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Author: 金岡 美佐

MBAを取得し某IT企業のファイナンス部門で10年勤務するも、大のスポーツ好きが高じて脱サラ。スポーツライターへ転身。「スポーツは見て楽しむもの」をモットーに年中スポーツ観戦に大忙し。www.afnjapan.comでアメフト情報も発信中。

ハスキーズが18年ぶりに ローズボウルへ!

スタジアムの名称もローズボウル。米スポーツファンの行きたい場所リストに名が挙がる

早いもので、大学アメフトではボウルゲームのシーズン到来です。全米ランキング6位で開幕し、プレーオフ出場が期待されていたワシントン大学は予想外の黒星を喫し、レギュラーシーズンを9勝3敗で終了。全米で4チームのみが選出されるプレーオフは逃したものの、2年ぶりのPac-12優勝でローズボウル出場が決定しました。元日にはBig10覇者のオハイオ州立大学と対戦します。

12月中旬から1月上旬にかけて40試合もが組まれるボウルゲームは、レギュラーシーズンで好成績を収めたチームが出場招待されるご褒美的な試合。数あるボウルゲームの中でもローズ、シュガー、オレンジ、コットン、フィエスタ、ピーチの6大ボウルは別格で、3年交代で2つがプレーオフ準決勝に指定されます。その中でも、「The Granddaddy of Them All」と呼ばれるローズボウルは最古の歴史を誇り、2019年で第105回を迎える伝統の一戦です。

マーチングバンドの演奏も楽しみな大学アメフト。特に対戦相手、オハイオ州立大学の演奏パフォーマンスは必見

プレーオフ準決勝指定年以外はPac-12とBig10の覇者が対決するこのローズボウルに、ワシントン大学が出場するのは18年ぶりです。ワシントン大学は2016年にもPac-12で優勝したのですが、その年はプレーオフに選ばれ、ピーチボウルに出場し、アラバマ大学に完敗。ローズボウルがプレーオフ準決勝になった昨季はプレーオフに選ばれず、フィエスタボウルでペンシルベニア州立大学に惜敗。それでも、1年生時から先発出場し、チームを3年連続で6大ボウルゲームへ導いたクオーターバックのジェイク・ブラウニング選手やランニングバックのマイルス・ギャスキン選手は大したもの。大学選手として最後の最後に踏めることになったローズボウルの舞台では、ぜひ有終の美を飾って欲しいものです。

ファンと写真撮影するランニングバックのマイルス・ギャスキン選手

ローズボウルは試合前にパサデナの街を練り歩くパレードでも有名です。色とりどりの花で飾り尽くされたフロート(山車)が次から次へと現れる光景はまさに圧巻。それだけでも一見の価値があります。ローズボウル出場2校のフロートも応援歌を流しながら登場。スタジアムへ向かう途中、パレード見物に立ち寄るファンの気持ちを駆り立てます。ロサンゼルス周辺は空港もホテルの数も多く非常に便利。シアトルからも大勢が駆けつけるはずで、中立地での試合ながら大勢のUWファンに囲まれた楽しい観戦になること間違いなし。年末年始のプチ旅行にいかがでしょう?

見るだけで楽しいローズパレードのフロート

さて、このコラムは今回で最終回となります。7年間、私の拙い文章を読んでいただき、ありがとうございました。少しでもシアトルの皆さんのスポーツ観戦のお役に立てたなら幸いです。

Photos by Misa Kanaoka

八村選手所属のゴンザガ大学、初優勝へ大きな期待

今季はこの写真よりも長めの髪の毛でプレー中。3年目となり、試合後に流暢な英語でインタビューに応える姿も

秋も深まり、アメリカではバスケットボールのシーズンが始まっています。今秋3年生になったゴンザガ大学の八村 塁選手は、11月6日の開幕戦からスタメン出場中。アイダホ州立大学を相手に華麗なダンクシュートを連発し、この試合最多の33得点。チームは120-79で快勝しました。1年目は1度もスタメン出場させてもらえず、平均出場時間もわずか4.6分。2年目の昨季はベンチスタートが大半ながら、平均出場時間は20.7分へとアップ。そして今季はチームの大黒柱となるだけでなく、開幕時点から全米の大学最優秀選手予想リストや、2019年NBAドラフトの一巡指名選手予想に名を連ねるほど注目を浴びています。

大学1年目開幕前のファン・イベントでベンチに座る八村選手(2016年10月)

八村選手の同級生で、フランス出身のキリアン・ティリー選手も最優秀選手予想リストに挙がるゴンザガ大学は、上々の前評判で開幕時点でのランキングが全米3位。20年連続でNCAAトーナメントへ出場中の強豪チームながら、2017年春のトーナメント決勝でノースカロライナ大学に敗れたのが過去最高で、今季は例年以上に初優勝への期待が高まっています。12月上旬にはワシントン大学、テネシー大学、ノースカロライナ大学のランキング上位校と対戦予定で、トーナメントの上位シードを獲得するためにもこういったカンファレンス外の強豪に勝つことは大事です。強豪校との対戦はESPNで全米中継されるのでお見逃しなく。

ゴンザガ大学のホームコート、マッカーシー・アスレチック・センター

せっかく同じ州内に住んでいるのだから、できればホームコートで生観戦したいですよね。ただ、地元で圧倒的な人気を誇るゴンザガ大学の男子バスケチームのホームゲームは、学生席と年間シートでチケットは完売。StubHubなどの転売サイトの在庫も少なく、最低でも200ドル以上の値が付いています。残念ながら、今季はワシントン大学との対戦もスポケーンで開催。この試合は11月中旬現在、StubHubで4席しか在庫がなく、安くてもなんと585ドル(!)となっています。今季はワシントン大学もランキング入りで開幕を迎えたのが影響しているようです。

現在けがで欠場中の同級生、キリアン・ティリー選手(右)と

ホームゲームに手が届かないなら、アウェーゲームを見に行く手もあります。今季シアトルからいちばん近い試合は1月19日に行われる対ポートランド大学戦です。この試合のチケットは1月3日午前11時にポートランド大学のウェブサイトで発売開始。他の試合のチケットはすでに発売中なのですが、この試合ともう1試合だけは1月の発売となっています。人気のカードだけに、もしかしたら2、3試合のセットでしか購入できないプランなのかもしれませんが、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

Photos by Misa Kanaoka

大坂なおみ全米オープンで初優勝!勝者も敗者も泣いた全米オープン女子テニス

Photo by Peter Menzel

女子テニスの大坂なおみが9月8日、全米オープンで初優勝しました。男女合わせて日本人選手が4大大会を制覇したのは大坂が初めて。それまでは2014年に錦織 圭が全米オープン決勝まで勝ち進んだのが過去最高でした。

決勝で対戦したのは、大坂が子どもの頃から憧れていたセリーナ・ウィリアムズ。開催国の人気選手で、昨年9月に出産して以来初の4大大会優勝への期待が高まる中、優勝すればマーガレット・スミス・コートが持つ4大大会優勝最多記録(24回)に並ぶという状況も重なり、観客も現地メディアもセリーナの優勝を切望していました。

試合は序盤から大坂が優勢。苦戦を強いられたセリーナは客席からのコーチングに対する審判の警告に猛反発。さらにラケットをへし折って1ポイントを失い、その後も審判へ不満を訴え続けた挙句の果てに罰則で1ゲームを失います。セリーナ寄りの観客が審判に大ブーイングを浴びせる中、大坂はストレート勝ちで優勝を遂げました。

2002年、セリーナは大坂が初優勝したのと同じ20歳で、全米オープン2度目の優勝を達成。決勝の相手は全仏、ウィンブルドンに続き3大会連続で姉のビーナスだった。勝者、敗者と分かれた姉妹だが、試合後はそろって笑顔を見せていた(Photo by Misa Kanaoka)

しかし、勝者の顔に笑みなし。それどころか、サンバイザーを深々と引き下ろし、うれし泣きではなかろう涙が伝う顔を隠していました。トロフィー贈呈前まで鳴り響いたブーイングがようやく止んだのは、セリーナが「彼女はよくプレーしました。彼女にとってこれが初めてのグランドスラム優勝なんです」と声を詰まらせながら言ったあとでした。

そして大坂は「みんなが彼女を応援してたのは知っていました。こんな結果になってごめんなさい。試合を見てくれてありがとう」とスピーチ。セリーナへは「プレーしてくれてありがとう」と精一杯のリスペクトを示しました。正々堂々と戦って勝った選手の口から出たのは、驚くことにお詫びの言葉でした。

優勝トロフィーを掲げる彼女の姿も申し訳なさそうでした。これから何度経験しようと、初優勝は一生に一度だけの経験。その日がこうなってしまったのは本当に残念です。それはセリーナも感じたようで、「優勝したばかりなのに、うれしくて泣いてるのか、悲しんでいるのかわからなかった。私が4大大会で初めて優勝した時は違っていた。彼女にそんな思いをさせたくなかった」と記者会見で明かしています。

ちなみに同じ試合での国歌斉唱は、今年8月に他界したアレサ・フランクリン(Photo by Misa Kanaoka)

しかし、ポイントを奪った審判を泥棒呼ばわりしたことに関しては、男子ならもっとひどい罵声を発しても罰せられないと性差別を主張。出産のために離脱し、復帰した暁にはランキングが抹消され、全仏オープンで無名選手と同様に扱われた「女性ならではの」待遇の改善も訴えてきた母セリーナ。全米オープンでは大坂以外の敵とも戦っていたようです。

 

シアトルにまた優勝トロフィーがやって来た!

