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Author: 五十畑 諭

神戸市出身。明治大学卒業。大手外資系コンピュータ会社でのシステム・エンジニア職経験後渡米。 アメリカのハートランド、カンザス州のワシュバーン大学ロースクール(法科大学院)を卒業、ジュリス・ドクター(J.D.)取得。 カンザス・ワシントン両州において弁護士資格を持つ。K&I Lawyers設立以前は、 ロサンジェルスおよびシアトルにある移民法を中心とする法律事務所での勤務を通じて、多様な移民法関連のケースの経験を積む。 カンザス州およびワシントン州弁護士協会会員、米国移民法弁護士協会会員。 6100 219th St., SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043 ☎ 206-430-5108 FAX 206-430-5118

国際企業の重役・管理職者の永住権申請、EB-1C カテゴリー〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

国際企業の重役・管理職者の永住権申請、
EB-1C カテゴリー

雇用に基づく永住権(グリーンカード)申請は、外国人の能力や学歴・経歴によって主にEB-1からEB-5と5つのカテゴリーに分かれます。そのうちEB-1は第1優先カテゴリー(First Preference)とされ、さらに以下の3つのカテゴリーがあります。

(A)Extraordinary Ability 
科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野で卓越した能力を持っている外国人

(B)Outstanding Professors and Researchers 
著名な教授と研究者

(C)Certain Multinational Manager or Executive 
国際企業の重役・管理職者  

EB-1に適合する外国人に対するグリーンカードの年間割当数は、全体の28.6%となっています。今回は、その3つのカテゴリーから、Cのカテゴリーに当たる「国際企業の重役・管理職者」(EB-1C)について取り上げます。 

このカテゴリーの申請に、労働認定証(レーバー・サティフィケーション)は必要ありません。しかし、自己申請はできないため、スポンサー企業は必須となります。なお、国際企業の重役・管理職者でも、「科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野で卓越した能力を持っている外国人」(EB-1A)に該当する場合は、自己申請が可能なため、労働認定証もスポンサー企業も不要です。EB-1Aカテゴリーの申請条件に関しては、別の機会にお話しします。

EB-1C申請条件

EB-1CとL-1非移民ビザの申請条件が似ているため、「L-1ビザを取得できたらEB-1Cのカテゴリーでグリーンカードが取得できる」と思っている方も少なくありません。以下、L-1ビザとの違いを交えながら、一般的なEB-1Cの申請条件を説明します。

1.スポンサーが国際企業のグループであること 
アメリカとアメリカ国外に関連企業が存在しなければなりません。関連企業とは、支社、子会社、親会社、合併事業等、共通の利害関係にある形態のことです。一般的な例は、「日本の会社は親会社、アメリカの会社はその子会社」です。 

外国人労働者の国籍は関係ないので、外国人労働者が日本人だからといって、必ずしもアメリカ国外の関連企業が日本の会社でなくても問題ありません。

2.アメリカの関連企業が、外国人労働者を重役・管理職者として雇用する予定であること 
L-1ビザは重役・管理職者のほかに、特殊技術・知識保持者のポジションでも申請可能なのに対し、EB-1Cは国際企業の重役・管理職者のポジションに限られています。

3.外国人労働者は、グリーンカード申請前の3年間のうち最低1年間、アメリカ国外の関連企業でフルタイムの勤務経験が必要 
この勤務経験は、重役・管理職者としてのものでなければなりません。アメリカ国外の関連企業での勤務経験は、L-1ビザの場合、重役・管理職者でも、特殊技術・知識保持者でも取得可能なのに対し、EB-1Cは重役・管理職者のみとなっています。 

外国人労働者が、非移民ビザ保持者としてすでにアメリカの関連企業で働いている場合は、渡米前の3年間のうち最低1年間、アメリカ国外の関連企業でフルタイムの勤務経験が必要です。

4.アメリカの関連企業が、創業から最低1年以上経過していること 
この申請条件も、L-1ビザと異なります。L-1ビザの場合は、新規に設立された企業でも申請可能なのに対し、EB-1Cは、アメリカの関連企業が創業から1年以上経過していることを条件としています。

EB-1Cカテゴリーでグリーンカードを申請するのに、L-1ビザを保持している必要はありません。申請条件を満たしていれば、アメリカ国外からもEB-1Cの申請は可能ですし、L-1ビザを申請せずに、直接EB-1Cカテゴリーでグリーンカードを申請することもできます。反対に、L-1ビザを保持しているからといって、自動的にEB-1Cカテゴリーでグリーンカードが取得できることもなく、上述したように、明らかにL-1ビザとは違う申請条件が設定されています。申請条件が似ていることから、すでに重役・管理職者としてL-1ビザを取得している場合は、EB-1Cカテゴリーでのグリーンカード申請において有利に働くケースも見られますが、申請基準はEB-1Cのほうが厳しいと言えるでしょう。 

なお、スポンサーになれるのは、アメリカの会社です。関連企業であっても、外国の会社がスポンサーになることはできません。また、スポンサー企業は、外国人労働者の賃金を継続的に支払う能力があることを証明しなければならず、年次決算報告書や、所得税申告書、監査済みの財務諸表などの提出が求められます。 

外国人労働者の配偶者と21歳未満で未婚の子どもは、外国人労働者の申請に付随して、グリーンカードを申請することができます。

著名な教授と研究者用の永住権申請、EB-1B カテゴリー〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

著名な教授と研究者用の永住権申請、
EB-1B カテゴリー

雇用に基づく永住権(グリーンカード)申請は、外国人の能力や学歴・経歴によって主にEB-1からEB-5と5つのカテゴリーに分かれます。そのうちEB-1は第1優先カテゴリー(First Preference)とされ、さらに以下の3つのカテゴリーがあります。

(A) Extraordinary Ability
科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野で卓越した能力を持っている外国人

(B) Outstanding Professors and Researchers
著名な教授と研究者

(C) Certain Multinational Manager or Executive
国際企業の重役・管理職者 

EB-1に適合する外国人に対するグリーンカードの年間割当数は、全体の28.6%となっています。今回は、その3つのカテゴリーから、Bのカテゴリーに当たる「著名な教授と研究者」(EB-1B)について取り上げます。 まず、以下はその申請条件です。

EB-1B申請条件

1.専門分野での業績に対して国際的に認められていること

2.専門分野で少なくとも3年間、教員として、あるいは研究者としての経験があること

必要な学位を取得中に得た教員経験は、外国人がその学位を取得し、教えたクラスの責任者であった場合にのみ、3年間の経験にカウントできます。また、研究経験も、その学位を取得し、専門分野の専門家から優れていると認められた研究を行った場合にのみ、3年間の経験にカウントすることが可能です。

3.グリーンカード取得後、専門分野でテニュアまたはテニュアトラックの教員、あるいは大学、高等教育機関、または民間企業でテニュアまたはテニュアトラック同等の研究員として働くこと

スポンサーが民間企業の場合は、その企業が専門分野のフルタイム研究者を3人以上雇用していること、さらに専門分野に貢献していることを証明しなければなりません。

外国人が著名な教授あるいは研究員であることを証明するために、右記6つの項目のうち、少なくとも2つを満たし、その証拠書類を提出する必要があります。 

なお、このカテゴリーの申請に、労働認定証(レーバー・サティフィケーション)は不要です。しかし、雇用のオファーレターを提出しなければならないので、スポンサーは必須となります。

著名な教授や研究者である証明と証拠書類の例

1.主要な賞、または優れた業績に対する賞を獲得

例:賞状、または受賞の事実が記された手紙のコピー
受賞の基準、賞の目的や専門分野での重要性、過去の受賞者などを説明すると良いでしょう。権威ある賞でしたら、ノーベル賞レベルでなくて構いません。しかし、大学が授与するレベルの賞だと、通常は高く評価されません。

2.優れた業績を示すことが入会条件となっている協会の会員

例:入会通知書のコピー 
誰でも入会できるわけではないことを証明するため、入会の審査基準や協会の国際的評価の説明も添えましょう。

3.外国人の専門分野での活動や研究について、第三者によって書かれた記事や論文が専門出版物に掲載

例:出版物名、発行日、記事のタイトル、著者、外国人の活動や研究内容が記載された記事のコピー 
重要なのは、外国人の活動内容を肯定的に紹介・論議していることで、単に、名前や活動内容に触れる程度では不十分です。また、出版物自体が業界で地位を確立している証拠、発行部数などの説明が求められます。

4.同じあるいは関連した専門分野で活動する人の活動内容について、審査員団の1人として、または個人の審査員として参加

例:審査員として招待された手紙のコピーや参加したことの記録 
審査員の選出基準のほか、審査員として参加した会議、イベント、または専門出版物の国際的評価についても説明しましょう。

5.専門分野にて独自の科学的または学術的研究に貢献

例:専門分野で活躍する他の著名人からの推薦状や、学会や会議などにおける研究発表に関する書類
推薦状の数に決まりはなく、5~7通が一般的。同じ内容の推薦状が何枚あっても、申請を有利に進めることはできません。また、外国人の性格や素質についての推薦状ではないので、具体例を挙げながら、外国人の実績と専門分野への貢献を示すことが大切です。

6.国際的に流通しているジャーナルに、専門分野の論文または記事の著者として記載

例:出版物のリストや、論文のタイトル、著者、ジャーナル名、発行日が記載された記事のコピー、論文の引用数を示す証拠 
ジャーナルの国際的評価を証明できるよう、発行部数や発行頻度などの説明、論文や記事の引用数などを含めるようにしましょう。

アメリカの入国審査と査証免除で入国する場合の注意点〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

アメリカの入国審査と
査証免除で入国する場合の注意点

外国人がアメリカに入国するためには通常、ビザ(入国査証)が必要です。しかし、日本人を含む、査証免除(Visa Waiver)プログラム参加国の国籍保持者は、滞在が90日以内で商用または観光が目的の場合、ビザなしで入国できます。なお、参加国の国籍保持者であっても、同プログラムを使えない人もいます。2011年3月1日以降に、北朝鮮、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンに渡航したことがある外国人などがその一例です。 
 
査証免除で入国するには、渡米前にESTA(電子渡航認証)を申請します。アメリカ到着後に入国審査が行われますが、その主な目的は、渡航者の身元確認、パスポートやその他の書類の検査、そして詐欺や安全保障上の脅威を防ぐことです。顔写真の撮影と指紋認証が実施されるほか、個々の状況によっては、渡米の目的や期間、滞在先、職業、同行者、帰りのチケットの有無、持ち物などを確認されます。さらに、過去の渡航歴についての詳細、ビザ申請が却下されたことがあるか、ESTA申請に不正がなかったか、犯罪歴を隠していないか、などを聞かれることも考えられます。入国審査の一般的な質問は以下の通りです。
 
1.入国目的:What is the purpose of your trip?
査証免除での入国は、あくまで商用または観光の目的でのみ90日以内の滞在が認められるもので、何をして も 良 い と い う こ と で は あ り ま せ ん。 商 用 目的でカンファレンスに参加予定の場合、招待状や参加登録の証明書、スケジュール表などを準備しておきましょう。 
 
2.滞在先:Where are you staying while in the US?
ホテルであれば予約確認書を用意します。友人宅に滞在する場合は、友人の氏名や住所、電話番号、勤務先について質問を受ける可能性が高くなります。友人が引退していて無職、あるいはフルタイムの学生という場合でも、そのことを正直に伝えます。会社に所属せず働いている場合は、個人事業主(self-employed)と答えます。 
 
3.同行者:Are you traveling with anyone?
配偶者や友人、会社の同僚など、一緒に旅行をしている人がいれば、氏名や関係性について質問を受ける可能性があります。 
 
4.滞在中に会う人物:Do you plan to meet someone in the US?
滞在中に会う予定の人の氏名や住所、電話番号、勤務先、関係性について質問を受ける可能性があります。滞在目的と合致しているか、日本に戻る意思があるかを確認する意味合いを持ちます。 
 
5.滞在期間:How long are you staying in the US?
滞在目的と合致しているか、日本に戻る意思があるかを確認する意味合いを持ちます。帰りの飛行機の予約確認書を準備しておくと良いでしょう。 
 
6.渡米頻度:How often do you travel to the US?
同じく、滞在目的と合致しているか、日本に戻る意思があるかを確認する意味合いを持ちます。 
 
7.渡航歴:When was the last time you visited the US?
同じく、滞在目的と合致しているか、日本に戻る意思があるかを確認する意味合いを持ちます。 
 
8.仕事:What is your job? Who is your employer?
居住地での仕事や勤務先に関する質問です。商用の場合は、雇用証明書や名刺をすぐ見せられるようにしておきましょう。
 
不審な点があれば二次審査(Secondary inspection)へ送られ、別室で質問を受けたり、荷物を検査されたりします。場合によっては、SNSやメールを見られることもあります。入国審査の結果、入国の資格を満たしていないと判断されると、入国は認められず、将来的にも査証免除プログラムを利用することができなくなります。 
 
渡航者が認識しておきたいのは、入国は保証されているものではないということ。入国審査を軽視してはいけません。合法的な入国だと立証するのは、外国人渡航者自身です。入国審査の際、法律で定められている許容範囲を超えると判断されれば、入国は認められません。「バケーション」と申告しているのに仕事道具を持ち込んだり、入国後の結婚とグリーンカード申請を予定していたり、「会議への参加」との申告で就労とみなされる活動をしたりするのが、その例と言えます。 
 
近年、アメリカの入国審査はさらに厳しくなる傾向にあります。スムーズに入国手続きを進めるために、また、正しい目的に沿ってアメリカ滞在を有意義に過ごせるように、しっかりと渡航準備をしておくことが大切です。

DV-2025 プログラム〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

DV-2025 プログラム

2025年会計年度(2024年10月1日から2025年9月30日まで)の移民多様化ビザ抽選プログラム(Diversity Immigrant Visa Program = DVプログラム)の応募要項が発表されました。 

DVプログラムは、米国移民の出身国の多様性を維持すべく、歴史的に米国移民率の低い国の人々を対象に抽選によって移民ビザ(永住権:グリーンカード)を発給するというもので、通称「抽選永住権」、あるいは「永住権宝くじ」と呼ばれています。 

