緒に取ること。コルチゾールにより乱れた血糖値を安定させ、満腹感も得られるので、ストレスによる過食を減らすことができます。
●抗酸化物質は必須:体にストレスがかかると、水溶性ビタミンや抗酸化物質を消耗してしまい、肌トラブルや体重増加の要因に。そのため、食事やサプリで補うことが肝心。特にビタミンB、C群、オメガ3脂肪酸などは、ストレスが多い時の味方です。睡眠トラブルがある方は、マグネシウムも取ってみましょう。食事には柑橘系果物、緑黄色野菜、豆類、肉類などをバランスよく取り入れましょう。
●消化や副腎機能を助ける食べ物:ストレスにより胃腸機能が低下すると、胃酸をうまく分泌できず、消化不良、便秘、細菌感染、腸内細菌異常増殖症候群(SIBO)などの胃腸疾患を引き起こします。消化を促進させるショウガやペパーミントほか、善玉菌が豊富なヨーグルト、発酵食品の摂取を心がけましょう。また、消化酵素が含まれるパパイヤ、パイナップル、マンゴーなどもおすすめ。
●適度な運動も忘れずに:運動で血行が促進されると、エネルギー生成の材料となる酸素が細胞に行き渡るので、気分良く過ごせるはず。ストレス発散にも効果的。また、代謝の向上や免疫細胞の活性化も期待できます。
●睡眠の質を高める:寝付きが悪い方は、夜にタンパク質を多く摂取してみてください。「幸せホルモン」のセロトニンが作られやすくなり、快眠効果は抜群。逆に避けたいのは、油ものや炭水化物です。睡眠中の胃腸機能や血糖値に悪影響を与えるため、なるべく控えましょう。


参考文献

  1. Does Cortisol Affect Weight Gain? https://www.healthline.com/nutrition/cortisol-and-weight-gain#cortisol-basics
  2. Stress and Obesity: Are There More Susceptible Individuals? https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5958156/
  3. Eat These Foods to Reduce Stress and Anxiety https://health.clevelandclinic.org/eat-these-foods-to-reduce-stress-and-anxiety/
  4. Association Between Dietary Protein Intake and Sleep Quality in Middle-Aged and Older Adults in Singapore https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8959711/

お腹の調子が悪いのは、もしかしてSIBOが原因?〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

お腹の調子が悪いのは、もしかしてSIBOが原因?

現在、過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)と見られる胃腸疾患で悩む方が増えてきています。ただ、この中には腸内細菌異常増殖症候群(SIBO:Small Intestinal Bacterial Overgrowth)の疾患を持つ方も含まれているかもしれません。

ひと際増えているSIBOとは

実は、IBSと診断される患者の約80%が、SIBO疾患ではないかと言われています。もしそうであれば、SIBOを治療することで、IBSほかの胃腸症状も緩和できるかもしれません。SIBOの原因は、まだはっきりとわかっていませんが、何らかの理由で腸内細菌が異常に増加し、以下の症状が現れるようです。IBSの症状と似ていることも特徴です。

○腹部膨満
○腹部の痛みや痙攣
けいれん
  

○便秘
○下痢
○食後の疲労感
○ブレインフォグ(脳の霧)
○肌荒れ
○関節痛や片頭痛
○腸漏れ(リーキーガット)症候群 

また、SIBO疾患のほとんどで胃酸や消化酵素が減少し、消化不良、栄養吸収不良に陥ることが知られています。腸に何らかの疾患があると、胃腸機能への影響だけではなく、うつなどの精神疾患、甲状腺機能低下、肥満などのリスクも。症状が気になる方は、かかりつけ医に相談して検査を行い、栄養面でも食事療法を取り入れていくと良いでしょう。

SIBOの診断方法と治療

 SIBOの診断によく使われるのは、ブドウ糖やラクツロースを使用した呼気検査です。腸内で健康に悪影響をもたらす細菌は、 消化されていない炭水化物の発酵で増殖します。その過程でメタンガスと水素ガスが発生し、肺呼吸を通して外部に出されます。SIBO疾患の方は、どちらのガスがより検出されるかで症状も異なってきます。たとえば、メタンガスが多いと便秘がちで、水素ガスが多いと下痢症状を引き起こします。ほかに、検便や腸内視鏡検査などで詳しく調べることもあります。 

診断確定後は、異常細菌を減らすために、一般的にはリファキシミン(Rifaximin)という抗生物質が処方されます。抗生物質に抵抗のある方はハーブ治療も可能で、オレガノオイルなどのハーブをブレンドした薬で細菌を減らせます。両方とも効果的な治療ですが、再増殖を防ぐために何回か行うことになります。細菌増殖に歯止めがかかってから、細菌増殖の予防や胃腸機能の向上を目的に、栄養面からさまざまな対策を行います。

栄養面からの対策

SIBO疾患では細菌異常により、腸内炎症が起きたり、胃腸機能が衰えたりします。そこで、腸内の炎症やダメージの軽減ほか、腸細胞の正常化、栄養素の消化・吸収アップを優先させます。お腹の調子が悪いのは、もしかしてSIBOが原因? 

まず、抗炎症作用があり、胃酸や消化酵素の分泌を促進する食べ物やサプリを摂取します。また、細菌増殖の予防には、ストレス軽減を含め生活習慣の改善が望まれます。腸の蠕ぜんどう動運動を活発化させるエクササイズやハーブなども有効です。 

腸内の炎症やダメージを抑える食べ物としては、抗酸化作用のある緑黄色野菜や魚介類などが挙げられます。また、SIBO疾患で吸収しにくくなる栄養素をサプリで補うのも良いでしょう。消化、吸収を手助けする食べ物は、殺菌作用のある胃酸や胆汁酸などが減少し細菌増殖が起こるのを防いでくれます。

【積極的に摂取したいもの】

●ビタミンB12:胃酸がないと腸内で吸収できないため、胃酸が減少するSIBOには特に必須。肉類、卵、乳製品、ニュートリショナル・イースト、シリアルに豊富。
●脂溶性ビタミン:ビタミンA、D、E、Kは、すい臓から分泌する消化酵素や肝臓で作られる胆汁がないと腸内で吸収するのが困難なので、食事やサプリから積極的に摂取を。同時に消化酵素の分泌を助けるサプリも取り入れて。
●ショウガ:消化、吸収を促す。症状によっては、ベタイン(Betaine)HCI、フォスファチジルコリン(Phosphatidylcholine)など、消化促進のサプリで補うことも検討したい。

【極力避けたいもの】

●果糖や飽和脂肪酸:腸内に悪影響を与え、症状を悪化させる。
●加工食品、グルテン、乳製品:治療期間はできるだけ避ける。

 減少する消化酵素を補うため、腸内の排出機能を高めていくことも大切です。腸内に消化されずに残った食べ物がたまっていき、さらに症状が悪化しがち。また、ストレスや食事により、腸の自動蠕動機能(MMC:Migrating Motor Complex)が下がるので、間食を避ける、次の食事まで少なくとも4、5時間空ける、夕食から朝食までは12時間ほど空けると良いでしょう。そうすることで、腸内にたまった悪いものを排出しやすくなります。 

SIBO疾患は原因も症状もさまざま。抗生物質で一時菌を排除できても、再発率や抗生物質抵抗リスクが高いうえに、善玉菌が減少するデメリットも。専門家と共に細菌異常増殖の原因を探り、個々に合った食事やサプリを見つけていくことが最善の策と言えます。


参考資料

  1. Treatment and Management of SIBO https://www.todaysdietitian.com/newarchives/121112p16.shtml
  2. Small Intestinal Bacterial Overgrowrg https://foodandnutrition.org/from-the-magazine/small-intestinal-bacterial-overgrowth/ 
    3.Small Intestinal Bacterial Overgrowth and Irritable Bowel Syndrome: A Bridge between Functional Organic Dichotomy
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5347643/                       4.Chemical Digestion and absorption- a closer look https://courses.lumenlearning.com/suny-ap2/chapter/chemical-digestion-and-absorption-a-closer-look/                                                                              5.Harbal Therapy https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4030608/ 

40代からの慢性疲労〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

40代からの慢性疲労

秋に移り変わり体調を崩しやすい時期、疲労感を覚える方も多いことでしょう。特にエネルギー生成が衰え始める40代以降は、慢性疲労に悩む方も多いようです。今回は主に栄養面からどう対策すれば良いかを解説します。

私たちを元気にするミトコンドリア 

慢性疲労の原因は、貧血、感染や自己免疫病による体内の炎症のほか、カロリーや栄養、運動の不足である可能性も。私たちの体内では、赤血球を除く全ての細胞内でミトコンドリアが活躍しています。ミトコンドリアは、「エネルギー生成工場」とも言われる存在。ミトコンドリアにより私たちの生命は成り立ち、生き延びることができるのです。私たちが呼吸をし、酸素を取り込めるのも、このミトコンドリアがあるおかげです。 

私たちの元気の素とも言えるミトコンドリア。では、どうやってそのエネルギーを生成しているのでしょうか? ミトコンドリアは、常にエネルギー源としてアデノシン三リン酸(ATP:Adenosine Triphosphate)という物質を生成しています。ATPが効率的に生成されることで、私たちの体内細胞の機能が保たれ、元気になれるのです。 

ATPを作る原料としては、主に炭水化物に豊富なグルコース(糖分)が使われます。ミトコンドリアは、脂肪やタンパク質からもエネルギーを作ることができますが、効率性に欠けるため、グルコースを使ってのエネルギー生成を好みます。また、ミトコンドリアの炭水化物をエネルギーに変える力が強いほど、代謝も向上して理想体重を維持しやすくなるでしょう。

エネルギー生成に必須の栄養素 

ミトコンドリアがエネルギーを効率良く生成するためには、以下の栄養素が不可欠です。

●グルコース 主に穀物、果物、野菜から摂取できる。また、蜂蜜やジュースにも含まれる。

●ビタミンB 群特にリボフラビンやニコチン酸は、エネルギー生成過程の効率アップに役立つ栄養素。肉、 魚、卵、乳製品など動物性食品に豊富。ベジタリアンは、シリアルや豆類、ニュートリショナルイースト(栄養酵母)から摂取を。