優勝トロフィーを手にしてパレードに参加するスー・バード

WNBAのシアトル・ストームが8年ぶりに通算3度目の優勝を果たしました。ベテラン37歳のスー・バードにとっても2004年、2010年に続く3度目の快挙。レギュラー・シーズンとWNBAファイナルのMVPに選ばれた24歳のブリアナ・スチュワートにとっては初快挙。2人とも名門コネティカット大学出身で、ドラフト全体1位でストームに指名され、入団3年目に優勝達成と、共通点が豊富です。

今季のストームは黒星発進するも、プレーオフまで連敗なし。百戦錬磨のスーが「ひょっとしたらこのチームは優勝できるかも?」と思い始めたのは、8月中旬の今季2度目のミネソタ遠征で、昨季の覇者であるミネソタ・リンクスを破ってから。それまで連敗続きだった敵地のリンクス戦を制し、前回勝った2010年には2つ目の優勝リングを手にしたことが脳裏をよぎったそうです。

3つの優勝トロフィーの前でインタビューに応えるスー

唯一連敗を喫したのはフェニックス・マーキュリーと対戦したプレーオフ準決勝。ホームで2勝し、決勝進出へ王手をかけたものの、敵地フェニックスへ舞台を移してから今季最大の苦戦を強いられました。第4戦では肘を鼻に受けたスーが骨折する不運にも見舞われますが、「何度も経験してるから要領はわかってる。次の試合は出る」と、マスク着用で第5戦に出場。第4クオーターの3点シュート連発でチームを決勝へと導きました。

優勝パレードには大勢のファンが駆け付けた。優勝パレードの後はキー・アリーナでファンと優勝を喜び合った

 

ワシントン・ミスティックスと対戦したプレーオフ決勝も、まずホームで2勝し、優勝へ王手をかけてワシントンDCへ。緊張感が張り詰める試合前、昨季リンクスで優勝経験があるナターシャ・ハワードが「みんな心配しないで。シャンパン・ファイト用のゴーグルは用意してあるから」とジョークを放つと、スーは「このチームなら勝てる」と確信したのだそう。早々と3試合で決着がつきました。

それから3日後の15日、シアトル・センターで優勝パレードが行われました。シアトルでは2014年2月のシーホークス、2016年12月のサウンダースに続き、この5年間で3度目。シーホークスとサウンダースは共に初優勝です。一方、スーはWNBA優勝3回に加え、大学時代に全米優勝2回、2004年のアテネ五輪から4大会連続の金メダルと輝かしい経歴を誇り、シアトルで最も偉大なスポーツ選手と言っても過言ではないかもしれません。

レギュラー・シーズンとWNBAファイナルズのMVPに輝いたブリアナ・スチュワート

優勝パレード後のスピーチで、シアトルのジェニー・ダーカン市長はキー・アリーナ正面の道を「シアトル・ストーム・ウェイ」へ名称変更すると発表。さらに「スーの銅像を建てるべき」と言って会場のファンを沸かせました。しかし、来月38歳になるスーは、来季の現役続行を明言。せっかくの銅像の話も、しばらくお預けです。

All Photo by Misa Kanaoka

 

新天地で「GOAT」になれるか? レブロン・ジェームズ

オフシーズン中のNBAでは「キング」が話題になっています。キングと言えば、シアトルではマリナーズのフェリックス・ヘルナンデスですが、バスケ界では「キング・ジェームズ」の愛称で知られるレブロン・ジェームズ。7月1日にロサンゼルス・レイカーズと4年1億5,330万ドルの契約に合意しました。

ジェームズは出身地オハイオ州に、授業料免除、食事・制服・自転車支給の学校を開校するなど慈善活動にも
熱心。今季からはレイカーズの黄色と紫のユニフォームを身に着ける

ジェームズが出身地のチーム、クリーブランド・キャバリアーズを去るのは、マイアミ・ヒートへ移籍した2010~11年シーズンに続き2度目。前回は、チーム初優勝を達成できないまま、自身は戦力のそろったマイアミへ移籍したために、ファンが背番号23のユニフォームを燃やしたり、チームのオーナーが辛辣な声明を発表したりと、裏切り者扱いされました。しかし、今回は謝辞を贈られながらの移籍です。

ヒートで2度優勝を果たした後、2014~15年シーズンに古巣へ復帰したジェームズは、全米一の惨めなスポーツ・タウンと言われるクリーブランドに52年ぶりの優勝トロフィーをもたらした英雄。1勝3敗の崖っぷちからの3連勝による優勝は、NBA史上初の出来事でした。対戦相手のゴールデンステート・ウォリアーズは73勝9敗の史上最高勝率でレギュラー・シーズンを終えたチームだっただけに、地元ファンにとっては一生忘れられない思い出でしょう。

4年連続でウォリアーズとキャバリアーズが対戦したNBAファイナル

新天地のレイカーズは、2016年にコービー・ブライアントが引退してからチーム再建期に突入。選手はもとより、監督のルーク・ウォルトンもまだ38歳の若いチームです。そこへ百戦錬磨のベテランが加入することで、どれだけチームが改善されるかに注目です。4年連続でプレーオフを逃していたキャバリアーズは、ジェームズ復帰初年度から4年連続でNBAファイナルへ勝ち進んでいます。

2016年当時はウォリアーズのアシスタント・コーチだったルーク・ウォルトン現レイカーズ監督(左下)

ただ、レイカーズが所属するウエスタン・カンファレンスは強豪ぞろい。特にステフィン・カリーを擁するゴールデンステート・ウォリアーズは、ジェームズ率いるキャバリアーズが4年連続でNBAファイナルで対戦し、3回優勝を阻まれた相手です。今季からはこのウォリアーズを倒さないことには、NBAファイナルへ進むことさえできません。

2016年のNBAファイナルで優勝し、MVPに選ばれたジェームズ

また高校時代から「選ばれし者」と呼ばれてきたジェームズも、12月には34歳の誕生日を迎えます。史上最強と言われるマイケル・ジョーダンが一旦現役を引退した年齢です。近年はジョーダンに匹敵するか、勝る存在か?の議論が盛んですが、勝るとは言えないのはジョーダンがNBAファイナル出場6回で3連覇2回に対し、ジェームズは9回出場で優勝は3回のみ。残された選手生命でジョーダンの優勝回数を超えることができれば、異論なしのGOAT(Greatest of All Time)になること間違いなしです。

 

間もなく、シーホークスのシーズン開幕!

 

キャンプではプレイブックに定められた何種類ものプレイを練習する

シーホークスのオフシーズンも残りわずかとなり、8月9日にはプレシーズン戦、7月26日にはいよいよトレーニング・キャンプが始まります。レントンにあるチームの練習施設で行われる合同練習はファンも見学可能で大人気。シーフェアと並ぶシアトルの夏の風物詩になっています。

6月中旬に発売されたトレーニング・キャンプのチケットはあっという間に全13日分が完売。チケットを逃してしまった人はチーム公式サイトの空席待ちリストに登録するしかありませんが、私は昨年、空席待ちで見ることができたので、チャンスはあります。100人近くの選手が一斉にウォームアップする光景は圧巻で、ホウキや大型のゴミ箱を敵に見立てて行うポジション別の練習も興味津々。練習終了後はサインに応じてくれる選手もいるので、ペンはお忘れなく。

 

ファンは芝生の丘に座って練習を見学

今季のチームは驚くほど選手が入れ替わっています。中でも衝撃だったのはチームの顔的存在だったリチャード・シャーマンが解雇され、同地区ライバルのサンフランシスコ・49ersへ移籍してしまったこと。昨季はサイドラインでピート・キャロル監督と言い合う姿がカメラに捉えられ、不仲説が流れていましたが、本当にチームを去ってしまいました。

 

2012年のデビュー以来、昨季は初めてプレイオフ出場を逃したラッセル・ウィルソン

さらにマイケル・ベネットは昨季の覇者、イーグルスへトレードされ、クリフ・エイブリルは昨季負った首のけがが完治せずに解雇。キャム・チャンセラーはチームに残っていますが、同じく昨季の首のけがが完治せず、このまま引退を余儀なくされる恐れあり。今季が契約最終年のアール・トーマスはチームが契約延長に応じないなら、トレードしてくれとSNSに書き込んでおり、トレーニング・キャンプをボイコットするかもしれません。

 

契約延長を求め、6月までの自主練習には姿を見せていないアール・トーマス

その一方で明るいニュースも。ドラフト5巡で指名されたシャキーム・グリフィンは昨季デビューしたシャキール・グリフィンの弟。子どもの頃、切断手術を受けたために左手がないのですが、期待のラインバッカーで、兄弟そろって同じチームでプレイします。また、身長196センチのブランドン・マーシャルが加入し、小粒ぞろいのレシーバー陣の中に長身の標的ができたのは、ラッセル・ウィルソンにとって朗報です。

今季は49ersでプレイするリチャード・シャーマン(左)

そのウィルソンは今季も健在ながら、再建期に入ったかのように見えるシーホークス。NFC西地区では昨季地区優勝のロサンゼルス・ラムズが今季も優勢で、シャーマンが加入した49ersも、昨季途中にクオーターバックのジミー・ガロポロが加入し、低迷期を脱出しそうな勢いです。今季も波乱万丈なシーズンになること間違いなし。開幕は9月9日、デンバーでの対ブロンコス戦です。

二刀流・大谷翔平選手が故障者リスト入り

 

オープン戦で打席に立つ大谷選手(Photos by Misa Kanaoka)

「ベーブ・ルース以来の二刀流」として大注目を集めているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手。投手としては、今季の先発投手中、最速の時速101.3マイルの剛速球を投げ、4勝1敗、防御率3.10。打者としては、試合前の打撃練習で敵チームの選手まで釘付けにする特大柵越えを連発し、6本塁打を含む打率2割8分9厘。原則的に先発登板は週1回で、登板日の前日から翌日までの3日間を除いて打席に立っているため、どちらも総数は少ないながらも、二刀流としてオールスター戦に選出されてもおかしくない成績を挙げています。

大谷選手のホーム登板日の試合前(Photos by Misa Kanaoka)

そんな中、ショックなニュースが飛び込んできました。今月8日、右肘の内側側副靭帯の損傷により、故障者リストに登録され、少なくとも3週間は投球練習を行わず、打者としても試合に出場しないと発表されたのです。大谷選手は6日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で先発登板したものの、4回まで63球を投げただけで降板。右手中指にまめができたのが原因でしたが、試合後には肘の違和感も訴え、翌日の多血小板血しょう(PRP)療法と幹細胞注射を受け、その翌日の故障者リスト入りとなりました。今月11日からのシアトル3連戦を楽しみにしていた人も多いはず。通常の中6日なら、13日のデーゲームで先発登板予定でしたが、大谷選手はチームの遠征に同行せず、セーフコ・フィールドにも姿は見せませんでした。

アナハイムにあるエンゼル・スタジアム(Photos by Jeanette Park)

エンゼルスは7月3日からもシアトル3連戦が組まれていますが、ちょうど治療を受けてから4週間目。ベストケースでも、投手としては投球練習を再開し始めたばかり。打者としても、チームが試合復帰は本拠地でと配慮すれば、今季最後のシアトル遠征にも同行しない可能性があります。そう考えると、5月4日からの3連戦で大谷選手の活躍ぶりを目にした方は非常にラッキーでした。

エンゼル・スタジアムでは大谷グッズを販売中(Photos by Misa Kanaoka)

7月17日にはワシントンDCでオールスター戦が開催されます。指名打者として候補に挙がり、投手としても監督推薦などでの出場が期待されていた大谷選手も、今回の故障欠場により、たとえ選出されても出場は厳しい模様。また、楽しみにしていた人が多いホームランダービーの参加要請も、なくなったのも同然です。春季キャンプ終了時点では「開幕はマイナーリーグで迎えたほうがいいのでは?」と批判されながらも、開幕後はあっと言わせる活躍を見せてきた選手だけに、今回の故障からも驚くような回復ぶりを見せて欲しいもの。大谷選手の存在により、これまで閉ざされてきた二刀流への扉が開かれつつある今だからこそ、早期復帰を願うばかりです。

イチロー選手、現役を続けながら会長付特別補佐に就任

球団会長付特別補佐に 就任後のイチロー選手。対デトロイト・タイガース戦のあった5月20日、フィー ルドに姿を見せた (Photos by Kyohei Umemura)

今季のマリナーズはイチロー選手が5年半ぶりにチームへ復帰。5月4日からのロサンゼルス・エンゼルスとの3連戦で、注目の新人、大谷翔平選手との直接対決を期待していたファンも多かったのではないでしょうか?