2025年会計年度のDVプログラムの応募は、2023年10月4日の東部時間正午から受け付けが開始されており、11月7日(火) の東部時間正午で終了します。例年通り、5万5,000人までのDV移民枠が割り当てられます。過去5年間に5万人以上の移民を米国に送り出した国の出身者は、DV-2025プログラムの対象ではありませんが、日本は2025年会計年度でも引き続き、応募対象となっています。  

応募者の出生国が対象外であっても、次のような場合、配偶者または親の出生国の資格で応募できます。
1.配偶者が対象国の生まれで、応募者本人と配偶者の両氏名が応募時に入力されており、両者がDVビザを取得し、一緒に米国へ入国すること。

2.両親が応募者の出生国で生まれておらず、かつ応募者の出生時に、両親が応募者の出生国の永住者でなかった場合(その国の一時滞在者であった場合)、どちらか一方の親の出生国が対象国であれば、その資格で応募可能。 

なお、ここで言う「出生国」とは国籍のことではなく、生まれた国のことです。配偶者または親の出生国の資格で応募する場合は、応募フォームにその旨を説明します。間違った出生国を記載した場合の応募は無効です。また、応募者は対象国出身であるという条件以外に、高校を卒業(または同等の資格を有する) 、もしくは2年間の経験·訓練が必要な仕事に過去5年間のうち2年間従事した経歴も必要です。 

応募するには、国務省の公式サイト(https://dvprogram.state.gov) から、デジタル写真と一緒にオンライン応募フォームを送信します。必要な情報を全て正確に提供しなかった場合の応募は無効なので、きちんと入力されているか、しっかり確認しましょう。エラーを避けるために、最新のブラウザの使用が推奨されています。応募は無料です。 

フォームを送信すると、画面上に名前と確認番号が表示されます。確認番号は当選を確認するために必須ですので、必ず控えましょう。代行業者を通しての応募も可能ですが、入力情報が正しいかどうかを確認し、確認番号を入手できるように、国務省は自身での応募を勧めています。応募期間後半、特に最後の1週間は応募が集中し、アクセス数増加が原因で国務省の公式サイトがダウン、あるいはつながりにくくなるなどの問題が発生する可能性も。期間ぎりぎりでの応募はなるべく避けましょう。 応募は1人につき1通に限られており、重複した応募は無効となります。募集締め切り後や書面での受け付けは一切なされません。また、DVプログラムの応募期間には、詐欺メールや手紙が急増しますのでご注意ください。 

DVプログラムに関する詳細は、国務省公式サイトに掲載されています(https://travel.state.gov/content/dam/visas/Diversity-Visa/DV-Instructions-Translations/dv-2025-instructions-translations/DV-2025_Instructions-faqs.pdf)。2024年5月4日以降、同ウェブサイトにて、応募時に与えられた確認番号で当選したかどうかを確認します。

DVプログラムを通してグリーンカードを取得するプロセス

ステップ1  応募
ステップ2  当選
ステップ3  グリーンカード申請とインタビュー
ステップ4  グリーンカード取得

 
当選したからといって、必ずしもグリーンカードが取得できるとは限りません。ステップ3では、前述の学歴または職歴の証明や、過去の犯罪歴、移民法上のステータス違反などを含め、永住資格を満たしているかどうかを審査されます。 
 
申請には、当選時に知らされる番号に基づいて順番を待つこと。そして、同じ会計年度内の2025年9月30日までに審査を終了する必要があります。実際の当選者数は、このDVプログラムで発給できるグリーンカードの数より多い場合も。それゆえ順番が回ってこない可能性も考えられます。その場合は、当選したとしても、残念ながらグリーンカードを取得できないことになります。
 

米国市民権を取得するための帰化プロセス〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

米国市民権を取得するための帰化プロセス

生まれながらの米国市民ではない人が米国市民権を取得することを、帰化(Naturalization)と言います。現在、シアトル地域では、帰化申請の提出から面接まで早くても4、5カ月、約8割のケースで8カ月ほどかかっています。 

面接は審査の最終段階でスケジュールされ、免除対象とならない限り、面接と同時に英語テストと公民テスト(Civics Test)が行われます。申請者がいずれかのテストに合格しなかった場合、審査官は、60~90日の間に再試験をスケジュールします。再試験では、最初のテストで不合格だった部分のみ、テストが実施されます。英語テストには合格したものの、公民テストで不合格だった場合、再試験は公民テストのみで、英語テストはありません。再試験で不合格になると、帰化申請は却下されます。 

年齢による免除・特別処置のほか、身体的または精神的障害などが理由で、英語テストや公民テストが受けられない場合、ケースバイケースで免除を得られることがあります。免除を受けるには、医師からの証明書が必要です。

●英語テスト

英語テストでは、アメリカの日常生活における基本的な読み(Reading)、書き(Writing)、会話(Speaking)の能力を見られます。審査官は、申請者の多くがネイティブ・スピーカーでないことを理解しているので、パーフェクトな英語力は求められていません。

•Reading:三つの文のうち一つを正しく読む。
•Writing:三つの文のうち一つを正しく書く。
•Speaking:面接時、移民局の審査官とのやり取りで判断される。 

英語テストが免除される申請者は以下の通りです。免除対象になる場合でも、公民テストは受けなければなりません。ただし、公民テストは母国語で受けられます。

•50/20 Exception – 申請時に50歳以上で、永住者としてアメリカに20年以上住んでいる。
•55/15 Exception – 申請時に55歳以上で、永住者としてアメリカに15年以上住んでいる。

●公民テスト

公民テストはアメリカの歴史や政治に関する内容を網羅し、口頭で行われます。公民テストに向けて、指紋採取(バイオメトリクス)の際、『ポケット・スタディー・ガイド』という小冊子が配布されます。指紋採取が免除となる場合、オンライン(www.uscis.gov/sites/default/files/document/guides/M-1122.pdf)でダウンロード可能です。 

審査官は公民テストで、事前に公開されている小冊子に掲載の100問の中から最大10問を出題します。ただし、申請者が65歳以上で、アメリカに永住者として20年以上住んでいる場合は、そのうち※印がある20問の中から出題されます。出題10問のうち6問に正解すると合格。5問が不正解の時点で不合格となります。 

なお、公民テストは2008年版と、帰化申請を厳しくしたトランプ政権時の2020年版が存在します。元に戻された2021年3月1日以降に帰化申請書を提出した場合は、2008年版が使われます。 

小冊子にある100問には解答サンプルも用意されています。例1のように正解が一つしかないもの、例2のように正解が複数あるものが混在します。特に複数解答の指示がない限り、どれか一つ正解すれば問題ありません。

例1: Q – What is the supreme law of the land?
       A – the Constitution

例2: Q – What does the Constitution do?
       A1 – sets up the government
       A2 – defines the government
       A3 – protects basic rights of Americans

テストを受ける時期によって、正解が異なる質問も存在します。例えば、大統領や副大統領、州知事、上院議員の名前などです。小冊子には正解が変わる可能性についての記載がありますので、そうした質問の解答はテスト前に自分で調べておきましょう。

 

2024 年会計年度の H-1B ビザ発行の状況〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

2024 年会計年度の H-1B ビザ発行の状況

移民局が一会計年度に発給できる一般枠のH-1Bビザの数は6万5,000件、米国修士号枠は2万件です。すでに本コラムでもお伝えしたように、会計年度2024年のH-1B申請に関して、移民局は今年3月に抽選を行い、当選者は4月1日から6月30日までの間にH-1B申請を移民局に提出しました。それらは、すでに結果が出ているものもあれば、現在も移民局が審査中のものもあります。 

そんな状況下で、移民局は2回目の抽選を行うことを発表しました。これは申請受け付け当初には予定されておらず、1回目の抽選・申請だけでは会計年度の枠を満たすことができないとの判断があったものと思われます。 

2024年分に関しては、過去に比べて抽選申し込み数の著しい増加が見られたものの、不正が疑われる申し込みも多数あったようです。移民局は、それらの不正な申し込みの調査や取り締まりを続けており、抽選後に不正が確認された場合はH-1B棄却の決定をしたり、すでに認可したケースにおいても認可取り消しの措置を取ったりしています。 

2回目の抽選はすでに終了していて、もし抽選で選ばれると、当選者のmyUSCISアカウントが更新されます。当選はビザ申請の認可ではないので、当選者は次に申請のステップへ進むことになります。新規当選者の申請には、少なくとも90日間の期間が与えられます。なお、オンラインでの申請はできず、またH-1Bの申請条件を満たしていることを証明する必要があります。

●指紋採取日の変更がオンラインで可能に 

移民局の申請では、申請者のバイオメトリクス情報(指紋・顔写真・サイン)を求められるケースが多数存在します。以前に移民局で採取を受けたことがある申請者は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による制限下ではかなりの割合でアポイントメントが免除されていました。この免除措置は、現在も引き続き採用されています。 

アポイントメントを必要とする申請では通常、移民局により申請後1~3カ月以内に採取日が指定されます。しかし、その通知から実際にスケジュールされた採取日までの期間が2週間くらいしかないこともあります。そうしたケースでは、申請者側のスケジュールが合わないという状況も考えられるでしょう。もちろん、アポイントメント変更をリクエストすることは可能ですが、これまでは移民局のコンタクト・センターに電話で連絡し、依頼する必要がありました。この時点で問い合わせ番号は発行してもらえるものの、その後の移民局からの連絡が数カ月後になってしまうなど待機期間が発生し、きちんと処理されているのか確認することすら非常に困難でした。 

そこで新たに導入されたのが、アポイントメントのオンライン・リスケジュール機能です。一部の例外を除いてアポイントメント変更がオンラインでできるようになりました。以下の条件を満たす申請者は、myUSCISアカウントからの利用が可能です。

•予定されているアポイントメントが未来の日付であること 
•リスケジュールのリクエストに正当な理由があること 
•リスケジュールを2回していないこと 
•対象となる申請が、次に該当しないこと  
I-600(申請者の孤児としての請願)  
I-600A(申請者の孤児としての事前申請)  
I-800(国際条約下の養子請願)  
I-800A(国際条約下の養子判断申請)

これらの条件から外れる場合、またはアポイントメントの日付を過ぎてしまってからのリクエストには、以前と同じようにコンタクト・センター(☎1-800-375-5283)に電話で連絡をすることになります。新しいアポイントメントがスケジュールされると、myUSCISアカウントの「Submitted Requests」欄に新しい通知(I-797Cフォーム)の表示があります。 

なお、移民局では、アポイントメント時に以下のものを持参するように指示しています。 

•アポイントメントの通知 
•有効な政府発行フォトID(グリーンカード、パスポート、 運転免許証など) 
移民局に提出した申請書のコピーも保管しておきましょう。

 

L-1 ビザか E ビザか? 企業が考えるべきポイント〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

L-1 ビザか E ビザか? 企業が考えるべきポイント

アメリカに進出している企業や、これから進出を考えている企業が、社員を日本からアメリカの法人に派遣する場合、一般的にはL-1ビザまたはEビザという就労ビザの取得を検討することになります。L-1ビザでは、重役·管理職者はL-1A、特殊技術·知識保持者はL-1Bの申請が可能です。一方、EビザはE-1(条約貿易商)とE-2(条約投資家)の2種類に分かれます。E-1はアメリカと申請者の国との間で交わされた通商条約、E-2では投資条約が基盤となって発給されます。今回は、L-1ビザとEビザのどちらの申請が適切かを考える時の主なポイントについてお話しします。

●アメリカ国外の関連会社

L-1ビザは、国際的に企業内転勤するためのビザ。つまり、アメリカ国外に、アメリカの会社の親会社、子会社、支社、合併企業などの関連会社が存在しなければなりません。日本に本社のある会社が、アメリカに子会社を持つ場合などが典型的な例です。アメリカ国外に関連会社がない場合は、L-1ビザのオプションはありません。 

アメリカ国外の関連会社の規模も重要です。L-1ビザ保持者が駐在期間中、アメリカの会社はもちろんのこと、アメリカ国外の関連会社も運営を継続していることが条件になります。よって、アメリカ国外の関連会社の規模が小さい場合、L-1ビザ保持者がアメリカ赴任後も存続できることを証明する必要があります。 Eビザはアメリカ国外の関連会社の有無に関係なく取得でき、アメリカで新しいビジネスを展開することが可能です。

●駐在員の国籍 

L-1ビザに国籍の条件はありません。日本の会社が、外国籍の社員をアメリカの会社に派遣する場合、L-1ビザを申請することができます。例えば、日本の本社で働いているイギリス国籍の社員をアメリカに送る場合は、L-1ビザを申請します。 

Eビザは、会社の資本の過半数を、申請者と同じ国籍者が所有していることが条件。つまり、日本人が申請する会社は、米国市民権やグリーンカードを保持していない日本人もしくは日本の会社の所有であることが必要です。また、Eビザ申請者の国籍は、会社の国籍と同じでなければなりません。日本の会社が日本国籍の社員を駐在員として送り出すことは可能ですが、社員が日本国籍でない場合はEビザを取得できないので注意してください。

●アメリカ国外の関連会社での雇用 

L-1ビザの場合、申請前の3年間のうち最低1年間、アメリカ国外の関連会社で重役·管理職者、または特殊技術·知識保持者として、フルタイムの勤務経験があることが条件となっています。Eビザには、このような条件はありません。

●投資額 

L-1ビザに投資額の条件はないものの、会社がビジネスを確立するうえで十分な資本があることの証明は必要となります。EビザのうちE-2は、多額の資金をアメリカの会社に投資していることが取得条件。投資額に明確な規定はありませんが、会社が業務を遂行し、ビジネスを確立するのに十分な投資が求められます。

●駐在期間 

L-1ビザは初回の滞在期間が3年まで。延長は1回に2年ずつ、L-1A(重役・管理職者)で通算7年、L-1B(特殊技術・知識保持者)で通算5年まで滞在可能です。

Eビザは通常、発行から5年間有効ですが、入国ごとに認められるEビザ保持者の滞在期間は2年に限られます。しかし、延長できる期限は特に設定されていないので、申請基準さえ満たしていれば無制限に延長できます。