●マグネシウム 細胞内のエネルギー量を一定に保つ。ホウレンソウやケール、豆類など植物性食品に多い。骨内部に蓄えられ、骨を形成する成分のひとつでもある。骨細胞が減少しがちな更年期に、カルシウムと共にサプリで摂取するのがおすすめ。

●CoQ10 エネルギー生成過程の最後のステップに必須。抗酸化作用でミトコンドリアを守る働きも。体内でも生成できるが年齢と共に減少するため、肉や脂ののった魚などから積極的に取る必要あり。

●鉄分 赤血球内のヘモグロビンの一部となり、エネルギー生成過程で最後に必要な酸素を細胞に送る働きをする。貧血や腎臓病で赤血球が減少すると、酸素がうまく循環しなくなるので要注意。ただ、鉄分のサプリは体内で酸化しやすいため、医師に言われない限り避けたほうが無難。なるべく、脂の少ない赤肉、緑色の野菜、大豆などの豆類から摂取することを心がけて。

ミトコンドリアを活性化させる方法 

私たちが毎日を元気に過ごせるように気を付けていきたいことがいくつかあります。まず食事面では、十分なカロリーと炭水化物を取ることが必要。エネルギーを作るには、カロリーをしっかり補い、食物繊維の多い炭水化物を摂取することが大事です。全粒穀物、野菜、果物から不足なく炭水化物を取り入れましょう。総摂取カロリーの45~65%を炭水化物から補うことが理想です。 

ビタミンB群も前述の通り、特にリボフラビンとニコチン酸はミトコンドリアのエネルギー生成過程で欠かせません。水溶性の栄養素なので、ストレスが多いほど消耗しやすくなります。食事で取れないときはサプリも考慮しましょう。 

運動面では、有酸素運動をぜひ取り入れたいところ。ATPを効率良く生成するために、酸素を必要とする運動を日々心がけましょう。ウォーキング、軽いジョギング、スイミング、サイクリングなどが良い例です。脳の活性化を促進する効果もあり、心身共にスッキリします。 

休息とリラックスする時間も大切。疲労感が続くなら、体にストレスがかかっているサインかもしれません。7、8時間の睡眠はもちろん、こまめに休息を取り入れて、深呼吸も忘れずに。家族や友だちとの有意義な時間も、心身のリセットになります。 

食事や生活習慣を改善しても疲労感が消えない場合、糖尿病などの病気が原因であることも考えられます。医師に相談して疲労の原因をはっきりさせましょう。


参考資料

  1. Ubiquinol  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8241707/ 
  2. 9 Benefits of Coenzyme Q10 https://www.healthline.com/nutrition/coenzyme-q10#TOC_TITLE_HDR_2 
  3. Oxygen Transport   https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK54103/ 
  4. The Mitochondorion  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK26894/ 

栄養療法(メディカル・ニュートリション・セラピー)とは?〜栄養学で若返り!スローエイジング

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栄養療法(メディカル・ニュートリション・セラピー)とは?

アメリカには、メディカル・ニュートリション・セラピー(MNT:Medical Nutrition Therapy)と呼ばれる栄養療法があります。今回はその手順や効果について詳しく解説します。

保険でカバーできる可能性あり!

MNTは、栄養や食事についてのカウンセリングで病気の予防や症状の改善が期待されるときに施される医療サービスです。提供できるのは資格を持つ米国管理栄養士のみ。メディケアやメディケイドの公的保険だけではなく、個人の健康保険も適用されます。 

特に糖尿病や心臓病、腎臓病などの慢性疾患は、食事療法で症状が緩和されることがあり、再診(フォローアップ・セッション)料が制限なくカバーされるケースも。慢性疾患がなくても、自分に合った食事を知り、病気予防に努めたいなどの理由で予防処置と認められれば、保険プランによっては100%カバーできます。この機会に自分の健康を見直し、MNTを受けてみませんか?

対応する機関は?

では、どこでMNTを受けられるのでしょうか? 管理栄養士個人が提供するサービスほか、管理栄養士が従事する病院や医療施設なども利用できます。後者の場合、医師がMNTを必要と判断した場合に直接、管理栄養士にリファーラルと呼ばれる紹介状が渡り、同じ病院でMNTを受けられるため、よりスムーズです。医師の推奨がなくても、栄養カウンセリングが必要だと頼めば、きちんと考慮して紹介状を出してくれるはずです。 

今は管理栄養士も個人でオフィスを持つ傾向にあり、医師の紹介状は必ずしも求められません。専門分野も、体重維持やホルモンバランスほか、糖尿病、がん、腎臓疾患と幅広いので、症状や疾患に合う管理栄養士を探し、相談すると良いでしょう。

セッションの流れ

管理栄養士には、事前に問診フォームへの回答を提出します。管理栄養士はセッション前に入念なリサーチをし、適切な栄養アドバイスの準備をしていきますので、この質問にきちんと正確に答えることが効果的なセッション実現への近道です。 

セッション自体は、以下のA・D・I・M・Eを基準に進めていきます。

A (Assessment):

現在の食事内容だけではなく、病歴やアレルギー、胃腸疾患、ストレス、睡眠、運動、服用するサプリや処方せん薬の有無などに基づいて評価。そのうえで、どの栄養素や食事療法が適切かを判断していく。

D(Diagnosis):

Aの情報を基に、病気や症状につながっている原因を栄養面から診断する。

I(Intervention):

Dの結果を踏まえて、最も適切で効果的な栄養アドバイスや指導を行う。次回のフォローアップ・セッションまでの目標を立て、目標を達成しやすくするためのさまざまなリソースも提供。

M(Monitoring):

いわゆる経過観察。Iで立てた目標をどう日々達成しているか確認し、サポートする。特に、糖尿病や胃腸疾患、腎臓病などの慢性疾患は、1~3カ月の経過観察が有効。

E(Evaluation):

フォローアップ・セッションで、目標や栄養アドバイスが症状の改善にどう影響したかなどを評価し、必要に応じて調整する。

MNTを受ける際の注意点

日本と違い、アメリカでは保険プランによってカバー内容が異なります。自身が加入する保険プランでMNTがカバーされる条件や適用範囲を確認しましょう。そのセッションが予防処置(Preventative Care)になるのか、必要な医療処置(Medically Necessary Care)になるのかによっても、保険のカバー内容が違ってきます。 

また、管理栄養士は国家資格ですが、州によって法律が違うため、州の免許があるかないかでMNTサービスが受けられない場合があります。テレヘルス(リモート診療)を利用し、他州の管理栄養士に相談する場合は、自分の住む州をカバーしているかを確認しましょう。


参考資料

  1. https://www.eatright.org/food/resources/learn-more-about-rdns/rdns-and-medical-nutrition-therapy-services

トレジョをフル活用してヘルシーなバーベキュー 〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

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トレジョをフル活用してヘルシーなバーベキュー

 夏らしい天気に恵まれ、ピクニックやバーベキューなどで忙しく過ごす方も多いことでしょう。屋外で食べる機会も自然と増えます。今回は、いつもと少し角度を変えて、夏のバーベキュー対策と利用したいトレーダー・ジョーズ(以下トレジョ)のアイテムをご紹介します。

栄養面からのグリルのコツ

グリルを使って焼く肉はジューシーでおいしい反面、複素環式アミン(HCAs :Heterocyclic Amines)や多環芳香族炭化水素(PAHs :Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)といった、がん誘発物質を含みます。これは、肉などに含まれるタンパク質をグリルなどの高熱で長時間調理した際に生成されるものです。さらに、炭などの不完全燃焼により一酸化炭素が生まれ、健康に害をもたらします。その煙に触れた肉にもこのがん誘発物質が発生し、特にすい臓がんのリスクと大きく関係していると言われます。焦げたり焼き過ぎたりした肉は、この物質を含んでいるため要注意です。プロパンガスを使うとリスクを下げることができます。

ソーセージやベーコン、ホットドッグ、ハムなどの燻製肉は大腸がんリスクを上げてしまうため、できるだけ脂身が少なく、燻製されていない赤肉を選ぶようにしましょう。スパイスやハーブを使ってマリネにすることで肉が軟らかくなるだけでなく、抗酸化作用により、がん誘発物質の生成を防いでくれます。

また、パイナップルやマンゴー、パパイヤなど熱帯の果物にはブロメラインやパパインなどの消化酵素がたくさん含まれています。食べ物の消化や吸収を促進してくれるため、胃腸にも優しいマリネ食材です。

バーベキューにおすすめのトレジョ食品

アメリカで人気のスーパーマーケット、トレジョにはオーガニックかつ健康に良い食品が並び、お値段も手頃。トレンドに合わせた商品もそろっています。

●ディップやチップス

アペタイザーとして手軽なディップ。トレジョは豊富な品ぞろえで、添加物も入っていないものが多い。チップスも低炭水化物を意識した商品が充実し、きれいな器に盛ればさらに見栄えもアップ! 

参考商品:Organic Chunky Homestyle Guacamole、Organic Hummus、Organic Vegan Nacho Dip(写真)、Quinoa and Black Bean infused Tortilla Chips、Cauliflower Crisps、Grainless Tortilla Chips

 

●トロピカルな果物

パイナップルやマンゴー、パパイヤなどは、消化酵素がたっぷり。ヨーグルトやミントと和えて食べるサラダスタイルもお試しを。マリネに使うも良し、アペタイザー用のサルサに入れるも良し。缶入りだと砂糖が含まれる可能性があるため、生か冷凍をチョイスしたい。

 

●マリネ用商品

トレジョのシーズニングやドレッシングは価格もリーズナブルで、バーベキューにぴったりの抗酸化作用のあるものが豊富。オリーブオイルなど質の良い油を使い、パセリやパクチーといった緑の生ハーブを添えるとホルモンバランスも整う。

参考商品:Chimichurri Sauce(写真)、Truffle Aioli、Vegan Kale, Cashew & Basil Pesto

 

●プラントベースのタンパク質

今、アメリカで注目を集めるプラントベースのタンパク質は、テンペや豆腐のほか、ファラフェルなどさまざま。赤肉の代わりにこうした植物性タンパク質も取り入れることで、さらにヘルシーなバーベキューに。

参考商品:Organic 3 Grain Tempeh、Fully Cooked Falafel、Dr. Praeger’s California Veggie Burgers(写真)

 

 

●ビタミンB不足を解消するビーガンチーズソースの作り方

トレジョで手に入るニュートリショナル・イースト(Nutritional Yeast)を使った簡単レシピがこちら。ビーガンやベジタリアンの方に欠乏しがちなビタミンB群、特にB12は肝臓のデトックスに欠かせない栄養素なので、積極的に摂取したいもの。ディップやパスタなどにも使える、この万能チーズソースでしっかり補って。作り方:ニュートリショナル・イースト、プラントベースのミルク、パプリカ、オニオンパウダーを鍋に入れて温めれば、自家製ビーガンチーズソースの出来上がり!

