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コラム連載状態: 完結連載

排除の思想が社会を分断する

毎月数十点が出版され、「教養」「時事」「実用」と幅広い分野を網羅する日本の新書の新刊を通して、日本の最新事情を考察します。


┃ 排除の思想が社会を分断する

 

『アメリカの排外主義/トランプ時代の源流を探る』 浜本隆三(平凡社新書)

「アメリカ・ファースト」をうたい、自国第一主義を露骨に打ち出すトランプ大統領。過激な排外主義と保護主義の波はアメリカだけにとどまらず、世界中に広がりを見せている。

『アメリカの排外主義/トランプ時代の源流を探る』(浜本隆三著、平凡社新書)では、自国優先の姿勢が世界に広がっている背景を、アメリカの排外運動の歴史から学ぶ。社会に蓄積する不満が歪んだ形で表出すると何が起きるか。アメリカ北東部セーラムで起きた「魔女狩り」、ネイティブ・アメリカンへの迫害、白人至上主義を唱えた秘密結社KKKなどを例に、アメリカ史における排外主義が現代にどうつながっているかを考察する。

 

『リベラルを潰せ/世界を覆う保守ネットワークの正体』
金子夏樹(新潮新書)

同性婚や人工中絶の権利などをめぐり、今、世界は二分されつつある。性的マイノリティーの権利拡大など、多様性や個人の意思を尊重するグループ(リベラル)と、それに断固として反対するグループだ。

国や宗教の枠を超え、反リベラルを旗印に団結している保守ネットワークについて、『リベラルを潰せ/世界を覆う保守ネットワークの正体』(金子夏樹著、新潮新書)はその全貌を明らかにしていく。ロシアのプーチン大統領とトランプ大統領は、この「反リベラル」という価値観で、水面下でつながっている、と著者はいう。

トランプ大統領を熱烈に支持した「世界家族会議」などのキリスト教右派と、世界各国の反リベラル勢力との関係も取材している。価値観をめぐる議論は社会の二分化につながる。LGBTの権利拡大をめぐり社会の対立が深まりつつある日本も、他人事ではないと警鐘を鳴らす。

一方で、アメリカの若い世代を中心に、従来の左右対立の枠組みではとらえきれない新たな層、つまり「オバマにもトランプにも共感しない」立場がある。トランプ政権誕生後のアメリカ社会を取材し、その理念や実情を報告するのが『リバタリアニズム/アメリカを揺るがす自由至上主義』(渡辺 靖著、中公新書)である。

公権力を極限まで排除し、自由の極大化を目指そうとしている彼らの思想とはどのようなものか。自由市場・最小国家・社会的寛容を重んじるリバタリアンの立場、経済的には「保守」で社会的には「リベラル」という、こうしたイデオロギーは「日本には存在しないに等しい」としている。

 

┃ 平成の終わりに 「戦後」の総括

『硫黄島/国策に翻弄された130年』 石原 俊(中公新書)

『硫黄島/国策に翻弄された130年』(石原 俊著、中公新書)は、日米両軍の地上戦の場としてあまりにも有名な硫黄島の、戦前までの開発史、および戦後ほとんど語られてこなかった軍事占領史を描き出す。

長く無人島だったこの地は、大日本帝国の領有地となった19世紀末から1944年の島民強制疎開まで「南洋」入植地として発展した。硫黄島および北硫黄島の両島合わせて最大で1,200人の定住人口があったことは、あまり知られていない。

戦後、アメリカによる軍事占領下におかれ、1968年には小笠原群島・硫黄列島共に日本に返還されたが、日本政府はそのまま自衛隊による軍事利用を継続させ、2018年末時点でも島民全体が帰郷できない「異常事態」が続いている。硫黄島列島民が強いられてきた犠牲と苦難を多くの人に知って欲しいと著者は訴える。

『ミステリーで読む戦後史』(古橋信孝著、平凡社新書)の著者は、古典文学の研究者。戦後発表された日本のミステリー作品から、10年ごとに時代を振り返る、という文学史的にも新しい試み。

小説、中でも事件や犯罪を題材とするミステリーは、その時代社会が抱える問題や関心を鮮明に描き出してきた。昔の人気ミステリー作品を読めば、今とは異なる当時の価値観を知ることもできるはずだ。本書では、そうした時代の変化をたどるのに最適な作品が多く紹介されている。

『なぜ働き続けられない?/社会と自分の力学』(鹿嶋 敬著、岩波新書)では、男女共同参画という「理念」はどのように描かれ、なぜうまくいかないのか。男は仕事、女は家庭、などといった根強い「固定的な性別役割分担」という分厚い壁をどう乗り越えていけばいいか、統計データや女性たちの声、自身の経験も踏まえて現状の問題提起、未来への提言を記す。

 

※2019年1月刊行から

 

アメリカで作れる簡単練り切り

アメリカで作れる簡単練り切り
今月は、缶詰のライマ・ビーンズ(Lima Beans)を使って白餡を作ります。乾燥豆から作るより、ずっと手軽にできます。練り切りまで作ってしまいましょう。いろいろな形にして、春のお茶会を楽しんでください。
(イラスト:かとうはつみ ブログ: happysbk.exblog.jp)


【白餡】

 材料:

  • ライマ・ビーンズ………………… 1缶(270~285グラム)

  • 砂糖………………………………ライマ・ビーンズと同量

 作り方:

  1. ライマ・ビーンズを缶から出して水気を切る。フードプロセッサーに入れて砂糖を加え、なめらかになるまでよく回す。テフロンのフライパンに入れて弱火にかけ、スパチュラを使って練りながら水分を飛ばす。
  2. 好みの硬さになったら火を止めて出来上がり。※冷凍も可能。

     

【練り切り】

  • 材料:

 

  • 上記で作った白餡………………… 全量

  • 白玉粉…………………………….. 3グラム

  • 水………………………………….. 大さじ

  • フードカラー……………………… 適宜(なくても可)

    作り方:

     

    1. (白餡を作ったフライパンをそのまま使って)白餡の中に白玉粉、水、そして色付けする場合はフードカラーを少量加え、さらに練る。※硬くなった場合、水を少し加える。

       

    2. フードカラーで色付けする場合は白餡をそれぞれ色ごとに小分けして、同じ手順を踏む。

    3. 手で触って、引っ付かない程度の硬さになったら出来上がり。※冷めるとさらに硬くなる。好みの餡を中に入れたり丸めたりして、楽しい和菓子作りを!

 

レシピを連載してくれている、田中せつこさんのおいしいペイストリーは以下のお店で購入できます。

せつこペイストリー(Modern Japanese Cuisine内)
☎206-816-0348 setsuko.pastry@gmail.com ウェブサイト
無着色、無添加にこだわった完全オーダー制の人気お菓子店。やさしい甘さのいちごのバースデー ケーキがいちばん人気のほか、抹茶のロールケーキはANA成田―シアトル路線でビジネスクラスの デザートに採用されたこともある。オーダーはメール、または電話にて引き渡しの3日まで受付。商品の引き渡しはもだんの営業時間内に、もだん店内にて。

Modern Japanese Cuisine もだん
6108 Phinney Ave. N., Seattle, WA 98103
☎206-420-4088 ウェブサイト
2015年にオープンした居心地の良い日本料理店。どこかほっとする照り焼き定食やカレーに加え、せつこペイス トリー自慢のデザートまで楽しむことができる。

日本航空株式会社 山田公正さん

シアトル駐在日誌

春の拡大版
アメリカでの仕事や生活には、日本と違った苦労や喜び、発見が多いもの。日本からシアトルに駐在して働く人たちに、そんな日常や裏話をつづってもらうリレー連載。

取材・文:磯野愛

山田公正さん。穏やかな物腰と柔和な笑顔が印象深い素敵な紳士

#17 山田公正(こうせい)
東京都出身。1987年、日本航空株式会社(以下JAL)入社。シアトル支店・支店長として2018年11月より空港事務所開設のためシアトルに着任。

父親が外交官だったので家族で世界中を転々とする生活でした。私自身はインドで生まれ、幼少期はスイスで過ごし、当時フランス語を話していたそうですが、残念ながら今ではさっぱり覚えていません。その後もニューヨーク、香港と、転校を繰り返す生活の中で、新しい土地で生活を始めることの大変さ、そしてそれを乗り越えた時の発見や、糧となる経験に大きな魅力を感じ、「できるだけいろいろなところに行ける会社」というシンプルな理由で日本航空に入社しました。

最初の配属は伊丹空港の国際線旅客担当(1994 年に関西国 際空港ができる前は、伊丹空港にも国際線が飛んでいました)。ここで顧客対応の基本を学んだ後、東京支店の国内線予約センターで勤務しました。バブル崩壊直後に本社広報部へ異動となり、ポスターの制作やテレビCMの撮影など華やかな現場に立てるかと思いきや報道担当に。リストラ施策なども行われた厳しい時代で、いかつい新聞記者を相手に日夜「切った張った」のやりとりをする日々でした。

その次に勤務したのは国際提携部。現在、日本航空はワン・ワールドという世界を代表する13の航空会社から成るアライアンスに加盟していますが、そういった複数の航空会社のアライアンスへ加盟するメリット・デメリットを検証することが当 時の私の仕事でした。

その後、福岡空港支店勤務を経て、たった2年ながら初の海外勤務となる米州支社空港業務部への赴任のためロサンゼルスへ。さらに本社企画業務部、そしてシアトルに来る直前の勤務地となった、関西空港支店に移りました。昨夏の台風 21号による雨で関空が文字通りの陸の孤島となり、3日間空港に缶詰状態になるという経験も味わいました。

シアトルには昨年11月より着任。シアトル支店長として空港事務所開設に当たりました。日本からは私を含めて8名が駐在し、現地スタッフ含め合計17名の 素晴らしいチームができました。

どこの床屋に行ったら良いか、車の購入はどうしようか、といった生活の中の小さな悩みから、空港や関係各所へのビジネス・ライセンス申請、業務委託会社との交渉まで、新しい土地で0から1を作り上げていくダイナミズムを楽しみながら、目前に迫ったシアトル―成田線の就航に向けて着々と準備を進めています。

昨年末から1カ月以上の政府機関の閉鎖があり、まさかの大雪もあり、余裕を持って組んでいたスケジュールも少し押し気味……。ここからがラストスパートです。シアトルという街の魅力のひとつでもありますが、とにかく人が優しいので、想像していたよりも支店立ち上げのハードルが低いように感じました。一方でニコニコしながらも実は全然事が進んでいなかったり、頼んでいたものと全く違う品が届いたりなど、アメリカらしさ(?)の洗礼もそれなりに受けています。

JALシアトル支店の皆さん。今月末に迫った就航に向けてチーム一丸となって準備に追われる毎日

この場で言えることも言えないことも含めて、これまでたくさんの苦労がありましたが、どんな局面でも根っこの部分では常に「多様性」を尊重できる組織、そして人でありたいと思っています。人それぞれの考え方や生い立ち、ジェンダーによって物事の受け止め方は違います。

広報部では正しい情報をいかに自分が相手に正しく伝えるか、そして結果として相手がそれを正しく受け止めるかを念頭に置いて仕事に励んできました。その後、国際提携部では、こちら側からの一方的な発信で動かすことのできる物事には限界があることを知り、この部署での経験が本当の意味での「交渉」を理解する第一歩になったように思います。

1対1で相手と交渉するときは、どれだけ自分たちに有利に事を運ぶか、自社に多くの利益をもたらすかという観点で話し合いを進めるものですが、複数の企業で何かを成し遂げようとする場合、この姿勢では一歩も前に進みません。日本人は時に、個人の能力や資質に頼り過ぎるところがあるように感じます。欧米の人たちはと言えば、組織作りや、組織がうまく回っていくための仕組み作りに長けています。

「世界で戦っていくにはアライアンスが必要」という目指すべき共通のゴールを見据え、そこからさかのぼって前に進んでいく力や、障壁を取り除いていく能力、そして結果的に大勢の意見をまとめていくプロセスを学ばせてもらい、ここでの経験が私の道しるべにもなっています。