●その他 

L-1ビザには、外国の会社が新規にアメリカに関連会社を設立する際の特別な枠があります。通常のL-1ビザの滞在期間については上述の通りですが、例外として、アメリカに新規設立した会社の場合、事業を発展させることを目的に1年間の滞在期間が与えられます。この間に事業が成長し、実績ができれば、1年後に更新することも可能です。 

Eビザですが、E-1は申請時にアメリカと条約国の間ですでに大量の貿易が行われていることが条件、E-2はすでに多額の資金をアメリカの会社に投資していることが条件となっています。申請する段階で、ある程度の実績がないと取得は厳しいと言えるでしょう。

婚約者ビザ? それともグリーンカード? 自分の状況に合う選択を〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

婚約者ビザ? それともグリーンカード? 
自分の状況に合う選択を

結婚を予定している国際カップルが、アメリカで新婚生活をスタートする前に直面するのがビザの問題です。中でも質問が多く寄せられるのが、婚約者ビザ(K-1ビザ)またはグリーンカード(米国永住権)のどちらを選択すべきかという点です。 

どちらを申請するのが適切か、それは申請者の状況や目的によって異なります。どちらも可能なケースもありますし、どちらか一方のオプションしかないケースも存在します。今回は、判断の決め手となる主なポイントをご紹介しましょう。 

なお、ここでは「国際カップルのうち外国人がアメリカ国外にいること」を前提とします。例えば、日本人、アメリカ人の国際カップルで、日本にいる日本人と、アメリカにいるアメリカ人が結婚する場合、またはふたりとも日本にいて結婚する場合などです。米国内で行うアジャストメント申請ではなく、米国外の大使館、領事館で手続きするケースを想定しています。

●スポンサーのステータス 
婚約者ビザのスポンサーは米国市民でなければならないため、スポンサーがグリーンカード保持者である場合、婚約者ビザは申請できません。

●すでに結婚している場合 
婚約者ビザは婚約していることが前提なので、すでに結婚している場合、婚約者ビザのオプションはありません。

●米国入国後のプロセス 
グリーンカード申請の利点のひとつに、外国人配偶者がアメリカに永住者として入国できることが挙げられます。婚約者ビザの場合、婚約者として入国後に結婚し、アジャストメント申請を経て永住者となるので、入国後にグリーンカードを取得する追加手続きが必要です。

●審査期間 
実際にグリーンカードを取得するのに時間がかかることになっても、一刻も早くアメリカに入国したい場合、パンデミック前までは婚約者ビザ申請を選択する方が多くいました。しかし、ここ3年は婚約者ビザの審査期間も長くなる傾向にあり、今ではグリーンカード申請とさほど変わりません。

●結婚準備 
グリーンカード申請の場合、いつ、どこで結婚するかをまず考えなければなりません。例えば、国際カップルのうちアメリカ人がアメリカにいて、日本で日本人と結婚するケースでは、段取りに時間がかかることが多いようです。旅程を組み、仕事のスケジュール調整や、アメリカ人家族の式参加の確認などをしているうちに、時間のロスが発生します。 そこで、婚約者ビザを申請し、審査期間中にゆっくり式の計画を立てることを選択する国際カップルもいます。ただし、この場合でも審査期間など明確には予測できない部分があるので、フレキシブルな対応が求められます。

●外国人配偶者に連れ子がいる 
国際カップルの外国人に連れ子がいて、子どもも一緒に渡米したい場合、子どもの年齢が重要になります。グリーンカードは、結婚成立時に子どもが未婚で18歳未満であれば、スポンサーの継子として申請できます。婚約者ビザは、未婚で21歳未満の子どもを親の扶養家族として申請に付随することが可能です。 

例えば、親の結婚時に、外国人配偶者の連れ子が未婚で19歳の場合、スポンサーの継子としてグリーンカードを申請することはできませんが、スポンサーがアメリカ人であれば、親の婚約者ビザに扶養家族として付随できます。ただし、この場合は、親が結婚前の婚約状態にあることが条件です。

 このほか、各申請にかかる費用なども考慮すべきでしょう。家族構成や申請カテゴリーによって異なりますが、一緒に永住を希望する子どもがいない外国人1人をスポンサーする場合、グリーンカード申請のほうがプロセスの少ない分、コストを抑えることができます。

2024会計年度のH-1B登録〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

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2024会計年度のH-1B登録

H-1B ビザのスポンサー企業は、電子登録システムに申請を希望する外国人労働者を事前登録し、当選した場合にのみ申請できることになっています。 

移民局は、2024年度のH-1B登録期間中、合計78万884件の登録があったことを発表しました。2021年度の27万4,237件、2022年度の30万8,613件、そして2023年度の48万3,927件と比較して、2024年度は登録数が大幅に増加したことがわかります。 

このうち、登録条件を満たしていたのが75万8,994件で、残りの2万1,890件は、重複登録など登録条件を満たすことができなかったケース、あるいは登録期間終了前にスポンサー企業が登録を削除したケースなどと考えられます。 

また、登録条件を満たしている75万8,994件のうち、40万8,891件は複数のH-1B登録を持つ外国人労働者であることも判明しています。これも、2021年の2万8,125件、2022年の9万143件、そして2023年度の16万5,180件と比較して、大幅な増加になります。 

現在のシステムでは、1社のスポンサー企業が1人の外国人労働者に対して複数の登録をすることはできません。しかしながら、正当な採用通知(Job Offer)を複数のスポンサーから受けている外国人労働者に対して、それぞれのスポンサー企業が登録を行うこと自体は違法ではありません。ただし、この抜け穴を利用し、当選確率を高めようと違法行為をする企業の存在が確認されています。 

移民局は、2023年度と2024年度の証拠に基づき、すでに詐欺調査を実施し、一部の申請を却下したり取り消したりしたことを明かしています。また、犯罪の可能性があるものに関しては、連邦警察に付託したことも公表しました。 

登録に当たり、スポンサー企業は、登録に含まれる情報が真実であること、実際に正当な採用通知が存在すること、また、当選確率を不当に高めるために第三者や組織と協力していないことを供述しなければなりません。移民局は、引き続き登録の不正防止に向けて取り組んでいくとコメントしています。 

なお、登録条件を満たしていた75万8,994件の中から、すでに11万791件が当選しています。H-1B発給の上限は8万5,000件ですが、当選者の中から実際に申請を提出しなかったり、申請を提出したものの却下されたりするケースがあることを考慮し、上限よりも約2万5,000件多く当選させています。

そのほかの移民法最新事情

●非移民ビザ申請料の値上げ 
米国務省は2023年5月30日(火)より、一部の非移民ビザ申請料を値上げすることを発表しました。
-B-1商用・B-2観光ビザや、FやM学生ビザ、J交流訪問者ビザの申請料 160ドル→185ドル
-H、L、O、P、Q、Rといった非移民就労ビザの申請料 190ドル→205ドル
-E-1貿易駐在員ビザ・E-2投資駐在員ビザの申請料 205ドル→315ドル

●OPT就労許可申請でプレミアム・プロセスが利用可能に 
以下のカテゴリーに該当するF-1ビザを持つ学生は、OPT就労許可申請にプレミアム・プロセスを利用できるようになりました。
-(c)(3)(A) – Pre-Completion OPT
-(c)(3)(B) – Post-Completion OPT
4月3日以降、上記いずれかのカテゴリーでの申請時、Form I-765(Application for Employment Authorization)とForm I-907(Request for Premium Processing Service)を同時に提出する場合にのみ、プレミアム・プロセスが適用されます。この発表前にすでに上記のカテゴリーでOPT就労許可を申請していて、現在も審査期間中である場合は、Form I-907を提出することによって、申請をプレミアム・プロセスにアップグレードすることができます。 
なお、プレミアム・プロセスは、申請のカテゴリーによって料金が異なりますので、注意が必要です。このカテゴリーでのプレミアム・プロセス料金は1,500ドルで、これはForm I-765の申請料に追加されます。

●在福岡米国領事館が非移民ビザのサービスを終了 
在福岡米国領事館では、2023年4月20日をもって非移民ビザのサービスを終了しました。非移民ビザ申請は引き続き、東京、大阪、那覇、札幌で受け付けられます。

2023年移民法最新情報まとめ〜知っておきたい身近な移民方

知っておきたい身近な移民法

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2023年移民法最新情報まとめ

●グリーンカードと就労許可証に新デザイン導入 

移民局は、セキュリティー改善のため、グリーンカードと就労許可証(EAD)に新しいデザインを導入したことを発表しました。新デザインのカードは2023年1月30日から発行されていますが、旧デザインのカードもストックがなくなるまで発行され続けます。旧デザインでカードが発行された場合でも、Form I-9(Employment Eligibility Verification)やE-Verifyなどの雇用資格の確認に問題が生じることはありません。 

また、新デザイン導入によって、すでに発行されたカードが無効になることもなく、変わらず有効期限まで使えます。有効期限のない古いグリーンカードを持つ場合も、グリーンカードは失効しません。しかし移民局は、カードを紛失したり、盗難に遭ったりした場合の詐欺や改ざん、偽造を防ぐため、新しいカードの申請を勧めています。 

新デザインとなったグリーンカードとEADには、最先端のテクノロジーにより、国家安全保障と申請者に対するサービス向上を目的とした詳細なアートワークや触覚プリンティングが施されています。また、データが表示される部分も、以前のバージョンとは異なります。

●グリーンカードのアジャストメント申請フォームが新バージョンに

昨年12月23日、移民局はグリーンカードのアジャストメント申請に使用するForm I-485(Application to Register Permanent Residence or Adjustment Status)の新バージョンを発行しました。この日以降に提出する申請には、新バージョンの使用が義務付けられます。申請フォームの左下に「Form I-485 Edition 12/23/22」と記載があることを確認してください。

新バージョンには、以前のバージョンにはなかった質問が追加されています。新バージョンを使わない申請は受け付けられませんのでご注意ください。

●健康診断書に関する注意点

アメリカ国内でグリーンカードのアジャストメント申請を行う場合、移民局指定の医師による健康診断が必要です。移民局は、申請を円滑に進めるため、医師が署名した健康診断書、Form I-693(Report to Medical Examination and Vaccination Record)をアジャストメント申請と一緒に提出するよう呼び掛けています。 

通常、健康診断書は、医師が署名してから60日以内に提出しなければなりませんが、移民局はこの60日ルールを2023年3月31日まで免除しています。つまり、医師が署名してから60日を過ぎた健康診断書でも、3月31日までは有効です。しかし、健康診断は医師が署名した日から2年間有効とされているため、Form I-485を提出する直前に健康診断を受けることを勧めています。 

2年が経過してもアジャストメント申請が審査中の場合は、新たに健康診断書の提出を求められます。

●2年間有効な条件付きグリーンカードの条件削除・免除申請期間中のステータス延長

アメリカ人やグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカードを取得した外国人配偶者は、結婚後2年以内にグリーンカードを取得した場合に限り、2年間有効な条件付きグリーンカードが与えられます。 

条件を削除するためには、条件付きグリーンカードの有効期限が切れる90日以内に、外国人配偶者とそのスポンサー配偶者が条件を削除する申請を共同で行います。離婚や配偶者が亡くなったなどの理由により共同で申請できない場合は、免除申請が可能です。どちらの申請も、Form I-751(Petition to Remove Conditions on Residence)を用います。 

申請提出後、移民局が発行する申請受理書には通常、申請期間中はステータスを最長24カ月延長すると記載され、申請期間中にグリーンカードの有効期限が切れても、そのカードと申請受理書を合わせて永住者であることを証明できます。しかし、過去1年間の審査期間が長引いていることから、移民局は2023年1月25日以降に発行された申請受理書に、ステータスを最長48カ月延長すると記載し始めました。 

すでに提出済みで、現在も審査過程にある申請に対しては、48カ月延長すると記載した新たな通知が発行されます。申請者は審査期間中にグリーンカードの有効期限が切れても、そのカードとこの通知を合わせて48カ月間はアメリカ国内での就労も短期間の海外への出国も可能となります。

 

H-1Bビザ労働者が解雇されたら〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

H-1Bビザ労働者が解雇されたら

最近、メタ(旧フェイスブック)、グーグル、アマゾン、ツイッター、マイクロソフトといった大手 IT企業で大量解雇が相次いでいます。失業は誰にとってもつらいことですが、H-1Bビザ労働者が解雇された場合、ビザの問題が重なるので、余計にストレスや不安を抱え込むことになります。解雇後のH-1Bビザ労働者には、どういったオプションがあるのかを考えてみましょう。  

米国移民法では、承認されている滞在有効期間より前に雇用が終了したH-1Bビザ保持者に対して、雇用終了から最大 60日の猶予期間(Grace Period)が与えられています。この猶予期間は、解雇された日からスタートします。ただし、承認されている滞在有効期間が 60日よりも短い場合は、滞在有効期間の満期となります。例えば、1月30日に解雇されたH-1Bビザ労働者の滞在有効期間が2月15日までの場合、猶予期間は2月15日で終了します。扶養家族のH-4ビザ保持者にも、H-1Bビザ労働者と同じ猶予期間が与えられます。解雇後のH-1Bビザ労働者が、この猶予期間内にできることは何でしょうか。

1.新しい雇用先を見つけてH-1Bビザのステータスを維持 猶予期間内に転職先が見つかり、新しい雇用主によるH-1Bビザ申請を行うことができれば、アメリカ国内でのステータス維持が可能になるかもしれません。H-1Bビザ労働者は、H-1Bビザにおけるポータビリティーのルールの下、新しい雇用主による申請が移民局に受理され次第、申請の認可を待たずに働き始めることができます。
2.別の非移民ステータスに変更  もし自分の配偶者がメインのビザ保持者であれば、その扶養家族としてステータスを変更することもオプションのひとつです。例えば、配偶者が同じくH-1B ビザ労働者の場合は、その配偶者としてH-4ビザのステータスに、配偶者が L-1ビザ労働者なら、その配偶者としてL-2ビザのステータスに変更できます。あるいは、これを機に学生に戻る場合には、F-1ビザのステータスへの変更も考えられるかもしれません。なお、EビザやLビザなど、ほかの就労ビザのステータスへの変更となると、前述のH-1Bビザのポータビリティーのルールは適合しません。よって、申請が認可されるまで雇用を開始できないのでご注意ください。