しかし、3連戦の前日の電撃発表で直接対決はならず。イチロー選手は球団会長付特別補佐に就任し、ユニフォームを着てチームと一緒に練習を続け、遠征にも同行するものの、今季はもう試合に出場しないと発表されました。

球団会長付特別補佐に 就任後のイチロー選手。対デトロイト・タイガース戦のあった5月20日、フィー ルドに姿を見せた (Photos by Kyohei Umemura)

そもそもイチロー選手のマリナーズ復帰が決まったのは、正左翼手のベン・ギャメル選手がキャンプ中に脇腹を痛めたため。そのギャメル選手が故障から回復すると、果たしてイチロー選手はどうなるのか、現役引退の可能性もあるのではと大注目を集めていた最中の出来事でした。

少なくとも50歳までは現役を続けたいというイチロー選手には、まだまだ引退する気持ちはなし。マリナーズ以外のチームでプレーする気持ちもないようです。一方、アメリカ4大プロ・スポーツで現在最長の16年連続でプレーオフを逃しているマリナーズは、今勝利に貢献できる選手を起用したいものの、球団のレジェンドの顔に泥を塗るような真似はできません。両者の話し合いの結果、至ったのが、今回のユニフォームを着たままの、特別補佐就任でした。

今季開幕戦で選手紹介を待つイチロー選手 (Photo by Jeannette Park)

以後、イチロー選手は試合には出場しないものの、以前通り練習には参加し、クラブハウスのロッカーもそのままです。また、デーゲーム前には試合に出場するチームメイトがクラブハウスへ引き上げた後も、フィールドに残って背面キャッチの技を披露したり、サインをしてあげたりするなど、ファンサービスにも非常に熱心です。

ただ、試合中はベンチに入ることが許されず、ベンチ裏のテレビでチームメイトの活躍を見守っているのだそう。試合に勝てば以前のようにフィールドへ飛び出し、チームメイトと一緒に勝利の喜びを分かち合っています。試合に出れないのは悔しいはずですが、チームメイトと接するイチロー選手の姿は本当に幸せそうです。そして、3月の復帰以来、ご本人もことあるごとにハッピーだと口にしています。ヤンキース、マーリンズ時代を経て「ホーム」に戻って来た喜びが、言葉の端々から伝わってきます。

球場の外壁にも再び戻ったイチロー選手の姿(Photo by Misa Kanaoka)

来季、マリナーズは東京ドームで開催されるオークランド・アスレチックス戦で開幕を迎えます。日本遠征試合では選手枠が通常よりも3人多い28人となるため、イチロー選手が試合に出場する可能性は濃厚。その日を楽しみにしているのは私だけではないはずです。

アメリカの落ちこぼれ組がカーリングで金メダル

 

全米選手権で優勝し、平昌で金メダル獲得のチーム・シュースター

平昌オリンピックをテレビで楽しんだ方も多いのではないでしょうか。冬季五輪の目玉はフィギュアスケートですが、今回私がいちばん注目したのはカーリングです。6大会目にして初めてメダルを手にした日本代表女子以上に、米代表男子が気になっていました。ちょうど1年前、エバレットでカーリングの全米選手権が開かれた際に、たまたま目の前で試合をしていたのが、今大会に米代表として出場した「チーム・シュースター」だったためです。マイナー・スポーツのせいか、平日の会場はガラガラ。そのおかげで、選手の会話も聞こえる最前列に座ることができました。

平昌五輪ではスーパーマリオに似ていると話題になったマット・ハミルトン選手(左)

いざオリンピックが始まると、見覚えのある選手が話題になっているではありませんか! 立派な口ひげが印象的なチーム・シュースターのマット・ハミルトン選手。団体戦の前に、妹のベッカさんと混合ダブルスに出場し、赤い帽子をかぶった姿がスーパーマリオにそっくりだとSNSでトレンド入りです。おかげでエバレットで見たチームが五輪に出ていることを知り、俄然と興味が湧きました。

チームの司令塔(スキップ)を務めるのは、今大会で4度目の五輪出場となったベテラン、ジョン・シュースター選手。別のスキップが率いるチームの一員として出場したトリノ五輪では銅メダルながら、それ以降、自らがスキップとして出場したバンクーバー五輪では最下位、ソチ五輪も9位で予選敗退。いずれも、大事な場面で自身が犯した安易な投げミスが原因で、「自滅男」のレッテルを貼られてしまいます。

対戦相手のストーンの行方を注視するジョン・シュースター選
手(中央)

その結果、五輪強化プログラムからも除名。しかし、金メダルの夢は捨て切れず、同じ境遇の仲間を集めて新チーム、「The Rejects(落ちこぼれ組)」を結成します。悔しさをバネに、2015年の全米選手権で優勝すると、再び強化プログラムに招聘され、2017年には平昌への切符を獲得。

そうして臨んだ4度目のオリンピック。10カ国総当たりの予選では2勝4敗と、またしても予選敗退の崖っぷちに立たされます。残り3試合はカナダ、スイス、イギリスの強豪ぞろい。しかし、ここからまさかの3連勝で準決勝へ。試合直後のインタビューでは声を詰まらせました。

2017年にエバレットで行われた全米選手権

再びカナダを破って決勝戦へ進むと、予選で大敗を喫したスウェーデンと対決。一進一退のあと、同点で迎えた第8エンドでは、なんと「自滅男」が敵のストーン2つを弾き出し、味方ストーンを5つ残す奇跡の一投を見せます。これで汚名返上どころか、米カーリング史上初の金メダル獲得。「やっと2人の息子に誇りに思ってもらえる映像が残せた」。シュースター選手の顔には安堵と喜びが入り混じっていました。

All Photos by Misa Kanaoka

イチロー選手が、シアトル・マリナーズへ復帰!

Photo: North American Post

ご存知の通り、イチロー選手がマリナーズに復帰しました。2001年にシアトル・マリナーズでメジャー・デビュー後、シーズン262安打、10年連続200安打などのメジャー記録を達成し、現役引退後は日本人初の米球界殿堂入りが確実視される偉大な選手。2012年7月にニューヨーク・ヤンキースへトレードされて以来、セーフコ・フィールドがイチロー選手のホーム球場となるのは実に5年半ぶりです。

昨年4月には、マイアミ・マーリンズの一員としてシアトルへ遠征。2016年に達成したメジャー通算3,000安打を記念して、古巣マリナーズがイチロー選手のボブルヘッド(首振り人形)を配布した3連戦最終日には、最後の打席でライト後方へホームランを打ちました。平日午後の試合にもかかわらず、球場まで会いに来てくれたファンへ恩返しするような1発。もしかしたら、これがシアトルでの見納めになるかもしれないと、あの光景をしっかりと目に焼き付けた人も多いはずです。幸いにも、イチロー選手のセーフコ名場面集にはまだまだ続きがありそうです。

憧れのケン・グリフィーJr.氏と臨んだ2010年の春季キャンプ Photos by Misa Kanaoka

移籍後も自宅を残していたシアトルには、イチロー選手自身も特別な思いを抱いていたよう。「近いのにすごく遠く感じるという存在になっていたんですけど、今回こういう形で戻ることかできて、また見える景色が違うのかなと。そこにある当たり前のようにあったものというのは、全くそうではないもの、特別なものであったということをこの5年半で感じてきました」。入団記者会見でもそう明かしています。

敵地オープン戦前にサイン会を行うイチロー選手(2010年3月)Photos by Misa Kanaoka

2012年、シアトルでイチロー選手を見られることが当たり前でなくなった日は突然やって来ました。今回、イチロー選手がマリナーズへ復帰したのも「特別」。せっかくシアトルに住んでいるのなら、「あのとき、見に行くべきだった」とあとで後悔しないよう、セーフコ・フィールドへは早目に足を運びたいものです。

テキサス・レンジャーズ(当時)のダルビッシュ有投手との対決(2012年7月)Photos by Misa Kanaoka

今季のマリナーズは例年よりひと足早く、3月29日のクリーブランド・インディアンス戦でホーム開幕を迎えます。また、今オフ、壮大な争奪戦が繰り広げられた大谷翔平選手は、マリナーズと同地区のロサンゼルス・エンゼルスと契約。セーフコ・フィールドでは5月4日、6月11日、7月3日から、それぞれ3連戦が組まれています。イチロー選手は大谷選手とは「できれば投手で対戦したい」とジョークを放っていますが、さすがにこれは無理でしょうか。シアトルでの9試合のうち、1試合でも投手・大谷 VS打者・イチローの対決を見ることができれば、野球ファンとして最高の思い出になること間違いなしです。

球場外壁を飾る、シーズン最多安打記録更新直後のイチロー選手 Photos by Misa Kanaoka

 

[スポーツウォッチング]

マーチ・マッドネス、全米屈指のライバル2校にも注目

 

ノースカロライナ大学のホームコート、ディーン・E・スミス・センター

スーパーボウルが終わると、いよいよアメリカ大学バスケの王者を決めるトーナメント「マーチ・マッドネス」のシーズン到来。3月中旬から4月初旬にかけ、老若男女が熱狂的に地元大学や出身校を応援し、日本の高校野球並みに盛り上がるイベントです。67試合もある全組み合わせの結果予想ゲーム(ブラケトロジー)も人気で、バスケ好きで有名なオバマ前大統領も、在職中はESPNで予想を発表。皆さんの職場でも興じる人が多いのではないでしょうか?