シアトル―成田線へ就航する「ボーイング787・ダッシュ8」という機体は、ビジネスクラス30席、エコノミークラス156席で構成され、「世界一の評価をいただいたエコノミークラスの座席が自慢です。一般的な787のエコノミークラスでは1列に9席が設けられているところ、JALの機体では1列に8席の仕様となっており、ゆとりある足元スペースと合わせて前後左右とにかく広く快適です。

ビジネスクラスは、全席から通路にアクセスできる完全独立のフルフラットシート。快適に眠れるよう、専用に開発されたエアウィーブ社製のマットレスと枕 を導入し、機内食も「世界一贅沢な空の上のレストラン」と銘打ち、特に成田発の便では日本が世界に誇るシェフと最高の食材とのコラボレーションを楽しめます。また、日本航空はシータック空港に強いアラスカ航空やアメリカ全土に広いネットワークを持つアメリカン航空との提携がありますので、アメリカ国内での乗り継ぎやマイルの相互積算と交換の利便性も提供できます。

実はシアトルには個人的にも格別の思い入れがあります。1950年代に外交官として領事館に勤めていた父・中正と、現在は横浜港に展示してある氷川丸で留学のためにシアトルに渡ってきた母・美智子が、出会って結婚したのがこのシアトルでした。ハネムーンはイエローストーンだったと聞いています。今回の赴任は、母親が他界して間もなく受けた辞令だったのですが、両親に「頑張って来い」と背中を押されたような気持ちで、並々ならぬ縁と、何か運命的なものを感じています。

シアトルで行われた父・中正さんと母・美智子さんの結婚式

シアトル支店長として私に課せられた大きな使命は2つ。1つは、シアトルを日本人にとってもっと身近な街にすること。もう1つはシアトルに住むアメリカ人にとって、日本をもっと訪れたい場所にすること。訪日バブルとうたわれる昨今ですが、アメリカからの訪日客という観点ではまだまだ伸びしろがあります。ハワイの次に日本から近く、そして日本人に優しい街であるシアトルに、日本企業ももっと目を向けて欲しいので、そのための情報発信に努めていきたいと思っています。おかげさまで、チケット予約も好調です。日本への帰省や旅行に、ぜひご利用をお待ちしています。

3月31日よりJALシアトルー成田線直行便が毎日運行!

心地良い座席で快適な空の旅を

エコノミークラス
広々した座席が自慢のエコノミークラス。長時間のフライトも快適に過ごせる。

ビジネスクラス
憧れのビジネスクラス。このフルフラットシートに、1度は座ってみたい!

機内食のご紹介(例)

 エコノミークラス

エコノミークラスでは、有名店とのコラボレーション・メニューが楽しめる。写真は成田発JL068便で到着前の2食目として提供される「Air Japanese Soba Noodle 蔦」
 ビジネスクラス

東京西麻布「(レフェルヴェソンス)」生江史伸シェフが監修するビジネスクラス洋食メニューの例。成田発JL068便で提供される。

便名 JL067/AA8445  出発時刻 シアトル 2:15pm  到着時刻 成田 4:25pm(翌日)

便名 JL068/AA8446  出発時刻 成田 6:05pm  到着時刻 シアトル 11:05am

全共闘世代とは何だったのか

毎月数十点が出版され、「教養」「時事」「実用」と幅広い分野を網羅する日本の新書の新刊を通して、日本の最新事情を考察します。

┃ 全共闘世代とは何だったのか

『歴史としての東大闘争/ぼくたちが闘ったわけ』
富田 武(ちくま新書)

今年は、1969年1月の「安田講堂事件」から50年という節目の年である。

東大闘争を始めとする大学闘争を総括する『歴史としての東大闘争/ぼくたちが闘ったわけ』(富田 武著、ちくま新書)の著者は、当事者として東大闘争にかかわり、その後大学で歴史を教える立場となった。

当時の「若者」たちはすでに「古稀」前後、今の大学生の祖父母世代となっている。「ぼくたち」はなぜ闘ったのか。歴史家として、また一当事者として、「東大闘争のリアル」を若い世代に伝えたいという思いで本書を執筆したという。

『1971年の悪霊』(堀井憲一郎著、角川新書)の著者は、1958年生まれ。1971年とは、京都の高校で3年生が紛争を起こした年。その直後に入学した著者は、自分たちの高校に機動隊員が突入するという事件を体験した2、3年生との温度差を感じながら高校時代を過ごしていた。自分が左翼思想についていけない、と感じたのはいつ、どんなきっかけだったのか。

反抗する若者たちとその周囲の大人たちが持っていた「社会の気分」、「少し若いの世代の気分」を40年以上経った今、振り返る。

┃ しゃべれないのは悪いこと?

『吃音の世界』
菊池良和(光文社新書)

『吃音の世界』(菊池良和著、光文社新書)は、自身が吃音者として悩み続けてきた体験と、医師としての専門的な立場から吃音についてさまざまな情報を提供する。

吃音者は日常のさまざまな場面で困難や不安を感じ、吃音を隠すために人知れず大変な苦労をしている。以前の著者は、吃音について誰にも相談できず、どもることは悪いこと、人に隠すべきことと思い込み、しゃべる場面を避け「死」も頭をよぎることすらあったそうだ。

著者によれば、吃音者にとって良い聞き手とは、「話している最中は邪魔することなく内容を聞いてくれ、話し終えたときに内容にきちんと反応してくれる人」。当たり前のことのようだが、そうではない人のほうが多いのだという。

『ブロックチェーン/相互不信が実現する新しいセキュリティ』 岡嶋裕史(ブルーバックス)

『ブロックチェーン/相互不信が実現する新しいセキュリティ』(岡嶋裕史著、ブルーバックス)は、ブロックチェーンという技術の特性、可能性、そして限界について、最小限の基礎知識を理解するための1冊。

ブロックチェーンという用語を一般の人が初めて耳にしたのは、ビットコインの不正アクセスという大スキャンダルがきっかけだろう。その結果、世間的には「ブロックチェーン=ビットコイン=暗号資産(仮想通貨)」という認識が色濃く残っているはずだ、と著者は指摘する。

実際にはブロックチェーンという技術は暗号資産以外の用途への応用も進められている。管理者がいなくても動く仕組みであるブロックチェーンは、「権力からの独立」、「濡れ手に粟」「マネーロンダリング」とセットで語られがちだ。

ブロックチェーンという技術がさまざまな分野に応用され、育っていくことになれば、こうした当初の印象を変え、変化に柔軟に対応していくことが求められてくる、と著者は指摘する。

『昆虫は美味い!』(内山昭一著、新潮新書)の著者は、食材として虫を採り、調理し、食べ続けている「昆虫食の第一人者」だという。食糧難の解決策のひとつとして、家畜に比べて環境への負荷が少ない、持続可能な食料としての可能性が昆虫にあるというのが著者の持論だ。実際、昆虫食については以前では考えられないほど関心・注目が集まってきているという。

昨今、野生鳥獣を食べるジビエ料理もちょっとしたブームになっている。人工化した食への違和感を感じている人が増えているからではないか、と指摘する。
野生鳥獣を食べるのはハードルが高いが、山菜採り、キノコ狩り、潮干狩りのように季節の野生の食材を食べることを楽しむ人は多い。伝統的にイナゴやハチを取って食べる地域もある。

そうした自然との触れ合いとして考えれば、昆虫食もそう特別なものではないのかもしれない。

 

※2019年1月刊行から(次号につづく)

しおちゃんとしんコロの秘密のレシピ:ホタテとエリンギのともだち風

ホタテとエリンギのともだち風

ホタテとエリンギのともだち風 Photo by しんコロ

エリンギは貝のような食感があるので、ホタテの「ともだち」ということで命名したメニューです。
ブライン(塩水)に浸していないホタテ(魚介売り場で「Dry」と表記してあります)を用いることで、表面をこんがり仕上げることができます。
また、ペコリーノロマーノチーズは必須です。普段、わが家ではあまりホタテを料理しないので、しおちゃんが「おいしい匂いがするけど何だかわからない」キョトン顔をしていました。

材料(4人分)

⚫︎ ホタテ……………………………………………………………..….. 12個

⚫︎ エリンギ  ……………………………………………………………..   大1本

⚫︎ イングリッシュピー  ……………………………………………….. 1/2カップ

⚫︎ パールオニオン ……………………………………………………….. 数個

⚫︎ エシャロット ……………………………………………………………  小1個

⚫︎ エクストラバージンオリーブオイル ………………………..    大さじ3

⚫︎ バター …………………………………………………………………..    大さじ1

⚫︎ イタリアンパセリ …………………………………..………………  適宜

⚫︎ ペコリーノロマーノ ………………………………….……………… 大さじ1

⚫︎ 塩・コショウ …………………………………..………………………   適宜

作り方:

  1. イングリッシュピーとパールオニオンを下茹でしておく。

  2. 薄切りにしたエシャロットをしんなりするまでオリーブオイル(大さじ1)で炒め、1の半量を加えて塩・コショウで味を調える。
  3. 1の残り、茹で汁1/4カップ、オリーブオイル(大さじ1)、ペコリーノロマーノをフードプロセッサーに入れてピューレを作る。
  4. ホタテはペーパータオルで包んで水気を切っておき、ひと口大に切ったエリンギと一緒にオリーブオイル(大さじ1)を加えたフライパンで強火で焼く。
    仕上げにバターを入れて香ばしく仕上げ、2、3と共に盛り付け、イタリアンパセリを散らす。

春は大掃除の季節です!

太鼓の学校に聞く:子どもたちが日本の伝統文化を学ぶメリットとは?

シアトル近郊の専門家たちが、悩み多きバイリンガル子育てについて回答。子どもと楽しむ、子育てのヒント。

 

今回のテーマ

Q. アメリカで育つ子どもたちが日本の文化や伝統を学ぶメリットとして、どんなことが考えられますか?

 
 

A. 日本人である自分のルーツを学ぶことができ、自己主張と協調性を併せ持つグローバル市民としての心も育ちます。

 

アメリカのプリスクールで、もうすぐキンダーガーテンに入るという年頃の子どもたちが行うアクティビティーのひとつに「ショー・アンド・テル(Show and Tell)」があります。自分のお気に入りのアイテムをみんなの前で紹介し、プレゼンテーション力を磨く練習をするというものです。

ぬいぐるみにしようか、旅行の思い出の品にしようかと迷いながら選んで1品を発表し、自分の意見をはっきりと伝えます。そして、ほかの子どもたちは話を聞き、質問をします。自分と意見が違っても、まずは相手の考えを受け入れることを学ぶ大切な時間です。

これと同じ効果を持つのが、日本の民俗芸能。特に太鼓は、和のリズムと動きに加え「日本の所作」も含まれるため、アメリカで太鼓の演奏を披露することは、日本という自分のルーツの紹介にもなります。

当校は、地元各所で演奏する機会が多く、太鼓を習う子どもたちが通う現地校から公演依頼が舞い込むこともあります。そんなチャンスが訪れたときは許可をもらって、可能な限りその子が一緒に出演できるようにしています。

バイリンガルの子どもは、2つの国のバックグラウンドを持つことからアイデンティティーに悩み、自分をうまく出せないことも。クラスメートや友だちから、「日本の太鼓はクールだね」「そんな特技があったなんて知らなかったよ」という反応をもらうことで、大きな自信につながります。

太鼓は技術向上よりも精神鍛練が必要とされます。舞台袖で大声で話す、衣装が汚れている、太鼓を雑に扱うといった行動は、そのまま演奏に現れます。楽器と道具を丁寧に扱い、仲間を尊重すること、日本人の生活に根付いてきた太鼓とその伝承者である指導者に敬意を払うことが大切。

また、太鼓演奏はほとんどが合奏で、お互いの音を聴き、補い合うように演奏しますので、実社会における協調性を育むことができます。舞台演奏により、プレッシャーに負けない精神力も鍛えられます。そういう意味で、太鼓の稽古とは、自己主張と協調性、習慣やマナーを身に付け、感性を磨きながら心を育てる修練でもあります。

子どもたちは、私たち親世代と異なる、便利で刺激にあふれる時代に生きています。オンラインで友だちと簡単につながる一方、以前よりも子どもらしく、自分らしく生きることが難しくなり、中には悩みを抱える子どもも。多様な価値観や思想を持つ人々が共存するアメリカ社会では、自己をしっかり確立することがさらに求められるでしょう。

