この夏、西海岸の優良カレッジランキングで8位にランクインしたシアトル大学。実はカフェテリアにも定評があり、「西海岸でNo.1のフードサービスを提供する大学」に認定されている。学内にいくつか点在するカフェテリアのうち、最も大きなものが学生棟2階の「チェリー・ストリート・マーケット(Cherry Street Market)」で、朝昼晩と1日3食を提供している。18種以上の野菜が並ぶサラダバー、注文が入ってから目の前でグリルする本格バーガーに、インド式カレー、野菜たっぷりのサンドイッチなど、レストランビュッフェ顔負けの品揃え! 無料のフルーツフレイバー・ウォーターまで用意され、とにかくおしゃれで、学食とは思えないクオリティに驚かされる。
ワシントン州やオレゴン州の契約農場から仕入れた生肉を扱っている、街中では珍しい精肉専門店。店頭には、何種類もの生肉がずらりと並び、高級部位のニューヨーク・ストリップステーキ(New York Strip$21.99/lb.)、リブアイ(Ribeye Steak$21.99/lb.)、チーズとスパイスが効いたソーセージ(Green Chili & Queso$11.99/lb.)などが揃っている。同店は量り売りのみ。扱っている商品の一部を、同じマーケット内のホームグロウンに提供しており、サンドイッチの具として使用している。
403 15th Ave., E., Seattle WA 98112
営業時間:月〜木7am〜4pm 金7am〜4pm、
5pm〜9pm 土・日7am〜4pm
☎206-323-9938 thewanderinggoose.com
大きなアヒルの看板が目印のブレックファスト&ブランチカフェ。ノースカロライナ州出身のオーナー兼シェフのヘザーさんが、幼少期から慣れ親しんだアメリカ南部の家庭料理を提供する。素材は州内外の農家から直接仕入れ、主に野菜やチーズなどがワシントン州産。ハチミツに至っては店舗屋上の養蜂箱で採取する自家製のHeather’ s Honeyを使用している。ヘザーさんは絵本作家でもあり、店内はまるで童話の世界から飛び出したようなかわいさ! おひとり様から家族連れまで、早朝から多様な客層で賑わっている。肝心の食事はというと、こちらは兎にも角にもビスケット・サンドイッチが絶品!
526 19th Ave. E., Seattle, WA 98112
営業時間:毎日8am〜10pm ☎206-582-1928 coneandsteiner.com
とれたての果物からアルコール、生花、雑貨までを取り揃えている食料雑貨店で、ちょっとお洒落なご近所の何でも屋さんという雰囲気。ローカルの食材はもちろん、なかなか手に入らない世界各国の調味料などもある。特にこだわりの材料で作られた惣菜がテイクアウトできるのが人気。忙しい人にはぜひ利用してもらいたい。アジアンパスタ(Small Asian Noodle$3.25)からチキンシーザーサラダ(Chicken Caesar Salad$6.99)、ルーベンサンドイッチ(Reuben$9.49)などバリエーション豊富。どれも繊細な味付けで、ついついリピーターになってしまいそう。
イートインスペースもあり、日替わりのスープ、パンからカスタマイズできるサンドイッチなどが食べられる。
文化庁が推進する「新進芸術家海外研修制度」は、国費による芸術家派遣制度で、美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術などメディア芸術の各分野における新進芸術家やそれに関連する分野の専門家が海外で実践的に研修するための渡航費及び滞在費を支援し、将来の日本の文化芸術振興を担い、国際的に活躍する人材を育成することを目的に設けられている。これまで同制度によって研修を行った芸術家には著名人も多く、世界を舞台に活躍の幅を広げている。