八村塁選手が活躍中のゴンザガ大学は20年連続のトーナメント出場がほぼ確実。八村選手は今季出場時間が激増し、チーム最多得点選手となった試合も少なくありません。ゴンザガ大学は所属カンファレンスに強豪が少ないながらも、毎年トーナメント上位へ食い込み、今季も2月中旬現在でNCAA1部に加盟する32カンファレンス351校中12位となっています。

ノースカロライナ大学 のバスケミュージアムのジョーダン・コーナー

強豪ぞろいのカンファレンスはACCで、トップ25に5校が名を連ねています。中でも昨年の決勝戦でゴンザガ大学を下して優勝したノースカロライナ大学と、そこから北東にわずか10マイル離れたデューク大学は、米スポーツ界屈指のライバルとして有名です。ノースカロライナ大学はバスケの神様こと、マイケル・ジョーダン氏の母校で、彼の在学時代を含む全米優勝通算6回はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、ケンタッキー大学に次ぐ最多3番目です。

デューク大学のホームコート、キャメロン・インドア・スタジアム

デューク大学は、ジョーダン氏やマジック・ジョンソン氏、ラリー・バード氏らを擁した1992年バルセロナ五輪の元祖ドリームチームのアシスタントコーチで、以後米代表監督も務めたコーチKこと、マイク・シャシェフスキー監督が率いるチーム。NCAA1部校で初めて1,000勝を達成した名将で、チームは2015年に通算5度目の全米優勝を果たしたトーナメントの常連です。

コーチKがマイケル・ジョーダン氏へ宛てた手紙 4デューク大学のホームコート、キャメロン・インドア・スタジアム

大学バスケでは1年プレーした後にNBA入りする選手が多く、毎年チームのメンバーが大幅に入れ替わります。それでも長年、全米トップクラスの戦力を維持している両校はエリート中のエリート。キャンパスの距離も近いだけにライバル意識が強く、両校の対決は延長戦へもつれ込む大接戦が多く見ごたえ満点です。デューク大学のアリーナ敷地では毎年対戦の1カ月も前から学生席の順番待ちのテント村ができます。試合当日までテントに寝泊まりして授業へ通うのだそう。一方、ノースカロライナ大学のバスケミュージアムでは、1980年にデューク進学を断られたシャシェフスキー監督がジョーダン氏へ宛てた手紙を展示しています。両校は3月3日のレギュラーシーズン最終戦で再対戦。トーナメントでも、史上初の決勝対決を見てみたいものです。

キャメロン・インドア・スタジ アムに掲げられたバナー

 

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[スポーツウォッチング]

春休みはアリゾナのカクタスリーグへ

こぢんまりとした球場で行われるオープン戦は臨場感満点

 

メジャーリーグ開幕まであと3カ月の辛抱というこの時期、いよいよ春季キャンプが始まります。キャンプの楽しみは何と言ってもメジャーリーガーを至近距離で見られる点。守備練習のグラウンドからバッティングケージへ移動する選手が目の前を通り、立ち止まってサインをしてくれたり、写真撮影に応じてくれたりすることも決して稀で はありません。

マリナーズを含む15球団はアリゾナでキャンプを開催し、カクタスリーグと呼ばれるオープン戦で 実戦練習を行います。フロリダのグレープフルーツリーグとは異なり、少ない移動時間で複数のチームのキャンプを見て回れるのがカクタスリーグの魅力。練習施設が同じ敷地内にある球団が5組10チームもあり、フェニックスを拠点にすれば、どのキャンプ先も片道1時間以内で行けるのです。

ドジャースとホワイトソックスが共用する キャメルバック・ランチ

まだ新天地が決まっていない選手も多いですが、現時点でアリゾナでキャンプ入りするのは、マリナーズとマイナー契約した岩隈久志投手、ワールドシリーズで活躍した前田健太投手(ドジャース)のベテラン勢。そして今季メジャーデビューを目指す大谷翔平投手(エンゼルス)、牧田和久投手(パドレス)、平野佳寿投手(ダイヤモンドバックス)もカクタスリーグ組です。

レッズとインディアンスが共用するグッドイヤー・ボールパーク

キャンプ中は午前中に練習を行い、午後または夕方から試合というパターンが一般的です。サインがお目当ての人は、いつどこで選手に遭遇しても対応できるよう、油性ペン2、3本は常時携帯しましょう。どこかに置き忘れたり、選手に渡したまま返してもらうのを忘れる可能性もなきにしもあらず。お気に入りの選手が表紙を飾った雑誌を持参していくのも一案です。日本語の雑誌なら、日本語が読めない選手も何と書いてあるのかな?と興味をそそられ、会話が弾むかもしれません。

試合に向か う選手にサインをもらうファン

サインや写真撮影をお願いするなら、できる限り選手のファーストネームで呼びかけたいもの。知らない人からラストネームで呼び捨てにされるのは、誰でもあまり気分の良いものではありません。スポーツ選手の名前は試合中継で耳にするラストネームで覚えがちですが、せっかくキャンプを見に行くのならファーストネームも覚えたいですね。

芝生席ではピクニックがてらに野球観戦

オープン戦のチケットは高くて35ドル程度と良心的で、芝生席に寝そべって見ることもできます。ただし「Split Squad」の日には要注意。チームを2つに分けて、同じ時間帯に2カ所で試合を行うため、お目当ての選手が、見に行った試合とは別のほうに出ている可能性があります。全15球団が同日に試合を行うにはもう1チーム必要となるための措置です。また、先発選手は試合後半には交代してしまうので、遅刻は禁物です。

 

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[スポーツウォッチング]

シアトルにプロ・アイスホッケー・チームができるかも?

アイスホッケーの魅力はスピード感あふれるプレー

2007-08年シーズンを最後にスーパーソニックスがオクラホマシティーへ移転して以来、NBAのチームがシアトルに復活する日を夢見ている人は多いですよね。これまでクリス・ハンセン氏を始めとする地元の投資家グループが何とか SoDo(ソードー)エリアに新しいアリーナを建設し、NBAチームを誘致しようと活動してきたのですが、シアトル市議会からも、NBAからも承認が得られませんでした。

あきらめムードが続いていた中、12月上旬に意外な進展がありました。キー・アリーナの改修案が市議会で可決され、その数日後にはナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)がシアトルへのチーム誘致申請書を受諾したと発表したのです。

チーム誕生までにはまだハードルはあります。まずは1月から始まる「シーズン・チケット・ドライブ」で地元住民の関心がどれだけ高いか、NHLに証明しなければなりません。具体的には、まだ存在しないチームのシーズン・チケット購入へ向け、どれだけのファンがデポジットを払ってくれるかということです。

NHLのリーグ優勝戦と優勝トロフィーは「スタンレー・カップ」と呼ばれる

ちなみに今季からゴールデンナイツが誕生したラスベガスでは2015年 2月にこのプロセスを開始。1カ月以内に総座席数の半数を超す9,000席が売れ、2016年9月に1万6,000席の年間シートが完売する3カ月前、
チーム誘致が正式に承認されました。そのおかげで、現在NHLには合計31チームあり、4地区のうち1地区だけが7チーム編成という不均衡な状態となっています。ここにシアトルが加われば、全地区8チーム、両カンファレンス16チームの均整の取れたリーグになります。

また、チーム誘致決定後にNHLへ支払う金額が1年前のラスベガスでは5憶ドルだったところが、今回のシアトルへの誘致にロサンゼルスの投資家グループが合意した金額は30パーセント増の6.5憶ドル。リーグの運営面でも好材料が多く、ゲイリー・ベットマン・コミッショナーはまだ決まったわけではないとしながらも、現時点でのリーグ拡張チームの候補地はシアトルのみと明言しています。

試合前のアイスリンクに投影されたスタンレー・カップ

NHLの前身の1つであるPCHAのシアトル・メトロポリタンズがスタンレー・カップのトロフィーを手にしてからちょうど100年後に舞い込んできたこのニュース。これからキー・アリーナの改修工事が順調に進み、シーズン・チケット・ドライブが成功すれば、2020年秋にはバンクーバーまで行かずにNHLの試合を生観戦できるかもしれません。

10月に就任したばかりのジェニー・ダーカン市長はもちろんソニックスの復活もあきらめておらず、NBAにも話を持ちかけると意欲的。シアトルのスポーツ観戦事情はますます充実しそうです。

 

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[スポーツウォッチング]

ゴンザガ大学の八村選手を応援しよう!

昨季開幕前、親善試合での八村選手(2016年10月)

11月に開幕した大学バスケで、今季目が離せないのはゴンザガ大学の八村塁選手です。母が日本人、父が西アフリカのベナン人の八村選手は 203センチの長身ながら、スピードもある逸材。ジュニア世界選手権の日本代表での活躍で注目を浴び、昨年名門ゴンザガ大学へ入学しました。1年目は試合平均出場時間わずか4.6分の2.6得点だったのですが、先発5人のうち3人が大学を出た今季は主戦力となり、開幕戦ではベンチスタートながらも出場時間18分で豪快なダンクシュートを含む11得点を記録しています。

昨季開幕前、親善試合での八村選手(2016年10月)

学生総数8千人足らずのゴンザガ大学は男女共にバスケ強豪校として知られます。特に男子は1999年にマーク・フュー監督が就任して以来、NCAAトーナメント出場を一度も逃したことが ありません。OBにはNBA選手も多く、一番有名なのはマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズに2年連続で優勝を阻まれた、元ユタ・ジャズのジョン・ストックトン氏。現役選手では今季マイアミ・ヒートへ移籍したケリー・オリニク選手。そしてゴンザガ大学がチーム史上初のNCAAトーナメント決勝まで進んだ昨季、八村選手と同じ1年生ながらも控え選手として活躍し、今年のNBAドラフト全体10位指名を受け、現在ポートランド・トレイルブレイザーズに所属しているザック・コリンズ選手がいます。

母校の応援によく姿を見せる ジョン・ストックトン氏

メジャースポーツのプロチームが存在しないスポケーンではゴンザガ大学が圧倒的な人気を集め、全席ほぼ完売状態のために定価でのチケット購入は非常に困難です。幸いにも今季はワシントン大学での試合が予定されており、シアトルで八村選手の勇姿を見ることができます。試合は12月10日(日)の午後5時から。チケットはまだ残っているようですが、コラム執筆時点で対ゴンザガ戦は5試合セット以上のパッケージで しか購入できないようになっています。試合開催日直前に残席があれば、この試合のみの購入も可能になるはずですが、シアトルにもゴンザガ大学のOBは多いので要注意です。

隣に座る八村選手に指示を出す、フュー監督

生観戦が無理なら、テレビ観戦で応援しましょう。2016年に全米優勝したビラノバ大学など、 強豪校との試合はESPNで放映予定。それ以外 はマリナーズの試合を放映しているルート・スポーツでほぼ見られるようです。今季は世代交代で開幕時点での優勝候補には挙げられていないゴンザガ大学ですが、八村選手を始め、これまで試合出場機会が少なかった選手の成長が大いに期待されるシーズンです。「マーチ・マッドネス」と呼ばれる3月からの決勝トーナメントへ向け、目が離せません。

ゴンザガ大学のホームコート、マッカーシー・アスレチック・センター

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NFL、国歌斉唱時の不起立が大問題に

2015年1月のプロボウルでの国歌斉唱(Photo by Misa Kanaoka)

NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の試合前の国歌斉唱時に、一部の選手が起立しない点がニュースになっています。これは昨季、49ers(サンフランシスコ)に所属していたコリン・キャパニック選手が、社会の不公正と警官による有色人種への不当暴力に対する抗議として始めたも の。今季は不公正を身をもって体験したシーホークスのマイケル・ベネット選手など、他チームでも賛同選手が増える一方、主旨は理解できても他の手段を選ぶべきという人や、国旗や軍人に対する侮辱だと受けとめる人、さらにNFLがこの行為を容認するなら試合は見ないと拒絶反応を示す人もいます。

抗議行為もネックとなり新天地が見つからないコリン・キャパニック選手(Photo by Misa Kanaoka)