自分のアイデアを生み出し、表現できるように、創造性、自己肯定感を高めることも重要です。そのためには、好きなことを発見し、突き詰めること。そのひとつとして、日本の伝統文化にも目を向けて欲しいのです。

急速に変化する世の中では、もはや5年後は未知の世界。幼少期からのプログラミング学習が盛んな今、太鼓など「非ハイテク」な日本の伝統文化を学ぶ必要があるでしょうか? 答えはYESです。仲間と完成させる1曲と稽古の日々、舞台で響く自分の打つ太鼓の音、そこで目にする観客の生の反応……。

太鼓を通して経験する全てが、自分のルーツを自覚すること、グローバル社会を生きるために必要な力につながると信じています。いつの日かAIが太鼓演奏する日がやって来たとしても、生身の人間が心や感情を込めて打つ太鼓はやはり違うでしょう。

教えてくれたのは


太鼓の学校
立石あさこさん
太鼓の学校共同創設者。「太鼓を通じて日本を海外に伝える」をモットーに太鼓の舞台演奏や指導を積極的に行う。桜祭り、ジャパンフェア、ジャパンウイーク、サクラコン、シアトル・シンフォニーによる音楽の祭典「セレブレート・アジア」などでパフォーマンスを披露。5歳以上の子どもを対象とした日英バイリンガル太鼓教室もあり、4歳から参加できるサマーキャンプは7月8日(月)~7月12日(金)に実施予定。詳細はウェブサイトにて。

■The School of Taiko
シアトル教室:JCCCW
1414 S. Weller St., Seattle, WA 98144

ベルビュー教室:Bellevue College
3000 Landerholm Cir SE., Bellevue, WA 98007

info@japancreativearts.com
www.japancreativearts.com

 

日本飛行機株式会社 斉藤淳さん

シアトル駐在日誌

アメリカでの仕事や生活には、日本と違った苦労や喜び、発見が多いもの。日本からシアトルに駐在して働く人たちに、そんな日常や裏話をつづってもらうリレー連載。

取材・文:磯野愛

ボーイング社エバレット工場にて。ボーイング社、調達担当のダグラスさん(左)と

#16 斉藤 淳
静岡県出身。2007年、日本飛行機株式会社入社。2015年よりシアトル事務所に所長として赴任。忙しい仕事の合間には人とはちょっと変わった趣向の旅行を家族で楽しんでいる。

親の熱心な後押しで、高校からオーストラリアに留学しました。飛行機が大好きだったので、高校時代に自家用操縦士資格を、その後進学したモーゼスレイクにあるビッグ・ベンド・コミュニティー・カレッジでは航空機整備士資格を取得しました。

大学への編入のため日本に戻った後、川崎重工業グループ傘下の日本飛行機に就 職。日本飛行機は航空宇宙機器の製造や機体整備を行う会社で、ボーイング社向けの航空機部品は横浜本社に併設された工場で製造しています。約300〜600万点の部品から構成される「777」や「747」という大型機のうち、日本飛行機は主翼や胴体の構成品、フラップと呼ばれる補助翼、そして車輪を格納する扉などの製造と組み立てを手掛けています。

そのボーイング社からは2016年度に「サ プライヤー・オブ・ザ・イヤ ー 」、2017年度には「パフォーマンス・エクセレンス・アワード」を受賞しました。特に「サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」は毎年世界中のサプライヤー1万3,000 社の中から十数社のみ選ばれる大変名誉ある賞です。

私は入社してすぐ、海外営業部に配属となり、北米企業への営業活動と納期や契約の管理などを行っていました。2015年より、ここシアトルに赴任となり、航空機製造の最前線で顧客と自社の橋渡しをしています。顧客とのコミュニケーション、および信頼関係の構築はもちろんのこと、自社が製造した製品の状況を確認するため、組み立ての現場を直接確認する作業もしています。

ボーイング社の工場はとにかく広大な敷地面積ですから、ひと回りするだけで も2時間は必要。全作業工程を把握したうえで、現場の情報をいち早く、正しくキャッチできるように努めています。駐在員が私ひとりということもありますし、またここではセールス全般から納期、契約業務、自社製品のクオリティー管理など、多岐にわたる知識と経験が求められるので、日本にいた頃よりも正直多忙な毎日です。学生時代も含め、ここまで紆余曲折ありましたが、無駄なことはひとつもなかったと感じています。

自宅はレドモンドにあり、妻と小学5年生の息子、小学1年生の娘の4人で暮らしています。子どもたちは現地校とシアトル日本語補習学校に通っており、やはり最初は英語や友だち作りに苦労していました。妻も日々頑張ってくれていて、そんな家族を見ていると自分も負けていられないな、といつも励まされる思いです。

家族旅行で北極圏へ

休日には子どもたちとエドモンズの桟橋へ釣りに行きます。ここ までの釣果はたったイカ1杯だけですけれど……(苦笑)。そこに は野生のアザラシも集まって来ます。日本だとアザラシが顔を出 せばアイドルさながらの人気ですが、こちらでは魚を狙いに来た 正真正銘の「厄介者」。この辺りの文化の違いも面白いですよね。

まとまった休みが取れた時は家族で少し変わった旅行に出かけ るのが好きです。無線機やサバイバルキットを搭載した特殊な車 で北極圏以北の村までドライブしたり、吉野家の牛丼を食べにカ リフォルニア州まで1日かけてドライブしたりもしました。先日 はネバダ州の砂漠でなんとUFO遭遇!?(後日、打ち上げられたロ ケットと判明)。

シアトルに来てから、仕事はもちろん、さまざまな活動などを通じ て、日本ではなかなか出会うことのできない方々ともたくさん知り 合うことができました。これからもこの出会いに感謝して、残りの 駐在生活を楽しんでいきたいと思います。

生命倫理をめぐるさまざまな難題

┃ 生命倫理をめぐるさまざまな難題

生命の自己決定はどこまで許されるのか。また、認知症になった場合、事前に意思表明した安楽死を実行できるのか。年間6,000人を超える安楽死が実施されている「先進国」のオランダでも、現在この難問に直面しているという。

『安楽死・尊厳死の現在/最終段階の医療と自己決定』(松田純著、中公新書)では、「耐え難い苦しみが取り除けない場合に限り、安楽死を容認する」と、安楽死が合法化されているオランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダの各国ごとの成立の背景、最新の事例を紹介し、さまざまな文化、宗教で議論され続けてきた「死ぬ権利」とは何かという重い課題に向き合う。オランダでは近年、認知症と精神疾患を理由とする安楽死件数の急増が懸念されており、その背景について論じている。

『なぜ人と人は支え合うのか』
『障害』から考える
渡辺一史(ちくまプリマー新書)

2016年、神奈川県相模原市の知的障害者施設で、元職員が入所者を次々と殺傷する事件を起こした。犯行に及んだ後「、障害者なんていなくなればいい」という趣旨の供述をしている。『なぜ人と人は支え合うのか/「障害」から考える』(渡辺一史著、ちくまプリマー新書)は、「障害者に生きている価値はあるのか?」という「問い」をどう考えたら良いか、障害者が生きやすい社会をつくることは、誰にとって「トク」になるのか、読者に考えさせる。「障害者はいなくなったほうがいい」と、普通の人は(心の中で思っていたとしても)口にはしない。しかし、「自分なら延命治療をしてまで生きていたくない」「認知症になって人に迷惑をかけるくらいなら、自分は死を選ぶ」「もし事故で半身不随になったら、自分なら安楽死を希望する」などと口にしたり書いたりする人は「非常に多い」と著者は指摘する。

『認知症の人の心の中はどうなっているのか?』
佐藤眞一(光文社新書)

認知症は、現在はまだ予防法も治療法も確立されていない。今の私たちが取り組めることは、「コミュニケーション」というケアの質を高めることだ、と訴えるのが『認知症の人の心の中はどうなっているのか?』(佐藤眞一著、光文社新書)。認知症の人が見ている世界とは、私たちが見ている世界とは異なるのではないか、という観点に立ち、「アルツハイマー型認知症」など代表的な4つの型の認知症それぞれについて、その特徴的な行動や心理を解説している。

認知症の人とかかわっていると、私たち自身の常識から考えて「なんでそんなことをするのか/言うのか」と思うような言動が多いだろう。著者が言うように、「認知症の人の立場に立って考える」というのは非常に難しいが、認知症の人との生活や介護を少しでも楽するヒントがいくつも見つかるのではないだろうか。

『老いと記憶/加齢で得るもの、失うもの』(増本康平著、中公新書)でも、加齢による記憶の衰えのメカニズムについて着目している。著者は特に、認知症予防の取り組みについて脳トレや各種訓練の効果について触れる。認知症スクリーニング検査に類似した課題を事前に練習するなど、訓練の内容によっては、仮に検査の点数が上がったとしても、「認知症の発見を遅らせる」ことにもなりかねないという。

認知症になることを過剰に恐れるのではなく、認知症になった後も生活の質をどうすれば維持できるのか、介護の問題をどう克服していけば良いかを社会全体で考えるほうが得策ではないか。老いを前向きに受け入れるヒントを提案する。

『「オウム」は再び現れる』
島田裕巳(中公新書ラクレ

間もなく迎える3月20日。多くの犠牲者を出した、あの地下鉄サリン事件から24年が経とうとしている。

2018年7月には、数々の凶悪事件を引き起こしたオウム真理教の、「教祖」麻原彰晃を始め、13人の死刑囚に対する刑が執行された。死刑の執行で、「オウム」を終わりにして良いのか。『「オウム」は再び現れる』(島田裕巳著、中公新書ラクレ)は、特に当時のことを知らない若い世代に向け、オウムのことを伝えていくための1冊となっている。

※2018年12月刊行から

唾液検査が注目されている

健康な歯でスマイルライフ

日本では北海道医療大学歯学部で博士号を取得。米国でもロマリンダ大学歯学部を卒業し、2005年にPAN-PACIFIC DENTISTRY(パンパシフィック歯科医院)を開業した中出修先生に、アメリカで生活する日本人へ向けて歯や口腔について、説明していただきます。

唾液検査が注目されている

唾液は無侵襲(被検者に負担をかけず随時に採取できる)の検査材料として貴重です。歯科では、虫歯予防など唾液の重要性が昔から認識されており、最近では虫歯リスクや歯周病進行度の判定に使われています。医学の分野では、同じく無侵襲で採取できる尿ほど利用されていませんでしたが、近頃は唾液に注目しているようです。

虫歯のリスク検査

  1. ミュータンス菌数:虫歯発生の主役級細菌 であるミュータンスの唾液中菌数を測定。
  2. 唾液緩衝能:糖質摂取により酸性に傾いた唾液が中性に戻る能力を判定。
  3. 唾液量:規定時間内に出る唾液の量を調べる。分泌が少ないと虫歯になりやすい。
  4. ラクトバチラス菌:できた虫歯を大きくすることに関与する菌の数を調べる。

歯周病の検査

歯周病による歯肉出血の指標となる唾液 中のヘモグロビン(Hb)や歯周病による組織 破壊の指標となる乳酸脱水素酵素(LDH)を 測定するキットが製品化されている。歯周 ポケットから出る炎症性サイトカインの量 を測定することもある。

唾液を用いたストレスや疲労度の検査

  1. アミラーゼ値:唾液に含まれる消化酵素のアミラーゼは、ストレスを受けると多く分泌されるという特徴がある。唾液のアミラーゼ濃度がストレスによる交感神経の興奮と密接に関係することを利用。
  2. クロモグラニンA:ストレスにより交感神経が興奮し、そこから分泌されるタンパク質の一種が上昇。唾液にも分泌される。
  3. コーチゾール値:ストレスがかかると副腎皮質ホルモンであるコーチゾールの分泌が高まり、血中や唾液中の濃度が高まる。
  4. ヒトヘルペスウイルス6、7(HHP-6、7)値:疲労が蓄積すると体内に潜伏してい たヒトヘルペスウイルスが再活性化。中でも唾液中に出やすいヒトヘルペスウイルス6や7の値を測定し、疲労度を判定。 東京慈恵会医科大学の近藤一博教授によって発見された。