H-1Bビザ労働者は解雇後、60日間の猶予期間を得るために特別な手続きや申請を行う必要はありません。ただし、猶予期間内に転職によるH-1Bビザの雇用先変更や、別のビザのステータス変更を申請する場合、移民局は審査する際にH-1Bビザ労働者の状況から猶予期間が正当かどうかを判断します。そういった意味では、猶予期間は完全に保障されるものではなく、最終的には移民局が裁量権を持ちます。  

突然解雇されたケースでは、高い確率で猶予期間が与えられると考えて良いでしょう。雇用先変更を申請する際は、雇用終了の理由や、懸命に仕事を探して可能な限り迅速に申請書を提出したことなどを明確に説明し、さらにそれをサポートできる証拠書類を提出しなければなりません。  

また、猶予期間内に正当な申請書を提出することによって、審査期間中は不法滞在日数のカウントが一時的に停止します。つまり、猶予期間が終了した後も、審査期間中はアメリカに合法的に滞在できることになります。最終的に申請が認可された場合、猶予期間を超えた滞在も合法とみなされます。しかし、申請が却下されると、却下の翌日から不法滞在日数が蓄積し始めます。プレミアム・プロセスの対象となる申請の場合は、ぜひ利用を検討してください。

3.グリーンカードのアジャストメント申請 H-1Bビザ労働者の経歴や実績によっては、卓越能力保持者(EB-1)や国益免除(EB-2)など、自己申請の対象となるカテゴリーでのグリーンカード(永住権)申請が認められるケースがあります。状況によっては、結婚など家族関係に基づくグリーンカード申請もオプションとなるかもしれません。
4.アメリカから出国 いったんアメリカから出国することもオプションのひとつでしょう。解雇されたH-1Bビザ労働者がアメリカを出国する場合、雇用主にはその労働者に対して、アメリカに入国する前の最後の外国居住地までの交通費を支給する義務があります。出国後、改めてビザを申請することも可能です。

H -1B ビザ労働者が解雇された場合、個々の状況を検討し、ケースバイケースで分析する必要があります。自身で判断せず、移民法弁護士に相談することをおすすめします。

帰化申請者に対するグリーンカードの自動延長について〜知っておきたい身近な移民法

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帰化申請者に対するグリーンカードの自動延長について

グリーンカード保持者の中には、グリーンカードの有効期限が迫った時、グリーンカードを更新するか、あるいは帰化申請に踏み切るか、迷う方も多いと思います。そこで疑問となるのが、帰化申請をする場合、その審査中にグリーンカードの有効期限が切れてしまったらどうなるのかという点です。  

2022年12月12日、移 民 局 は 帰 化 申 請 を 提 出 し た グリーンカード保持者に対して、グリーンカードの有効期限を自動的に延長するよう、ポリシーを変更しました。現在、グリーンカード更新申請(Form I-90)と帰化申請(Form N-400)はどちらも審査期間が長いため、この新しいポリシーによってグリーンカード更新申請数を減らすことができ、また、限られた移民局のリソースをほかの申請に回せるので、画期的な対策と言えるでしょう。グリーンカード保持者にとっても、帰化申請中にグリーンカードを更新する必要がなくなり、グリーンカードの更新申請料の 540 ドルを節約できるため、大きなメリットがあります。  

新しいポリシーの具体的な内容は以下になります。
●帰化申請書を適切に提出したことを前提に、帰化申請受理書に、グリーンカードの有効期限をその失効日から24カ月延長することが記載される。
●この延長は自動的に行われるため、特に申請者から行動する必要はない。
●新しいポリシーは、2022年12月12日以降に提出された帰化申請に適用。  

2022年12月12日より前に帰化申請を提出した場合、帰化申請受理書にグリーンカード保持者のステータス延長の記載はありません。自動的に24カ月延長されることはないため、変更前のポリシーに従って対処してください。  

グリーンカード保持者のステータスを自動的に24カ月延長することが記載された帰化申請受理書があれば、帰化申請期間中にグリーンカードの有効期限が切れても、有効期限切れのグリーンカードと一緒に提示することで、グリーンカード保持者であることを証明できます。そのため、アメリカ国内での雇用も、国外への渡航も可能になります。雇用においては、この 2 つの書類が就労資格証明(Form I-9:Employment Eligibility Verification)のリスト A を満たすことが確認されています。この帰化申請受理書があっても、帰化申請期間中にグリーンカードを紛失、破損すると証明できなくなるので気を付けましょう。その場合は改めてグリーンカード更新申請(Form I-90)を提出し、グリーンカードを再取得しなければなりません。  

審査期間は地域やその時々で変わります。移民局の公式なガイドラインによると、シアトルの地域移民局では現在、約8割のケースが1年半弱かかっているとのことです。市民権申請は、移民局申請の中でも遅延が著しいことで知られ、審査の中でインタビューがあるため、地域によって大きな差が出るのも事実です。しかし、この発表されている審査期間は、実態を正確に表していないように感じます。シアトル地区では、インタビューをヤキマやポートランドなどの近隣オフィスにトランスファーするなどして遅延を削減してきました。その努力もあって、ここ最近では早ければ申請後4カ月でインタビューがスケジュールされるケースも出てきています。ただし、申請期間は個々のケースで大幅に違うため、必ずしも今後の審査期間の目安になるものではないことにご留意ください。

プレミアム・プロセスの適用範囲拡大 

プレミアム・プロセスとは優先審査のことで、この適用により移民局の審査が短縮されます。移民局は昨年から適用範囲を広げてきましたが、多国籍企業のエグゼクティブおよびマネジャー(Multinational Executive and Manager)、国益免除(National Interest Waiver)の分野において、すでに受理されている申請だけでなく、1 月30日以降は新規の雇用ベースの移民ビザ申請でも利用できるようになります。移民局はまた、今後はSTEM分野のOPT(STEM Optional Practical Training)用の就労許可証申請にも、このプレミアム・プロセスを適用する方向で動いています。

結婚によるグリーンカード取得について寄せられる10の質問〜知っておきたい身近な移民法

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結婚によるグリーンカード取得について寄せられる10の質問

Q1:結婚によるアジャストメント申請(Form I-485)で、アメリカ人配偶者の収入が足らず、ジョイント・スポンサーが必要になりそうです。ジョイント・スポンサーは家族のみ可能なのでしょうか。

A:ジョイント・スポンサーが家族・親戚である必要はないのですが、グリーンカード申請者に対する経済的責任が伴うため、実際にはアメリカ人配偶者の家族がスポンサーになるケースが多く見受けられます。しかし、アメリカに住んでいる18 歳以上のアメリカ国籍者あるいはグリーンカード保持者で、アメリカ政府の定める収入要件を満たしていれば、血縁関係になくてもジョイント・スポンサーになることができます。

Q2:現在、結婚によるアジャストメント申請の審査中です。グリーンカード取得までの間、アメリカで仕事をすることはできますか。

A:H-1BビザやLビザといった有効な就労ビザを持っているケースを除き、アジャストメント申請者が審査中に仕事をするには、就労許可証(EAD)の取得が必要です。通常、働くことを希望している申請者は、アジャストメント申請と同時に、就労許可申請も提出します。シアトル地域の直近の審査状況では、申請後、就労許可証発行までに約 3カ月かかっています。

Q3:H-1Bビザ保持者ですが、もうすぐステータスが切れます。アジャストメント申請と同時に就労許可を申請する予定ですが、H-1Bビザも延長したほうが良いでしょうか。

A:H-1Bビザを延長することによって、アジャストメント申請が却下されたとしても、H-1Bビザのステータスを維持することができるため、不法滞在になりません。H-1Bビザのステータス延長を検討すると良いでしょう。

Q4: 現在、結婚によるアジャストメント申請にかかっている審査期間を教えてください。

A:審査期間は地域やその時々で変わります。移民局の公式なガイドラインによると、シアトル地域の移民局では現在、約8割のケースが 2 年弱かかっています。ただし、インタビューが免除されるケースなどは、これをはるかに下回ります。一例ですが、当事務所の直近の案件では、インタビューが免除されて約 7カ月で認可されました。

Q5:グリーンカード保持者を英語で何と言いますか。

A:グリーンカード保持者のことを英語では、「Legal Permanent Resident」、「Permanent Resident」、「Green Card Holder」、「Immigrant」、「Resident Alien」などと表現します。基本的にはどれも同じ意味です。

Q6: 永住者番号はどこでわかりますか。

A:永住者番号のことを英語では「Resident Alien Registration Number」または「A#」と言います。発行されたグリーンカードに記載があり、USCIS#に続く数字が永住者番号です。

Q7:アメリカ人との結婚によってグリーンカードを取得しました。何年経つと、市民権に変わりますか。

A:自動的にグリーンカードが市民権に変わることはありません。グリーンカード保持者としての条件を満たしていれば、何年経ってもグリーンカード保持者のままでいることが可能です。帰化したい場合には、アメリカ人配偶者との婚姻関係が継続していることを条件に、グリーンカード取得後 3 年で帰化申請できます。もちろん、その他の申請条件を満たしていなければなりません。

Q8:グリーンカードが届いたのですが、誕生日が間違っていました。どうしたら良いですか。

A:まず、移民局に提出した申請書を確認し、正確な誕生日が記載されていることを確認してください。移民局の間違いによる場合、新たなグリーンカード発行の申請料は免除されます。そうでない場合は、自身で申請料を負担します。どちらにしても、正しい情報が記載されたグリーンカードの発行が必要です。

Q9:グリーンカードを紛失しました。特に働いてもいませんし、国外に出る用事もないので、このままで良いですか。

A:18 歳以上のグリーンカード保持者は、グリーンカードを携帯しなければなりません。グリーンカードの再発行手続きを行う必要があります。

Q10:グリーンカード保持者です。日本から母を呼び寄せることは可能ですか。

A:グリーンカード保持者がスポンサーできる家族は、配偶者および未婚の子どもに限られています。日本から親を呼び寄せる場合は、まず自分が帰化してアメリカ人となり、スポンサーとして親のグリーンカードを申請します。

 

グリーンカードの更新申請(Form I-90)に関する最新情報〜知っておきたい身近な移民法

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グリーンカードの更新申請(Form I-90)に関する 最新情報

新しいグリーンカードの発行の際には、Form I-90(Application to Replace Permanent Resident Card)の提出が必要です。10 年に 1 度のグリーンカードの更新ほか、グリーンカードを紛失・破損してしまった場合、結婚や離婚により名前が変わった時、あるいは発行されたグリーンカードに誤記があり訂正を要するケースなどに、この申請書が使われます。提出後、移民局は申請受理書を発行しますが、この受理書に記載される内容はその時々の移民局の諸事情で変わることがあります。

最近までは、グリーンカードの有効期限が切れた後、12 カ月間は有効期限を延長すると記載されていました。延長の記載によって、審査期間中にグリーンカードの有効期限が切れても、有効期限が切れたカードと申請受理書を持ち合わせることで、永住者であることを証明できます。今年 9 月末、移民局はこの延長の記載を12 カ月から24 カ月に変更する方針を発表し、すでに9 月26 日から施行されています。

この日以降に提出された申請には、申請受理書にグリーンカードの有効期限を 24 カ月間延長するとの記載があります。その前に提出済みで現在も審査過程にある申請に対しては、24カ月間延長すると記載した新たな通知が発行されることになりました。申請者は、グリーンカードの有効期限が切れた後も、有効期限が切れたグリーンカードとこの通知を合わせて 24 カ月間は永住者であることを証明できます。

なお、申請は通常、受理された順に処理されます。審査期間はそのタイミングにより大幅に異なりますが、移民局が過去 6カ月間に審査した約 8 割の申請の審査期間は、以下の通り報告されています。

•10 年に1 度のグリーンカードの更新 13.5カ月
•そのほかの理由で新しいグリーンカードが必要なケース 16カ月

ただし、実際の審査期間はケースバイケースで、申請提出後1、2 週間で認可されるものから、公表通り1 年以上かかるものまでさまざまです。「知り合いは 2 週間で認可されたのに、自分の申請は 10 カ月経っても何の進展もない」、「夫婦同時に申請し、妻はすぐにグリーンカードが発行され、夫の申請は 1 年経っても認可されないまま」といった事例もあります。不安になる方もいることと思いますが、審査期間は保証ではなくガイドライン程度に受け止めると良いでしょう。

この新しい方針は、すでにグリーンカードの有効期限が切れてから12カ月以上経っている申請者にとっては朗報かもしれません。しかし、裏を返せば、それだけ審査期間が長引いているとも言えます。主な遅延理由としては、申請数の増加、人員配置の割り当て、方針や運用上の変更などが考えられます。1 日も早く改善されることを願うばかりです。

審査期間が長引くと、その間に引っ越しするケースもあるかもしれません。その場合は 10日以内に新住所を移民局に通知します。そうしないと、移民局からの通知やグリーンカードが届かない可能性が出てきますので注意してください。また、郵便局で住所変更の手続きをしても反映されませんので、移民局の公式サイト(www.uscis.gov/addresschange)にて住所変更をしましょう。

審査期間が短いときには、申請受理書に記載される延長期間が 6 カ月ということもあります。今後の移民局の状況によっては短縮される可能性も考えられるため、申請受理書を受け取ったら、延長期間を確認するようにしてください。

そのほかの最新情報

●シアトル地区の市民権申請
遅延が著しい市民権申請ですが、管轄する移民局にもより、地域差があります。シアトル地区では現在、19カ月かかると言われています。しかし最近は、インタビューをヤキマやポートランドなどの近隣オフィスにトランスファーするなどの努力もあって改善が進み、早ければ申請後 4カ月でインタビューがスケジュールされるケースも出てきています。

●H-2Bビザの年間枠の増加
国土安全保障省は、10月1日からスタートした2023 年会計年度の H-2Bビザ年間枠を、通常の 6 万 6,000 件から、さらに6 万 5,000 件を追加すると発表。H-2B 枠は、上半期と下半期で3 万 3,000 件ずつですが、追加された6 万5,000 件の配分については、まだ詳しくわかっていません。

 