大問題へと発展したのは9月下旬。トランプ大統領が演説やツイッターで、国歌斉唱時に起立しないのは国旗や軍人に対する侮辱で、起立しない選手はクビにすべきだと訴えたためです。その直後の試合の国歌斉唱では、各地でオーナーが直々にフィールドで選手と腕を組んで立つなど、選手との結束の強さをアピールしました。表現の自由を行使しただけの選手を解雇せよと言われ、沈黙したままでは同意したも同然です。根底にある問題には一切触れず、国旗侮辱は許すべからずの一 点張りの大統領に不起立選手との対立を煽られ、 オーナーも反論せざるを得ませんでした。

しかし、これで問題が沈静化するかと思えば大間違い。大統領は執拗にNFL批判を続けています。メディアの注目度が高く、支持者へのリップサービスにもなるこの話題は選挙公約を果たせていない大統領にとっては好都合。保守系の世論調査では、過半数の64パーセントが選手は起立すべきと回答しているのも追い風になってい ます。NFLも営利目的のビジネスなので、不都合な論争は避けたいところ。ファンやスポンサー離れが進めばオーナーの懐に響きます。かといって選手に起立を強制したのでは、有色人種差別を勘繰られ、不快感を与えてしまうだけに厄介な問題です。

ラスベガス発砲事件の犯人に間違われたマイケル・ベネット選手(Photos by Misa Kanaoka)

この騒動がきっかけとなり、シーホークスで は選手自らが平等と公正を求める基金を設立しています。リーグとしても選手に起立を求める 代わりに、同じような基金を設立するのも一案で しょう。10月がガン撲滅月間、11月が軍人支援月間なら、9月か12月を平等月間に指定することもできるはずです。 ただし、白人至上主義者が堂々とデモを行える今のご時勢。差別撲滅さえ、対立を招く話題だと 敬遠される可能性もあります。このコラムが皆さんの目に触れる頃には解決策が打ち出されて いるでしょうか?

[スポーツウォッチング]

アメフトの試合前のお約束 テールゲートパーティー

アメフトの試合前のお約束 テールゲートパーティー

シーホークスのホームゲーム当日のHawk Alley

プロもカレッジもアメフトシーズンが始まっ たばかり。自宅でのテレビ観戦なら解説付きで、 飲み食い自由。トイレも順番待ちせずに済み、快 適に試合を楽しむことができます。しかし、せっかくアメリカにいるのなら、一度はスタジアムで 観戦してみたいもの。ギネス世界記録にもなっ たセンチュリーリンク・フィールドのクラウドノイズは実際に体験してみてこそ、そのすごさがわ かるはずです。ビッグプレー成功後に周囲の見 知らぬ人たちとハイタッチして喜びを分かち合 えるのも生観戦の醍醐味です。

スモーカーグリルはこうやって持参

アメフト観戦で欠かせないのは試合前に駐車場で繰り広げられるテールゲートパーティー。 車の後部(Tail)ゲートを倒して平らにした場所を テーブル代わりに飲み食いすることに由来する名称ですが、今ではすっかり進化し、フルサイズのグリル持参は当たり前。「何でもビッグ」と言 われるテキサスでは、豚の丸焼きができるほど大きなスモーカーグリルをトラックで牽引して持 ち込む光景も目にします。

子豚の丸焼き と鶏肉 (Photo by Misa Kanaoka)

テールゲート会場ではあちこちにチームの旗が翻り、日よけや雨よけに張ったイベント用テントの中で、折りたたみ式のテーブルに食べ物がず らりと並びます。ビールを片手に、衛星放送のア ンテナと共に持ち込んだテレビで他チームの試合を見ながら、アメフト談義をする人もいれば、 コーンホールやラダートスのゲームに興じる人 もいます。真冬には日中でも氷点下になる寒冷 地でもビールは必需品で、中にはトラックの荷台に自前の簡易トイレを積んで来る人さえいます。 チームロゴが塗装された車や、サイドパネルにビールを注ぐ蛇口を設けたスクールバスなど、改 造車を見て歩くだけでも楽しいです。

ポータブ ルトイレ持参のトラック

シアトルはスタジアム周辺の駐車スペースが 限られているのが残念ですが、ちょっと離れた ところに「テールゲート横丁」があります。セーフコ・フィールドの1ブロック西にある線路沿いにスターバックス本社前まで伸びるユタ・ア ベニュー・サウスは、無料で路上駐車可能な裏道で、シーホークスのホームゲーム当日は朝早くから狭い路上に大勢の12sでごった返す「Hawk Alley」と化します。そこで目にしたシアトルならではのテールゲートお役立ちグッズは「すのこ」。 でこぼこが多く、水たまりができやすいこの裏道では、すのこで作った平地にグリルや椅子を置いてこそテールゲートの達人です。湖畔にあるワシントン大学のスタジアムへはボートで向かうこともでき、優雅に水上で「セールゲート」を楽しむ人もいます。今度試合を見に行く際は、テールゲートパーティーものぞいてみてください。

一昔前のテールゲート(カレッジフットボール殿堂展示写真)

[スポーツウォッチング]    

ファルコンズ戦に注目!今季のシーホークス

ファルコンズ戦に注目!今季のシーホークス

練習中に話し合うラッセル・ウィルソンとダグ・ボールドウィン

長いNFLのオフシーズンも終了間近。シーホークスは9月10日の敵地でのパッカーズ戦で開幕を迎えます。昨季は足を骨折したアール・トーマスが引退をほのめかしたり、試合中にブチ切れたリチャード・シャーマンのトレードのうわさが絶えないなど不安材料もありましたが、チームの主軸選手はほぼ残留。ラッセル・ウィルソンはキャンプ早々からダグ・ボールドウィンやタイラー・ロケットなど、複数のレシーバーにどんぴしゃのロングパスを投げ分ける好調ぶり。クォーターバックを守るオフェンスラインがようやく改善されたきた証とも言えそうです。

WRジャメイン・カースと話すQBラッセル・ウィルソン

ただ、ビルズへ移籍したキッカーのスティーブ・ハウシュカの代わりに、ブレア・ウォルシュと契約したのには驚きました。ウォルシュはシーホークスと対戦した2015年のプレーオフで、バイキングスの逆転勝利がかかったわずか27ヤードのフィールドゴールに失敗した選手。あの時は喜んだシーホークスのファンも、ちょっと不安に感じる人選です。

今季見逃せないホームゲームは11月20日のアトランタ・ファルコンズ戦。シーホークスがディビジョナル・プレーオフで敗れ、スーパーボウルでは第3クォーター中盤までペイトリオッツを相手に25点のリードを奪いながらも、そこから急激に失速し、史上初の延長戦へと持ち込まれた挙句の果てに初優勝を逃したチームです。

ビート・キャロル監督と話し合うリチャード・シャーマン

昨季1試合平均リーグ最多の33点を記録したファルコンズは強力なオフェンスが武器。クォーターバックのマット・ライアンは昨季のMVP。身長2メートル弱、体重100キロの巨体ながらスピードもあるフリオ・ジョーンズは、2人がかりでなければ守り切れないと言われる怪物レシーバー。昨年10月の対戦時のサイドラインでシャーマンが言葉を荒げたのは、故障中のキャム・チャンセラーの代役を務めた選手の連携ミスで、そのジョーンズが誰にもカバーされず、がら空き状態で36ヤードのタッチダウンを決めた直後でした。

シーホークスの最大武器はディフェンスですが、ファルコンズの監督ダン・クインは3年前までシーホークスの守備コーチだった人物。チームの戦術や選手の癖に明るいだけに厄介です。幸いにも、リーグ最強オフェンスを築いた攻撃コーチのカイル・シャナハンは今季から49ersの監督に就任し、後任のスティーブ・サーキジアンにNFLでの攻撃コーチ歴はなし。しかし、USC時代のピート・キャロル監督の下で8年間働いた後、2013年まではワシントン大学の監督、昨季はプレーオフでハスキーズを破った強豪アラバマ大学のコーチを務めた人。シアトルではなじみのある名前です。

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夏のお出かけにおススメ! エメラルド・ダウンズ

マウント・レーニアを背景に競馬を楽しめるエメラルド・ダウンズ

 毎年9月にピュアラップのワシントン・ステート・フェアへ向かう度に、「ああ、また忘れていた」と思い出すのがエメラルド・ダウンズ。ハイウェイ167を南下し、ケントを通過した後に東側に見えてくる青緑の競馬場です。一度行ってみたいと思いながらも、気付くのはいつも競馬シーズンが終わる9月中旬。そのまま翌年まで忘れてしまうのがお決まりのパターンでした。しかし、今年はこの時期にCMを目にしたおかげで、初めて生の競馬を見ることができました。わざわざ遠出をして賭け事の場へ行くのもなんですが、馬券を買わなくても十分楽しめるスポットです。

 入り口ではまず7ドルの入場料を払います。カジノでは無料のアトラクションやドリンクで客を惹きつけ、ギャンブルでお金を落としてもらうのが基本のため、競馬場に入場料があるのはちょっと意外でした。しかし、17歳以下は無料。そしてアルコール以外は飲食物も持ち込み可能です。場内ではレストランに加え、フードトラックも営業中。一般的なスタジアムフードも販売していますが、子ども連れの家族はクーラーボックスを持参し、雪化粧のマウント・レーニアを眺めながらピクニックを楽しんでいました。

 日曜日は子ども向けのイベントも多く、仔馬に乗せてもらえる日や、ロッククライミングを試せる日などがあります。私が行った日は馬のレースの合間に犬のレースが行われ、馬並みの盛り上がりを見せていました。短い足で一生懸命砂を蹴って走るダックスフントの姿には、思わず頬が緩みます。ダックスフントに続いた小型犬のレースでは横に逸れたり、後ずさりしたりで、ゴールへ到達できない犬が大多数でしたが、それもご愛敬。5月にはダチョウとラクダのレースも行われたようです。

 肝心の馬のレースですが、一番簡単な賭け方はストレートベットで馬券は2ドルから。好きな馬を1頭選び、その馬が1着に入ると予想する賭けはWin、2着以内に入ると予想する賭けはPlace、3着以内に入ると予想する賭けはShowと呼ばれます。複数の馬に賭けることもでき、1着から3着に入る馬を順序正しく予想する賭けはTrifecta。第7レースまで連続で1着馬を予想する賭けはPick 7。予想の難度が高いほど配当も高くなります。場内では出場馬と騎手、調教師の戦績に加え、各馬の年齢、性別、体重、血統からレース当日に投与された薬までが記されたプログラムが販売されていますが、結局は運任せ。予備知識ゼロの私は結局1レースにも賭けずに終わりましたが、楽しい一時を過ごせました。

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この夏シアトルで開催されるオールスター戦

今年のトリプルAオールスター戦が行われるチェイニー・スタジアム

6月に入り、子どもたちは夏休みへ突入。NBAとNHLのシーズンが終了し、現在シーズン中のスポーツも7月には中休みを迎えます。この小休止中に開催されるオールスター戦は今をときめくトップ選手が一堂に会する稀なチャンス。シーズン後半戦へ向け、けがをしないよう手加減してプレーするため、迫力に欠けるという感はあっても、豪華な顔ぶれが一画面に収まるオールスター戦にはやはり魅力を感じます。