唾液によるがんのスクリーニング

自分で採取した唾液を指定された病院に送付し、すい臓・大腸・乳腺・肺・口腔などのがんリスクを判定する簡易キットが製品化されている。

唾液を用いた遺伝子解析により、 病気のなりやすさを検査

唾液を用いた遺伝子検査により、病気のなりやすさや体質を判定するキットが数社から発売に。なりやすい疾患を予測できるため、予防に役立つとされる。

まとめ

今回は、歯科や医科で注目を集める唾液検査について書きました。唾液を使い、虫歯や歯周病だけでなく、がんのスクリーニングなどいろんな検査ができます。

興味のある方は、歯科医や医師に相談してみてください。

グルテンフリー・チョコレート・カップケーキ

グルテンフリー・チョコレート・カップケーキ
今月は持ち運びにも便利な、3種類の材料で簡単に作れるグルテンフリーのチョコレート・ケーキを紹介します。
冷やすとさらにしっとりとして、おいしくなりますよ。
(イラスト:かとうはつみ ブログ: happysbk.exblog.jp)

グルテンフリー・チョコレート・カップケーキ

材料(5個分):

  • グルテンフリー・チョコレート………………… 100グラム
  • 卵白………………………………60グラム
  • 砂糖………………………………10グラム

作り方:

  1. チョコレートは細かく刻み、湯せんで溶かす。オーブンを350度に予熱する。
  2. 卵白を水気のないボウルに入れる。途中、砂糖を加えながら、つのが立つまでしっかりとメレンゲを泡立てる。
  3. 1.のチョコレートに2.のメレンゲを切るように少しずつ入れて混ぜる。
  4. 2.をカップケーキ型に入れて、 オーブンで約15分焼く。竹串を刺して、生地がくっ付いてこなければ出来上がり。 ※冷やす場合は耐熱容器に入れると乾燥しにくい。

 

レシピを連載してくれている、田中せつこさんのおいしいペイストリーは以下のお店で購入できます。

せつこペイストリー(Modern Japanese Cuisine内)
☎206-816-0348 setsuko.pastry@gmail.com ウェブサイト
無着色、無添加にこだわった完全オーダー制の人気お菓子店。やさしい甘さのいちごのバースデー ケーキがいちばん人気のほか、抹茶のロールケーキはANA成田―シアトル路線でビジネスクラスの デザートに採用されたこともある。オーダーはメール、または電話にて引き渡しの3日まで受付。商品の引き渡しはもだんの営業時間内に、もだん店内にて。

Modern Japanese Cuisine もだん
6108 Phinney Ave. N., Seattle, WA 98103
☎206-420-4088 ウェブサイト
2015年にオープンした居心地の良い日本料理店。どこかほっとする照り焼き定食やカレーに加え、せつこペイス トリー自慢のデザートまで楽しむことができる。

しんコロ家のロールキャベツ

今、しおちゃんと僕はボストンに住んでいて、こちらはシアトルよりも遥かに寒いです。ということで、今回は寒い日にぴったりのロールキャベツ。日本人になじみのあるロールキャベツは、それぞれの家庭にレシピがあると思います。このレシピは、僕が子ども時代から食べている、わが家の味です。しおちゃんはキャベツでクルクル包む部分で参加したがりますが、しおちゃんがキャベツの上に手をのせないように注意しながら巻いていきます。

Photo by しんコロ

材料(4人分):

  • キャベツ………………………………….. 1 玉
  • 玉ネギ………………………………….. 小1個
  • エキストラバージンオリーブオイル……大さじ2
  • パン粉………………………………..大さじ4
  • 牛乳……………………………………大さじ4
  • 合い挽肉…………………………1 パウンド
  • 卵…………………………………………….. 1 個
  • ナツメグ…………………………………..適宜
  • チキンストック………………….3 カップ
  • ニンジン………………………………….. 1 本
  • ローリエ………………………………….. 2 枚
  • しょう油…………………………….小さじ1
  • 白ワイン…………………………….大さじ1
  • 塩・コショウ……………………………..適宜
  • 黒コショウ……………………………….適宜

作り方:

  1. 沸騰した鍋に塩を少々加えてキャベツの葉を3分茹でる。引き上げて粗熱を取っておく。
  2. 玉ネギのみじん切りをオリーブオイルをひいたフライパンでしんなりするまで炒め、粗熱を取っておく。容器に入れたパン粉に牛乳を加えて湿らせておく。
  3. ボウルに②と肉、卵、ナツメグ、塩・コショウを合わせて入れ、軽くこねて、たねを作る。たねを適当な大きさにまとめて、キャベツの葉でそれぞれ包み、楊枝で開かないように留める。
  4. ③を鍋に入れ、チキンストック、ローリエ、しょう油、白ワイン、短冊切りのニンジンを加え、弱火で1時間弱煮る。塩・コショウで味を調節する。盛り付けたら仕上げに黒コショウと、オリーブオイルを少々垂らす。

広がり続ける格差

┃ 広がり続ける格差

『東京格差/浮かぶ街・沈む街』(中川寛子著、ちくま新書)は、2000年以前、2000年以降から現在、将来に分けて東京近郊の「街の価値」の変遷を検討する。便利な街、憧れの街(ブランド)、住民サービスが手厚く住みやすい街など、さまざまな指標で選ばれてきた都市の住環境。今後は災害に対する強さ、自治体の税収を左右する住民の年齢構造など、将来の持続可能性が街の「魅力」につながる時代となっていく、としている。

すでに人口減少の影響が出ている地方都市と違い、東京近郊エリア(本書で取り上げられているのは東京駅から主に40キロ圏)の格差はこれから如実に出てくるという。「住む」という一機能だけを持つ街、住人が均質化している街、その状態が長い間固定されている街、そうした「動きのない」街が今後、高齢化と共に沈んでいく危険性が高い、と警告する。

『老いた家 衰えぬ街』
住まいを終活する
野澤千絵(講談社現代新書)

全国各地で「空き家問題」が社会的な関心事となっている。『老いた家 衰えぬ街/住まいを終活する』(野澤千絵著、講談社現代新書)では、空き家の実態を調査していると、所有者自身が、対応したくても対応が困難な、複雑な理由を抱えていることがほとんどだという。著者は、親世代から相続後、処分するのをためらい「今はそんなに困っていないし、とりあえず置いておこう」となったままの実家を「問題先送り空き家」と名付けている。

今ある街を、将来世代にどうバトンタッチできるか、個人で、社会全体で取り組むべき「住まいの終活」の第一歩を提唱する。

『アンダークラス』
新たな下層階級の出現
橋本健二(ちくま新書)

『アンダークラス/新たな下層階級の出現』(橋本健二著、ちくま新書)は、将来の日本を考えるうえで避けては通れない、新しい階級社会の構造、特に「アンダークラス」と呼ばれる労働者階級の底辺について、データを基にその実態と窮状を明らかにしていく。従来の「資本家階級、中間階級、労働者階級」という階級のうち、労働者階級の底辺に、「アンダークラス」という階級が出現している、としている。

著者の算定ではアンダークラスに当たる人々は930万人いるという。その人々の平均年収は186万円となり、年収は年々減少し続けている。低賃金のアンダークラスの存在を前提として成り立つ経済の仕組み、巨大なアンダークラスを生み出す社会の仕組みをこのまま放置しておくと、日本社会は間違いなく危機的な状況を迎える。今、安定した職に就いている人々も、いつアンダークラスに転落してもおかしくない。他人事ではなく考えていくべき課題だと警告する。

 

┃ 宗教と熱狂

2018年は明治維新から150年目という節目の年に当たり、明治維新に関係する新書が多数刊行された。その華々しい「明治維新」の物語で、詳しく語られることがないというのが「廃仏毀釈」についてだと『仏教抹殺/なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』(鵜飼秀徳著、文春新書)の著者は言う。

明治新政府は天皇を中心とする祭政一致の国づくり、神道国家を目指したため、長い歴史の間、神道と混じり合ってきた仏教を明確に切り分ける必要があった。神社と寺社を分離する神仏分離令という一連の政策が出された後、市民を巻き込んだ激しい仏教排斥運動は、新政府のコントロールをも超え、文化財破壊にエスカレートしていった。ジャーナリストの著者は僧侶としての顔も持つ。日本各地に足を運び、仏教迫害という「黒歴史」の痕跡をたどる。

『巡礼ビジネス』
ポップカルチャーが観光資産になる時代
岡本 健(角川新書)

アニメ映画など、物語の舞台となった場所に多くの人が訪れる、「アニメ聖地巡礼」という行動は、従来の「観光」をどう変えていくか。『巡礼ビジネス/ポップカルチャーが観光資産になる時代』(岡本 健著、角川新書)では、「観光学」と「メディアコンテンツ学」の両面から、アニメや映画が中心となるポップカルチャーが、いかに観光「資源」となっているか、現状の課題点、将来あるべき姿も含めて考察する。

アニメに限らず、ドラマや小説の舞台をめぐったり、作者ゆかりの地を訪ねる「コンテンツ・ツーリズム」は、観光ビジネスにおいて重要な要素となる。これまでは観光資源と考えられなかったような場所に多くの人が集まると、地域住民とのトラブルなどマイナス面も、もちろん起こり得る。国内外の観光客に向けた情報の発信方法や地域でのルール策定なども重要だと提案している。

※2018年12月刊行から(次号につづく)

 

「バレンタインデー」

 

名港海運株式会社 戸田武志さん

シアトル駐在日誌

アメリカでの仕事や生活には、日本と違った苦労や喜び、発見が多いもの。日本からシアトルに駐在して働く人たちに、そんな日常や裏話をつづってもらうリレー連載。

取材・文:磯野愛

戸田武志さん。デモインのオフィス前にて。ここには3万平方フィートの広さを持つ倉庫が併設されており、クライアントから預かる商品が大切に保管されている

戸田武志■広島県出身。2005年名港海運株式会社入社。メイコー・アメリカ(Meiko America, Inc. )、ロサンゼルス支店を経て2016年8月よりシアトル駐在となる。南山大学アメリカン・フットボール部時代はクオーターバックを務めた花形プレーヤー。

父や親戚が物流業界に勤めていたため、自然にこの業界を志しました。名港海運の「名港」とは「名古屋港」のことで、その名の通り、名古屋に本社を置く物流会社です。入社後はおよそ1年半、名古屋港で中国の船会社の代理店として「ハズバンディング業務」、つまり船の入港から出港までを管理する業務を担っていました。船は女性にたとえられることが多いことから、船(=妻)のエスコートをする夫の役目というわけです。その後は名古屋港に到着する貨物の物流手配・書類作成をする輸入業務、北陸地区の新規開拓営業担当を経て、念願かなってメイコー・アメリカのロサンゼルス支店に転勤。そこで海外業務を一から学ばせてもらい、2016年よりシアトル支店長となりました。

メイコー・アメリカはロサンゼルスに本社を置き米国内8カ所に支店がある総合物流会社。輸出入のための書類準備から、貨物を一時的に保管しておくための倉庫の管理、最終目的地までの海上・航空・陸送等の手配までを一貫して行っています。大切な商品が壊れたり傷付いたりすることなく、スケジュール通りに目的地まで届くと本当にホッとします。

時には思いもよらないトラブルも起こります。協力会社によるものから、想定外の天候の悪化まで、ひと筋縄では行かないこともしばしば。また、コンテナに入り切らない大きなサイズの貨物や、1つ何千万円もするような高価な貨物を運ぶこともあり、臨機応変な対応が求められます。昨春、シアトル支店の管轄であるバンクーバー港から、およそ3カ月にわたってコンテナ100本以上を運ぶという一大プロジェクトがありました。「今日はコンテナがどこにあるのか」と、位置を確認しながら、事故やトラブルなく目的地に納入できるよう見守り続ける毎日でした。そんな中で心がけていたのは、「焦らず粛々と」。ロサンゼルス支店時代の上司がよく口にしていた言葉です。道中でトラブルが起こったとしても、焦ったところで何の解決にもなりません。さらに支店長という立場の私が焦りを見せてしまうと、周囲に不安を与えてしまいます。業務中は常にこの姿勢を意識するようにしています。

家族でシアトル・シーホークス観戦へ

自宅はベルビューにあり、妻と9歳の娘、7歳の息子、そして愛犬コジローの5人(?)暮らしです。週末勤務や残業もあるので、子どもたちの送り迎えから家のこと全般まで、家庭を一手に支えてくれる妻には本当に感謝しています。家族での話題は目下、アメリカン・フットボール。息子はフラッグ・フットボールのチームに入って実際にプレーをしていますし、娘も私が社会人チームでプレーする姿を見てくれていたのでルールはバッチリ頭に入っています。休みが取れるとアメリカ国内で家族旅行に出かけるのですが、各地でアメリカン・フットボールのプロリーグであるNFL所属チームのホーム・スタジアムを見学しては、そこで公式ボールを買うというのが戸田家の習わしです。現在、32チーム中22チームのボールが集まりましたので、コンプリートまであと10個! これを成し遂げるまで日本へは帰れません。

メイコー・アメリカは昨年で創立45周年を迎えました。私が今、日々の仕事を順調に遂行できるのも、先輩駐在員の方々を始め、現地スタッフの長年の努力のおかげです。名港海運のアメリカ進出は、ここシアトルからスタートしました。そのような歴史ある場所に赴任できたことは、自分の人生において大きな喜びであると同時にプレッシャーも感じています。これからも支店スタッフと共に、お客さまのさまざまなニーズに応えられるよう頑張っていきます。

アメリカン・フットボールに明け暮れた青春時代。頭はCoolに、心はHotに。いつも冷静な判断が求められるクオーターバックというポジションから、たくさんのことを学んだ

おひさま学習幼稚園に聞く:コミュニケーション能力を家庭で伸ばすには?