パーティー料理の注意点

バーベキューなどの集まりでまず気を付けたいのは、参加者の食べ物の好みや食物アレルギー、また宗教による食事制限の有無。主催者は事前の聞き取りによって、参加者全員に気を配った食べ物を用意することが望まれます。参加者も主催者に確認すると良いでしょう。

特にアメリカでは、乳製品やグルテンを避ける人が増えています。また、プラントベースの食生活を実践する方は、植物性タンパク質を食べ、肉類を避ける傾向にあります。いろいろな文化が混じり合う国だけに、イスラム教やヒンドゥー教などの信仰による食事制限がある場合も。宗教によっては牛肉や豚肉、肉エキス、燻製肉などが禁じられていますので、避けるか、別にして調理するようにしましょう。

食事を提供する際には、どんな食材が入っているかなどを記載したラベルやカードがあるとわかりやすいですね。こういった配慮があると、みんなで楽しく食事をシェアでき、いっそう仲が深まること間違いなしです。


参考資料

  1.  https://www.todaysdietitian.com/newarchives/0618p46.shtml
  2. https://www.traderjoes.com/home

食事でコレステロールを軽減〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

食事でコレステロールを軽減

 特定の食べ物が血中コレステロール値に影響すると言われていたのは昔の話。遺伝や糖尿病などの疾患がなければ、食事から摂取する分には体内のコレステロールや心臓疾患のリスクに影響しないことがわかっています。むしろ必要な食材を取り入れてコレステロールのバランスを良くするのが、健康への近道!

脂質と炭水化物の種類がカギ

コレステロールは、食事から摂取するものと、体内で生成されるものに分かれます。私たちが普段食べる卵、魚介、レバー、乳製品にはコレステロールがたくさん含まれています。体内では肝臓で作られ、ホルモンやビタミンD生成などに使われます。ワックスのような手触りが特徴です。

 肝臓が作るコレステロールには種類があり、体への影響も異なります。LDL(Low-density Lipoprotein)はいわゆる悪玉コレステロールとされるもので、血管や臓器にコレステロールがばらまかれ、血栓、心臓疾患、脳卒中などのリスクを上げてしまいます。特に高血圧の方は、血管内で血栓になりやすいので要注意です。一方、HDL(High-density Lipoprotein)は善玉コレステロールとされ、血管や体内にあるコレステロールを集めて肝臓に送ることで血中のコレステロール値を下げ、心臓疾患リスクを軽減させます。

 近年、コレステロールのLDLとHDLのバランスを良くするためのTLC (Therapeutic Lifestyle Change) ダイエットと呼ばれる食事療法が注目されています。次の通り、摂取する脂質と炭水化物に気を付けることが大切です。

コレステロール値に悪影響を及ぼす脂肪酸

飽和脂肪酸

バター、全脂肪乳製品、赤肉に豊富。悪玉コレステロール値を上げてしまうので、疾患のある方は1日総摂取カロリーの7%までに摂取量を抑えて。

トランス脂肪酸

マーガリン、ショートニング、市販のお菓子やペイストリー、加工食品に潜む。悪玉コレステロール値を上げるだけでなく善玉コレステロール値を下げてしまうので極力避けること。FDA(米食品医薬品局)では、1食当たり0.5グラム未満のトランス脂肪含有量であれば商品の栄養表示に記載する義務がなく0グラムと表示できるとしているため、注意が必要。

悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす植物性食品

食物繊維

食物繊維は、特に水溶性なら文句なし! 体内のコレステロールをまとめて腸から排出する役割を担う。豆類、サツマイモ、ブロッコリー、バナナ、リンゴ、オーツに豊富。

植物ステロール

コレステロールと似た構造を持ち、食事からのコレステロールの吸収を防ぐ働きをする。植物性油や種、ナッツ類に多く含まれる。植物ステロールを加えたシリアルやマーガリン、パンなども市販されている。1日2グラム程度の摂取で効果が期待できる。

不飽和脂肪酸

魚、アボカド、ナッツ、種、植物性油から摂取可能。コレステロールのバランスを整え、体内の炎症も抑える。毎日の食事にぜひ取り入れたい食材。

適切な体重をキープして健康に

食事以外に体重コントロールもコレステロールに影響大。ストレスも体脂肪も多いという方は酸化や炎症が起き、心臓に負担がかかって血圧は上昇し、血管の壁が傷付きやすくなります。その傷にベタベタしたコレステロールがたまっていく結果、血栓ができて心臓疾患や脳卒中のリスクも上がります。

 5〜10%ほど体重を落とすと、高コレステロールなどのメタボ症候群の予防に。まずは、できる範囲で毎日体を動かすことを心がけてみましょう。

 コレステロール値は遺伝と関係なく、食事療法で改善が可能です。管理栄養士などに相談して、個々に合った食事プランを作り、継続することが望まれます。コレステロールのバランスに気を付け、理想の体重維持を目指しましょう。


参考資料

  1. https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/fats-and-cholesterol/cholesterol/ 
  2. https://www.eatright.org/health/wellness/heart-and-cardiovascular-health/what-is-cholesterol#:~:text=Cook%20with%20vegetable%20oils%2C%20such,feta%20and%20part%2Dskim%20mozzarella. 
  3. https://www.eatright.org/food/nutrition/dietary-guidelines-and-myplate/choose-healthy-fats 
  4. https://www.healthline.com/nutrition/dietary-cholesterol-does-not-matter#effects 
  5. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26864369/ 
  6. https://www.nhlbi.nih.gov/files/docs/public/heart/chol_tlc.pdf 
  7. https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/fats-and-cholesterol/types-of-fat/ 

免疫細胞とがん予防〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

免疫細胞とがん予防

 実は私たちの体内で、がん細胞が日々作られているのをご存じでしょうか? がんの原因は複雑ですが、食事や生活改善で予防、リスク軽減できることもあります。私たちの健康にとって欠かせない免疫細胞について知っておきましょう。

免疫細胞とは?

 2人に1人ががんになる時代、医療界でも効果的ながん治療に向けてリサーチや実験が続けられています。免疫療法(Immunotherapy)もそのひとつです。この治療は、私たちの体に備わっている免疫細胞の自己防衛力を使い、がん細胞を消滅させるというもので、今後の医学の進歩に期待が高まっています。

 私たちは毎日、病原体、ウイルス、細菌など、体に属していない物質と接触しています。こういった物質の体内への侵入を防ぐ働きをするのが免疫細胞です。約80%の免疫細胞は腸内に集まり、残りは肌や血液などに分散し、いつ病原体などの侵入があっても排出できるようにしています。

 免疫細胞は多くの種類があり、それぞれ異なった役割を果たしています。病原体、異常細胞などを感知して排出するために、免疫細胞同士がコミュニケーションを取り合い、協力します。たとえば免疫細胞の一種であるB細胞は、変異した細胞を感知して抗体を作り、他の免疫細胞の援助を求めます。こうして変異細胞に対する処理がかなうのです。転んでできた傷が炎症を起こして膿が出るのも、ウイルスに感染して熱が出るのも、免疫細胞がコミュニケーションを取りながら病原体と戦っている証拠です。この細胞間のコミュニケーションに必要な物質を作り出す過程には、さまざまな栄養素が関わっています。つまり、毎日の食事に気を付け、ライフスタイルを見直すことが免疫強化につながるわけです。

 免疫細胞が効率良く機能するためには、最適の栄養状態を保つことが望まれます。特に40代以降は免疫細胞の生成が減り、機能自体が衰え始めるうえ、ホルモンバランスの崩れから女性特有のがんリスクも上がります。病院での検診を欠かさず、同時に免疫を強化する栄養素を意識して取り入れたいものです。

免疫機能に必要な栄養素

では、免疫の機能を高める栄養素とは何でしょうか。次にその例を挙げました。この5つの栄養素は特に免疫細胞の生成、機能に関わっているため、積極的に取り入れてみてください。

ビタミンD:免疫細胞が病原体の消滅に必要な物質を作る過程で使われる。日照時間の少ないシアトルでは不足しがち。シリアルや乳製品ほか、マイタケ、シイタケなどのキノコ類、豆腐といった大豆製品がおすすめ。

亜鉛:免疫細胞の生成や機能に必要なタンパク質生成に必須。甲殻類に多く、カニ、オイスター、ロブスターに豊富。ひまわりやゴマなどの種にも含まれる。

発酵食品:ほとんどの免疫細胞が腸内に集まり、腸内フローラと一緒に病原体を処理するため、発酵食品の摂取によりさらなる免疫機能を発揮。納豆、テンペ、キムチ、味噌、ヨーグルト、発酵ミルクなど。

ビタミンC:免疫機能に不可欠。また、活性酸素の増加を抑える役割も。がんの原因のひとつとなる細胞の炎症を防いでくれる。

L-グルタミン:アミノ酸の一種で、免疫細胞の増加や分泌物の生成をサポートするほか、腸内バリアを保つための腸細胞の栄養素となり、腸内環境の向上にはとても大事。鶏肉ほか、豆腐、ヨーグルト、豆類にも。

運動と睡眠

 生活習慣も重要。適度な運動と良質な睡眠は、免疫細胞の正常化、活性化に有効だとわかっています。運動により血液の循環や腸の働きが向上し、免疫細胞が機能しやすくなって、病原体の感知や排出を後押しします。また、睡眠中は古い免疫細胞を含む細胞がリセットされ、修復、処理される時間。その日の細胞ダメージを回復させ、炎症を抑えます。ホルモンバランスも整い、さらに健康で病気に負けない体作りを助けます。

 運動と睡眠は、がんの原因となる活性酸素や炎症の軽減、肥満、ストレスの予防にも欠かせません。体にとって毒であるアルコールや煙草は活性酸素を増やし、がんリスクと大きく関係していると言われるので避けることを心がけましょう。飽和脂肪酸や加工砂糖の過剰摂取も肥満につながり、大腸を始めとする臓器のがんリスクを上げてしまいます。これらは1日の摂取カロリーの10%以下を目指しましょう。


参考資料

  1. Immunity: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK279396/ 
  1. Diet and its role in immune function: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6723551/ 
  1. Glutamine and immunity: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6266414/ 
  1. Immune health: https://www.eatright.org/health/wellness/preventing-illness/how-to-keep-your-immune-system-healthy#:~:text=To%20help%20keep%20your%20immune,that%20may%20support%20immune%20health.