この夏、シアトルでは2つのリーグのオールスター戦を生観戦できます。7月12日にはタコマのチェイニー・スタジアムでトリプルAのオールスター戦、22日にはキー・アリーナでWNBAのオールスター戦が開催されます。トリプルAもWNBAもシアトルでオールスター戦が開かれるのは今年が初めて。シアトルではイチロー選手がメジャーデビューした2001年のメジャーリーグのオールスター戦以来16年ぶりの球宴開催です。

トリプルAのオールスター戦出場選手は翌年にはメジャー昇格しているケースが多く、昨年ヤンキース傘下の選手として出場した外野手ベン・ギャメルは、今季マリナーズの控え外野手として活躍中です。6,500席のチェイニー・スタジアムでなら、将来のメジャーリーガーを間近で見ることができます。この試合とは別に、メジャーリーグの球宴前々日にはオールスター・フューチャーズ・ゲームと呼ばれる試合も行われていますが、こちらはファン投票ではなく、マイナー リーグの全レベルから野球専門誌「ベースボール・アメリカ」が有能選手を選んでチームを編成。現在ヤンキースで田中将大選手とバッテリーを組んでいるゲーリー・サンチェス捕手や、パドレスのハンター・レンフロー外野手は昨年、両試合に出場しています。

リオ五輪と重なった昨年は開催が見送られたWNBAのオールスター戦は2年ぶりにティップオフ。その間にシアトル・ストームはジュエル・ロイドとブリアナ・スチュワートのドラフト1位指名コンビがめきめきと頭角を現し、6月中旬現在、両選手とも試合平均得点でリーグのトップ10入り。地元開催の今年は2人ともオールスター戦初出場を果たせるかもしれません。もちろんシアトルに住む日本人としては、渡嘉敷来夢選手の姿も見たいところ。ファン投票はツイッターやフェイスブックからも投票可能で、選手の名前に#WNBAVOTEのハッシュタグを付けて投稿すればOK。毎日最大10選手への投票が可能です。中間結果は6月29日、最終結果は7月11日に発表。女子バスケの世界最強選手がそろうこの試合。見逃せません。

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ビーストモードが現役復帰! チームはラスベガス移転

スーパーボウル優勝パレードで好物スキットルズを投げるマーション・リンチ(2013年2月)

2015年を最後に引退していたビーストモードこと、マーション・リンチが現役復帰することになりました。リンチは歴代のシーホークスの選手の中でも人気者の一人。2010年プレーオフのセインツ戦で地震が計測されるほどスタジアムを揺るがせた67ヤードのタッチダウンランが忘れられない人も多いはずです。何人ものタックルを振り払ってエンドゾーンへ突進する姿は印象的でした。

残念ながら、彼が現役復帰するのはシーホークスではなく、出身地のオークランドを本拠地とするレイダース。4月末に契約が決まると、シアトル・タイムス紙に全面広告を掲載し、シーホークスのアレン・オーナーと12番たちへの感謝の言葉を記しました。レイダースは昨季13年ぶりにプレーオフ出場を果たし、上昇気流に乗るチーム。デレク・カー(クォーターバック)とカリル・マック(ディフェンスエンド)のプロ入り4年目コンビの成長のおかげで、今季はスーパーボウルも狙えるチームと見られています。

そのレイダースは3月にラスベガス移転が承認され、今月上旬にストリップ南端にあるマンダレイベイ西側の土地を購入したばかりです。過去にはロサンゼルスへの移転経験もあるチームが再移転するのは、オークランドでのスタジアム建設案がまとまらず、痺れを切らしたため。半世紀以上も前の1966年にオープンしたコロシアムは老朽化が激しく、毎年ロッカールームで下水が逆流したというニュースを耳にします。

ラスベガスのスタジアムが完成するのは早くても2019年で、それまでレイダースは従来通りオークランド・コロシアムで試合を行います。リンチの加入は移転が決まったチームのファン離れを食い止めるのにも一役買いそうです。コロシアムはメジャーリーグのアスレチックスと共用しているため、9月中は野球のダイヤモンドの上でアメフトの試合を行う奇妙な光景が名物でしたが、これもいよいよ見納めとなります。

ラスベガスでは去年6月にNHLチームの誘致が決まったばかり。ゴールデン・ナイツと命名された新チームは今年6月の特別ドラフトで選手を集め、10月に開幕する2017-18年シーズンからリーグ参戦予定です。ホームアイスは去年4月にニューヨーク・ニューヨーク西側にオープンしたT-Mobile。ラスベガスのスポーツといえばボクシングやUFCなど格闘技がメインでしたが、これからは4大プロスポーツの2チームが本拠地を構え、リーグ公式戦を行うことになります。ますますラスベガスへ遊びに行く理由が増えそうです。

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元ドルフィンズQB ダン・マリーノの赤ワイン

去年、ワシントン州出身の元ニューイングランド・ペイトリオッツのクォーターバック(QB)ドリュー・ブレッドソーがワイナリーを経営しているという話を紹介しました。実はもう一人、有名な元NFL選手がワシントン州でワインを作っています。1999年までマイアミ・ドルフィンズのQBを務め、2005年に殿堂入りを果たしたダン・マリーノです。現役引退時にはタッチダウンパス成功回数やパスヤード数など、QBの主な最多記録を総なめにしていた選手です。

リリースパーティでファンと談笑するダン・マリーノ
リリースパーティでファンと談笑するダン・マリーノ(左)

パスを投げるのが仕事だった元QBらしく、ワイナリーの名前はPassing Time。ウドゥンビルの小さな醸造施設で州東部のワラワラ・バレー、レッド・マウンテン、ホース・ヘブン・ヒルズのブドウを使った3種類のカベルネ・ソーヴィニヨンを造っています。テイスティングルームはなく、毎年春にリリースされる新ヴィンテージをオンラインで予約すれば購入可能。それ以外は在庫が残っていれば購入でき、いずれもワイナリーまで取りに行くか、自宅へ発送してもらうことになります。

3月25日にはリリースパーティが行われ、この日から受け取り可能になった2014年ヴィンテージと、まだ樽入りの2015年ヴィンテージを試飲させてもらえました。ワインの味よりも、フットボールの縫い目のデザインになった貯蔵室のドアや、マリーノの母校ピッツバーグ大学のロゴがペイントされた空調ダクトに気を取られていましたが、そこでマリーノ自身の姿を見つけた時はさすがに驚きました。自身のワイナリーとはいえ、はるばるマイアミからウドゥンビルまで駆けつけていたとは…。

出身も大学もピッツバーグ、プロでは17年間マイアミでプレーした選手がなぜ、ワシントン州でワインを作ることになったのか? そのきっかけを作ったのは、現役時代にマリーノの控えを務めたヤキマ生まれ、ワシントン大学出身のQBデイモン・ヒュアードです。マリーノの自宅のワインセラーで多数のワシントン州産ワインを目にしたヒュアードは、それからワインに興味を持ち始め、将来一緒に造ろうという話へと発展したそうです。2012年にはワイン職人を雇ってワイナリーの共同オーナーとなり、3年後に初ヴィンテージが完成。ワイン専門誌で高評価を得ています。

現在発売中の2014年ヴィンテージは750ミリリットルのボトルが1本75ドルで、最低3本の購入が必要。3リットルのボトルは500ドルと割高ですが、マリーノとヒュアードのサイン入り。アメフトファンなら、2015年ヴィンテージを予約購入して、本人たちと直接話せる来春のリリースパーティで受け取るのがおすすめです。

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今年も楽しみ!マリナーズのプロモーショングッズ

暦の上ではすでに春。もうすぐメジャーリーグが開幕します。今季もマリナーズには岩隈久志投手が健在。青木宣親選手はアストロズへ移籍してしまいましたが、4 月3日ヒューストンでの開幕戦で対戦後、1週間後の10日にはセーフコ・フィールドのホーム開幕戦でも対戦します。そのあとマリナーズは14日からダルビッシュ有投手が所属するレンジャーズ3連戦、17日からはイチロー選手と田沢純一投手が所属するマーリンズ3連戦で、開幕早々、日本人選手のシアトル遠征が目白押しです。マーリンズがシアトル遠征するのは6年ぶり。マーリンズの一員としてイチロー選手がシアトル遠征するのは今回が初めてです。

球場の北外壁を飾るイチロー選手の姿(2004年10月、シスラーのシーズン最多安打記録を超えた直後)

イチロー選手は昨年8月にメジャー通算3千安打を達成。この大記録とマリナーズ時代に残したシーズン最多安打記録(2004年の262本)を記念し、19日の試合ではボブルヘッドが配布されます。マリナーズとマーリンズのユニフォームを着た2本立てのボブルヘッドをゲットできるのは、先着2万人のみ。水曜日のデーゲームのため、有休を取ったり、突然病欠する人が増えるかもしれません。

そのイチロー選手が憧れ、マリナーズでチームメイトだったことがあるケン・グリフィーJr.氏は、昨年マリナーズの選手として初めて球界殿堂入りを果たしました。そして、彼の背番号24は全球団で永久欠番となったジャッキー・ロビンソンの42を除き、球団創設40年目にして初の永久欠番となりました。その式典で発表されたグリフィー氏の銅像は今年完成。ファンにお披露目される4月14日のレンジャーズ戦では、銅像のボブルヘッドが配布されることになっています。こちらは先着4万5千人。大入り満員でもほぼ全員がもらえる太っ腹企画です。

グリフィー氏に続き、今年は現在チームの打撃コーチを務めるエドガー・マルチネス氏の背番号11が永久欠番化されます。式典が行われる8月12日を挟んだエンゼルスとの3連戦では、マルチネス氏のボブルヘッド、永久欠番プレートのレプリカ、ユニフォームのレプリカをそれぞれ先着4万5千人へ配布。また、5月19日のホワイトソックス戦では「クマ(岩隈投手)」のフーディを配布予定。こちらは先着1万5千人と数が少ないので要注意です。岩隈投手は前回クマの被り物が配布された2015年にノーヒットノーランを達成。今年も大記録につながるといいですね。その他にも主力選手のボブルヘッドや、定番のあごひげ付きニットキャップなど盛り沢山。チーム公式サイトを確認して後悔しない観戦計画を立てましょう。

[スポーツウォッチング]

無名から全米トップランクへ! ネイサン・ヘイル高校男子バスケ

2月中旬現在、高校男子バスケで全米トップにランクされるチームがシアトルにあるのをご存知ですか? 昨季は3勝17敗と大きく負け越しながらも、今季レギュラーシーズンを20勝無敗で終えたネイサン・ヘイル高校(Nathan Hale High School)です。
シアトルのバスケ強豪校といえば、NBAで3度シックスマン賞に輝いたジャマール・クロフォード(クリッパーズ)の母校レイニアビーチ高校や、2007年の新人王に輝いたブランドン・ロイ(元トレイルブレイザーズ)の母校、ガーフィールド高校が有名です。レイニア・ビーチは過去16年間で州優勝7回、準優勝3回。ガーフィールドは2015年にレイニア・ビーチを破って初優勝し、去年はレイニア・ビーチに敗れて準優勝したチーム。この両校が所属するメトロリーグで、今季はネイサン・ヘイルが大躍進を遂げています。