シアトル近郊の専門家たちが、悩み多きバイリンガル子育てについて回答。子どもと楽しむ、子育てのヒント。

 

今回のテーマ
コミュニケーション能力が大事とよく言われます。
家庭で伸ばす方法を教えてください。
 
自分の考えを相手にきちんと伝えられるように、幼児期から表現力の基礎を積み上げておきましょう。

母「お風呂見てきて」、母「どうだった?」、子ども「四角だったよ」――以前、子ども向けの笑い話を集めた本で読んだものです。話としては面白いですが、もし仕事や学校のテストでの場面なら、どうでしょうか?

表現力とは、自分の思いや考えを、相手にわかりやすく伝える力です。言語や音楽、アートなど、表現にはいくつか手段がありますが、特に言語は「日常や社会で生きる力」の要。よく言われるコミュニケーション能力の高さとは、表現力の高さにあります。表現力が足りないと、相手に誤解されてしまうこともあるからです。

近年、子どもの表現力低下が心配されています。自分の感情をうまく表現できなかったり、相手の話を聞かず自分の思いばかり伝えたりと、対人関係でトラブルになることがあるようです。円滑なコミュニケーションには、一方的に自分の考えを押し付けるのではなく、相手の気持ちや表情を読み取りながら、理解しやすく話すことが大事です。

日本では2020年の大学入試改革に向けて、「論理的思考力」や「記述力」が教育現場でも重視されるようになり、思考力、判断力、表現力をバランス良く育成することが求められています。数学の公式や英単語を暗記するといった知識を蓄える教育は、勉強の土台です。今後は、語彙や知識を使って、ひとつだけでない自分の答えを見つけ、自分の言葉で表現することがさらに必要となります。

変化の多い社会の中で未来を切り開くためにも、幼児期から表現力の基礎を積み上げておきましょう。そうすれば子どもは将来、自己表現をする場面と、人と協調する場面との区別が、柔軟に判断できるようになります。以下、家庭でできる具体的な方法を紹介します。

1.読み聞かせやしりとりで語彙を増やす

絵本の読み聞かせは、言葉を学ぶだけでなく、視野を広げ、想像力を豊かにします。しりとりも良いでしょう。慣れたら、3文字しばりにしたり、食べ物や動物などテーマを決めたりして難易度を上げてみてください。

2.自分の考えを伝える機会を持つ

1語やYES/NOで答えられない質問をして、自分の考えを相手に伝える機会を増やしてあげましょう。子どもの話をじっくり聞いて、共感してあげると良いでしょう。

3.聞く力を身に付ける

小学校では、プリントやボードに書かれた言葉や説明を見て、または先生の説明を聞き取って理解する力が必要になります。聞く力を育むには、逆さ言葉遊びのほか、読み聞かせた本の内容を説明してもらうのも効果的です。

豊かな表現力は、日々の出来事や人生を鮮やかにする宝。友だちと協力し、わかり合う喜びは、子どもたちの生きる力を育てます。最後に、私も普段から気を付けている「話し方かきくけこ」を紹介させてください。「か」顔を見て、「き」きちんとわかりやすく、「く」口をしっかり開けて、「け」敬語で、「こ」声の大きさに気を付けて話す、というものです。子育てのお役に立てれば幸いです。家族みんなで楽しんでくださいね。

 

教えてくれたのは

おひさま学習幼稚園
アレン聡子さん
おひさま学習幼稚園園長。小学生の頃から日本語表現の面白さや奥深さに興味を持ち、大学では日本文化学科を専攻。子どもたちがワクワク学び成長できるように、毎日のクラスや行事の準備、また日本語の楽しさを伝えるために日々奮闘中。

■Ohisama Gakushu Yochien
14715 SE. 46th St., Bellevue, WA 98006
☎425-401-6862
www.ohisamayouchien.com

 

老い支度とは何か

┃ 老い支度とは何か

『百まで生きる覚悟』
超長寿時代の「身じまい」の作法
春日キスヨ(光文社新書)

人生100年時代、と言われる現代に多くの高齢者が望むのは「ピンピンコロリ」。「終活」という言葉も一般的になり、自身の葬式や墓についての希望を書き残す人も増えている。『百まで生きる覚悟/超長寿時代の「身じまい」の作法』(春日キスヨ著、光文社新書)の著者は、こうした「終活」ブームの割には、「ピンピン」と「コロリ」間の時期、つまり自分が誰かの世話にならざるを得ない時期が来ることに向き合っている高齢者は少ないのではないか、と指摘する。70代から80代の「昭和生まれ」世代は、「子どもの世話にはなりたくない、なれない」と言う人が多い。健康増進に熱心に取り組み、趣味や友人との交流にエネルギーを注ぐ元気な高齢者世代だが、老い衰える姿に向き合うことは避け、「暗いことは考えたくない」「成り行き任せ」にしがちである実態を、さまざまなインタビューから明らかにしている。これからは、いざ倒れたときに頼れる親族がそもそもいない、そういう人も増えてくる。本当に必要な「老い支度」とは何か、何から備え始めたら良いのか、高齢者自身も、支える世代も現実的な面から考えておく必要がある。

『自炊力/料理以前の食生活改善スキル』(白央篤司著、光文社新書)はタイトル通り、料理「以前」のところから始められる、食生活改善のための提案を盛り込んだ1冊。自分ひとり分の食事を手軽に、好きなように調達できるスキルを身に付けることは、慣れれば決して難しいことではない。ライフスタイルに合わせて自炊のハードルを下げることは、長い人生を生きていくうえで誰にとっても必須のスキルだとしている。日本人は、毎日完璧な栄養バランスを、と気にし過ぎたり、手間ひまかけた食事を用意しなければならないと思い込み過ぎたりしているのでは、とも指摘している。

 

┃ 就職氷河期世代の貧困

『ルポ 中年フリーター』
「働けない働き盛り」の貧困
小林美希(NHK出版新書)

現在の労働市場において、新卒採用は空前の「売り手市場」となっている。一方で労働市場において忘れられ、見過ごされている問題がある。『ルポ 中年フリーター/「働けない働き盛り」の貧困』(小林美希著、NHK出版新書)で取り上げられている、就職氷河期時代に社会に出て、正社員になれずに現在「中年フリーター」と呼ばれるようになった人たちの存在だ。日本では、新卒時に正社員になれなかった者は、そのまま非正規の職に就くことが多い。かつて新卒時に就職氷河期を経験した世代が今、中年(35歳から54歳)の年齢になった。好景気に見放された「中年フリーター」たちは、不安定な雇用、過酷な労働環境で働かざるを得ない。当事者への取材と、各種統計とを併せて紹介し、近い将来、社会保障制度を根本から揺るがしかねない、見えざる貧困問題について警鐘を鳴らす。

『給食の歴史』(藤原辰史著、岩波新書)は、学校給食の歴史を振り返る、ありそうでなかった1冊。ある人にとっては楽しみであり、ある人には苦痛だったかもしれない給食という時間。多くの人がさまざまな「思い出」を持つ学校給食だが、普通の人は自分が通った地域の給食しか知らない。日本の教育にどのような影響を与え続けてきたのか、諸外国の「給食」と比べ日本の給食にはどんな長所と短所があるのかなど、知っているようで知らない給食の歴史を振り返る。貧困児童への配慮、食物アレルギーへの対応、給食の合理化と質の確保の問題、調理員の待遇など、給食に関連する現在進行中のさまざまな課題についても触れる。

 

┃ 世界はアフリカをどう見ているか

『改訂新版 新書アフリカ史』
宮本正興、松田素二(講談社現代新書)

『改訂新版 新書アフリカ史』(宮本正興+松田素二編、講談社現代新書)は、20年ぶりに改訂されたアフリカ入門書の決定版(初版は1997年)。この20年間、世界の中でも特に大きな変貌を遂げたアフリカ現代史部分を大幅に加筆し、その他の記述に関しても、新しい知見や主張に基づいて内容を全て見直したという。

初版が刊行された頃の20世紀末のアフリカは、相次ぐ内戦、飢餓や貧困、HIV/エイズの蔓延、環境破壊など、「絶望の時代」と考えられていた。それが21世紀に入り、アフリカは「成長する大陸」として、国際的に確固とした地位を得ている。金、ダイヤモンド、石油、レアメタルを始めとする豊富な天然資源と、世界平均の2倍以上の割合で人口が増加する「若さ」が、アフリカの経済成長を牽引している。一方で格差の拡大と固定、環境破壊は前世紀に引き続き深刻な課題でもある。アフリカ市場で圧倒的存在感を増している中国の戦略にも注目し、世界はアフリカをどう見ているか、今後アフリカはどう変化していくのか、さまざまな視点から考察する。

※2018年11月刊行から(次号につづく)

 

歯科麻酔後の痺れた感覚をなるべく早く消す方法

健康な歯でスマイルライフ

日本では北海道医療大学歯学部で博士号を取得。米国でもロマリンダ大学歯学部を卒業し、2005年にPAN-PACIFIC DENTISTRY(パンパシフィック歯科医院)を開業した中出修先生に、アメリカで生活する日本人へ向けて歯や口腔について、説明していただきます

歯科麻酔後の痺れた感覚をなるべく早く消す方法

虫歯の治療、クラウン、抜歯、ルートキャナルなど歯科治療の多くの場面で登場する注射による局所麻酔。残念ながら、歯科の注射の麻酔を好きな人はまずいません。歯科治療の恐怖心の大部分が、診療時の痛みと、この麻酔時の痛みによるものでしょう。われわれ歯科医は、可能な限り安全で痛くならないように、局所麻酔に細心の注意を払っています。

一方で、歯科麻酔後、どのくらいで麻酔が効かなくなるかを気にする方も少なくありません。歯科診療後すぐに食事や会話が必要なこともあるのでしょう。また、唇の感覚がなくなるために唇を誤って噛むことも軽減できるかもしれません。診療時に痛くなく、診療後は麻酔の痺れが速やかに消える、これが理想なのです。

しかし、診療が終わってすぐに麻酔の効果がなくなるというのは、まずありません。麻酔液が局所に残っている間は、麻酔の効力が残ることになるからです。ただ、少しでも早く効力がなくなる方法がないわけではありません。今回は、歯科麻酔後の痺れた感覚をなるべく早く消すほぼ唯一の方法、OraVerseという製品の注射について書きたいと思います。

OraVerseとは?