今年研修者として選ばれたのは、映画撮影監督の定者如文さん。子どもの頃から映画が大好きだった定者さんは、紆余曲折を経て、遅まきながら31歳で映画業界へ進む。20代でアジアの国々を旅して歩いた時代に培ったカメラの腕を生かしてカメラマンとして経験を重ねる。やがてアメリカの撮影学校に行きたいという思いが芽生え始め、38歳でアメリカ行きを意識するようになった。そこで英語の勉強のためにフィリピンへ留学。スパルタ式の学校で鍛えられ、帰国後、渡米を実現させる方法について模索していた時に、アメリカの撮影学校に通う友人が同制度について教えてくれたのだ。準備のために奔走し、2015年に申請、許可されたのが今年だ。定者さんは40歳「周りから愚図だといわれ、自分でもあきれるほど愚図だと思う」。しかし、こつこつと仕事を続け、これまでにすでに多くの実績を積んできたのだ。例えば、2014年に中国チームと制作した『Midnight Tax 1st season -午夜 程 第⼀季』は、中国国家新聞出版広電総局が選ぶベストネットドラマ賞を受賞するなど、その才能は海外で認められている。
シアトル国際映画祭での活躍
撮影監督を務めた『2045 Carnival Folklore』は昨年のシアトル国際映画祭(SIFF)に選出され、「Live movie screening」と題して、監督の加藤直輝と音楽の増田圭祐によるユニット・Sierror!〽が、同映画の上映と同時にライブ演奏を行っている。原発がメルトダウンしたという想定の2045年の日本を舞台にした本作品は、SF映画としては超低予算であり、同じく選出された他の邦画3作品とは予算に100倍ほどの開きがあったという。
SIFFへの参加は映画大国アメリカで認められたという点において大きな意味を持ち、今後の挑戦へのステップとなった。また、ベナロヤホールで開催される恒例のイベント「セレブレート・アジア」での映像プロジェクトや、作曲家・菅野祐悟さんらの「Tohoku Revive」イベントでも映像を制作するなど、シアトルとの縁は深い。
2016 年はロンドンのICA(Institute of Contemporary Art London)に招待され、同作品のライブ上映を予定している。本作品はウェブサイト( 詳細:2045carnivalfolklore.com/ja/)で予告映像の視聴が可能。
夢が叶って来年からニューヨーク、ロサンゼルス、シアトルと、全米各地で研修を開始する。試行錯誤しながらここまできた定者さんは、「これからも挑戦する心を忘れずにいたい」と決意を語っている。
シアトルは本当にいい街だ。美しい自然、親切な住民、移民や性マイノリティーへの理解、程よい人混みなど、何を取っても素晴らしい。観光客に対してもウェルカムな姿勢が年々の空港利用者数の増加につながっているのだろう。もうすぐ、シアトルを旅立ってしまうが、ずっとここにいたい気分だ。
しかし、今だからこそ「好きだ」と言えるのであって、始めは困難の日々だった。私はホームステイだ。初日、ホームステイ先に着くと、おばあちゃんが一人リビングにいた。「My name is Yuta. Nice to meet you.」と簡単に挨拶をしたのだが、首をかしげるだけで応答がない。手招きをされるまま付いて行くと、空っぽの部屋に案内された。おそらくここが自分の部屋なのだろうと考えた。
今では質素な部屋の雰囲気がむしろ味が出ていて気に入っているが、最初はすぐに帰りたくなるほどだった。この時はまだここはアメリカ人家庭だと思い込んでいたのだが、翌日の朝食で伝統料理フォーが出てきた時に、ようやくこの家庭がベトナム系だと分かったのだ。
その日の夜、私はバスタオルを持ってきていなかったため借りようと思ったのだが、風呂場にバスタオルはなく、あるのは便座拭きのタオル一枚だけ。さすがに他のタオルを使いたいなあと思い、おばあちゃんに聞いてみることにした。Wi-Fiもなくインターネットの使えない状況で、ジェスチャーだけで会話を試みた。作戦は「おばあちゃんを風呂場まで誘導し、例のタオルで体を拭く仕草をする」というもの。いざやってみて、若干動作はぎこちなかったものの、「伝わった、よし!」そう思ったのもつかの間、持ってきてくれたのはハンカチくらいのミニタオル。生まれて初めて、言葉が通じない難しさを体感した。
次の日バスタオルを買い、簡単なベトナム語アプリを取得した後、家に帰った。その後2日間はおばあちゃんとしか会わなかったが、ベトナム語のあいさつと積極的な手伝いを心掛け、私たちの仲は徐々に深まっていった。
(ゆうた/ウエストシアトル)