今春卒業の高校生でトップ評価を受けるマイケル・ポーターJr(. 背番号1)。大学で1年プレー後のプロ転校を見越して、2018年のNBAドラフトで上位指名を予想するモックドラフトが多い

高校バスケ界では無名の弱小校がいきなり全米トップの座へ躍り出た最大要因は、昨年6月に元NBA選手のロイが監督に就任した点です。それと同じ時期に、ミズーリ大学女子バスケのマイケル・ポーター・アシスタントコーチが、ロイの母校であるワシントン大学男子バスケのアシスタントコーチとして採用され、シアトルへ引っ越すことになりました。5男3女のポーター家には高校生の息子が3人。いずれもバスケ選手で、長男のマイケルJr.は208センチの長身ながら運動能力の高いスモールフォワード。今年卒業予定の選手中、ESPNが全米1位に選ぶ有能選手です。1歳下の弟ジョンテイも来年卒業予定の選手中ランク26位のセンター。元NBA選手の監督に惹かれてポーター兄弟がネイサン・ヘイルへ転校すると、ガーフィールドや近郊校からも有能選手が集まり、戦力が一挙にアップしました。

今春卒業するマイケルJr.は、ケンタッキーやデュークなど強豪校からのオファーを蹴り、6年連続でNCAAトーナメント出場を逃す可能性大のワシントン大学へ進学します。ワシントン大学は父がコーチを務めるチーム。監督のロレンゾ・ロマーは父の旧友で、マイケルJr.の名付け親でもあります。また弟のジョンテイもシアトルへ引っ越す前からワシントン大学への進学意志を表明しており、ロマー監督はコーチを雇った上に(おかげで?)、全米トップクラスの評価を受けるコーチの息子2人を獲得できたことになります。来季ワシントン大学へはガーフィールドのジェイレン・ノーウェルとデジョン・デービスも進学予定。いずれも全米トップ60位以内にランクされるシューティングガードで、ロマー監督の選手リクルート活動は大成功。来季はコートで実を結んで欲しいものです。

[スポーツウォッチング]

来季はローズボウルを目指せ!ハスキーズ

アメリカの年末年始の風物詩の一つは、大学アメフトのボウルゲームです。今季は12月17日から今月9日まで、実に41試合が開催されました。ボウルゲームはレギュラーシーズンを好成績で終えたチームに対するごほうびのようなもので、大半は温暖地で開催。近年はバハマでも行われています。ボウルゲームに出場して全米優勝を狙えるのは、レギュラーシーズンとカンファレンス優勝戦の結果を踏まえてプレーオフ選考委員会が12月上旬に発表する4校のみです。

今季12勝1敗の成績でPac-12優勝を果たしたワシントン大学は第4シードに選ばれ、大晦日開催のピーチボウルで第1シードのアラバマ大学と対戦しました。開催地のアトランタはアラバマ大学から車で3時間程度。観客の大多数が敵のファンという不利な状況で、ハスキーズは先制点を奪いましたが、それ以降は全米トップの守備に封じ込まれ、24-7で準決勝敗退となりました。もう1試合は、フィエスタボウルでクレムソン大学がオハイオ州立大学に完封勝ち。2年連続で同じ顔合わせとなった優勝戦では、クレムソン大学が試合残り1秒の土壇場で再々逆転のタッチダウンを決め、昨季の雪辱を果たしました。

©Misa Kanaoka Seely
ローズボウルはスタジアムの名称でもあるバラのデザインが特徴的

大学アメフトに4チームによるプレーオフが導入されたのは比較的最近で2013年から。準決勝の2試合は3年ごとに6つの由緒あるボウルゲームで交互開催しています。今季はピーチボウルとフィエスタボウル、来季はローズボウルとシュガーボウル、その次はオレンジボウルとコットンボウルの順です。その中でも今季で第103 回目を迎えたローズボウルは全米最古の歴史を誇り、ボウルゲームの元祖とも呼ばれています。試合は毎年元日(元日が日曜日なら2日)に開催され、当日朝に花のフロートがパサデナ(カリフォルニア州)の町を彩るローズパレードも有名です。

ローズボウルでは、通常Pac-12とBig 10の優勝校が対戦します。ただ今季はPac-12王者のハスキーズがピーチボウルに出場したため、USCが出場。地元開催ともあり、ほぼホームゲームの雰囲気の中、ペンシルベニア州立大学を52-49で下しました。USCは今季レギュラーシーズンでハスキーズが唯一敗れた相手。シーズン序盤にまだ1年生のQBサム・ダーノルドを先発起用し始めてから絶好調で、早くも来季のPac-12優勝候補に挙げられています。
来季ハスキーズが全米優勝するにはPac-12二連覇は必須。その上でプレーオフ出場チームに選出されれば、Pac-12の王者としてローズボウルで準決勝に臨めるかもしれません。そうなれば、シアトルからも行きやすく、応援に向かうファンも多いはず。来季への期待は膨らむばかりです。

[スポーツウォッチング]

サウンダースが初優勝! MLSカップ

2016年はシアトル・スポーツ史上最高の年だったのではないかと言われています。市内の複数のチームが一斉に快挙を遂げたためです。3月にはワシントン大学女子バスケが、チーム史上初めてNCAAトーナメント準決勝へ進出。12月には同アメフトチームが16年ぶりにPac-12カンファレンスで優勝し、サウンダースはチーム史上初のMLSカップ優勝を果たしました。

©Misa Kanaoka Seely MLSカップを掲げるマーサーアイランド出身のジョーダン・モリス

中でも、サウンダースの起死回生ぶりは目を見張るばかり。7月にはカンファレンスの10チーム中9位へと転落し、創設シーズンからの監督だったシギー・シュミットが退任。8月以降はクリント・デンプシーが不整脈で欠場を強いられ、創設8年目にして初めてプレーオフ出場を逃すのではないかと危惧されていました。

しかし、ブライアン・シュメッツァー新監督の下、調子を取り戻したサウンダースはプレーオフへ滑り込み。地元出身のジョーダン・モリスらの活躍でプレーオフを勝ち進むと、チーム史上初のMLSカップ決勝進出が決定。トロントFC と対戦した決勝戦では、延長戦を含む120分間で一度もシュートを蹴られないほどの苦戦を強いられながらも、ディフェンスの奮闘で0-0のまま時間切れ。PK戦も4-4で決着がつかず、サドンデスへ突入し、トロントのジャスティン・モローが失敗した直後にローマン・トレスがゴールを決め、ようやく優勝が決まりました。

13日の優勝パレードには平日にも拘らず、大勢のファンが押し寄せました。シアトルでの優勝パレードはシーホークスが優勝した2014年2月以来約3年ぶり。センチュリーリンク・フィールドへ南下したシーホークスのパレードとは対照的に、サウンダースはシアトルセンターへ北上。その一角にあるメモリアル・スタジアムは1970-80年代にノースアメリカン・サッカーリーグでプレーした「元祖」サウンダースのホームピッチであり、「原点に戻る」という意味が込められていたそうです。

驚いたのは、パレードの先陣を切っていたのは州知事やチームの首脳陣ではなく、チームの公式サポーターグループだった点。そして、パレード開始時点では恐らく選手やスタッフらと車に乗っていたであろうシュメッツァー監督は、途中から前方へ歩み寄り、サポーターと肩を並べて歩き始めました。サウンダースがいかにファンを大事にしているかが垣間見られた場面です。サウンダースはサポーターの意向をチーム運営に反映させていることで有名なチーム。そのおかげもあり、集客力では常にMLSトップの数字を誇ってきましたが、2016年はついにピッチでも大成功を収めることができました。

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NFL選手からワイナリーのオーナーへ、ドリュー・ブレッドソー

ウドゥンビルのワイナリーを訪れると、別の事業で成功したオーナーの趣味が高じてワインを作り始めたという話をよく耳にします。スポーツ界でも現役引退後にワインビジネスに乗り出す選手は多く、NBAでは元ヒューストン・ロケッツのヤオ・ミン、元NASCARドライバーのジェフ・ゴードンなどが自身の名を冠したワインを作っています。今季マリナーズで捕手を務めたクリス・アイアネッタは2012年から元チームメイトのバーノン・ウェルズと一緒に「Jack」というブランド名のワインを作って販売中。いずれもナパ・バレー産です。
ワシントン州でワインを作っている州内出身選手もいます。NFLの元ニューイングランド・ペイトリオッツのクォーターバック(QB)のドリュー・ブレッドソーはその一人。馴染みが薄い名前かもしれませんが、ワラワラ高校からワシントン州立大学を経て1993年のドラフトで全体1位指名を受けた大物選手です。ペイトリオッツは去年シーホークスがスーパーボウルで敗れた相手。この16年間チームのQBを務めているトム・ブレイディの前任者だったのがブレッドソーです。

©Andrea Johnson Photography 元ペイトリオッツQBのドリュー・ブレッドソー
©Andrea Johnson Photography
元ペイトリオッツQBのドリュー・ブレッドソー

ブレッドソーは元々ワイン好きで、現役時代からチームメイトにワインを贈ったり、銘柄を隠してワインテイスティングさせていたそうです。その中でも出身地ワラワラのワインが意外に好評で、2003年にはブドウ園用の土地を購入。2006年シーズンを最後に現役を引退すると、2007年から地元職人を雇ってワイン作りに着手しました。2010年に「Doubleback」というブランド名で2007年ビンテージのカベルネソーヴィニヨンを発売すると大成功。『ワイン・スペクテーター』誌から100点中95点の高評価を得て、その年のトップワイン100本の1つに選ばれました。
今月7日のマンデーナイト戦にはワインのプロモーションも兼ねてブレッドソーがセンチュリーリンク・フィールドに姿を見せました。シーホークスが対戦したのは、2001年にブレイディに先発の座を奪われたブレッドソーのトレード先となったビルズ。その翌週シーホークスはペイトリオッツと対戦し、ブレッドソーの古巣との対決が続きました。「地元チームと古巣の試合ではどちらを応援するのか?」と尋ねるとニヤリとするのみ。明言しませんでした。
ワインの購入方法は、ちょっと遠いですがワラワラのテイスティングルームまで行くか、メール登録して発売前に予約注文するかの2通り。予約注文なしでの購入は、時期によっては在庫がない場合もありますが、来年2月には2014年ビンテージのロゼが発売されるそうです。気になる方はぜひ今からメール登録を。

[スポーツウォッチング]

シアトルでNBA選手のプレーを見るなら

レイニアビーチ高校の先輩ジャマール・クロフォード(左)と 後輩ケビン・ポーター(右)
レイニアビーチ高校の先輩ジャマール・クロフォード(左)と後輩ケビン・ポーター(右)