DV-2024プログラム〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

DV-2024プログラム

毎年、この時期になると、米国国務省は移民多様化ビザ抽選プログラム(Diversity Immigrant Visa Program=DVプログラム)を施行しています。DVプログラムは、米国移民の出身国の多様性を維持するため、歴史的に米国移民率の低い国の人々を対象に抽選によって移民ビザ(永住権:グリーンカード)を発給するというものです。通称「抽選永住権」、あるいは「永住権宝くじ」と呼ばれています。2024 年会計年度(2023 年 10月1日から2024 年 9月30日まで)の DVプログラム受付開始は、10月5日の東部時間正午から。終了は、11月8日(火)の東部時間正午です。

2024 年会計年度では、例年通り5 万 5,000 人までの DV 移民枠が割り当てられます。過去 5 年間に5 万人以上の移民を米国に送り出した国の出身者は、DV-2024プログラムの対象にはなりません。日本は2024会計年度でも引き続き、応募対象となっています。

また、応募者の出生国が対象外であっても、次のような場合、配偶者または親の出生国の資格で応募ができます。なお、ここで言う「出生国」とは国籍のことではなく、生まれた国のことです。

1.配偶者が対象国の生まれで、応募者本人と配偶者の両氏名が 応募時に入力されており、両者がDVビザを取得し、一緒に米 国に入国すること。

2.両親が応募者の出生国で生まれておらず、かつ応募者の出生 時に、両親が応募者の出生国の永住者でなかった場合(その国 の一時滞在者であった場合)、どちらか一方の親の出生国が対 象国であれば、その資格で応募可能。

対象国出身であるという条件以外に、応募者は高校を卒業している(または同等の資格を有する)こと、もしくは2 年間の経験・訓練が必要な仕事に、過去 5 年間のうち2 年間従事していることが求められます。

応募するには、国務省の公式サイト(https://dvprogram.state.gov)のフォームに入力し、デジタル写真と併せて送信します。応募は無料です。エラーを避けるために、最新のブラウザの使用が推奨されています。フォームを送信すると、確認画面上に名前と確認番号が表示されるので、確認番号を必ず控えましょう。当選を確認するために必須となります。代行業者を通して応募することも可能ですが、入力情報が正しいかどうかの確認や、確認番号入手のためにも、国務省は応募者自身による応募を勧めています。

応募期間後半、特に最後の1 週間は応募が集中し、アクセス数増加が原因で国務省の公式サイトがダウン、あるいはつながりにくくなるなどの問題が発生する可能性も。期限ぎりぎりでの応募はなるべく避けましょう。また、応募は 1 人につき1 通に限られており、重複した応募は無効となります。締め切り後の応募や、書面の受け付けは一切なされません。DVプログラムの応募期間には、詐欺メールや手紙が急増しますのでご注意ください。

DVプログラムに関する詳細は、国務省公式サイトに掲載されています。2023 年 5月6日以降、同ウェブサイトにて、応募時に与えられた確認番号で当選したかどうかの確認ができます。応募要項はこちらのPDF(https://travel.state.gov/content/dam/visas/Diversity-Visa/DV-Instructions-Translations/DV-2024-Instructions-Translations/DV-2024-Instructions.pdf)を参照してください。

DVプログラムを通してグリーンカードを取得するプロセス

ステップ 1:応募

ステップ 2:当選

ステップ 3:グリーンカード申請とインタビュー 

ステップ4:グリーンカード取得

当選したからといって、必ずしも永住が保証されているわけではありません。ステップ 3では、前述の学歴または職歴の証明や、過去の犯罪歴・移民法上のステータス違反などを含め、永住資格を満たしているかどうかを審査されます。また、永住申請には、当選時に知らされる番号に基づいて順番を待つこと、そして同じ会計年度内の 2024 年 9月30日までに審査を終了することが必要です。実際の当選者数は、このDVプログラムで発給できるグリーンカードの数よりも多い場合があり、それゆえ順番が回ってこないことも。そうなると、当選したとしても、残念ながらグリーンカードを申請、取得できないことになります。

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外国人がアメリカで STEM 関連職に就く際、移民ビザのオプションも〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

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外国人がアメリカで STEM 関連職に就く際、移民ビザのオプションも

前回のコラムでは、外国人がアメリカでSTEM 関連の職業に就職する場合の選択肢として、非移民ビザ(一時的にアメリカに住み、働くことを可能にするビザ)について取り上げました。今回は移民ビザのオプションについてお話しします。

この場合の移民ビザとは、永住権(グリーンカード)のことです。非移民ビザとは異なり、無期限にアメリカに住み、働くことができます。雇用ベースのグリーンカード申請は、外国人労働者の能力・学歴・経験によって5つのカテゴリーがあり、さらにその中でサブカテゴリーに分かれます。ここではSTEM 関連職に就職する際に適したカテゴリーについて説明します。

申請基準は、カテゴリーによって異なりますが、基本的には、外国人労働者が専門分野でトップレベルに達した極少数の傑出者であることを証明する実績ベースです。または、オファーされている仕事がアメリカ国内で不足していて、外国人労働者の雇用が、同様に雇用されたアメリカ人またはグリーンカード保持者の労働条件に悪影響を与えないことを証明する求人募集がベースとなります。


●Extraordinary Ability:

科学・芸術・教育・ビジネス・スポーツの分野で、卓越した能力を持っている外国人労働者

上記の専門分野でトップレベルに達した極少数の外国人労働者に適合します。専門分野での学歴、経験、実績と、グリーンカード取得後も専門分野での活動を続ける意思があることを証明できれば、自己申請も可能です。つまり、労働認定証(レーバー・サティフィケーション)も雇用主のスポンサーも必要ありません。

●Outstanding Professors and Researchers:

著名な大学教授や研究者

このカテゴリーは、専門分野で著名な大学教授または研究者として、国際的に認められている外国人労働者に適合します。専門分野で少なくとも3 年間、大学教授として、あるいは研究者としての経験があること、また、スポンサーが大学の場合は、オファーされたポジションが終身雇用の大学教授、あるいは研究者であることが条件となっています。スポンサーが私企業の場合は、その企業が専門分野の研究者を3 人以上雇用していること、さらに専門分野に貢献していることを証明しなければなりません。労働認定証は求められませんが、雇用主のスポンサーは必要で、自己申請はできません。

●Multinational Managers and Executives:

多国籍企業重役・管理職者

海外で過去 3 年のうち最低 1 年間、マネジャーまたはエグゼクティブでの就労経験がある多国籍企業に属する外国人労働者が、アメリカの関連会社でマネジャーやエグゼクティブとして働く場合に適合します。学歴や過去の経験から、マネジャーやエグゼクティブ職に就く能力があることの証明が求められます。労働認定証は不要ですが、スポンサー企業は必要です。

●Advanced Degree Professionals and Persons of Exceptional Ability:

修士号またはそれ以上の学位を持つ専門職者や優れた能力の保持者

このカテゴリーは、専門分野で修士号以上の学位を持っている外国人労働者(専門分野で学士号を取得し、さらに最低 5 年間の専門分野での就労経験がある場合でも可能)、あるいは科学・芸術・ビジネスの分野で非常に優れた能力を持っている外国人労働者に適合します。  このカテゴリーの申請には、労働認定証とスポンサー企業が必要となります。ただし、申請者の能力や技術・技能がアメリカの国益にとって有利であると判断された場合は、 国益に基づく免除申請(National Interest Waiver)ができます。これが認められると、労働認定証もスポンサー企業も不要です。

●Professionals and Skilled Workers:

専門職者と技能労働者

専門分野で学士号以上の学位を取得している外国人労働者、あるいは2 年以上のトレーニングまたは経験を要する職に就く外国人労働者に該当します。このカテゴリーでは、労働認定証とスポンサー企業が必要です。


就労ビザで数年働いた後にグリーンカードを申請するケースが多いのですが、初めからグリーンカードを申請することもできます。また、グリーンカード取得後 5 年で、帰化申請が可能になります。

外国人がアメリカで STEM関連職に就職する場合の選択肢〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

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外国人がアメリカで STEM関連職に就職する場合の選択肢

STEM はScience(科学)、Technology(テクノロジー)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を指します。近年、新しい産業や雇用機会、イノベーションの創出において、ますます重要な分野となっています。STEM 関連職はアメリカでも需要があり、今後も高まり続けると予想されます。

ただし、外国人がアメリカで就職するにはビザが必要です。今回は、外国人がアメリカでSTEM 関連の職業に就く場合の非移民ビザ(一時的にアメリカに住み、働くことを可能にするビザ)にはどういう種類があるのか、そのオプションについてお話しします。


●学生向け:F-1ビザ OPT

アメリカの大学で学士号(Bachelor’ s)、修士号(Master’s)、博士号(Ph.D.)を取得したF-1ビザ(学生ビザ)保持者は、移民局から許可を得ることによって卒業後に12カ月、学業の専門分野で実地訓練(OPT:Optional Practical Training)を受けられます。  

STEMの分野で学位を取得したF-1ビザ保持者は、さらに24カ月の延長を申請できるため、通算 3 年間のアメリカでのトレーニングが可能です。

●専門職向け:H-1Bビザ

H-1Bビザは、特殊技術や知識が必要とされる専門職に就く外国人労働者に適合するビザです。専門分野での学士号、または同程度の実務経験が求められます。通常、アメリカの4 年制大学を卒業した外国人に利用されることが多く、海外で学士号を取得している、 あるいは同程度の実務経験がある外国人労働者も対象となります。職歴のない新卒者でも申請可能ですが、その職務内容が専門分野での学士号以上の学位取得を最低条件とする専門職であることを証明しなければなりません。  

会計年度(10月1日から翌年 9月30日まで)におけるH-1Bビザの新規発給数には限りがあり、これをCAPと呼びますが、現在は一般枠が 6 万 5,000 件、特別枠(アメリカの大学で修士号以上の学位を取得した人) が 2 万件と定められています。毎年、申請開始直後に年間発給数の上限に到達してしまっている状況のため、前述の3 年間のOPTがあっても最終年まで待たず、H-1B申請を試みる場合がほとんどです。なお、条件によってはCAPの対象にならないケースもあります。

●卓越した能力保持者向け:O-1ビザ

科学・芸術・教育・ビジネス・スポーツの分野で、卓越した能力を持っている外国人に適合するビザです。専門分野で博士号を取得し、その活躍や実績が国内外で認知されていることを証明できれば申請可能です。初回は最長 3 年まで、その後は1 年ごとに、申請基準を満たしていれば制限なく延長できます。  

年間発給数の上限がないこともあり、滞在期間に制限のあるH-1BビザではなくO-1ビザを選択するケース、あるいはH-1Bの有効期限満期になる前にO-1ビザに切り替えるケースもあります。H-1Bビザよりも断然申請条件が高いものの、申請基準を満たすことができれば有効なオプションです。

●国際企業内転勤者向け:L-1ビザ

国際企業がアメリカの関連会社に社員を派遣する際に適合され、重役・管理職者はL-1Aビザ、特殊技術・知識保持者はL-1Bビザとなります。しかし、海外で重役・管理職者、または特殊技術・知識保持者としての勤務実績が最低 1 年必要です。また、海外で勤務していた会社が、アメリカの会社の関連会社(支社、子会社、親会社、合併会社など、共通の所有関係にある形態)であることが条件ですので、新規の雇用には適応しません。

●投資家向け:E-2ビザ

E-2ビザは投資条約が基盤となって発給されます。日本も米国と通商・投資条約を交わしているので、日本人はEビザを申請することが可能です。少なくとも申請する会社の 50%を申請者と同じ条約国の市民もしくは会社が所有していることが条件となっています。また、管理職か重役職に就く、あるいは企業の運営に必要不可欠な専門的知識・技術を持っていることも条件です。申請条件として直接明示されているわけではありませんが、就労経験がない新卒者の場合、実際に申請するのは難しいと考えられています。


以上が、一時的にアメリカに住み、働くことを可能にする非移民ビザのオプションですが、STEMの分野で働く方の多くが最終的に検討するのが、移民ビザ(米国永住権:グリーンカード)の取得です。グリーンカードを取得することによって、永久的にアメリカに住み、働くことが可能になります。

ビザとステータスの違い 〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

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ビザとステータスの違い 

パンデミック宣言前は頻繁に出入国を繰り返していたものの、入国制限や感染防止などを理由に、アメリカ国内にとどまっている方は多いことでしょう。あるいは、入国制限が緩和される傾向にある今、海外渡航を予定する方もいるかもしれません。そこで今回は、ビザ(査証)とステータスの違いについてお話しします。

ビザとは、外国への渡航を許可するための査証・入国書類のことです。アメリカに渡航する外国人は、事前に米国大使館・領事館にて、渡航目的に沿ったビザを申請します。申請者がその目的のためにアメリカに入国する基準を満たしていれば、ビザが発給されます。なお、日本人の場合、観光や商用(就労ではない)が目的で、アメリカでの滞在が90日未満の場合、ビザ免除プログラムを利用できるため、ビザは必要ありません。

ビザが発給されたら自動的に入国が許可されると考えている方も多いようですが、空港や国境など通関手続き地の入国審査で入国が拒否される場合もあります。ビザ審査が国務省の管轄である一方、入国審査に関しては国土安全保障省が権限を持ちます。

入国審査で入国が許可された外国人には、ステータスが与えられます。ステータスとは、アメリカでの在留資格のことで、米国大使館・領事館で発給されたビザの種類と同じです。たとえば、E-1ビザ保持者には、E-1ステータスが与えられます。

なお、以前は入国時に出入国記録カード(I-94 Arrival/Departure Form)が発行され、このI-94にアメリカ滞在が可能な有効期限が記載されていました。現在は基本的に、渡航者の出入国の情報は電子的に記録されます。渡航者は、米国税関・国境警備局(CBP:US Customs and Border Protection)の公式サイトから自身の渡航歴や、滞在資格、滞在の有効期限を確認できます。

ビザは入国時に必要な書類のため、ビザ保持者がアメリカに合法的に滞在できる期間とは直接的な関係はありません。したがって、入国後にビザの有効期限が切れても、入国が許可されたビザの条件を守っていることを前提として、ステータスの有効期限内は合法的なアメリカ滞在が可能となります。このことからもわかるように、入国後、重要なのはステータスの有効期限です。これを見落とすと、大きな問題につながる可能性がありますので、入国ごとに有効期限を確認すると良いでしょう。

許可された滞在期間を過ぎてアメリカに滞在している状態のことをオーバーステイ(不法滞在)と言います。180日以上、1年未満オーバーステイをした外国人は、出国後3年間はアメリカに再入国できません。また、オーバーステイが1年を超えた場合は、出国後10年間はアメリカに再入国できなくなります。ただし、18歳未満の子どもなどは該当せず、そのほかにも状況によっては罰則を免除されるケースがあります。

見落としやすい状況について例を挙げてご説明します。

 オーバーステイに注意!