マグネシウムで不眠解消!〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

マグネシウムで不眠解消!

40代以降の女性から、「なかなか寝付けない」、「夜中に何度も起きてしまう」というような睡眠を妨げる症状についての相談が増えています。今回は、スムーズな入眠に役立つマグネシウムにスポットを当て、その機能と共に、マグネシウムが摂取できる食材やサプリについて紹介します。

睡眠に大きく関わる栄養素

 特にプレ更年期は、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの卵巣からの分泌が減ります。最近、睡眠の質改善作用が注目され、GABA (Gamma-aminobutyric acid)という呼び名で浸透するγ-アミノ酪酸がありますが、この脳内伝達物質もプロゲステロンの減少により抑制されてしまいます。代わりにストレスや不安、イライラなどが増大する伝達物質を脳に送ることになり、その結果、精神不安定な状態に陥り不眠などの症状も出てきます。また、40代以降から片頭痛に悩む方が多いのも、女性ホルモンのバランスの乱れが原因として考えられます。こういった症状の軽減に大きく関係している栄養素のひとつがマグネシウムです。しかし、典型的なアメリカの食事や現代の加工食品は総じてマグネシウムの多い食材に欠けています。ついついファストフードなどに頼り、栄養が偏りがちという方は、欠乏しないように日頃から注意が必要です。

マグネシウムの働き

マグネシウムは体内で4番目に多いミネラルの一種です。DNAやタンパク質合成から、筋肉収縮、神経伝達、血糖や血圧の調整まで、300種類以上もの体内活動を補酵素として助けています。また、エネルギー産生にも大きく関わります。

脳や筋肉がリラックスできるのも、マグネシウムのおかげです。入眠を促すGABA受容体に合体して、体内時計の調節を行うホルモン、メラトニンが分泌するよう働きかけます。

これだけたくさんの機能に貢献しているマグネシウムですが、細胞や骨の中に貯蔵されるため、血液検査などでは十分な量が足りているかがわかりにくいという側面もあります。年齢を重ねるにつれて、栄養素の体内への吸収率も下がります。胃腸疾患や糖尿病、アルコール依存のある方は特に、体内の炎症や活性酸素の増加によりマグネシウムが消耗しがちです。

マグネシウム欠乏のサインとしては、食欲低下、筋肉の痙攣(けいれん)、疲労感、虚弱体質、精神不安定、頭痛、不眠、便秘などの症状が挙げられます。当てはまる場合は、食材やサプリから積極的に摂取するよう心がけましょう。

マグネシウムが多く含まれる食材

 大人の女性ではマグネシウムの1日の必要摂取量は320ミリグラムとなっています。以下に紹介する食材はマグネシウムが豊富なので、ぜひ取り入れてみてください。ただ、食べ物からマグネシウムを摂取する場合、体内への吸収率が比較的低いのがネックと言えます。そのため、食事に気を付けると共に、サプリからも補うことをおすすめします。

青菜:ケール、ほうれん草、マスタードグリーンなどの緑色の葉野菜は、マグネシウムと同じく40代からますます必要とされるミネラルの一種、カルシウムもたっぷりなので、乳製品が苦手な方に最適。

全粒穀物:玄米やそば、全粒粉パンなどは、マグネシウムほか、肌に大切なビタミンB群、食物繊維の宝庫。

種:チアシードやフラックスシード(亜麻仁)など。ヒマワリの種は大さじ2杯で1日に必要なマグネシウムの40%を摂取可能。オメガ3脂肪酸が含まれるため、ホルモンバランスも整う。

マグネシウムをサプリで補う

 胃腸疾患のある方など、食事での摂取が難しい場合はサプリの利用を検討してみましょう。マグネシウムのサプリの種類はさまざまで、症状によって使い分ける必要があります。一般的に売られているサプリの種類と効果について以下に紹介しますので、個人の症状に合わせて選んでください。タブレットよりもパウダー状のものを水に溶かして摂取するほうが吸収率は高くなります。また、免疫細胞を活性化させると人気の亜鉛サプリを高用量摂取している方は要注意。マグネシウムの吸収を妨げますので、一緒に摂取することは避けましょう。

グリシン酸マグネシウム(Magnesium Glycinate):マグネシウムサプリの中でも体内への吸収率が高く、不眠症の方などにぴったり。クエン酸タイプのように便が緩くなることもほとんどなく、高用量でも胃腸への負担は軽い。

クエン酸マグネシウム(Magnesium Citrate):便秘などの腸疾患に効果的。胃腸を過度に刺激する可能性があり、長期の利用には向かない。

酸化マグネシウム(Magnesium Oxide):胸やけや消化不良などの症状を緩和。体内への吸収率が低いため、食べ物からの摂取と平行して利用したい。

塩化マグネシウム(Magnesium Chloride):胃酸を中和し、筋肉を和らげ、骨を強化。骨粗しょう症が気になる方にも◎。

リンゴ酸マグネシウム(Magnesium Malate):人間の生命力の源、ミトコンドリアのエネルギー産生に必須。慢性疲労回復、スポーツ・パフォーマンス向上にも効果あり。


参考資料

  1. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Magnesium-HealthProfessional/#:~:text=Magnesium%20is%20a%20cofactor%20in,%2C%20oxidative%20phosphorylation%2C%20and%20glycolysis. 
  1. Magnesium: https://www.eatright.org/food/vitamins-and-supplements/types-of-vitamins-and-nutrients/magnesium 
  1. Magnesium-rich foods: https://www.healthline.com/nutrition/10-foods-high-in-magnesium#TOC_TITLE_HDR_7 
  1. Magnesium types: https://engage.aasld.org/blogs/vance-ross1/2021/01/08/the-best-magnesium-supplements 

腸内フローラと自己免疫疾患〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

腸内フローラと自己免疫疾患

 「腸活」というワードもすっかり定着しましたね。平均4.57メートルもの長さがある腸の中では約100兆個の菌(腸内フローラ)が繁殖し、私たちの健康や代謝を保っています。近年、善玉菌と免疫細胞の関係も明らかにされ、自己免疫疾患の予防と症状軽減が期待できるとのリサーチ結果も。更年期の女性に多い、甲状腺機能が低下する橋本病も、そうした自己免疫疾患のひとつです。今回は腸と免疫細胞の関係、そして腸活に良いとされる栄養素を紹介します。

有害物質から腸を守る

私たちの免疫細胞の80%以上は腸内に存在していますが、これには大きな理由があります。私たちの体は日々、さまざまな物質に囲まれ、何を体内に吸収するかを逐一判断しています。体にとって有害であるウイルスやばい菌、食品添加物、化学物質、処方薬、アルコールなどは、胃を通過して腸まで運ばれますが、ここで腸内フローラと免疫細胞が重要な役割を果たします。お互いにコミュニケーションを取り、どれを吸収し、どれを排出するかを決めるのです。体内に良くないものが吸収されてしまった場合も、血液を通って体内に循環しないよう、腸内の免疫細胞が炎症を引き起こす物質を作り、良くないものを排出させます。つまり、吸収の最初の入り口となる腸では、たくさんの免疫細胞が腸内フローラと協力して体内への循環を防いでくれているのです。

また、腸壁は善玉菌によって作られる粘液状のバリアにより守られ、さらに悪いものを吸収しないようにできています。しかし、多忙な現代人は毎日のストレスや食品添加物、飽和脂肪酸、加工砂糖などの過剰摂取により、この腸内バリアが崩れてしまうことも。1層しかない腸壁はダメージに弱く、免疫細胞が機能せずに悪いものを吸収しやすくなってしまうリーキーガット症候群(腸漏れ)にかかる恐れも出てきます。そうなると、有害物質が取り込まれるたびに血中の免疫細胞が反応して炎症物質を作り、抗体を過剰生成することで、結果として健康な細胞まで破壊してしまいます。橋本病、リウマチ、第1型糖尿病といった自己免疫疾患につながりやすいことも研究で証明されつつあります。胃腸の病気や自己免疫疾患の症状軽減に、まずは食生活や習慣を見直し、腸内環境を改善することが望まれます。

栄養面から腸内環境を改善

 自己免疫疾患の予防、症状の軽減には、腸内の善玉菌と免疫細胞を活性化させると同時に、腸膜を守る腸内バリアを強化することが欠かせません。腸内バリアを作る粘液生成に欠かせない腸内フローラは、プバイオティクスという食物繊維をエネルギー源としています。また、善玉菌はこのプバイオティクスの発酵により短鎖脂肪酸という物質を作り、腸細胞のダメージや炎症を緩和して、さらに腸内バリアの機能を高めます。

 日頃から腸内フローラが好む以下のプバイオティクスを食事から取り入れ、腸内環境の改善を目指しましょう。

  • イヌリン:玉ネギ、ニンニク、ショウガ、アーティチョーク、バナナ、オーツ、アスパラガスなどに豊富。水溶性で粘着性があり、消化に時間がかかるので、食欲や血糖のコントロールに最適。
  • B-グルカン:全粒穀物、キノコ類、海藻類などに含まれ、悪玉コレステロール値を下げる効果も期待できる。イヌリンと同様に水溶性。腸の筋肉を刺激して、便秘解消も。
  • ポリフェノール:ベリー類、 チェリー、グレープ、ダークチョコレート、またコーヒーや緑茶などから摂取でき、腸内フローラの栄養源に。腸内の炎症を軽減する役割も果たす。

抗生物質を服用する際の注意点

 抗生物質は菌感染をした際など菌を死滅させるのに有効な処方薬ですが、実は同時に腸内の善玉菌も攻撃してしまいます。すると、腸内バリアが作れず体内に悪いものが入りやすくなり、炎症や自己免疫疾患を引き起こす原因になることも。抗生物質を処方された場合は、抗生物質耐性菌が繁殖しないように、服用量と服用期間を守ることが大事。抗生物質に抵抗がある方は、自然医療によるオレガノやペパーミントなどを用いたハーブ治療も検討しましょう。

 抗生物質の副作用を軽減するため、腸内細菌を増やすプバイオティクスのサプリを同時に服用する方がいますが、抗生物質はサプリの菌も減らします。プバイオティクスは、抗生物質服用の2時間後というふうに間隔を空けて飲むことをおすすめします。もちろん、プバイオティクスの豊富な食べ物を食事に取り入れることも忘れずに。


(参考記事)

腸管免疫に関して 

 https://www.nature.com/articles/s12276-018-0126-x#:~:text=The%20intestinal%20epithelial%20barrier%20is%20a%20one%2Dcell%2Dthick%20internal,different%20types%20of%20epithelial%20cells. 