2007-08年シーズンを最後にスーパーソニックスがオクラホマシティへ移転して以来、シアトルではNBAの試合が見られなくなりました。そんなシアトルのバスケファンにNBA選手のプレーを間近で見られる機会を提供してくれているのが、レイニアビーチ高校出身で3度NBAシックスマン賞に輝いたロサンゼルス・クリッパーズのジャマール・クロフォードです。クロフォードは毎年7月上旬から8月末の週末に、シアトル・パシフィック大学の体育館でプロアマリーグを開催しています。チームの大半はアマチュア選手ですが、クロフォードをはじめ、アイザイア・トーマスやネイト・ロビンソンなど、シアトル出身のNBA選手も混じって試合に出ています。
このリーグは1996年に当時NBA選手だったダグ・クリスティーが創設し、現役引退前年の2006年にレイニアビーチ高校の後輩にあたるクロフォードに運営を委ねたもの。NBA選手にとってオフシーズンとなる夏の間、地元でセミプロ級の選手と試合を行うことで双方の練習に役立て、その試合を公開することで将来プロを目指す少年少女を刺激し、バスケに飢えている地元ファンを喜ばせる一石四鳥のイベント。入場料は大人5ドル、17歳以下は無料と良心的ながら、過去にはコービー・ブライアントやケビン・デュラント、今年はポール・ジョージなどの豪華メンバーも飛び入り参加しています。
15日に行われたオールスター戦には、昨年のNBAオールスター戦のスラムダンクコンテストで優勝したザック・ラビーンが3年連続で登場しました。ボセル高校出身のラビーンはファンの期待通り、機会を見つけては迫力あるダンクシュートを披露。また、左右に揺さぶる彼の巧みなドリブルを前に、ディフェンス選手がバランスを失い、接触なしで転倒した場面では会場に大歓声が上がりました。
6月のドラフトでサンアントニオ・スパーズから1巡指名を受けたばかりのデジョンテ・マレーは初参加。レイニアビーチ高校からワシントン大学を経て今秋NBAデビューを果たす、まさに地元期待の星です。そして今秋からレイニアビーチ高校3年生になるケビン・ポーターもプロに混じって出場。ESPNのポジション別高校選手ランキングで全米6位に入るシューティングガードで、2年後の進学先にどの大学を選ぶのか注目される選手です。クロフォードも将来を有望された高校時代にこのリーグでNBA選手と同じコートに立っており、当時の自分と姿が重なるのか、試合中は頻繁にポーターにアドバイスしていました。こうしてシアトルでも次世代のNBA選手が育っていくのでしょう。彼らの地元愛に感謝したいです。

[スポーツウォッチング]

チャリティ・ソフトボール大会

シアトルの新しい夏の風物詩になりつつあるのは、毎年7月にシーホークスのリチャード・シャーマンが主催しているチャリティ・ソフトボール大会です。
2013年に始まったこのイベントは今年で4年目。当初はタコマ・レイニアーズのチェイニー・スタジアムを会場とし、1万席足らずの座席は全席自由。できるだけシャーマンを近くで見ようと、小さな球場に入るのに長蛇の列ができていました。大盛況で終えた後、翌年からはセーフコ・フィールドへ会場を変更。更に昨年はKIRO7のTV中継が入るなど、年々グレードアップされています。今年は7月10日(日)に開催予定で、チケット価格は12ドルから80ドル。チケットやサイン入りグッズのオークションで上げた収益は、貧困地区の子どもたちに衣服や学用品を提供するシャーマン運営の「Blanket Coverage Foundation」の活動資金に充てられます。

過去にはコービーやマックルモアも参加

2014年に参加したマックルモア(左)即興で歌う場面も
2014年に参加したマックルモア(左)即興で歌う場面も

とにかく参加メンバーが豪華なこのイベント。初年度からラッセル・ウィルソンやキャム・チャンセラーなどシーホークスの選手はもちろんのこと、ライバルチームの選手やシアトル出身のNBA選手なども登場しています。スーパーボウルで優勝し、シャーマンの知名度がアップしてからは更に豪華になり、2014年にはロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアントとシアトル出身の人気歌手マックルモアが参加。昨年はオクラホマシティ・サンダーのケビン・デュラントらが加わり、メディア嫌いで有名なマーション・リンチも3年目にして遂に顔を見せました。今年はどんな大物選手が参加するのか楽しみです。
試合は必ずしもソフトボール経験者ではないアスリートが余興として行うため、ゴロをトンネルしたり、フライを落っことすのもご愛嬌。そういう場面で大げさに反応したり、予め用意したギャグを見せたり、普段はテレビや試合でしか見れない一流アスリート達が和気あいあいと楽しむ姿を眺められるのがこのイベントの魅力です。

お財布に余裕があるなら

ソフトボール大会前日の9日(土)には、ウォーターフロントのマリオット・ホテルでオークション・ディナーが開催されます。こちらもチケットさえ購入すれば、誰でも参加可能。試合に出場する選手たちとより身近に接するチャンスです。翌日の試合中にもサイン入りグッズのオークションが行われ、競り落とした人はシャーマンから直接グッズを受け取り、一緒に写真を撮ってもらうことができます。ディナーチケットは1人250ドル。
サイン入りヘルメットは8千ドルで競り落とされた年もあり、ハードルは高いのですが、お財布に余裕がある方なら試してみては?

[スポーツウォッチング]

ステューウィがシアトルにやって来た!

大先輩のスー・バードのことを「コートの内外で相談できる頼もしい存在」というブリアナ・スチュワート
大先輩のスー・バードのことを「コートの内外で相談できる頼もしい存在」というブリアナ・スチュワート

今季、女子プロバスケットボールチームのシアトル・ストームに強力な新人選手が加入しました。NCAAトーナメントで4連覇を果たした強豪、コネティカット大学出身のブリアナ・スチュワートです。ステューウィの愛称で知られる彼女は、モライア・ジェファーソン、モーガン・タックと共に1年生の時から主力選手として活躍し、在学中一度も優勝を逃さず、全勝での優勝が2回。4年間の156試合で負けたのは5回のみの常勝トリオは、ドラフト最上位から同じ大学の選手が3人連続指名を受けるというWNBA史上初快挙も遂げました。

その中でも193cmの長身ながら、スピードがあり、あらゆるポジションから攻めて守れるステューウィは、NCAAトーナメント史上初めて4年連続で最優秀選手に選ばれた逸材で、今年のWNBAドラフトの目玉選手でした。幸か不幸か、昨季10勝24敗に終わったストームはリーグのワースト4チームによる抽選で大当たりし、全体1位指名権を獲得。女子の大学バスケ史上最強とも言われる選手を指名することができました。ジェニー・ブーセック監督は「型破りな選手だけに、彼女の動きに合わせて他の選手がシフトしなければならない。それが自然にできるようになるまで時間はかかるが、嬉しい悩み」と喜びを隠せません。

シアトルに来たのは生まれて初めてと言うステューウィは、入団記者会見で「レジェンドのスーと一緒にプレーできるのが楽しみ」と目を輝かせました。プロ入り14年目のベテランで、ストームの顔的存在であるスー・バードとは、かなり共通点があります。2人ともニューヨーク州生まれで、コネティカット大学時代に全米優勝達成。2人とも全体1位指名を受けストームへ入団し、今夏リオデジャネイロ五輪で金メダルを目指すアメリカ代表でもチームメイトです。

ステューウィと一緒にプレーできるのを心待ちにしていた選手は多く、今季ストームと再契約した渡嘉敷来夢選手も「そのことを一番楽しみにしてきた」のだそう。自身も五輪出場が決まっており、「アメリカ代表選手とプレーできるのはいい刺激になる」と心を躍らせています。クリスタル・ラングホーンは、「オフェンスに注目しがちだけど、彼女はディフェンスがすごい」と称え、複数の選手が相手の動きを封じる彼女の腕の長さに驚きの声を上げています。4年間で5敗しかしていないステューウィですが、ストームでは初年度だけでも5回以上「試合に負ける」という不慣れな体験を強いられるはずです。しかし、「自分にできることは、勝つために精一杯準備することだけ」。そう言い切るステューウィはストーム期待の星です。

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チーム史上初の準決勝進出! ハスキーズ女子バスケ

チーム史上初のNCAAトーナメント準決勝進出を果たしたハスキーズ女子バスケチーム
チーム史上初のNCAAトーナメント準決勝進出を果たしたハスキーズ女子バスケチーム

今年のNCAA バスケトーナメントで、ワシントン大学女子が予想外の活躍を見せ、準決勝まで勝ち進みました。準決勝進出はチーム史上初快挙です。レギュラーシーズンでは22 勝10 敗と2桁台の黒星を喫し、トーナメント開始時点では全米トップ25 のランキング圏外だったハスキーズ。しかし、1回戦で下位シードに順当勝ちした後、2回戦、3回戦と東部の敵地へ乗り込んで上位シード校を打破。準々決勝では序盤からスタンフォード大学を引き離し、ファイナル4出場権をもぎ取りました。
ハスキーズの大躍進を支えたのは、ポイントガードのケルシー・プラムです。今季の試合平均得点(25.9)は全米4 位。フリースロー成功回数(266)と総得点(960)では全米トップ。チームとPac-12史上最速の88試合出場で通算2000得点に達し、3年生ながらチームの通算最多得点記録を更新(2418 点)。この実績が認められ、ハスキーズの女子としては初めてオールアメリカンに選出されました。
高校時代から将来を有望されていた彼女が、しばらくNCAAトーナメントから遠ざかっていたワシントン大学を選んだのは、強豪校で控えになるより1年生シーズンから試合に出たかったのと、マイク・ネイバーズ監督を信頼していたため。1年生の時からキャプテンを務め、2年目の昨季8年ぶりのNCAAトーナメント出場を果たすと、3年目の今季は準決勝へ。準決勝ではシラキュース大学のディフェンスに集中包囲され、80-59で敗れてしまいましたが、4年生になる来季は今季以上の活躍を見せてくれるはずです。

インディアナポリスで開催された準決勝2試合には、シアトル・ストームのスー・バードも応援に駆け付けていました。第1試合はコネティカット大学の応援団席に座って母校を応援。第2試合は紫のTシャツに着替え、現在の地元チームであるワシントン大学応援団席に合流していました。ワシントン大学が準決勝で敗退したため、コネティカット大学とのハスキーズ対決は実現せず。もし実現していたら、シアトルのファンには申し訳ないと思いながらも母校の応援に回ったはずで、この結果に内心ほっとしたのかもしれません。
74試合連続勝利で決勝に臨んだコネティカット大学は、31点差でシラキュース大学を下し、4連覇達成。4年連続で最優秀選手を受賞したブリアナ・スチュワートは、去る14日のWNBAドラフトでストームに指名され、大先輩のバードとシアトルでチームメイトになることが決まっています。大学女子バスケ史上最強とも言われるこの選手については、また別の機会にご紹介したいと思います。

[スポーツウォッチング]