●日本国籍のEビザ保持者は、通常5年間有効なビザを発給してもらえますが、入国ごとに許可されるステータスは2年間です。前述の通り、ビザは入国時に必要な書類のため、ビザ保持者がアメリカで合法的に滞在可能な期間とは関係ありません。また、ビザの有効期限とステータスの有効期限は必ず同じとは限りません。重要なのはステータスの有効期限です。

●H-1Bビザ保持者が最新の認可通知を提示せずに入国審査を受けた場合、延長された就労期間ではなく、ビザの有効期限に合わせて滞在期間が短くされてしまう可能性があります。

●パスポートの有効期限が短い場合、許可される滞在期間がパスポートの有効期限に合わせて短くなることも考えられます。

●入国審査官の間違いで、有効期限を短くされてしまうケースも見受けられます。

明らかな間違いの場合は、入国後に訂正してもらうことは可能ですが、このような状況を回避するためにも、入国審査のエリアを離れる前に滞在期間を確認することをおすすめします。すでに入国審査を終えて空港から去ってしまっている場合でも、すぐにCBPの公式サイトから滞在有効期限を確認しましょう。万一、この時点で間違いを発見した場合、「Deferred Inspection」と呼ばれるCBPのオフィスにて後日訂正してもらえます。

 

プレミアム・プロセス・サービス拡大〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

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プレミアム・プロセス・サービス拡大

移民局は、6月1日よりプレミアム・プロセスのサービスを拡大することを発表しました。 

プレミアム・プロセス・サービスとは、優先審査のことです。移民局は、非移民ビザ労働者申請(Form I-129 Petition for Nonimmigrant Worker)、および雇用ベース移民ビザ申請(Form I-140 Immigrant Petition for Alien Worker)を対象に、優先的に審査するサービスを提供しています。プレミアム・プロセスが可能な申請は、移民局の公式サイト(www.uscis.gov/forms/all-forms/how-do-i-request-premium-processing)で確認できます。プレミアム・プロセスを使うことによって、移民局は受理から15暦日以内に、大半の申請に対して認可通知、追加書類要求通知、却下通知を、また、不正行為の疑いがある申請に対して調査通知を発行すると保証しています。 

拡大の対象となるのは、すでに受理されている一部のEB-1ビザにおける多国籍企業のエグゼクティブまたはマネジャー(Multinational Executive or Manager)と、EB-2ビザにおける国益免除(National Interest Waiver)の申請で、以下の通り段階的に行われる予定です。 

2021年1月1日またはそれ以前に受領されたEB-1ビザの多国籍企業のエグゼクティブまたはマネジャーの申請は、2022年6月1日よりプレミアム・プロセスにアップグレードすることができます。 

2021年6月1日またはそれ以前に受領されたEB-2ビザの国益免除の申請、および2021年3月1日またはそれ以前に受領されたEB-1ビザの多国籍企業のエグゼクティブまたはマネジャーの申請は、2022年7月1日よりプレミアム・プロセスにアップグレードすることができます。 

なお、今回プレミアム・プロセスにアップグレードできるようになったEB-1ビザの多国籍企業のエグゼクティブまたはマネジャーと、EB-2ビザの国益免除申請の分野で、移民局が保証している通常の処理時間は45暦日以内となっています。 

このアップグレードのリクエストに必要な申請書(Form I-907 Request for Premium Processing Service)ですが、プレミアム・プロセスの開始日より前に提出されたものは拒否されます。現時点では、新しい雇用ベース移民ビザ申請と同時には受領されません。また、前述の申請処理時間の対象となるのは、適切に受領された申請であることが前提です。たとえば、間違ったサービス・センターに申請を送付したり、署名をし忘れたり、記入漏れがあったり、支払い額が足りていない場合は、プレミアム・プロセスの対象にはなりません。 

審査の過程で、移民局が、追加書類要求通知(request for evidence)や申請を拒否する意向であることの通知(notice of intent to deny)を発行し、それに対して回答が必要な場合、保証されている審査期間は一度停止され、移民局に回答を提出した時点から新しい審査期間が開始します。万一、保証期間内に申請が処理されなかった場合は、プレミアム・プロセス料金を返金したうえで、引き続き優先審査で対応することを保証しています。 

今回の発表に伴い、移民局は、プレミアム・プロセスの申請書をアップデートしました。新しい申請には「05/31/22」と記載があります。移民局は6月中、引き続きアップデート前の「09/30/20」バージョンも受け付けますが、7月1日からは「05/31/22」バージョンのみとなります。 

プレミアム・プロセスの料金は、申請するビザの種類によって異なります。

プレミアム・プロセスの料金 

$2,500 
E-1、E-2、E-3、H-1B、H-3、L、O、P、Q、TN (I-129)
EB-1、EB-2、EB-3(I-140) 

$1,500 
H-2B、R(I-129)  

上記がそれぞれの申請料に加算されます。また、プレミアム・プロセスの料金は、通常の申請料とは別に個別の支払いになります。その他の申請料とまとめて支払った場合、申請は受け付けられませんので注意してください。 

移民局は、「プレミアム・プロセスのサービスを拡大することにより、通常の申請の審査期間が長くなってはならない」という議会の要件を厳守しつつ、今後その他の分野における申請でもプレミアム・プロセスが利用できるように検討しています。 

2年間の条件付きグリーンカードと条件削除申請〜知っておきたい身近な移民法

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2年間の条件付きグリーンカードと条件削除申請

アメリカ市民あるいはグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカードを申請する際、結婚後2年以内の発行の場合には、2年間のみ有効なグリーンカードが取得できます。これを条件付きグリーンカード(Conditional Green Card)と言い、その保持者は条件付きグリーンカード保持者(Conditional Permanent Resident)と呼ばれます。 

条件付きグリーンカードの条件を削除するには、その有効期限が切れる前の90日間内に、条件削除(Joint Petition) の申請をします。この申請は通常、グリーンカードのスポンサーである配偶者と共同で行わなければなりません。 

ただし、離婚や死別、虐待などの理由により共同で申請ができない場合には、共同申請からの免除(Waiver)の申し立てをすれば、外国人配偶者が単独で申請することが可能です。グリーンカード取得時に結婚後すでに2年以上が経過している場合には、初めから10年間有効のグリーンカードが発行されるため、条件削除の申請は必要ありません。 

●条件付きグリーンカードの目的 

条件付きグリーンカードは偽装結婚を防止することを目的に発行され、2年間の有効期限付きという以外は、通常のグリーンカード保持者と同等の権利が与えられます。従って、就労に関する制限もなく、米国と海外の間を自由に往来することも許されています。さらに、条件付きグリーンカード保持者として過ごした2年間は、市民権取得条件のひとつである、米国内での最低居住期間にもカウントすることができます。 

●条件削除の審査期間 

条件削除の審査期間は、その時々で進展したり後退したりします。また、地域によっても異なります。現在、審査期間は、2年前後と非常に長くなっているため、審査期間中にグリーンカードの有効期限が失効してしまいます。 

しかし、移民局が申請受理後に発行する申請受理書には、グリーンカードの有効期限後も、条件削除申請の期間中は最長24カ月間、グリーンカードの有効期限を延長すると記載されています。それにより、有効期限が切れてしまったグリーンカードと申請受理書を携帯することで、引き続きグリーンカード保持者であることの証明となり、アメリカでの就労や海外への渡航も可能です。 

なお、審査期間が短い時には、申請受理書に記載される延長期間が12カ月、18カ月などとなっていることがありますので、申請受理書を受け取ったら延長期間を確認しましょう。ちなみに、1年半から2年ほど前に発行された申請受理書には、18カ月と記載されていましたが、その後は申請期間が全体的に長くなっているため、18カ月間延長と記載する申請受理書が発行された申請者に対し、移民局では24カ月と記載する申請受理書を再発行しています。  

●グリーンカードの審査 

グリーンカードの審査は以前ですと、結婚の信用性に疑いがある場合や無作為に抽出されたまれなケースを除き、基本的には書類審査が中心でした。 

しかし、トランプ政権(2017-2021)で、移民局はほぼ全ての申請においてインタビューを行う方針に変更しました。特に、アメリカ国外にある米国大使館での移民ビザのインタビューを経て、2年間の条件付きグリーンカードを取得した外国人は、移民局でインタビューを行っていないため、条件削除では必ずインタビューが予定されていました。 

その後2022年4月7日になって、移民局は「全ての条件削除申請者に対しインタビューを義務付けることは、移民局のリソースを有効的に使えていなかった」とし、今後は偽装申請の特定や国家安全の確保と申請期間の改善のバランスを考えながら、より効率的に申請を進める意向であることを発表しました。 

具体的には、結婚が偽装でない証拠が十分にあり、申請書類に虚偽がなく、インタビューで解決しなければならないような複雑な事実や問題点も見当たらない方で、また、永住資格に反するような犯罪歴がないという場合は、審査官の裁量でインタビューが免除されることになりました。この新方針は、発表があった4月7日からすでに施行されています。 

E・L-2ビザ保持者の就労許可〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

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E・L-2ビザ保持者の就労許可

本コラムで以前、H-4・E・L-2ビザ保持者の就労許可に関するルールが変更されたことをお伝えしました。今回は、E・L-2ビザ保持者の就労許可についておさらいしながら、その後の進展をお知らせしたいと思います。 

まず、このルールの対象はEビザまたはLビザ保持者の配偶者で、子どもはその対象になっていません。L-1ビザ保持者の配偶者にはL-2ビザが発行されますが、Eビザの場合、メインのEビザ保持者と配偶者のビザは同じです。たとえば、E-1ビザ保持者の配偶者にはE-1ビザが、E-2ビザ保持者の配偶者にはE-2ビザが発行されます。今回お話しするE-1やE-2ビザ保持者は、メインの申請者ではなく、その配偶者のことですのでご注意ください。 

E・Lビザ保持者の配偶者はアメリカでの就労が認められています。ただし、就労はビザ・ステータスに付随していないため、入国後、移民局で就労許可申請を行い、EADと呼ばれる就労許可証を取得して初めて就労が可能になるというのが従来のルールでした。しかし、昨年11月、E・Lビザ保持者の配偶者の就労はビザ・ステータスに付随しているものとする、従ってEビザまたはL-2ビザ保持者はアメリカ入国後、就労許可を申請することなく自動的に就労が可能になると発表されました。 

この政策は、発表があった日からの施行となったものの、これを実現するには移民局がE・Lビザ保持者の配偶者が就労可能であることをシステムに反映させる必要がありました。移民局は、すぐに実行に移ると公言しましたが、いつまでに何をするといった具体的な発表はしなかったため、発表当時は、E・L-2ビザ保持者が就労する場合、有効なEADが就労可能なことを証明できる唯一の書類でした。 

その後、2022年1月31日に、米税関・国境警備局(CBP:US Customs and Border Protection)が新しい入国管理システムを導入し始めたことを発表。同日以降に入国したLビザ保持者の配偶者にはL-2S、Eビザ保持者の配偶者にはE-1SまたはE-2Sという入国コードが表記されることになりました。この「S」の表記がある場合、EADを取得しなくても就労可能ということを示しています。配偶者と子どもが識別できるように、子どもにはL-2Y、E-1Y、E-2Yというように、「Y」の表記があります。また、米国内の移民局でL-2、E-1、E-2ビザのステータス延長申請が認可された場合も、ステータスに「S」が追記されます。 

これより前にアメリカに入国した人はこの「S」が表記されていませんが、アメリカでの就労が必要なければ滞在するには問題ありません。就労を希望する場合は、アメリカ国内でEADを取得するか、あるいは一度出国し、L-2S、E-1S、E-2Sとして再入国する必要があります。現在、EADの申請には時間がかかるため、出国して再入国するほうが早く仕事に就くことができるでしょう。 

なお、CBPには「Deferred Inspection」というオフィスがあり、滞在期間や在留資格など入国審査での間違いを修正したり、書類不備などにより空港で入国審査ができない場合に入国後の審査をしたりしています。CBPは、2022年1月31日より前にアメリカに入国したL-2、E-1、E-2保持者のコードをL-2S、E-1S、E-2Sに変更しないと発表しましたので、Deferred Inspectionによる変更はできません。 

2023年分の H-1Bビザ申請期間は6月30日まで 

H-1B ビザは例年、キャップ数以上の申請があるため、申請受け付けの前に抽選が行われています。抽選のためには、移民局の専用サイトに申請を登録する必要がありますが、会計年度2023年分のH-1Bビザは、3月1日から18日までの登録期間が終了し、3月29日に最初の抽選が行われました。すでに当選者には、専用サイトを通じて連絡が届いています。その専用サイトでの連絡ですが、以下の5つのステータスによって状況がわかります。 

Submitted:抽選のための登録が完了(申請応募に当選したことではない)。 

Selected:会計年度2023年の申請に応募できる。 

Not Selected:会計年度2023年の申請応募に当選しなかったことを意味する(会計年度の申請が最終的に終了するまでは、「Not Selected」のステータスに変わらない可能性があるため、現時点ではこのステータスの登録はまだないと考えられる)。 

Denied:登録自体は行われたが、複数の登録をした場合など、登録自体が無効扱いとなったことを意味する。 

Invalidated-Failed Payment:登録自体は行われたが、それに伴う費用の支払いが拒否された、受け付けられなかった、キャンセルされたなどの理由で、無効扱いとなったことを意味する。 

現時点では、上記のうち「Selected」のステータスの登録のみ、実際の申請に進むことができます。申請は、4月1日から90日間の6月30日までに行う必要があります。審査のうえ棄却される申請もあるため、会計年度枠を使い切らない場合は、再度の抽選の可能性が残っています。  