ポリフェノールと腸の健康の関係 

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6770155/ 

多嚢胞性卵巣と栄養〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

多嚢胞性卵巣と栄養

20代から30代の女性に増加している多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)。ニキビ、脱毛、生理異常、代謝異常のほか、不妊症、インスリン抵抗性など、身体的、精神的に影響を及ぼします。インスリン異常により体重がコントロールできずに、摂食障害や栄養失調を引き起こすことも。今回はPCOSについて、リスクを軽減できる予防法や改善策を紹介していきます。これから大人になる娘を持つ親にも役立つ情報です。

PCOSで糖尿病のリスクが高まる?

PCOSは複雑な内分泌疾患で、原因はいまだ明らかになっていません。しかし、現代の食習慣や多忙な生活、環境汚染、遺伝などの理由により卵巣や副腎から作られる女性ホルモン(エストロゲン)と男性ホルモン(テストステロン)のバランスが崩れ、前述の症状が起きると言われています。

また、インスリンというホルモンもPCOSに大きく関わっています。炭水化物を食べた後、血中の糖分が増えると、すい臓からインスリンが分泌され、細胞がエネルギーを作るために必要な糖分を吸収できるようシグナルを送ります。しかし、PCOSに多いインスリン抵抗性の状態に陥ると、細胞自体がインスリンに反応せず、糖分を吸収できません。その結果、すい臓はさらにインスリンを分泌し、血糖値を下げようとしますが、過剰分泌によりPCOSの症状が悪化。すると、体重増加だけでなく糖尿病のリスクも大きくなるという悪循環が起きてしまいます。

PCOSの研究の歴史は浅く、卵巣にできる自然なのう胞と区別しにくいなどの理由で診断が遅れがちで、女性にとって不安や不満を感じる疾患でもあります。気になる症状がある方はまず、かかりつけ医に相談してみましょう。

PCOS予防に取り入れたい生活習慣

 PCOSになると炎症を起こしやすくなります。ホルモンバランスを向上させる抗炎症効果のある食べ物を選ぶようにしましょう。同時に、血糖値の上昇を防ぐ食事によりインスリン抵抗性や糖尿病のリスクを軽減することが大切。また、適度な運動を日々心がけると、インスリン抵抗性を予防、軽減できるうえに体重維持にもつながります。

 PCOSはさまざまな症状があるため、医師や管理栄養士から、自分に合った食事療法やライフスタイルのアドバイスを受けることが望まれます。まずは予防や症状改善に向け手軽に実践できることとして、以下の生活習慣を取り入れてみましょう。

抗炎症ダイエット(アンチインフラマトリー・ダイエット):ホルモンの乱れによる炎症を軽減。ビタミンCやE、 オメガ3脂肪酸などを含む、抗酸化作用のある食べ物を毎日の食事に取り入れましょう。緑黄色野菜、ベリー類、魚介類、ナッツ、種などが挙げられます。

低GIダイエット:GI(グリセミック・インデックス)とは、食べ物による食後の血糖値への影響を示す指標のこと。GI値が高い白パンや白米などは胃腸で素早く消化吸収され、血糖値を急激に上げますが、栄養価はそれほど高くありません。逆にGI値が低い全粒粉シリアル、緑黄色野菜、豆類、乳製品は、食物繊維が豊富で栄養満点なうえ、ゆっくり消化、吸収されるので、血糖コントロールが可能に。さらに、炭水化物をタンパク質や脂肪と一緒に摂取することで、適切な血糖値が維持できます。

インスリン抵抗性に効くサプリ:肝臓の抗酸化システムを整えるNアセチルシステイン(NAC)や、インスリン感受性と排卵を促進するイノシトールはPCOSの女性に効果的。また、糖尿病の疑いがあると一般的に最初に処方されることが多い、メトホルミンという薬がありますが、これを服用するとビタミンB12の代謝に影響するため、同時にバランスの良い食事、もしくはビタミンB12を補うサプリの摂取をおすすめします。栄養状態に合わせてサプリの使用を検討しましょう。

有酸素運動と筋トレ:適度な運動は、インスリンの有無にかかわらず、細胞が血中の糖分を吸収するのを手助けするGLUT4(グルットフォー)という受容体の生成を促進。より効率的に適切な血糖値を保てるようになり、代謝向上にもつながります。

睡眠時間はたっぷりと:睡眠中、私たちの体はホルモン生成を促したりバランスを保ったりと忙しく働いており、ダメージを受けた細胞の修復や処理をする時間でもあります。1日7、8時間の睡眠を目指しましょう。


参考記事

良質な油の種類と正しい使い方〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

良質な油の種類と正しい使い方

 エストロゲンなどのホルモンや細胞膜は主に脂肪でできています。エイジングを遅らせ、ホルモンバランスを整えるには、抗炎症作用のある良質な脂肪や油を食事から摂取することがとても重要です。脂肪や油にはさまざまな種類があり、どれが良いのかわからないという方も多いでしょう。今回は、選び方のコツと正しい使い方について紹介します。

不飽和脂肪酸の役割

脂肪の中でも必須脂肪酸と呼ばれるのが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸です。これらは体が自然に生成することはないため食事やサプリで補う必要があります。また、不飽和脂肪なので、バターなどの飽和脂肪に比べると加熱や光に弱く、常温では液状であることが特徴です。

オメガ3脂肪酸はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの種類があり、抗炎症作用をもたらします。心臓や精神疾患、糖尿病、がんなどの炎症による疾患予防に効果があるという研究結果も出ています。

一方、オメガ6脂肪酸は、動物性脂肪に多いARA(アラキドン酸)などがあり、炎症を引き起こす物質を作って、免疫細胞の活性化や血栓の生成を促します。

どちらも体の機能にとって欠かせない役割を果たしますが、不飽和化酵素という酵素を取り合って代謝されるので、摂取バランスが崩れると体内での抗炎症作用または炎症作用の割合も変わってしまいます。つまり、体にとってベストな効果を得られるように2種類の脂肪酸をバランスよく摂取することが大切です。

オメガ3脂肪酸は主に魚やアボカド、ナッツに豊富。オメガ6脂肪酸は主に大豆やコーンなどの植物性油や動物性脂肪に含まれます。ARAの多い加工食品やファストフードの普及により、現代人はオメガ3脂肪酸よりもオメガ6脂肪酸を過剰に摂取する傾向にあり、慢性疾患の増加につながっています。大豆やコーン、キャノーラなどの油は安価ですが、化学溶剤などを用いて精製されるため、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸を含む食べ物も意識して取るようにしましょう。

体に良い油の選び方と使い方

 レストランやファストフード店では、大量の料理を多くの客に短時間で提供するため、大きなフライヤーで同じ油を長時間繰り返し使用します。酸化した油で揚げた食べ物が原因で、体に炎症を起こすことも。外食の際は揚げ物を避けるか少量を注文し、抗酸化作用のある果物や野菜、魚と一緒に食べるなど工夫しましょう。また家庭でも、加熱した油は再利用せずに廃棄を。油を鍋に入れたまま放置するのも、酸化を加速させるので避けましょう。

 全ての油には煙点(スモーク・ポイント)があります。加熱により油が煙点を超えた場合、活性酸素が発生します。調理の最中に煙や悪臭が出るのは、油が酸化しているサイン。長時間の調理には、華氏400度以上の熱に耐えられる、加工されていない油を使用しましょう。アボカドオイルやピーナツオイル、ゴマ油などがおすすめです。サラダにかけるドレッシングは火を通さないので、煙点が低く、抗炎症効果のあるオリーブオイルやフラックスシードオイルをおすすめします。

 油の保存にもひと工夫を。光や熱を直接受けない黒いボトルに入れ替える、室温の低い場所で保管する、オーブンの近くに放置しないなどを心がけましょう。また、できるだけ製造日が新しいものを選んで買いたいもの。シアトルにはオイル専門店がたくさんあるので、小容量の新鮮な油を購入するのも良いですね。

飽和脂肪とトランス脂肪は避けるべき?