歯科の局所麻酔のほとんどが、その効力を高め、作用時間を長く維持させるため、エピネフリン(アドレナリン)などの血管収縮薬を少量入れています。麻酔薬が毛細血管から吸収されるのを抑制し、麻酔液が麻酔部位に長く留まるようにしているのです。

OraVerse (Phentolamine mesylate, an alpha-adrenergic antagonist)とは、簡単に言うと血管を拡大させる薬物です。麻酔薬が局所に留まる時間を短縮させ、麻酔作用時間を短くします。歯科治療が終わったら、その部位にOraVerseを注射して使います。しかしながら、OraVerseの作用機序(効果のメカニズム)については、まだ完全に理解されておらず、その他の作用機序が発見される可能性も残っています。

OraVerseの副作用

ごくまれに血圧の低下、不整脈等の副作用が報告されています。心血管系に持病がある場合、使用には慎重になる必要があります。また、3歳以下の子ども、あるいは体重が33パウンド(15キロ)以下の場合、安全性が確認できていないので使うことはできません。

OraVerseのコスト

現状では、保険でカバーされない場合がほとんどです。OraVerse使用には追加費用がかかると考えておきましょう。試したい方は、まず歯科医に相談してみてください。場合によってはOraVerseを使ってくれるかもしれません。

卵焼き器でグルテンフリー・ブラウニー

卵焼き器でグルテンフリー・ブラウニー
バレンタインデーにもぴったり。フライパンで簡単にできるブラウニーのご紹介です。 2日目はしっとりして、さらにおいしいですよ。
(イラスト:かとうはつみ ブログ: happysbk.exblog.jp)

 

材料(3人分):

  • グルテンフリーチョコレート…. 100グラム
  • 砂糖……………………………..50グラム
  • 牛乳…………………………………30cc
  • 有塩バター……………………50グラム
  • 卵………………………………………….2個
  • 米粉……………………………..40グラム
  • ココア………………………….20グラム
  • ベーキングパウダー… 小さじ1 / 2
  • クルミ………………………….60グラム

作り方:

  1. 米粉、ココア、ベーキングパウダーを一緒に振るっておく。
  2. 卵焼き器にオーブン用クッキングシートを敷いておく。
  3. グルテンフリーチョコレートと有塩バターを大きめの耐熱容器に入れ、湯せんで溶かす。
  4. そこに砂糖、牛乳、卵を入れて軽く混ぜる。※混ぜ過ぎに注意
  5. さらに①を加えてさっと混ぜる。
  6. クルミを加える。
  7. ②の卵焼き器に生地を流し入れる。ふたをして、とろ火(火が強いと底が焦げる)でじっくり20~30分ほど蒸し焼きにする。

 

レシピを連載してくれている、田中せつこさんのおいしいペイストリーは以下のお店で購入できます。

せつこペイストリー(Modern Japanese Cuisine内)
☎206-816-0348 setsuko.pastry@gmail.com ウェブサイト
無着色、無添加にこだわった完全オーダー制の人気お菓子店。やさしい甘さのいちごのバースデー ケーキがいちばん人気のほか、抹茶のロールケーキはANA成田―シアトル路線でビジネスクラスの デザートに採用されたこともある。オーダーはメール、または電話にて引き渡しの3日まで受付。商品の引き渡しはもだんの営業時間内に、もだん店内にて。

Modern Japanese Cuisine もだん
6108 Phinney Ave. N., Seattle, WA 98103
☎206-420-4088 ウェブサイト
2015年にオープンした居心地の良い日本料理店。どこかほっとする照り焼き定食やカレーに加え、せつこペイス トリー自慢のデザートまで楽しむことができる。

サーモンの紙包み焼きレモンタイム風味

魚のホイル焼きを「紙包み焼き」にするだけで、なぜかオシャレになる一品です。紙で包んで焼くと熱の伝わり方がじんわりになるためか、とてもふんわりとした仕上がりになります。ハーブは普通のタイムでも良いですが、できればレモンの香りがする「レモンタイム」がベストです。しおちゃんはレモンの香りがしようと、ジンジャーの香りがしようと、「サーモンのかおりがします!」とばかりに食卓に飛んで来ます。

Photo by しんコロ

材料(4人分):

  • ハサーモン………………………………..4 切れ
  • ショウガ(千切り)……………….大さじ1
  • レモンタイム………………… 10 〜15 本
  • エクストラバージンオリーブオイル…..大さじ2
  • レモンゼスト……………………………適宜
  • レモンスライス………………………..適宜
  • 白ワイン…………………………….大さじ1
  • 塩・コショウ……………………………..適宜

作り方:

  1. サーモンは冷蔵庫から出し、室温で30分ほど置く。オーブンを400度に予熱する。長めに切ったパーチメントペーパーをオーブントレイに広げ、半分のスペースを使ってサーモンを並べる。
  2. サーモンに塩・コショウでしっかりと下味を付け、ショウガの千切りとレモンタイム、オリーブオイルを振りかけ、なじませる。そのまま15分ほど置く。
  3. オーブンに入れる直前にレモンゼスト、レモンスライス、白ワインを振りかける。
  4. パーチメントペーパーを2つ折りにするようにサーモンに被せ、折り重なった端を小さく折り込んで包む。トレイごとオーブンに入れて、約15分焼いたら出来上がり。

「驚きを表わす表現集」

 

AIによって変わる世界

┃ AIによって変わる世界

『AIが変えるお金の未来』
坂井隆之・宮川裕章
+毎日新聞フィンテック取材班(文春新書)

フィンテックの最先端を取材し、その将来を展望するのが『AIが変えるお金の未来』(坂井隆之・宮川裕章+毎日新聞フィンテック取材班著 、文春新書)。フィンテックとは最新の金融とITが結び付いて生まれた、新たな技術革新を表す造語だ。フィンテックは単に新しい金融サービスを生み出すだけではなく、社会のあり方にも変化を及ぼそうとしている点が重要だという。

銀行や保険会社はビジネスモデルの変革を余儀なくされている。AIが顧客の信用力を分析し、スコアによって融資の金利が変わるサービスも始まっている。こうしたサービスでは顧客自身の個人情報そのものが価値を持つことになる。フィンテックの利便性と、その代償となるさまざまなリスクについても検討する。

中国政府が、ビッグデータで国民ひとりひとりの生活を監視していることはよく知られている。顔面を認識できる精密な防犯カメラが全土津々浦々に設営され、SNSの監視も徹底。共産党の脅威となる人物は徹底的にマークされている。『AI監視社会・中国の恐怖』(宮崎正弘著、PHP新書)の著者は、習 近平国家主席を「デジタル皇帝」と呼び、中国は、「人類未踏のデジタル全体主義国家と
なった」としている。

中国が目指すのは、ジョージ・オーウェルが1949年に発表した近未来小説『1984』で描いた、謎の独裁者「ビッグブラザー」が支配する世界のようだ。凄まじいスピードで進化するAIは「フェイクニュース」を発信する能力を持ち、政府が莫大な投資をして進めるAIロボットの開発が行き着くところは、AI搭載兵器である。一方で日本のデジタル社会での「あまりに平和ボケしている」無策ぶり、とりわけサイバー危機への対応の遅さが浮き彫りになっている。

『フェイクニュース』
新しい戦略的戦争兵器
一田和樹(角川新書)

『フェイクニュース/新しい戦略的戦争兵器』(一田和樹著、角川新書)の著者はサイバー関連企業の経営に携わった後、サイバーミステリーを中心に小説の執筆活動を始めたという人物。「フェイクニュース」と言えば、これまで語られてきたのは、「ネット上での捏造されて拡散されたニュースや情報」であり、これに対してはしかるべき機関が「ファクトチェック」を行って真偽判定をする必要や、個人の情報リテラシーを上げることの重要性が言われてきた。

本書で紹介される「フェイクニュース」とは、もっと大規模なものだ。「組織的に世論操作を仕掛けるために広い範囲で大規模に行われるフェイクニュース」。つまり、今や国を挙げて、フェイクニュースを使ったネット世論操作に取り組んでいるのだという。日本もその例外ではない。フェイクニュース=ネット世論操作は、兵器を用いた以外の戦争、「ハイブリッド戦」の枠組みで考える必要がある。ファクトチェック組織を置く、事業者が管理を厳しくする、そういったことで解決できる話ではない。フェイクニュースやネット世論操作は、世界で起きている大きな変化の兆しでしかない、著者はそう警告している。

 

┃ ファーウェイ事件は序章? 緊張感を増す米中関係

『習近平と米中衝突』
「中華帝国」2021年の野望
近藤大介(NHK出版新書)

『習近平と米中衝突/「中華帝国」2021年の野望』(近藤大介著、NHK出版新書)と『暴走トランプと独裁の習近平に、どう立ち向かうか?』(細川昌彦著、光文社新書)はいずれも、トランプ大統領と習 近平国家主席による米中衝突について予測し、日本のとるべき道を考察している。

『習近平と米中衝突』の著者、近藤氏は、「貿易戦争→先端技術覇権戦争→軍事衝突」へと米中関係がエスカレートしていくのかどうか注視すべき、と指摘している。おそらく2019年夏、中国通信大手企業のファーウェイが5Gスマホを発売する頃が分岐点になるのではないかと著者は予測しているが、本書の刊行後、2018年12月1日に、ファーウェイのCFOがアメリカの指示によりカナダで逮捕されるという事件が起きている。トランプ政権がまずは「ファーウェイ潰し」に全力を挙げてきていることは間違いなさそうだ。

米中関係の緊張がその次の段階「新冷戦」に進むかどうか、緊張の行方を読み解くために、読んでおきたい2冊である。

※2018年11月刊行から(次号につづく)

 

公邸料理人 益子竜一さん

シアトル駐在日誌

アメリカでの仕事や生活には、日本と違った苦労や喜び、発見が多いもの。日本からシアトルに駐在して働く人たちに、そんな日常や裏話をつづってもらうリレー連載。

取材・文:磯野愛

スラリと背が高く、真っすぐな眼差しが素敵な益子竜一さん

益子竜一■東京都出身。2017年より山田洋一郎総領事の着任に伴って、シアトル駐在となる。公邸料理人として、在シアトル日本国総領事館、総領事公邸のキッチンを一手に担う。

高校生の時から料理人になることを決めていたので、卒業後は調理師専門学校に進学。最初の勤務先はホテルオークラ東京で、フレンチに軸足を置きながらメインダイニングと宴会調理で5年間の修行を積みました。24時間365日休みのないホテルでは、早朝から時には深夜までの勤務となり、大変厳しいものでした。

ワークライフバランスを整えたいという気持ちから、新たな職場に選んだのは、広尾にあるホテルニュー山王。実はちょっと変わっていて、米軍関係者専用のホテルなんです。いわば、そこは小さなアメリカでした。従業員は多国籍で、厳しい上下関係はほとんどありません。そのうえ、副業もOK。さまざまなレストラン業態を勉強したいと思っていた私は、この間に副業として、イタリアン・レストランやバーなど4カ所の飲食店とかけ持ちしながらホテルで働いていました。必然的に英語が身に付く職場環境のおかげで、広く世界を見てみたいという思いを強く抱くようになり、公邸料理人への応募を決めました。

公邸料理人は、国や地域といった「勤務地」に付くのではなく、大使や総領事といった「人」に付きます。つまり、私の上司は山田洋一郎シアトル総領事です。日本で、山田総領事による面接と、実際の調理、試食に無事合格して、シアトルへの赴任が決まりました。公邸料理人の仕事をひと言で表すと、在シアトル日本国総領事館、総領事公邸で振る舞われる全食事の準備です。領事館主催で行われる食事会は大小さまざま。60名から時には100名を超える大きなパーティーが2週間に1回程度、そして10名前後の会食などが週に複数回、ランチやディナー共に開催されます。メニューを決めるところから仕入れ、仕込み、当日の調理、そして予算管理までの一連の作業をひとりで行います。

フレンチと和のコラボレーション。季節感、会食目的などを考慮しながらメニューを構成する

買い出しも自分で行きます。総領事公邸はクイーンアンにあるので近隣の店を利用したり、宇和島屋やコストコで調達したりもします。やはり、いちばんの苦労はメニューの考案です。ゲストは国籍もバックグラウンドもいろいろ。当然味覚も違いますし、またベジタリアンやビーガン、コーシャなどさまざまな食文化を持つゲストがいます。人数や会食の目的に合わせ、自分のベースであるフレンチを生かしながら、和の要素も取り入れるようにしています。基本的にたったひとりで業務をこなしているので、時には困ったり迷ったりもしますが、別の国で勤務する公邸料理人の仲間と情報交換をして、悩みを共有することでお互いを元気づけ合っています。

妻の愛さん・長男の成くんと

妻の愛(まな)と、1歳の長男・成(じょう)の3人家族で、私たちも総領事公邸の敷地に住んでいます。愛とは小学校のクラスメートで、14年ぶりにフェイスブックを通じて再会し、結婚しました。休日には趣味のバスケットボールやサッカーに出かけたり、家族でドライブや買い物に行ったりもします。ありがたいことに、日本人の友だちにとても恵まれていて、友人宅でパーティーをすることも多いですね。むしろアメリカに来てからほとんど英語を使わなくなってしまい、残念ながら英語の上達は望めそうにありません。ゆくゆくは日本で自分のレストランを持ちたいと考えています。シアトル総領事館はシアトルにおける日本の顔。ゲストにとって最高の思い出となるべく、おいしい食事でサポートできるように、これからも頑張ります。

すぎのこ幼稚園・保育園に聞く:アメリカで子どもの日本語教育を続けるにはどうしたら良いでしょうか?