ナショナルビザセンター〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

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ナショナルビザセンター

ナショナルビザセンター(NVC)は、米国務省の領事局の一部で、ニューハンプシャー州にあります。その主な役割は、米国大使館での移民ビザ申請における書類審査です。 

一例ですが、アメリカ人と日本人が結婚して、アメリカ人が日本人配偶者のグリーンカードをスポンサーする場合、「I-130 Petition for Alien Relative」と呼ばれる請願書を移民局に提出します。日本人配偶者が、H-1Bビザなど非移民ビザ保持者として、すでに合法的に滞在している場合は、同時に「I-485 Application to Register Permanent Residence or Adjust Status」と呼ばれる、米国内で非移民ビザのステータスから永住者のステータスに変更する申請を行えるケースもあります。その場合、申請の管轄は最初から最後まで移民局となり、ナショナルビザセンターと関わることはありません。 

しかし、外国人配偶者がアメリカ国外にいる場合は、移民局がI-130請願書を認可した後、ナショナルビザセンターに申請を認可したことを報告し、米国大使館での面接までの間、ケースはナショナルビザセンターの管理下に置かれることになります。 

ナショナルビザセンターでは、米国大使館用にケース番号を発行し、申請料ほか、移民ビザ申請書や扶養宣誓供述書、そしてパスポート、出生証明書、納税証明書、W-2などのサポート資料を申請者から受け取り、米国大使館での移民ビザの面接前に、書類審査を行います。なお、必要書類は、領事局電子申請センター(CESA)のウェブサイトを通してのオンライン提出となります。ナショナルビザセンターから特別な指示がない限り、郵送による書類は受け付けられません。書類審査が終わると、米国大使館での面接日の設定後、ナショナルビザセンターに提出した書類は、面接を受ける米国大使館に転送され、ケースの管轄は米国大使館に移行します。 

ただし、ケースが移民局からナショナルビザセンターに移行した時点で、まだ「プライオリティー・デート」(移民ビザ申請における優先順位)が現行でない場合は、移民ビザの書類審査が可能になるまで、待ち時間が発生します。優先順位が近付くと、ナショナルビザセンターから書類の提出を開始するように連絡があります。プライオリティー・デートは毎月更新され、米国務省が発行している『ビザ・ブリテン』に最新情報が掲載されます。 

また、ナショナルビザセンターにケースが移行し、その連絡を受けてから何らかの理由で1年以内に移民ビザ申請を開始しなかった場合、あるいは1度は開始したものの、ナショナルビザセンターとコンタクトを1年間取らなかった場合、ビザ申請を続ける意思があるかどうかを確認する連絡があります。これに回答しないと、登録がキャンセルされますので注意が必要です。諸事情ですぐに移民ビザ申請ができないものの、登録を維持したい場合には、1年に1度はナショナルビザセンターとコンタクトを取ることによって、このような問題は回避できます。

移民局のシアトル・オフィス最新情報グリーンカード申請のインタビューに関する方針の変更 

 シアトルに限らず、移民局のローカル・オフィスではパンデミックの影響もあり、審査の遅延が顕著です。シアトル・オフィスでは今年2月に予定されていたグリーンカード申請のインタビューのキャンセルが相次ぎました。その後、シアトル・オフィスは、インタビューがキャンセルされた申請の一部を、インタビューなしで認可しました。 

2月の時点では、インタビュー免除がパイロット・プログラム的な扱いでなされていましたが、3月3日に公式な発表があり、シアトル・オフィスでは今後、家族関係に基づくグリーンカードの申請においては個々に判断したうえでインタビューを免除できるとしています。シアトル・オフィスは、このプログラムに参加できる移民局のローカル・オフィスのひとつに選ばれていますが、近隣のヤキマやポートランドは含まれていません。  

なお、この方針変更により、移民局では健康診断書をI-485申請時に提出することを勧めています。従来であれば、健康診断書はインタビュー時に持参することも可能ですが、もし移民局がインタビューを免除し、その申請に健康診断書が提出されていない場合、RFEと呼ばれるさらなる書類の提出を要求します。そのため、健康診断書をI-485申請時に提出していないと、審査に遅延を生む可能性があるとしています。   

H-1Bビザ申請〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

H-1Bビザ申請

H-1Bビザは、特殊技術や知識が必要とされる専門職に就く外国人労働者に適合するビザで、専門分野での学士号、または同程度の実務経験が求められます。通常、アメリカの4年制大学を卒業した外国人に利用されることが多いビザですが、海外で学士号を取得した、 あるいは同程度の実務経験を持つ外国人労働者も対象となります。 

H-1Bビザ保持者の滞在期間は3年で、3年の延長が可能なため、通算6年まで滞在可能です。最長滞在期間に達した後、米国外に1年滞在すれば再度H-1Bビザを申請できます。ただし例外として、グリーンカードを申請中のH-1Bビザ保持者の場合は、6年目以降の滞在が認められるケースもあります。 

会計年度(10月1日から翌年9月30日まで)におけるH-1Bビザの新規発給数には限りがあり、これをCAPと呼びます。現在、このCAPは一般枠が6万5,000件、特別枠(アメリカの大学で修士号以上の学位を取得した人)が2万件と定められています。なお、CAPの対象となるのは、新規のビザ申請者です。更新や転職の場合、あるいはスポンサーが高等学校以上の教育機関、その関連・提携関係にある非営利団体、非営利や政府の機関のリサーチ組織に該当する場合など、CAPの対象にならないケースもあります。 

H-1Bビザは職歴のない新卒者でも申請可能ですが、その職務内容が専門分野での学士号以上の学位取得を最低条件とする専門職であることを証明しなければなりません。そのため、一般教養(Liberal Arts)といった特定の分野に限らない学位は認められません。また、日本語が話せるということだけでは専門職と言えず、条件を満たすことができません。申請が可能な職種に制限はありませんが、あえて例を挙げるならば、エンジニア、会計士、教員、財務アナリスト、建築士、薬剤師、IT・コンピューター関連の技術職、カウンセラーなどがH-1Bビザ対象と考えられます。 

H-1B保持者の扶養家族(配偶者と未婚で21歳未満の子ども)は、H-4ビザを取得することによって、H-1Bビザ保持者と共にアメリカで生活することができます。また、H-4ビザ保持者の配偶者は、一定の基準を満たすことによって就労許可の取得も可能です。 

次に、新規H-1Bビザ申請のプロセスについてですが、まず、H-1B ビザのスポンサー企業は電子登録システムに申請を希望する外国人労働者を事前登録し、当選した場合にのみ申請を提出できることになっています。2023年会計年度(2022年10月1日〜2023年9月30日)に H-1B ビザをスポンサーする予定の企業は、2月21日の東部時間正午からアカウントを作成でき、実際の登録は3月1日の東部時間正午から3月18日の東部時間正午までの間に行います。これ以降の登録は受け付けられません。登録料は受益者1人につき10ドルです。登録の仕方に関しては、移民局のサイト(www.uscis.gov/working-in-the-united-states/temporary-workers/h-1b-specialty-occupations-and-fashion-models/h-1b-electronic-registration-process)で確認できます。 

スポンサー企業は、複数の外国人労働者の登録が可能ですが、1人につき登録は1回に限られています。もし誤って外国人労働者1人に対して複数の登録を行ってしまった場合、まだ登録期間内であれば、余分な登録を削除できますが、登録期間終了後に発覚した場合には、その外国人労働者の全ての登録がキャンセルされます。いずれの場合も10ドルの登録料は返金されません。また、抽選に外れた場合でも登録料の返金はありません。 

登録期間終了日までにH-1Bビザの年間発給数を超える登録があった場合、移民局は抽選を行い、当選結果を通知します。当選者は、申請受け付け期間に、H-1Bビザ申請を提出し、審査結果を待ちます。申請が認可された場合、H-1Bビザ保持者として就労が開始できるのが、最短で新会計年度となる2022年10月1日からです。海外で審査の結果を待っていた方、あるいは米国内に滞在しているもののステータス変更を申請しなかった方は、一度出国して、米国大使館・領事館にてH-1B ビザを取得することになり、アメリカ入国後に就労が可能です。 

離婚で移民上のステータスはどう変わる?〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

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離婚で移民上のステータスはどう変わる?

外国人がアメリカで離婚する場合、住んでいる州の法律を始め、アメリカと日本の法律の違いや、財産分与、親権など、さまざまな要素を考慮しなければなりません。それに加え、外国人の配偶者の場合は、離婚による移民法上のステータスへの影響も知っておく必要があります。今回のコラムでは、外国人配偶者が遭遇する可能性が高い、さまざまな状況について解説します。 

非移民ビザ保持者が離婚する場合 

H-1Bビザ保持者としてアメリカの会社で働いているAさんと、その配偶者でH-4ビザ保持者のBさんが離婚すると想定した場合、H-1Bビザ保持者のAさんのステータスに影響はありません。しかし、Aさんの配偶者としてH-4ビザを取得したBさんは、離婚が成立すると法律上の配偶者ではなくなるため、配偶者用のビザであるH-4ビザを維持できなくなります。つまり、本国に帰国するか、あるいは、離婚後もアメリカに滞在したい場合は単独でほかのビザを取得しなければなりません。 

また、AさんとBさんの子どものCさんが扶養家族としてH-4ビザを保持している場合、両親の離婚は、Cさんのステータスに影響しません。CさんのH-4ビザは、Aさんとの親子関係に基づき発行されたビザなので、両親が離婚後もAさんがH-1Bビザを保持している限り、CさんはH-4ビザを保持できます。ただし、CさんがAさんの継子である場合は、離婚と共にCさんはH-4ビザを維持できなくなってしまいます。

結婚によるグリーンカード申請中に離婚する場合

米国市民あるいはグリーンカード保持者との結婚に基づきグリーンカードを申請している外国人が申請中に離婚することになった場合、グリーンカードの申請を続けることはできません。ただし、離婚の理由が米国市民またはグリーンカード保持者である配偶者による虐待である場合、個々の状況によっては自己申請が可能なケースがあります。 

雇用によるグリーンカード申請中に離婚する場合

H-1Bビザ保持者としてアメリカの会社で働いているAさんと、その配偶者でH-4ビザ保持者のBさんが、Aさんの雇用によるグリーンカード申請中に離婚すると想定した場合、Aさんは、申請の直接的な受益者として申請を続けることができます。しかし、Bさんは、Aさんとの婚姻関係に基づく間接的な受益者として申請をしているので、Aさんとの離婚が成立したら申請を続けることはできません。

グリーンカード保持者が離婚する場合

10年間有効なグリーンカードを持つ場合、離婚しても、結婚が偽装ではないこと、またグリーンカード申請に不正がなかったことを前提として、グリーンカードを失うことは原則ありません。結婚の正当性に関しては、帰化申請時に調査の対象となる可能性があります。なお、結婚を通してグリーンカードを取得した人が帰化申請を行う場合、婚姻関係が続いていることを条件に、グリーンカード取得後3年で帰化申請を行うことができますが、離婚した場合は、グリーンカード取得から5年を経過しないと帰化申請を行うことはできません。 

米国市民、あるいはグリーンカード保持者との結婚をベースにグリーンカードを取得した外国人配偶者には、2年間の条件付きのグリーンカードが最初に与えられます。この条件を取り除くには、条件付きのグリーンカードが失効する90日以前に条件削除の申請(Joint Petition)を夫婦そろって行います。しかし、グリーンカード取得後、2年以内に離婚した場合は、この条件削除の申請を夫婦で行うことができません。 

このような場合は、その結婚が虚偽ではなく正当であったと証明することができれば免除申請(Waiver)が可能なケースもあります。証明方法は個々の結婚状態によって異なるため、特に絶対必要な書類は存在しませんが、結婚前の交際期間や結婚していた期間、ふたりを知る友人からの供述書、共同名義の財産・資産などが主な例として挙げられます。また、子どもがいるかどうか、同居していたかどうか、離婚の理由や和解する努力をしたかどうか、カウンセリングを受けたかどうかなど、本物の夫婦であることを証明し、同時にグリーンカードを得るためだけの偽装結婚ではなかったと証明することも重要です。 

H-4・E・L-2ビザ保持者の就労許可に関するルール変更

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

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H-4・E・L-2ビザ保持者の就労許可に関するルール変更

11月、配偶者のビザ保持者を対象とするルール改正が発表されました。 

H-1Bビザ保持者の配偶者はH-4ビザ、L-1ビザ保持者の配偶者はL-2ビザですが、Eビザの場合、メインのEビザ保持者と配偶者のビザは同じです。たとえば、E-1ビザ保持者の配偶者にはE-1ビザが、E-2ビザ保持者の配偶者にはE-2ビザが発行されます。配偶者用のEビザおよびL-2ビザ保持者は、アメリカで就労できますが、ビザの取得によって自動的に就労が認められるわけではありません。就労が認められるには、入国後に移民局で就労許可を申請し、EADと呼ばれる就労許可証を取得する必要があります。 

以下の条件を満たすH-4ビザ保持者も同じように、移民局によるEADの発行を経て就労が可能です。 

  1. 配偶者であるH-1Bビザ保持者が、すでに認可されている雇用による移民ビザ申請の受益者である、または、

  2. 配偶者であるH-1Bビザ保持者が、 AC21(American Competitiveness in the 21st Century Act of 2000)の106条(a)項および(b)項の下、6年目以降の H-1B 滞在の延長が許可されている。これは、H-1Bの満期である6年を超えた状態で、それ以降もH-1Bビザ保持者としてアメリカに滞在し、就労ができる状態にあるH-1Bビザ保持者のことです。 

前述の通り、EとLビザの配偶者は誰もが就労許可を申請できますが、H-4ビザ保持者の場合には、上記の条件を満たす方のみが、就労許可を申請できます。また、EAD取得後のH-4、EまたはL-2ビザ保持者は、雇用者に拘束されないオープン・マーケットでの就労が可能です。日系企業でなければならない、特別なスキルが必要な職でなければならない、特定の分野での学位を取得していなければならない、といった決まりはありません。 