バターや赤肉などに多く含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロール値や心臓疾患に影響するため、1日の総摂取カロリーの10%以下に抑えましょう。赤肉は脂の少ない部位を選び、週に1、2回までとするのが理想です。

トランス脂肪酸は食物に入っているもの以外に、人工的に作られたものも。食品加工の際、賞味期限の延長、味や食感の向上を目的に水素化という工程があり、体に良い不飽和脂肪を飽和脂肪酸に変えてしまいます。この脂肪は、体に炎症を起こさせ、悪玉コレステロール値を上げると同時に善玉コレステロール値を下げてしまうので、できる限り摂取しないほうが良いでしょう。例としては賞味期限の長いペイストリー、ポップコーン、冷凍食品、チップスなどが挙げられます。FDA(米食品医薬品局)により、製造会社は製品にトランス脂肪酸が0.5グラムまで含まれていても、ラベルに0グラムと表示することが許可されているので要注意です。

できるだけパッケージ食品を避け、加工されていない自然のままの食材から栄養素を摂取したいものですね。必要な油・脂肪だけを取り入れた食生活を目指しましょう。


https://directorsblog.health.azdhs.gov/what-zero-grams-0g-of-trans-fat-really-means/ 

サプリメントを正しく摂取するコツ〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

サプリメントを正しく摂取するコツ

 新年明けましておめでとうございます。今年も皆さまが健康に過ごせるよう、最新の栄養情報を届けていきます! さて、ダイエットを含め、より健康になることを新年の抱負にする方は多いでしょう。インターネットなどで手軽に買えるサプリ製品も多く出ています。しかし、サプリさえ飲んでいればOK、というのは大きな間違い。健康を保つには、良質な食事からの栄養素が不可欠です

栄養素は食事からの摂取が基本!

私たちの体は食事から取る栄養素の吸収を優先するようにできています。食べ物からの栄養素が体内に入ると、それを消化、吸収するために消化酵素が分泌されます。たとえば、神経細胞の機能やDNA生成に必須のビタミンB12は、胃酸がないと腸内で吸収されません。また、緑黄色野菜に豊富な脂溶性のビタミンAは、肝臓の生成する胆汁によって体内へ効率良く吸収されます。

食べ物にはさまざまな抗酸化物質(アンチオキシダント)が含まれ、健康の維持に貢献しています。人工物であるサプリよりも、新鮮な自然食材を食べることで体は満足し、代謝向上に必要な栄養素も吸収しやすくなるのです。まずは毎日、バラエティー豊かな食材をバランスよく食事に取り入れることが先決です。

サプリの選び方

 サプリ選びで必ず確認したいのが、NSF(米国衛生基金)やUSP(米国薬局方)に代表される、米国栄養補助食品の認証機関などの第3者による品質保証の有無です。サプリ製品はFDA(米食品医薬品局)で基準が定められていますが、企業が必ずしもそれに従っているとは限りません。大手の会社ほどFDA審査が頻繁に入るので、有名ブランドのものはまず安心と言えるでしょう。

 原材料のチェックも重要。安価なサプリは砂糖や色素添加物、グルテン、大豆などが入っている可能性が高いため、食物アレルギーを持つ方は特に気を付ける必要があります。減量効果や体脂肪減などをうたう製品はつい買いたくなりますが、魅力的な文言に惑わされてはいけません。値段が高いうえに、カフェインや特定のハーブなど、副作用を引き起こしかねない原材料が入っていることも。ダイエットを売りにしたサプリは、リサーチを十分にしてから購入を考えましょう。

栄養素別にサプリをチェック!

  • ストレスやホルモンバランスの乱れには水溶性ビタミン

ビタミンB群やCなどの水溶性ビタミンは、すぐに尿として排出されるのが特徴。ストレスを感じると消耗しがちで、ホルモンバランスが崩れた時は特にビタミンB群を必要とします。ジェルタイプのサプリ製品は腸内での吸収がスムーズです。

  • 葉酸は妊婦でなくても欲しい栄養素

血液を作りやすくする役割を持つ葉酸は、大きく分けて2種類あります。日本でも認可されている人工葉酸のフォリック・アシッドは体質的に吸収しにくい人が多いため、アメリカなどで摂取可能な天然葉酸のメチルフォレート、特にフォーミュラ状のものが吸収・代謝されやすく、おすすめです。

  • できるだけ食事から取りたい鉄分

体内で酸化しやすいため、妊娠中や血液の疾患を持っていない限り、サプリでの摂取は必須ではありません。医師から勧められた場合は、管理栄養士に個人の栄養状態を相談してから摂取を決めるのが理想です。なので基本的には、食事に鉄分の多い赤肉や緑色の野菜を取り入れましょう。ビタミンCの食材と一緒に食べるとより効果的です。逆に、カルシウムは鉄分の吸収を妨げてしまうので要注意。

  • プバイオティクスよりもプバイオティクス

腸内にはさまざまな善玉菌が存在するため、実はプロバイオティクスからの菌が定着する場所がありません。それよりも、善玉菌のエサになるプレバイオティクスを摂取するほうが、腸内環境を改善できます。

  • フィッシュオイルは質が大事

原材料に水銀の多い魚が入っていないか確認しましょう。特に値段の安いサプリは加工脂も混合している可能性があるので、IFOS(国際フィッシュオイル協会)などの審査を受けたサプリを選んで。

更年期におすすめのサプリ

 体重やホルモンバランスの維持が難しくなる更年期前後の方は、体が変化し、必要とする栄養素も若い頃とは異なっています。肝臓への負担など、副作用も考慮し、上手にサプリを取り入れられると良いですね。

  • カルシウムとビタミンD:エストロゲンの減少と共に骨細胞も減り、骨折などけがをしやすい時期。カルシウムとビタミンD3を一緒に取ると、カルシウムの吸収が促進されます。

     

  • オメガ3脂肪酸:ホルモンバランス調整にとても重要な栄養素。悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロール値を高める働きがあり、細胞炎症の予防にも効果絶大。

     

  • ビタミンB群:肝臓によるデトックスやエストロゲンのバランス調整に不可欠。

     

  • ビタミンC:筋肉が落ちて体脂肪が付きやすい、エイジングが加速する時期に必須。

     


更年期の体に優しいダイエット法〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

更年期の体に優しいダイエット

 「更年期を境に体重が増えた」、「体脂肪が付きやすく、どんなに運動をして食事に気を付けてもなかなか落ちない」などとお悩みの方も多いことでしょう。年齢を重ねるごとに体重維持や減量が難しくなる理由のひとつに、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。今回は、そんな女性の体の変化を考慮したダイエット法を紹介します。

ホルモンと体重の関係

女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは、筋肉や骨密度の維持、代謝に貢献しています。しかし、女性の体は更年期にさしかかると、このふたつのホルモン分泌が減少し、筋肉や骨細胞も減ってしまいます。その結果、生命の維持を保つ防衛反応として、体脂肪を蓄えようとします。

また、更年期前に分泌されていたテストステロンというホルモンも同時期に減少し始めます。このホルモンは一般的に男性の体で多く作られますが、女性の体でも微量の分泌があり、主に筋肉や骨の発達を促進して代謝向上に貢献します。つまり、これらのホルモンが低下すると、筋肉や骨の機能も下がり、代謝の低下、骨折などのけが、さらには心臓病リスクにもつながります。

コルチゾールというストレスホルモンも更年期の体重変動に大きく関わっています。コルチゾールは、日々のストレスにうまく対応できるよう、肝臓に短期的に貯蔵されているグルコース(糖質)分泌を促し、血糖を上げようとします。ただし、細胞が血中のグルコースを使うためにはすい臓からのインスリンというホルモンが必要です。インスリンのシグナルによってグルコースは細胞内に吸収され、エネルギーとして使われます。しかし、ストレスが長期間続くと、血糖の上昇が継続し、インスリンも分泌され続け、体はオーバードライブの状態に。そうなると細胞がシグナルに反応しなくなり、インスリン抵抗性という症状が現れます。この症状により、体の細胞がうまくグルコースを使ってエネルギーを作れず、体脂肪は増加し、メタボリック症候群や糖尿病のリスクも高くなります。

更年期に合った正しいダイエットとは?

 前述の通り、ホルモンバランスの乱れで体重維持が困難になる更年期で大事なのは、無理のない長期的な方法で理想体重を維持することです。急激なダイエットやカロリー制限はかえって体に負担がかかり、より痩せづらい体を作ってしまいます。まずは基本に戻り、食事や生活面で改善できることから始めましょう。

  • ストレス軽減が先決

ストレスは代謝の低下やインスリン抵抗性の原因に。特に冬は風邪などの身体的負担から、体にストレスを与えやすい時期です。柑橘系果物に豊富なビタミンCや、玄米、良質の肉類に多いビタミンB群をしっかり摂取し、ストレスに負けない体を作りましょう。

  • カロリー消費量の把握と調整

年齢と共に筋肉や運動量は低下するため、摂取カロリーの調整をします。管理栄養士などのプロと相談し、自分に必要なカロリーをチェックして食事プランを立てましょう。ただ極端にカロリーを減らすのは禁物。栄養失調を防ぐためには女性で最低1日1,000カロリーが必要です。

  • 良質な油を取り入れる

更年期のエストロゲン減少は、血中コレステロールに悪影響を与え、心臓疾患リスクが上がります。植物性油や抗炎症効果のある魚介類からの脂を積極的に取り、善玉コレステロール値の向上と心臓病予防を目指しましょう。また、消化に時間のかかる油は満腹感が持続するため、食べ過ぎ防止にもおすすめ。ヤシ科の植物に豊富な中鎖脂肪酸のみで作られるMCTオイルは、腸内菌によるエネルギー代謝向上にも効果的です。

  • カルシウムで丈夫な骨作り

強い骨でアクティブな毎日が送れるよう、カルシウムの摂取を意識しましょう。魚や乳製品、豆腐、ほうれん草などに豊富。目標は1日1,200ミリグラムです。ビタミンD3を一緒に摂取することで、腸からのカルシウム吸収率がぐっと上がります。

  • たんぱく質摂取後に運動を

食物の消化・吸収でもカロリーは消費され、特にたんぱく質は3大栄養素の中で最も消化カロリーを必要とします。毎食、良質なたんぱく質を積極的に取り入れつつ、さらに運動もすれば、カロリー消費を促し、筋肉増量、体重維持が期待できます。

 イベント続きの年末年始で増えた体重をリセットするためにも、更年期のホルモンバランスを理解し、その変化に寄り添ったダイエット・プランを、年明けから実行してみてはいかがでしょうか。


デトックスで乗り切るホリデー・シーズン〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

デトックスで乗り切るホリデー・シーズン

 サンクスギビングやクリスマス、忘年会など、イベント目白押しの楽しい季節の始まりですね。親しい人との交流は、免疫細胞を活性化させ、健康の維持にとても重要。けれど飲み過ぎ・食べ過ぎはエイジングを加速させ、肌荒れや体重増加、メタボリック症候群などの原因にもなります。今回はホリデー・シーズンを快適に過ごすための簡単デトックス方法を、栄養面から紹介します。