シアトル近郊の専門家たちが、悩み多きバイリンガル子育てについて回答。子どもと楽しむ、子育てのヒント。

 

今回のテーマ
アメリカで子どもの日本語教育を続けるにはどうしたら良いでしょうか?
 
子どもの遊び心を大切にしながら、「わが家の日本語教育法」を見つけましょう。

アメリカ生活の中で子どもの日本語教育を進めるには、「細く・長く・楽しく」が大前提。日本語教育は一時の頑張りではなく、日々の積み重ねです。特に幼児期のさまざまな経験が、子どものアイデンティティー形成や意欲、自己肯定感にもつながります。「日本が大好き」「日本人であることは誇らしい」という気持ちは、子どもが日本語を学ぶモチベーションとなり、無理なくバイリンガル子育てを続けるコツだと考えます。

子どもに日本を好きになってもらうには、子どもの遊び心を大切にしましょう。当園で実践している例を紹介します。教室では、節分に豆まき、お月見にだんご作りなど、四季折々の日本の伝統行事を体験したり、日本語の早口言葉をラップ調で言い合うアクティビティーを行ったりしています。外遊びでは、缶蹴り鬼、かごめかごめ、だるまさんが転んだ、雨の日にはフルーツバスケットなど、日本の子どもたちになじみのある遊びを取り入れています。

とはいえ、アメリカで生活しているため、日本語より英語を話しがちな子どももいます。その場合、英語を話すことが悪いと認識させるのではなく、モノリンガル(1言語のみ話す人)よりもバイリンガルになることのメリットを話します。また、「大好きなお母さん(または、お父さん)が生まれ育った大事な国の言葉を、せっかくすぎのこにいる間は使おうね」と、叱るよりも励ますことに焦点を合わせています。

日本語を維持して欲しいという思いは、同じ親として十分理解できます。私がアメリカで幼児教育を学び始めた頃の、ある教授の言葉が今も胸に残っています。「アメリカはいろんな国の人々が集結し、生活をしている国で、いろんな文化が入り混じっている。たとえ同じアメリカ人でも、多種多様なバックグラウンドや価値観、習慣がある。家族単位でカルチャーが異なる。各家族がそれぞれの文化を確立することが、これからの時代は必須になる」。みんな持って生まれた性格や得意・不得意分野が違いますよね。同じ日本人でも、家庭によって育児方法や習慣、考えが十人十色あって良いはず。「こうでなければならない」という呪縛をまず解き放ってください。

次に、本来子どもが持っている「知りたがる本能」をうまく活用しましょう。「ポケモンが好き」という子どもにポケモン図鑑を与えると、自然とカタカナを読めるようになっています。私も8歳から15歳までアメリカで過ごしましたが、日本の少女漫画が大好きで、漫画をたくさん読んで日本語を維持していました。時には自分で漫画を描いて、姉とお互い見せ合うなど、とにかく日本的なものに夢中でした。娘は大好きな「サザエさん」から日本の伝統行事を教わりました(笑)。家族の誕生日には、日本語で1年の抱負を言うことも、わが家のしきたりとなっています。

日本語のレシピを見ながら日本食を一緒に作る、お正月のかるた大会、日本語のしりとりや人生ゲーム、親子で日本語の交換日記など。子どもの興味や楽しい工夫を利用して、家庭のニーズやカラーに合った「〇〇家の日本語教育法」をぜひ見つけてみてください。子どもの日本語向上と共に、家族仲も深まること間違いなし。一石二鳥ですね。子育てに正解不正解はありません。胸を張って「これがわが家のスタイル!」と、楽しんでください。

 

教えてくれたのは

すぎのこ幼稚園・保育園
鹿取しおんさん
すぎのこ幼稚園・保育園創立メンバーのひとり。自身の帰国子女経験を生かし、アメリカの幼児教育機関で約27年の経験を持つ。バイリンガルの一男一女を育てる母でもある。まるで日本の幼稚園にいるかのような雰囲気づくりを心がけながら、日本の流行や行事を取り入れ、子どもたちが協調性や国際人らしい自己主張の仕方を身に付けられるようサポートする。

■Suginoko School
幼稚園:11431 NE. 20th St., Bellevue, WA 98004 
☎425-401-8839
保育園:11501 NE. 20th St., Bellevue, WA 98004 
☎425-462-5426
学校ウェブサイト

 

ポンデケージョ

ポンデケージョ
今月は、ブラジル発祥の柔らかいチーズパン、「ポンデケージョ」のレシピです。
グルテンフリーなので小麦粉アレルギーの方も安心です。
(イラスト:かとうはつみ ブログ: happysbk.exblog.jp)

 

材料(18~20個分):

  • タピオカ粉………………… 170グラム
  • 米粉……………………………..30グラム
  • 砂糖……………………………..30グラム
  • 塩…………………………………………少々
  • 水…………………………………….200cc
  • アボカドオイル………………….. 20cc
  • 卵………………………………………….1個
  • 黒ゴマ………………………………….適量
  • パルメザンチーズ………………….適量

作り方:

  1. オーブンを360度に予熱する。
  2. 卵、黒ゴマ、パルメザンチーズ以外の材料を全てフライパンに入れて、加熱しながら練り混ぜる。
  3. 少し粘りが出てきたら、残りの材料を全て加える。
  4. 形を作れるぐらいの粘りが出たら火を止める。
  5. 手に分量外のオイルを塗って、生地をひと口大のボールサイズに丸める。
  6. オーブンで15分ほど焼いて出来上がり。

 

レシピを連載してくれている、田中せつこさんのおいしいペイストリーは以下のお店で購入できます。

せつこペイストリー(Modern Japanese Cuisine内)
☎206-816-0348 setsuko.pastry@gmail.com ウェブサイト
無着色、無添加にこだわった完全オーダー制の人気お菓子店。やさしい甘さのいちごのバースデー ケーキがいちばん人気のほか、抹茶のロールケーキはANA成田―シアトル路線でビジネスクラスの デザートに採用されたこともある。オーダーはメール、または電話にて引き渡しの3日まで受付。商品の引き渡しはもだんの営業時間内に、もだん店内にて。

Modern Japanese Cuisine もだん
6108 Phinney Ave. N., Seattle, WA 98103
☎206-420-4088 ウェブサイト
2015年にオープンした居心地の良い日本料理店。どこかほっとする照り焼き定食やカレーに加え、せつこペイス トリー自慢のデザートまで楽しむことができる。

外国人が見た日本、日本人の自意識

┃ 外国人が見た日本、日本人の自意識

『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』
J・ウォーリー・ヒギンズ(光文社新書)

『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』(J・ウォーリー・ヒギンズ著、光文社新書)は、新書サイズではもったいないほどの、贅沢で濃密な写真集である。著者のヒギンズ氏は1927年生まれのアメリカ人で、鉄道写真家として「鉄道ファン」の間では有名人の、いわば元祖「撮り鉄」。駐留米軍軍属として来日後は、国鉄の国際部門に所属し、90代の今なお現役でJR東日本の顧問を務めているという。

ここにまとめられた昭和30年代の382枚の写真は、全国津々浦々で撮影された6,000枚以上の写真から選りすぐられたもの。当時としては大変に贅沢品だったため、日本ではほとんど使われていなかったカラーフィルムで色鮮やかに残されている。友人の影響で興味を持つようになったという路面電車や、当時まだかろうじて現役だった蒸気機関車に夢中になる、著者自身の影も見え隠れするようだ。

『外国人が見た日本/「誤解」と「再発見」の観光150年史』(内田宗治著、中公新書)は、明治から現代まで、外国人観光客が見てきたもの、日本人が見せようとしてきたものの変遷をたどる。

日本の魅力とは何か、外国人観光客は何を求めて日本にやって来るのか。日本人にとっては「なぜそこが?」と意外に思うほど知られていないような場所にも、外国人に人気のスポットがあることを紹介し、現在の観光事情やその課題点にも触れていく。

『「武国」日本/自国意識とその罠』(佐伯真一著、平凡社新書)は、日本は「サムライの国」である、という自国意識について検討している。現代の私たちは、日本を「平和的で、穏健な、おとなしい国である」と感じている人が多いのではないかという。その一方で、男子サッカーの代表チームを「サムライ・ブルー」と呼ぶように、戦国時代や江戸時代の武士を描く大河ドラマが人気を集めるように、「サムライの国」という自国意識も持っている。私たちが「伝統」と思っているものは、古来の伝統なのだろうか。自国意識はどう育てられてきたのか、という変遷をたどっていく。

 

┃「パパ活」とは?

『パパ活の社会学』
援助交際、愛人契約と何が違う?
坂爪真吾(光文社新書)

毎月刊行される新書のタイトルから、耳にしたことがない「新語」や、今流行しつつある新しい社会現象を知ることも多い。最近の例では、『パパ活の社会学/援助交際、愛人契約と何が違う?』(坂爪真吾著、光文社新書)にある、「パパ活」という言葉である。パパ活とは、「若い女性が年上の男性とデートをして、その見返りに金銭的な援助を受けること」だという。多くの人は本書のタイトル通り、「昔流行した、愛人バンクや援助交際と何が違うのか?」と疑問に思うのではないだろうか。

男性のほうが10歳~20歳ほど年上というように、パパ活を成立させている要因は、男女間の経済格差と精神年齢の格差である。不安定な仕事にしか就けない若年女性のセーフティーネットになり得るのか。男女それぞれの意見を紹介する。同じ著者による『「身体を売る彼女たち」の事情/自立と依存の性風俗』(坂爪真吾著、ちくま新書)は、性風俗で働く女性たちの抱える課題と悩みを切り口に、現代の若者たちが広く共通して抱えている問題を明らかにしている。著者は、風俗業界で働く女性たちに向けた、無料の生活相談、法律相談事業にも取り組んでいる。さまざまな事情から「昼間の仕事」に就けない、就かない女性たちだが、生活保護などの社会的支援を受けるよりも、搾取されることの多い「身体を売る」働き方のほうを選ぶ、というのはなぜなのか。一見不合理な選択に見えても、「プライベートに踏み込まれたくない」といった、彼女たちなりの合理的な選択の結果によって「生活保護を選ばない」ことが多い、と指摘している。

『ペットと葬式』
日本人の供養心をさぐる
鵜飼秀徳(朝日新書)

『ペットと葬式/日本人の供養心をさぐる』(鵜飼秀徳著、朝日新書)は、葬儀や墓など、従来のしきたりや形式にとらわれず葬祭が簡素化していく風潮の昨今、一方で盛んになって来ているペット向けの葬祭ビジネスと、それらが求められる背景を分析する。従来、「犬猫(畜生)は人間とは別」と一線を引いて来た仏教界だが、時代の求めに伴いペットの供養についても柔軟に対応しようとしている。ペットの供養のみならず、人形やペットロボット、針などの身近な道具まで、生物でも非生物でも、魂が宿るとされてきたあらゆるものを「供養」してきた日本人独特の文化について考えていく。今、供養と呼ばれているもののほとんどは本来の意味の「供養」というよりは、イベントに過ぎないのではないか、という指摘も興味深い。