以上が既存のルールでしたが、11月22日に出版された政策ガイダンスでは、E・L-2・H-4ビザ保持者の就労に関して、主に2つのルールについて改正されることが発表されました。 

E・L-2・H-4ビザ保持者の就労許可は、以下の2つの条件を両方満たす場合に限り、有効な滞在期間内で、就労許可更新申請の結果が出るまで、あるいは現在有効なEADの有効期限が切れてから最長180日、このどちらか短い期間に限り、自動的に更新されます。 

  1. E・L-2・H-4ビザ保持者が、現在有効なEADの有効期限が切れる前に更新を申請している。

  2. E・L-2・H-4ビザ保持者の滞在期間(I-94)が有効である。 

今回の改正の中でも重要なのが、EとLビザ保持者の配偶者のEADに関する内容です。前述の通り、EとLビザ保持者の配偶者は従来、アメリカでの就労が認められていましたが、就労はビザ・ステータスに付随していないため、入国後に移民局で就労許可申請を行い、就労許可証を取得して初めて就労が可能になります。それが今回の政策ガイダンスでは今後、EとLビザの配偶者の就労はビザ・ステータスに付随しているものとする、従って有効なEまたはL-2ビザ保持者はアメリカ入国後に就労許可を申請することなく自動的に就労が可能になると発表がありました。 

この政策は発表日からの施行となりますが、実際には移民局がEまたはLビザ保持者の配偶者について就労可能であることをシステムに反映させる必要があります。移民局は、すぐに実行する旨を公言しているものの、いつまでにといった具体的な日付は発表されていません。 

また、就労を開始する際、労働者は合法的に就労できることを証明するためにI-9というフォームの記入を行い、雇用主も、合法的に就労できることを記した書類を確認しますが、現状ではEやL-2ビザ保持者が就労する場合、有効なEADが唯一の証明書類となります。システムのアップデート以降は、EまたはLビザ保持者の配偶者であると記されたI-94が、合法的に就労できる証明になります。 

なお、このルールはH-4ビザ保持者には該当しません。よって、今後もH-4ビザ保持者がアメリカで就労するためには、EADが必要となります。 

日本からアメリカに兄弟・姉妹を呼び寄せる場合〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

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日本からアメリカに兄弟・姉妹を呼び寄せる場合

米国移民法は、米国市民やグリーンカード保持者の家族関係に基づくグリーンカード申請を認めています。日本からアメリカに兄弟・姉妹を呼び寄せる場合、以下の通り、2ステップのプロセスになります。 

ステップ1:家族ベース移民ビザ申請 – スポンサーが米国市民であること、さらに申請する兄弟・姉妹との家族関係の証明 

ステップ2:移民ビザ・グリーンカード申請 – 外国人の兄弟・姉妹の移民資格審査 

グリーンカードが申請可能な家族関係は、主に年間割り当て数に制限のない非優先区分と、制限のある優先区分の2種類に分かれます。 

非優先区分の対象となるのは、米国市民の配偶者や親、21歳未満で未婚の子どもなどです。このカテゴリに相当する米国市民の家族は、グリーンカードの年間割り当て制度の対象にならないため、待ち時間なくグリーンカードを申請することができます。優先区分には4つのカテゴリがあり、いずれのカテゴリもグリーンカードの年間割り当て制度の対象となります。グリーンカード申請には「プライオリティー・デート」、つまりウェイティング・リスト上の優先順位があり、その順番が来ないと、最終的にグリーンカード申請のプロセスには至りません(ステップ2)。そのため、待ち時間が発生します。 

米国市民やグリーンカード保持者がスポンサーになれる家族の範囲には制限があります。今回のトピックである米国市民の兄弟・姉妹は、第4優先区分に相当します。グリーンカード保持者が兄弟・姉妹のグリーンカード申請のスポンサーになることはできないため、グリーンカード保持者が日本から兄弟・姉妹を呼び寄せたい場合は、グリーンカード保持者が帰化し、アメリカ国籍を取得した後、兄弟・姉妹のグリーンカードのスポンサーになる必要があります。 

なお、アメリカ市民であっても、義理の兄弟・姉妹のグリーンカード申請でスポンサーにはなれません。たとえば、日本人が米国籍の人と結婚し、その配偶者が日本人である義理の兄弟・姉妹のグリーンカードのスポンサーになる、ということはできません。 

グリーンカードの年間割り当て制度の対象となるカテゴリでは、グリーンカードを申請できるようになるまで、長期間かかるケースも見られます。その待ち時間は、カテゴリによっても異なりますし、突然大幅に前進したり後退したりすることも。一般的には、優先区分が下になればなるほど、待ち時間が長くなる傾向にあります。 

自分がウェイティング・リストのどの辺りにいるか、プライオリティー・デートを調べるためには、米国務省が毎月出版している『ビザ・ブリテン』を確認します。ビザ・ブリテンは、グリーンカードのプライオリティー・デートを伝える公報で、自分のプライオリティー・デートが、 その記載されている日付より早いと、グリーンカードを申請することができるようになります。 

たとえば、2021年11月のビザ・ブリテンを見ると、第4優先区分に当たる米国市民の兄弟・姉妹の申請は、さらに国別に設定されている以外は、2007年3月22日と記載されています。これは、2021年11月には、プライオリティー・デートが2007年3月22日より前の申請であれば、移民ビザ・グリーンカード申請(ステップ2)に進めることを意味しています。単純計算すると、第4優先区分の申請には現在、約14年かかっていることになります。ちなみに、家族関係に基づくグリーンカード申請の場合、移民局がI-130家族ベース移民ビザ申請を受理した日がプライオリティー・デートになります。 

なお、日本からアメリカに兄弟・姉妹を呼び寄せる場合、兄弟・姉妹の配偶者、および21歳未満で未婚の子どもも申請に含めることができます。ただし、前述の通り、申請期間が長いため、その間に配偶者と離婚したり、子どもが成人して結婚をしたりと、申請開始当初から家族関係が変わる可能性があります。そのような場合は、このカテゴリでの申請資格を失ったり、あるいは、別のカテゴリへの移行を視野に入れたりしなければならないため、ケースバイケースのレビューが必要となります。 

グリーンカード申請に関する最新情報〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

グリーンカード申請に関する最新情報

アメリカ人やグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカード(米国永住権)を取得する外国人配偶者は、結婚後2年以内にグリーンカードを取得した場合に限り、当初2年間有効の条件付きグリーンカードが与えられます。条件を削除するには、条件付きグリーンカードの有効期限が切れる90日以内に、外国人配偶者とそのスポンサー配偶者が共同で条件を削除する申請を行います。離婚や配偶者が亡くなったなどの理由により、共同で申請できない場合は、免除申請も可能です。どちらも同じ申請書(Form I-751:Petition to Remove Conditions on Residence)を使います。

申請書提出後、移民局が発行する申請受理書を受け取りますが、そこには通常、グリーンカードの有効期限が切れても申請期間中はステータスを最長18カ月間延長すると記載されています。申請期間中にグリーンカードの有効期限が切れてしまっても、その期限切れのグリーンカードと申請受理書があれば、永住者であることを証明できます。現在は審査期間が長引いているため、移民局は9月4日以降に発行された申請受理書に、ステータスを最長24カ月延長すると記載し始めています。また、それ以前に提出し、現在も審査中である申請に対しては、グリーンカードの有効期限を24カ月延長すると記載した申請受理書を新たに発行することも発表しました。

グリーンカード申請者は、移民局の指定病院にて健康診断を受ける際、特定のワクチンについて接種したことを証明する必要があります。10月1日より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンが、このグリーンカード申請に必要な特定ワクチンのリストに追加されました。つまり、10月1日以降は、健康診断を受けるに当たり、新型コロナワクチン接種が義務付けられます。新型コロナワクチンを接種済みの申請者は診察時、医師に接種証明を提示します。ただし、以下に該当する場合、移民局はワクチン接種を全面的に免除できます。

  1. 申請者の年齢により、ワクチン接種が適切ではない場合
  2. 申請者の病状から、ワクチンを接種できない場合
  3. 指定病院の地域で、ワクチンを定期的に入手することが困難な場合、あるいは
  4. ワクチンの供給が十分でないため、ワクチン接種が大幅に遅れている場合

また、前記に該当しない場合でも、宗教や道徳的な理由から新型コロナワクチン接種の免除を希望する申請者は、免除申請書を提出できます。ただし、移民局が免除を認めない場合は、新型コロナワクチンを接種しなければなりません。それでも新型コロナワクチン接種を拒否した場合、グリーンカードを取得することはできません。

在日米国大使館・領事館でのビザ申請

在日米国大使館・領事館では、郵送によるビザ申請業務の範囲を広げることを発表しました。以下の条件を全て満たしていれば、新規の申請であっても、面接を受けることなく郵送による申請が可能となります。これは2021年12月31日まで設けられている特別措置です。

  1. 日本国籍者であること
  2. 日本に滞在していること
  3. Fビザ、Mビザ、またはアカデミックの分野(中高生、大学生、   教授、研究学者、短期滞在学者、専門家)に限ったJビザの申請者であること
  4. 過去にESTA申請を拒否されたことがないこと
  5. 日本やアメリカに限らず、全世界で逮捕歴がないこと 

アメリカへの渡航制限解除

バイデン政権は、新型コロナワクチンの接種証明と、出発前3日以内のCOVID-19検査陰性結果を提示した外国人に対して、11月8日からアメリカへの渡航制限を解除することを発表しました。 

DV-2023プログラム

2023年会計年度(2022年10月1日から2023年9月30日まで)のDVプログラム募集要項が発表されました。受け付けは10月6日東部時間正午から始まっており、11月9日東部時間正午に終了となります。詳細は公式サイト(https://dvprogram.state.gov)で確認できます。

10年間有効のグリーンカード更新時における注意点〜知っておきたい身近な移民法

知っておきたい身近な移民法

米国移民法を専門とする琴河・五十畑法律事務所 (K&I Lawyers) の五十畑諭弁護士が、アメリカに滞在するで知っておくべき移民法について解説します。

本コラムで提供される情報は一般的かつ教育的なものであり、個別の解決策や法的アドバイスではありません。また、情報は掲載時点のものです。具体的な状況については、米国移民法の弁護士にご相談ください。

10年間有効のグリーンカード更新時における注意点

グリーンカード(米国永住権)は10年に1度の更新が必要です。今回は、グリーンカードがスムーズに更新できるよう、更新時に気を付けておきたい点についてお話しします。なお、このコラムの内容は、10年間有効のグリーンカードの更新に限ったものです。2年間有効の条件付きグリーンカードからの更新が必要な方を含め、その他の状況には該当しない内容も含まれますので注意してください。

アメリカ人やグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカードを取得した外国人配偶者は、結婚後2年以内にグリーンカードを取得した場合に限り、当初2年間有効の条件付きグリーンカードが与えられます。条件を削除するためには、条件付きグリーンカードの有効期限が切れる90日以内に、外国人配偶者とそのスポンサー配偶者は共同で条件を削除する申請(Form I-751:Petition to Remove Conditions on Residenceを使用)を行います。そのプロセスを終えた方は、10年ごとにグリーンカードの更新申請(Form I-90:Application to Replace Permanent Resident Cardを使用) をすることになります。現在、オンライン申請と郵送申請の2種類があります。すでに10年間有効のグリーンカードを持っている方の更新申請はグリーンカードの条件削除申請とは異なり、使用する申請書も違うため、要注意です。

10年に1度の更新が必要なグリーンカードは、その有効期限が切れる6カ月前から申請できます。審査期間はケースバイケースで、数カ月から1年ほどかかっている場合も多々あります。申請後に移民局が発行する申請受理書をまず受け取りますが、そこにはグリーンカードの有効期限が切れても12カ月間は延長すると記載されています。もし新しいグリーンカードが届くまでに有効期限が切れてしまっても、その申請受理書があれば、期限切れのグリーンカードと合わせて永住者であることを証明できます。

グリーンカードは永住者であることを示す証明書に過ぎませんので、グリーンカードの有効期限が切れてしまったことを理由に永住者としてのステータスを失うことはありません。ただし、グリーンカード保持者は、常に移民上の身分を証明できる状況になくてはなりません。グリーンカードの有効期限が切れていることによって、雇用や出入国、運転免許証の更新、不動産の購入、住宅ローンの手続きなどに問題が生じる可能性があります。有効期限が切れてしまったことに気付いたら、直ちに更新申請を行うべきです。

グリーンカードの更新申請は、アメリカ国内で行います。海外の米国大使館・領事館では申請できません。そのため、アメリカ国外に滞在している場合は、アメリカに戻って更新を申請する必要があります。もし、アメリカ国外に滞在している間にグリーンカードの有効期限が切れてしまったら、アメリカを出国して1年未満の場合、パスポートと期限切れのグリーンカードで渡航は可能となる場合があります。しかし、飛行機の搭乗や米国入国審査にて問題が発生することも考えられますので、なるべくこのような状況にならないように注意しましょう。

アメリカ出国からすでに1年以上が経過していて、再入国許可証(Reentry Permit)も取得していない状況ですと、問題はもっと深刻です。最初からグリーンカードの申請をし直すか、あるいは帰国居住者ビザを申請する必要があります。後者の場合、「アメリカ国外での滞在は、アメリカを出国した時点では短期間の予定で、アメリカに戻る意思があって出国したものの、出国後、自身のコントロール外の理由でアメリカに戻れなかった」ということを証明しなければなりません。

移民局は、更新時にもバックグラウンド・チェックを行います。重・軽犯罪いずれの場合も、犯罪歴がある方は専門家に相談することを勧めます。犯罪のレベルによっては、国外追放となる可能性が高いものもあります。年間を通して長期間、アメリカ国外に滞在している場合、生活の基盤がアメリカにあるのかどうか、移民局が疑問を持つことが考えられます。なるべく6カ月以上の出国は避けるか、アメリカを長期間離れる場合は再入国許可証を取得するべきでしょう。

永住者は、常にグリーンカードを携帯する義務があります。グリーンカードの紛失、盗難、破損が起きた場合には、10年の更新時を待たず、直ちにグリーンカードの再発行手続きを行わなければなりません。再発行手続きにも、通常の更新申請書(Form I-90)を使用します。