デトックスには肝臓が大活躍

デトックスと聞くと、ジュースクレンズやサプリを想像する方もいるかもしれませんね。実は、私たちの体には自然に有害物質を体外へ出すシステムが備わっています。そのカギを握るのが肝臓です。体内で作られた活性酸素やホルモン、また外部からのウイルス、アルコールといった有害物質は、血液を通り肝臓で処理されます。そして汗や息、尿、便からの排出へとつながるわけです。

肝臓によるデトックスには、大きく2つのステップがあり、それぞれ必要な栄養素が異なります。1つ目のステップでは、水溶性のビタミンB・C群、脂溶性のビタミンEなどの摂取が必須。これらの栄養素により、シトクロムP450という酵素が有害物質を水溶性に変えて排出できるようにします。しかしこの過程でできる中間代謝物質はとても危険で、炎症やDNA損傷を起こしてしまいます。そこで2つ目のステップとして、肝臓はすぐにこの排出に取り掛かります。このプロセスにはグリシニン、タウリンなどのアミノ酸やビタミンB12、マグネシウムなどを必要としますが、何らかの理由でアミノ酸が欠乏していると、2つ目のステップに進めません。
1つ目のステップで生成された中間代謝物質が中和されないまま体内を再循環し、炎症やDNA損傷が増えると、慢性病の原因になる恐れもあります。

デトックス製品の落とし穴

 「デトックス」と書かれている市販品を手に取ったことがある、試してみたことがあるという方は多いでしょう。残念ながら、それらのほとんどは前述の通り、肝臓のデトックス機能に必須となる栄養素、特にアミノ酸が欠乏している状態では、逆にデトックスを妨害することになります。

 さらに、炭水化物などでカロリーの取れない市販品では、肝臓やほかの細胞が機能を果たすために必要なエネルギーを作ることができず、栄養失調の危険性も。肝臓の健康やデトックス機能を促進するためにも、サプリやデトックス製品のみに頼るのではなく、肝臓の機能自体を高める食材の摂取が何より大切です。

デトックスに効果的な食事

 以下は、毎日の生活で無理なく取り入れられる食事法です。

  •    抗炎症効果のある食材をバランス良く

食物繊維を豊富に含む炭水化物、良質なたんぱく質、色鮮やかな野菜を毎日の食事に取り入れ、肝臓のデトックスを促進しましょう。ただし、カロリー量は適切に。

  •    ビタミンB群を摂取する

鶏肉、牛肉、卵、魚介類からのビタミンB群は肝臓のデトックスに必要不可欠。肝臓以外の細胞に必要なエネルギー生成にも欠かせません。ビタミンB12は動物性の食材にのみ入っているため、ビーガンやベジタリアンの方は強化シリアルや栄養酵母、またはサプリで補うのも良いでしょう。

  •    キャベツ科の食材に注目

ブロッコリーやキャベツ、チンゲンサイ、ケールなどには、インドール-3-カルビノールという物質が含まれ、肝臓でのデトックス2つ目のステップで大きな役割を果たします。エストロゲン代謝にもつながり、女性特有のがん予防にも効果的です。

※甲状腺ホルモンに影響を与えるため、甲状腺疾患の方は摂取量と食べ方を医師や管理栄養士に相談を。

  •    コーヒーを飲む

抗酸化物質のポリフェノールが豊富なコーヒーは、デトックスだけではなく肝臓疾患予防にも効果大。ただし、砂糖やクリームの入れ過ぎは禁物。疾患のない方は、1日400ミリグラムまでのカフェイン(3、4カップ相当)までであれば問題ありません。サプリやエナジー・ドリンクからのカフェイン摂取は避けましょう。

  •    自然食材を選ぶ

肝臓への負担軽減のために、有機栽培の野菜や果物、抗生物質や成長ホルモン不使用の肉類を食べるようにしましょう。「オーガニック」、 「100% グラスフェッド」、「アンチバイオティック・フリー」などのラベルが目印。

 久しぶりに家族や友人とのホリデー・パーティーを計画する方もいるのではないでしょうか。健康で安全に過ごすためにも、肝臓に良い食材を積極的に取り入れ、無理のないデトックスを心がけてくださいね。


  • Liver detoxification pathways:  

L Kathleen Mahan, and Janice L Raymond. Krause’s Food & the Nutrition Care Process. 14th ed., Elsevier, 2017. 

  • Cruciferous vegetables and I3C: 

https://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/risk/diet/cruciferous-vegetables-fact-sheet 

エストロゲンと40代からの健康〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

エストロゲンと40代からの健康

 10月はウーマンズ・ヘルス月間。この機会に女性の健康について考えてみませんか。今回は美人ホルモンとも言われるエストロゲンについてお話しします。エストロゲンは女性の美容や健康に大きく貢献しており、肌の弾力を保つコラーゲン生成から、骨を作る細胞や筋肉の衰えの防止まで大活躍です。

更年期症状を軽減するために

40代後半の女性は、プレ更年期・更年期を迎えます。卵巣から分泌されるエストロゲン量が急激に減少し、ホルモンバランスが崩れ、体にいろいろな症状が出てきます。体はこれを軽減しようと副腎から分泌されるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA:Dehydroepiandrosterone)という物質に頼り、エストロゲンを作ろうとしますが、健康を保つには不十分。エストロゲン量を人工的に増加させるホルモン補充療法(HRT :Hormone Replacement Therapy)もあるものの、乳がんや子宮がん、心臓疾患と大きく関係していると言われ、リスクが懸念されています。

更年期症状は人それぞれです。軽症で済むこともありますが、のぼせや不眠症など日常生活に支障を来す場合、コントロールが利かない自分の体に不安やストレスを感じることでしょう。更年期を楽に、そして美しく健康的に過ごせるように、更年期を迎える前から栄養バランスの良い食事とアクティブな生活習慣を心がけたいもの。中でも望ましいとされるのが、エストロゲンの生成や働きを助ける食物の摂取です。

エストロゲンの生成に良質の脂肪を!

 エストロゲンは主に脂肪やコレステロールからできているため、普段から積極的に脂肪を摂取するようにしましょう。血中コレステロール値に与える影響はさまざま。オリーブオイルやアボカドオイルなど良質の植物性油は善玉コレステロール値(HDL:High Density Lipoprotein)を上げ、ホルモンバランス向上や心臓病予防にもつながります。一方、赤肉やバターなどに含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロール値(LDL:Low Density Lipoprotein)を上げるリスクがあります。加工食品などに多いトランス脂肪酸はLDLを上げ、HDLを下げてしまうので極力避けましょう。

 また、肌などの細胞膜も脂肪酸でできていますので、良質な脂肪を毎日の食事で取り入れることは美しさを維持するためにも欠かせません。疾患のない方であれば、1日の脂肪摂取量は総摂取カロリーの25%から35%が目標となります。

手軽なエストロゲンの摂取方法

 実は、私たちが普段食べる食材にもエストロゲンは含まれています。植物エストロゲン(Phytoestrogen)と言われるこの物質は、卵巣が作るエストロゲンと似た構造をしています。HRTの人工エストロゲンと比べて体への負担が軽く、毎日の食事からの摂取量であれば乳がんや子宮がんなどのリスクも少ないとされます。最近は、肌や関節、骨などを強くするホルモンのバランスを整えるにも効果的との研究結果も出ています。

 植物エストロゲンは主に3種類あります。こまめに食事に取り入れていきましょう。レシピは健康食専門サイト「EatingWell」(www.eatingwell.com)が参考になりますよ!

【植物エストロゲン】

イソフラボン:大豆製品、特に納豆や味噌などの発酵食品に豊富。ただし、大豆製品は甲状腺機能を妨げるため、甲状腺疾患のある方は医師と相談を。また、イソフラボン摂取により腸内で生成されるエクオールを体質的に作れない人は、効果が感じづらいとされる。

リグナン:フラックスシード(亜麻仁)、チアシード、ヒマワリの種など。オメガ3脂肪酸や食物繊維が豊富なため、腸活にもおすすめ。抗炎症作用もある。フラックスシードは直前にひいて食べると効果大。

クメスタン:マメ科の植物、特にスプリットピー、ひよこ豆、平豆、うずら豆、緑豆などに多く含まれる。植物性たんぱく質や葉酸たっぷりで、ビーガンの方や妊活中の女性にもぴったり。

 月経、妊娠・出産、更年期と、さまざまなホルモン変化を経験する女性の体。女性特有の役割が終わりに近づく40代だからこそ、美容面でも健康面でも自分の体をいたわり、より自信にあふれる生活を送りたいものですね。


  • Estrogen and women’s health 

 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21714580/ 

  • HRT and cancer risks 

https://www.cancer.org/cancer/cancer-causes/medical-treatments/menopausal-hormone-replacement-therapy-and-cancer-risk.html 

  • Types of dietary fat and cholesterol levels 

https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/fats-and-cholesterol/types-of-fat/#:~:text=Types%20of%20Fat.%201%20Unsaturated%20fats.%20Unsaturated%20fats%2C,Fats.%204%20References.%205%20Terms%20of%20Use.%20 

  • Effects of phytoestrogen on women’s health 

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6390141/ 

  • About DHEA 

https://ndnr.com/womens-health/the-relationship-between-adrenal-function-and-menopausal-symptoms-2/ 

ホルモンバランスを整えて毎日元気で若々しく〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

ホルモンバランスを整えて毎日元気で若々しく

 人間の体内では常に60種類以上のホルモンが分泌され、生命を維持する細胞や臓器機能を保っています。夏から秋へと季節が移行する9月、私たちの体はその変化に対応しようとストレスを感じやすく、ホルモンバランスを崩す傾向にあります。脳が感知した身体的、精神的ストレスに対応するために副腎から一時的に分泌されるホルモン、コルチゾールの増加もそのひとつです。

ストレスホルモン、コルチゾールってどんなもの?