※2018年10月刊行から

 

2018年の歯科の話題を振り返る

健康な歯でスマイルライフ

日本では北海道医療大学歯学部で博士号を取得。米国でもロマリンダ大学歯学部を卒業し、2005年にPAN-PACIFIC DENTISTRY(パンパシフィック歯科医院)を開業した中出修先生に、アメリカで生活する日本人へ向けて歯や口腔について、説明していただきます

2018年の歯科の話題を振り返る

新年明けましておめでとうございます。2018年、皆さんの歯の調子はいかがでしたでしょうか? 今回はいくつかの歯科の話題について書いていきたいと思います。

赤毛のアンを麻酔するのは難しい?(Anesthesiology 101:279-283, 2004)

これは新しい話題でもないのですが、筆者自身が最近知った事実です。麻酔の効き方に関しましては個人差がかなりあり、大酒飲みの方などは歯科の麻酔も効きづらいというのは、このコラムでも以前に取り上げました。大酒飲み以外でも、麻酔が効きづらい患者さんは、経験上います。

この研究は、今から14年以上も前に論文になったのですが、とても興味深い内容です。日本人にはあまり関係ないかもしれませんが、赤毛の方は麻酔が効きづらいというものです。

カギとなるのは遺伝子の型のようで、赤毛の方以外でも、ある種の遺伝子の型を持っていると麻酔が効きづらい可能性があるということを示唆しているかもしれません。昔から麻酔科医は経験上、赤毛の人を麻酔するのは難しいと感じていたそうです。それが、この研究で証明されたわけです。

この研究では、健康な女性を赤毛(Bright red)と濃い髪(Dark)で10人ずつのグループに分け、電気刺激に対する反応を基に、ガス全身麻酔の効きやすさを比較しました。その結果、赤毛のグループでは、麻酔が効くまでに平均20%も多くのガスが必要なことがわかりました。この差は統計学上でも有意な差として認められたということです。また、10人の赤毛を持つ女性のうち、9人で1型メラノコルチン受容体の遺伝子に変異が見られました。

子どもにとって最初の乳歯が抜けるのはポジテイブな経験

2018年に行われた、スイスのチューリッヒ大学での研究。子どもが最初に歯が抜けるのは6歳前後ですが、その時の感情は、怖い、恥ずかしい、ハッピー、誇りに思うなどさまざまです。

この研究では、1,300人もの最初の歯が抜けた子どもの両親を対象に、子どもの心理状態について調査しました。その結果、80%の両親から、子どもがポジテイブな感情を持ったとの結果を得ました。わずか20%の子どものみがネガテイブな感情を抱いたようです。このような研究はこれまであまりなく、とても興味深い結果が得られたと言えるでしょう。

まとめ

2018年を振り返って2つの話題について今回は書いてみました。2019年もいろいろな歯科の話題を提供させていただけたらと思っております。今後ともよろしくお願いします。

ハスキーズが18年ぶりに ローズボウルへ!

スタジアムの名称もローズボウル。米スポーツファンの行きたい場所リストに名が挙がる

早いもので、大学アメフトではボウルゲームのシーズン到来です。全米ランキング6位で開幕し、プレーオフ出場が期待されていたワシントン大学は予想外の黒星を喫し、レギュラーシーズンを9勝3敗で終了。全米で4チームのみが選出されるプレーオフは逃したものの、2年ぶりのPac-12優勝でローズボウル出場が決定しました。元日にはBig10覇者のオハイオ州立大学と対戦します。

12月中旬から1月上旬にかけて40試合もが組まれるボウルゲームは、レギュラーシーズンで好成績を収めたチームが出場招待されるご褒美的な試合。数あるボウルゲームの中でもローズ、シュガー、オレンジ、コットン、フィエスタ、ピーチの6大ボウルは別格で、3年交代で2つがプレーオフ準決勝に指定されます。その中でも、「The Granddaddy of Them All」と呼ばれるローズボウルは最古の歴史を誇り、2019年で第105回を迎える伝統の一戦です。

マーチングバンドの演奏も楽しみな大学アメフト。特に対戦相手、オハイオ州立大学の演奏パフォーマンスは必見

プレーオフ準決勝指定年以外はPac-12とBig10の覇者が対決するこのローズボウルに、ワシントン大学が出場するのは18年ぶりです。ワシントン大学は2016年にもPac-12で優勝したのですが、その年はプレーオフに選ばれ、ピーチボウルに出場し、アラバマ大学に完敗。ローズボウルがプレーオフ準決勝になった昨季はプレーオフに選ばれず、フィエスタボウルでペンシルベニア州立大学に惜敗。それでも、1年生時から先発出場し、チームを3年連続で6大ボウルゲームへ導いたクオーターバックのジェイク・ブラウニング選手やランニングバックのマイルス・ギャスキン選手は大したもの。大学選手として最後の最後に踏めることになったローズボウルの舞台では、ぜひ有終の美を飾って欲しいものです。

ファンと写真撮影するランニングバックのマイルス・ギャスキン選手

ローズボウルは試合前にパサデナの街を練り歩くパレードでも有名です。色とりどりの花で飾り尽くされたフロート(山車)が次から次へと現れる光景はまさに圧巻。それだけでも一見の価値があります。ローズボウル出場2校のフロートも応援歌を流しながら登場。スタジアムへ向かう途中、パレード見物に立ち寄るファンの気持ちを駆り立てます。ロサンゼルス周辺は空港もホテルの数も多く非常に便利。シアトルからも大勢が駆けつけるはずで、中立地での試合ながら大勢のUWファンに囲まれた楽しい観戦になること間違いなし。年末年始のプチ旅行にいかがでしょう?

見るだけで楽しいローズパレードのフロート

さて、このコラムは今回で最終回となります。7年間、私の拙い文章を読んでいただき、ありがとうございました。少しでもシアトルの皆さんのスポーツ観戦のお役に立てたなら幸いです。

Photos by Misa Kanaoka

ヒスパニック系だけではない「不法移民」

┃ ヒスパニック系だけではない「不法移民」

『移民国家アメリカの歴史』
(貴堂嘉之著、岩波新書)

『移民国家アメリカの歴史』(貴堂嘉之著、岩波新書)では、そもそも「移民国家とは?」という原点に戻り、アメリカの歴史を移民から読み解く。本書で著者は特に「包括」と「排除」の両方の歴史を持つ、日系人を含むアジア系移民に着目している。戦後のアジア系移民は、全体としてはそれまでの偏見を克服し、社会的成功を勝ち取った成功者も多い。

もちろんアジア系アメリカ人の全てが成功者と言うのには無理がある。「不法移民」はヒスパニック系だけではなく、その1割ほどはアジア系が占めている事実をまずは確認しておくべきだ、と著者は記している。

『ルポ 不法移民とトランプの闘い』
1100万人が潜む見えないアメリカ
(田原徳容著、光文社新書)

読売新聞ロサンゼルス特派員による『ルポ 不法移民とトランプの闘い/1100万人が潜む見えないアメリカ』(田原徳容著、光文社新書)は、現在のアメリカのルポ。トランプ大統領の就任後、強制送還、入国制限の実施で「不法移民」に対する圧力が強まっている。著者は、南のメキシコ国境、北のカナダ国境を取材し、そこに集まる人々の声を聞き取る。日系人強制収容の悲劇の歴史が、75年目の今どう語り継がれているか。トランプの大統領令を「75年前の歴史の再来」と警戒し、差別的対応を改めさせようという声の中心に、多くの日系アメリカ人たちがいることを示唆している。

『限界の現代史/イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序』(内藤正典著、集英社新書)は、第二次世界大戦後、かろうじて世界を安定させてきたシステムと秩序の「限界」が来ている現状を、歴史と地理の両面から解説していく。

┃ 懸念される健康格差の拡大

環境により健康寿命が違う、いわゆる健康格差の拡大が明らかになりつつある。その差は、本人の努力だけでなく、社会環境の影響や、子ども時代の貧困も大きな影響を及ぼしていることもある。『長生きできる町』(近藤克則著、角川新書)の著者は医師。予防医学の視点から、健康格差を拡大させないために必要なまちづくり、「暮らしているだけで長生きできるまち」の実現に向け、さまざまな対策を提唱する。

『健康長寿は靴で決まる』
(かじやますみこ著、文春新書)

超高齢社会に向け、健康長寿を延ばすために老若男女誰もが手軽に取り組めるのが「歩く」こと。しかし、足に合わない靴を履いて歩くと、健康寿命を延ばすどころか逆に縮めることにもなりかねない、と警鐘を鳴らすのが『健康長寿は靴で決まる』(かじやますみこ著、文春新書)である。足に合わない靴を長年履いていると、骨格の崩れやひずみが足だけでなく腰や膝、股関節の負担となり、高齢になるにつれ歩行や日常生活にも支障が出てくる。糖尿病を患っている人には、靴ずれをきっかけに足の潰瘍や壊死、下肢切断につながるリスクもある。

3D計測による足型の作成、在庫を持たないネット販売、特注のソールなどで、個々の足にフィットした靴を、手に届く価格で販売することは不可能ではないはず。大量に製造して安く売る(多くは破棄される)という、これまでの靴業界のビジネスも大きく変えていく時代なのでは、としている。

『ビンボーでも楽しい定年後』(森永卓郎著、中公新書ラクレ)の著者は、昨年還暦を迎えた。中学・高校の同級生が一斉に定年を迎える年になると、現役時代と比べ所得格差が一気に拡大しているのを実感しているという。こうした定年後格差が今後いっそう広がると予想される中、「年金の範囲内」で生活する術をどう整えていくか、お金がなくても楽しめる生きがいをどう見つけていくか、具体的な提案をしていく。著者が『年収300万円時代を生き抜く経済学』を刊行してベストセラーになったのは2003年。あれから15年、著者の予測は当たるどころか、年収300万円もあれば、「ビンボー」とは見なされない時代にすでになっているのである。

『100 万円で家を買い、週3 日働く』(三浦 展著、光文社新書)は、さらに若い世代の「お金をかけずに豊かで幸せな生活を実践」しようとする人々の事例。著者は2005年に刊行した『下流社会/新たな階層集団の出現』で、「1億総中流社会」はじきに消滅し、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、いずれもが低い「下流」層が日本でも増えていることをさまざまなデータから示して大きな反響を呼んだ。本書では、モノや土地の所有にこだわらず、地位やカネだけに価値を見出すのではない、新しい層の若者たちの価値観や彼らの生活に目を向けている。

※2018年10月刊行から

 

ドミトリのオリビア・サラダ

寒い季節になりましたね。というわけで、今回は寒い国の料理です。ロシア人の友人、ドミトリの作るロシアン・サラダがとてもおいしかったのでレシピを教わって来ました。ポイントはロシア製マヨネーズを使うこと。脂肪分がなんと60 %以上と非常に高いのですが、酸味が少なくクリーミーです。ピクルスもロシア製だと甘めでまろやか。ロシア食材はRussianTable.comなど、オンラインでも手に入ります。しおちゃんのキャットフードにもイングリッシュピーが入っていますが、いつも上手に避けて残します。

Photo by しんコロ

材料(4人分):

  • ハム(塊)…………………..3 / 4 パウンド
  • ロシアン・ピクルス…………….. 6 ~ 8 本
  • イングリッシュピー(鞘なし)….1 カップ
  • リンゴ……………………………….. 1 / 2 個
  • 紫玉ネギ……………………………. 1 / 4 個
  • ロシアン・マヨネーズ………….大さじ5
  • ゆで卵……………………………………… 5 個
  • 塩・コショウ……………………………..適宜

作り方:

  1. イングリッシュピーはゆでて粗熱を取り、ボウルに入れる。ロシア産の水煮を使う場合は水気をよく切ること。
  2. ハム、ピクルス、リンゴ、紫玉ネギを5ミリ角程度に切って①に加える。
  3. ロシアン・マヨネーズを加え、よく混ぜる。
  4. 刻んだゆで卵を③に加えて軽く混ぜ、塩・コショウで味を調節する。