コルチゾールには血圧や血糖、記憶力、集中力などを高める役割があります。しかし、肉体労働や精神的ストレスが継続すると、コルチゾールが過剰分泌して体内で炎症が起こり、副腎疲労、脱毛、シワ、肥満などのエイジングの加速、糖尿病や自己免疫疾患などの慢性病のリスクも高くなります。

偏った食事や喫煙、運動不足といった不健康な生活習慣もまた、コルチゾール増加の原因に。女性ホルモンのエストロゲンもコルチゾール分泌を促しますので、特にピルなどの経口避妊薬を使用している方は注意が必要です。

以下は、コルチゾールのバランスが崩れる時に起こる症状の例です。

・お腹周りに脂肪がつく、筋肉量の減少
・極度の疲労、頭痛
・イライラ感、集中力低下
・高血圧、高血糖
・免疫低下、傷が治りにくい
・インスリン抵抗

コルチゾール調整に有効な朝のルーティン

コルチゾールは朝の4〜5時頃から分泌が活発になり、8時頃にピークを迎え、昼夜は低下します。忙しい現代社会に暮らす私たちは日中を通してストレスにさらされがち。すると1日中コルチゾールの分泌が収まらず、エイジングが加速します。エネルギーに満ちた元気な毎日を送れるよう、朝のルーティンに以下のことを取り入れてみましょう。

起床後は、まず水分補給 私たちの体は、就寝中にたまった老廃物やホルモン物質の過剰分を、翌朝に排泄するようにできています。目覚めにレモン入り白湯をコップ1、2杯飲むと、脱水症状が和らぐと同時に胃腸を活性化でき、排泄が促されます。

深呼吸をする  深呼吸によって副交感神経が優位になり、コルチゾールの分泌を抑えられます。朝に限らず、ストレスを感じた時には息を深く吸い、長く吐き出すことを繰り返してみましょう。

軽いストレッチや運動  全てのホルモンは血液やリンパを通して他臓器にシグナルを送ります。血液やリンパがドロドロだと、ホルモン循環が悪くなり、体もうまく機能しません。水分補給後に軽いストレッチや運動をすることで血液やリンパの循環を促し、ホルモンが働きやすくなるようバランスを整えられます。

血糖値を保つ朝食を  血糖値がいちばん低いのは朝です。朝食を抜いたり、血糖値が急激に上がる食事をしたりすると、コルチゾール分泌に悪影響を及ぼします。腹持ちの良い良質なたんぱく質や食物繊維の多い炭水化物を取ることで血糖値が保たれ、元気に1日を過ごせます。

カフェインを避ける  朝にカフェインを取る習慣はホルモンバランスを乱します。どうしてもという方は、カフェインレスのコーヒーか、緑茶や抹茶などカテキンが豊富な飲み物に替えましょう。人気のハーブティーやキノコ茶はカフェインがなく、コーヒー感覚で飲めるのでおすすめです。

栄養素を摂取して季節の変化に負けない体作り

 コルチゾールは減らせば良いというものでもありません。ストレスホルモンのおかげで体はうまくストレスに対応し、集中力を向上させ、免疫細胞の活性化を促します。大事なのはホルモン量のバランス。以下の栄養素はコルチゾールの生成と分泌のバランスを良くするほか、ストレスでダメージを受けた細胞の炎症を軽減する働きもします。

 サプリメントで摂取する場合、混合物や色素の成分によって副作用が起こる可能性がないか、原材料をしっかり調べましょう。疾患を持つ方は服用前に医師と相談を。

抗酸化物質  色鮮やかな野菜や果物には、コルチゾールによって起こる炎症を抑える抗酸化物質がたっぷり。食物繊維やプロバイオティクスが豊富で、腸にある善玉菌を増やし、悪玉コレステロールを減らしてくれます。

オメガ3脂肪酸  魚の脂にあるオメガ3には、コルチゾールや細胞の炎症を抑える必須脂肪酸が多量に含まれます。ベジタリアンやビーガンの方は、アボカド、ナッツ類などから摂取することも可能。この脂肪酸は体内で自然に生成されないため、食事やサプリメントで補給する必要があります。

良質なたんぱく質  ホルモンは主にたんぱく質や脂肪酸からできています。鶏肉、魚、大豆製品、豆類、キノアから良質なたんぱく質を摂取し、正常なホルモン生成につなげましょう。特に良質な動物性たんぱく質は、ホルモン生成やデトックスに不可欠なビタミンB群が豊富です。

アダプトゲン  ウコンやキノコ類はアダプトゲンと呼ばれ、副腎がコルチゾールを過剰分泌するのを抑え、免疫細胞の正常化にも役立ちます。晴れ間の少ないシアトルでは欠乏しがちなビタミンDも、キノコを食べることで補えます。

 栄養素を毎日の生活に取り入れて、季節の変化によるストレスに負けない、丈夫な体を目指しましょう。


11 Natural Ways to Lower Your Cortisol Levels 

www.healthline.com/nutrition/ways-to-lower-cortisol 

The Top Science-Backed Adaptogens with Major Benefits 

www.parsleyhealth.com/blog/what-are-adaptogens 

What is Cortisol? 

www.hormone.org/your-health-and-hormones/glands-and-hormones-a-to-z/hormones/cortisol 

“楽しく続けられる”がスローエイジングの基本〜栄養学で若返り!スローエイジング

栄養学で若返り!スローエイジング

ゆっくりときれいに年を重ねることを目指す「スローエイジング」という考え方。更年期が気になる大人の女性に向けて栄養学の発展したアメリカ在住だからこそ実践したい、元気で若い体づくりを提案します。

“楽しく続けられる”がスローエイジングの基本

スローエイジングとは、エイジングを引き起こす要因を取り除き、健康で若々しく、長い人生を送ることを目的としたライフスタイルです。エイジングの要因のひとつとして、体内に蓄積される活性酸素が細胞を傷つけることで起こる過程が挙げられます。栄養面では、この活性酸素を無害化する栄養素や食事を摂取することで、いつまでも若い健康な肌や体を保つことが可能です。

 しかし、食生活に気を付けるだけではスローエイジングは困難。大気汚染、紫外線、運動不足、ストレスも活性酸素を増やします。つまり、生活習慣、社会的環境、精神面なども改善する必要があります。連載初回は、活性酸素を減らす方法とスローエイジングの基本を紹介したいと思います。

活性酸素はエイジングや病気のもと

私たちの体内で起こるエネルギー代謝や酵素生成などの化学反応過程の中で、活性酸素は毎日生まれています。爆弾のようにとても不安定な活性酸素は、いつ爆発して周りの健康な細胞にダメージを与えるかわかりません。つまり、活性酸素が増えれば増えるほど、そのリスクも大きくなるということ。エイジングは加速し、心臓病や糖尿病、自己免疫などの慢性病にもつながりかねません。体内で自然に起こる化学反応を止めることはできませんが、活性酸素の生成自体を抑えてくれる食べ物がたくさんあります。カラフルな野菜や果物を多く摂取することで、活性酸素と戦ってくれる抗酸化物質を増やし、活性酸素と細胞のダメージを軽減させることができます。

今日から始める!簡単なスローエイジング方法

エイジングに対して不安を持っている方は少なくないでしょう。特に異文化の中での暮らしはストレスを抱えやすく、食事面でも不便に感じる場面が多くあると思います。一方で、栄養学が発展したアメリカに住んでいるからこそ、新しくユニークな食材やダイエット法、健康グッズを発見できるメリットも。進化したフィットネス・プログラムにも挑戦できるかもしれません。PCC(www.pccmarkets.com)などのオーガニック・スーパーが主催する料理クラスに友だちや家族と参加するのも、手軽なスローエイジング方法です。新型コロナウイルスのパンデミック中も、Zoomで開催しています。加齢は当たり前のことと受け入れると、若く健康な人生を送るための手段がたくさん見えてくるもの。まずは飽きずに長く続けられる、自分に合った方法を見つけることが大切です。

慢性的なストレスがあると活性酸素が増えやすくなります。楽しく笑顔のある生活を送る中で適度に運動も行い、健康体を目指しましょう。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は血液の循環を良くし、活性酸素など毒素の排出効果も期待できます。ストレスは過食や偏食にもつながります。ストレスがなければ、体は自然と栄養バランスの取れた食事を求めるようになります。

食生活を見直そう

アメリカに住んでいるとついパンやパスタなどを多く食べてしまいがち。精製された炭水化物は栄養価が少なく、カロリーだけが増えてしまいます。市販のペイストリーには砂糖が大量に使用され、トランス脂肪酸も含まれています。また、赤肉や燻製肉には飽和脂肪酸や化学物質が少なくなく、過剰摂取すると炎症を起こし、活性酸素を生むと言われています。まずはこのような食べ物を減らし、栄養たっぷりの野菜や果物を食事に取り入れ、エイジングの減速につなげましょう! 

人間の体はとても上手くできていて、活性酸素の増加を防御してくれるシステムが備わっています。けれども、このシステムは、食物からの栄養素に頼らなければ機能しません。

活性化酸素を減らしてくれる栄養素 
・良質タンパク質:活性酸素の防御システムはタンパク質から成り立っています。鶏肉や魚、豆腐、キノアなどから摂取することで、活性酸素を中和し排泄します。
・ビタミンC:シトラス系果物や緑色野菜、またキャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜に豊富。加熱に弱いので、できるだけ生で取るのがコツ。スムージー、あるいは蒸して食べるのも良いでしょう。
・ビタミンE:野菜や油、魚介、肉などさまざまな食べ物に含まれているので、欠乏することはまれ。特に植物性オイル、ナッツ、種に豊富です。ヒマワリの種をサラダに入れたり、アーモンドをオートミールに入れたりするのもおすすめ。
・オメガ3脂肪酸:魚介に多く、特にサバやイワシなど脂ののった青魚にたっぷり。細胞の炎症を抑えてくれるだけではなく、脳や心臓疾患の予防効果も。
・セレン:カニやエビ、カキなどに含まれるセレンも、タンパク質同様に活性酸素の防御システムの一部に。スローエイジングの手助けをしてくれます。
 

以上の栄養素はスローエイジングの基礎となります。毎日の食事で、できるだけ摂取できるように心がけたいものですね。